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琉球新報 (琉球)


大田元知事県民葬/差別犠牲へ抗う
2017.07.27 琉球新報朝刊 33頁 社会 1版 写図表有 (全1,786字) 
 26日に宜野湾市の沖縄コンベンションセンターで行われた元県知事の大田昌秀さんの県民葬は、政界や経済界、琉球大時代の教え子、同僚だった研究者ら約2千人が参列して大田さんの功績をたたえ、冥福を祈った。友人代表としてあいさつした元副知事の比嘉幹郎さんが「県民に対するいかなる差別や犠牲の強要にも反対する」と大田さんの思いを代弁した際、出席者から大きな拍手に包まれた。会場は安倍晋三首相が出席する中、沖縄の過重な基地負担の軽減・解消を願う雰囲気に包まれた。(1面に関連)
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平和な沖縄新たに/比嘉幹郎さん、涙の決意
 「大田さんを敬愛する私どもはご遺志を尊重して、今後とも県民に対するいかなる差別や犠牲の強要にも反対し、世界の恒久平和と沖縄県の発展のために頑張ることを誓います」 大田さんと60年の交友を重ねてきた元副知事の比嘉幹郎さん(86)の決意に呼応するように、参列者から大きな拍手が湧き起こった。 凄惨(せいさん)な地上戦体験を原点に平和を訴え続けた大田さんの遺志を受け継いだ比嘉さんの決意に参列者の共感が広がった。大田さんを悼む場が、沖縄を取り巻く不条理に抗(あらが)い、平和を希求する県民の決意を発信する場となった瞬間だった。 大田さんが好んだ洋酒のソーダ割りを飲み交わした若き日を振り返り「夜の那覇市内を歩き回れないと思うと寂しくてならない」と語ったとき、比嘉さんは嗚咽(おえつ)をこらえることができず、声を震わせた。会場の参列者も涙を拭い、大田さんをしのんだ。 「これでお別れだと思うと非常にさみしい。もっとお付き合いをしたかった」。会場を出た比嘉さんの表情は悲しげだった。しかし、追悼の辞では思いの丈を込めたつもりだ。「言うべきことは言った。大田さんの気持ちを代弁した。参列した方々も同じ思いだったのではないか」と語る。 友との永遠の別れの言葉で沖縄の決意を明確に表明した。「沖縄の人々は事大主義であってはいけない。差別と犠牲の鎖を切らなければならない」と比嘉さんははっきりとした口調で語り、大田さんと語り合った平和な沖縄への思いを新たにしていた。
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「先輩の遺志継ぐ」/古堅実吉さん 思い強く
 大田昌秀さんと同じ沖縄師範学校在学中に鉄血勤皇隊として沖縄戦に動員された元衆院議員の古堅実吉さん(88)も県民葬に参列した。古堅さんは「師範学校にいた先生、仲間たちの多くが亡くなった。仲間たちのためにもと、最期まで平和な世の中をつくろうと力を尽くした大田さんの思いを継いでいきたい」と静かに話し、大田さんの遺影に手を合わせた。 大田さんの3期後輩だった古堅さんによると、大田さんは師範学校で学業優秀で、目立つ存在だった。鉄血勤皇隊では別の任務を命じられたため、戦時中は大田さんと行動を共にすることはなかったが、戦後は何度も面会し、仲間たちを戦場で失った悲しみを共有してきた。こうした思いから2人はほぼ毎年、慰霊の日に糸満市の沖縄師範健児之塔で慰霊祭に参加した。 2016年6月23日、沖縄師範健児之塔での慰霊祭で「戦争を生き延びた者の役割として、沖縄を二度と戦場にしてはいけない」と強調した大田さん。慰霊祭の後、ねぎらいの言葉を掛けた古堅さんに「ここに来るのも今年で最後だな」とつぶやいたという。 古堅さんは「あの言葉がまさか現実になってしまうなんて」としばらく沈黙した後、「『静かにお休みください』と伝えた。生き残った者として、『戦争は絶対に許さない』との思いで生き抜いた先輩の遺志を継ぎたい」と話した。
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平和求めた人生/三男・秀明さん謝辞要旨
 父のために盛大な県民葬を開催してくださり、親族一同感謝している。父は研究者として朝早くから夜遅くまで机に向かい、研究や本の執筆などに没頭していた。分からないことが分かった時の喜び、信念を持って訴えることの大切さを話してくれた。幼少から母親を大事にし、母親思いだった。 父の人生は信じるところに向かって安易に妥協することなく、最後まで平和を求めて生き抜いた人生だった。父は93回目の誕生日に家族や教え子に囲まれて眠るように亡くなった。支えてくれた皆さんに深く感謝していたものと思う。

大田元知事県民葬/平和希求誓う
2017.07.27 琉球新報朝刊 2頁 総2 1版 写図表有 (全3,781字) 
真摯な議論が私の財産/翁長雄志知事 式辞(要旨)
 大田昌秀さんは沖縄師範学校在学中に沖縄戦が始まり、鉄血勤皇隊の一員として沖縄守備軍第32軍に動員された。 過酷な地上戦で、人間が人間でなくなる極限状態を目の当たりにした経験から、琉球大学で教鞭(きょうべん)を執る傍ら、平和への強い情熱をもって、沖縄に関する数々の論文や著作物をまとめられた。 県知事になられてからは、それまでの平和研究の蓄積と成果を県行政に生かすため、「平和・自立・共生」を県政運営の柱に据え、平和行政、米軍基地の整理縮小をはじめ、沖縄が抱える諸問題の解決に心血を注がれた。 中でも、戦争の悲惨さを後世に継承する信念に基づき、国籍を問わず、軍人・民間人の別なく、沖縄戦で命を落とされた全ての方々を追悼するため「平和の礎」を建立された。今では「平和の礎」は平和な世の中を切に願う沖縄の心を世界に発信する、県民にとって大切な場所となった。 そして、沖縄の歴代知事が苦悩し続けてきた米軍基地問題では、沖縄の基地負担の不条理を訴えるため、米軍用地の強制使用にかかる代理署名を拒否するとともに、厳しい姿勢で日米両政府や日本国民に基地問題の解決を求められた。 沖縄の基地負担の軽減が国政の場で取り上げられるようになったのは間違いなく、大田さんの決断によるものだ。 私は大田さんが県知事として重責を担われていた時代、県議会議員として議会で交わした数多くの議論を通して、過酷な沖縄戦を経験された大田さんの、平和に対する並々ならぬ強い思いが私の心の中に重く響いてくるように感じていた。 当時、真摯(しんし)に議論をさせていただいたことは、県知事となった今、大変大きな財産になっている。 われわれ県民は大田昌秀さんが終生貫かれた「平和を愛する共生の心」の理念を受け継ぎ、恒久平和のため、そして未来を担う子や孫が心穏やかに笑顔で暮らせる沖縄を築き上げるため、一丸となって、絶え間ない努力を続けることをお誓い申し上げ、式辞とする。
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沖縄の負担減に全力/安倍晋三首相 追悼の辞(要旨)
 大田昌秀元知事は自身も最も苛烈(かれつ)な地上戦であった沖縄戦を経験され、沖縄の平和、そして世界の平和を追求することに、その生涯をささげられた。 「何よりも平和を大事にし、共生を志向する沖縄の心を世界中に広める」。1995年、県知事時代に建立された「平和の礎」の除幕式で、大田元知事が行われた宣言の中で述べられた言葉だ。国籍や軍人、民間人の区別なく沖縄戦の全戦没者の名を刻んだ「平和の礎」は平和祈念の象徴として訪れる人々の心に平和と共生を訴える場となった。 県知事の8年間は「平和・共生・自立」を柱に、激動の時代に沖縄の基地問題と振興策に精力的に取り組まれた。 特に沖縄の基地負担軽減については、県知事としての立場にとどまらず、戦争の体験者として、また平和を追究する学者として、そして誰よりも沖縄を愛する一人の人として、確固たる決意と熱意を持って取り組まれた。日米両政府による普天間飛行場の全面返還合意や沖縄に関する特別行動委員会の最終取りまとめは歴史的な出来事だった。 沖縄振興においても多大なる功績を残された。沖縄都市モノレールや港湾などのインフラ整備をはじめ、沖縄の発展に欠かせない重要な生活・産業基盤の整備に次々と着手され、現在、県民生活の基盤となっている。 常に県民を思いやり、沖縄の平和追求へ生涯をささげられた大田元知事の姿や信念は人々の胸に永遠に生き続けると信じる。 「戦争の惨禍を決して繰り返さない」という決然たる誓いを貫き、万人が心豊かに暮らせる世の中を実現する。そのことに不断の努力を重ねていくことを改めてお誓い申し上げる。大田元知事が心を砕かれていた沖縄の基地負担の軽減についても政府として引き続き全力を尽くしてまいる。 政府として、沖縄の振興を前に進め、沖縄の明るい未来の構築にできるだけ貢献していくことをお誓いする。沖縄の発展と平和の実現に尽力された大田元知事の遺徳をしのびつつ、改めて心より冥福をお祈りし、追悼の辞とする。
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反戦平和の学者政治家/比嘉幹郎元副知事 追悼の辞(要旨)
 1949年、大田さんが名護の英語学校の先生だったころから気心が合ったせいか私を「ミキ」と呼び親交を深めた。米国留学や琉球大学の同僚としての好誼(こうぎ)や、お互い独身時代における那覇市内での同居生活、東京大学での研修、フルブライト交換教授としてアリゾナ大学への派遣、知事時代、その後も変わらぬ友情と指導など、筆舌に尽くし難い数々の思い出を残していただいた。 大田さん、これまでお供した多くの著名な友人、例えばノーベル賞作家の大江健三郎さんや沖縄をマスメディアで全国にPRしてくれた筑紫哲也さん、ハーバード大学のエズラ・ボーゲル教授、鉄血勤皇隊として九死に一生を得た東江康治名桜大学元学長らと懇談し、楽しく過ごしたことも脳裏に深く刻まれている。もう、2人でステーキやマグロの中トロを食べたり、シーバスリーガル18年もののソーダ割りを飲んだりして夜の那覇を歩き回れないと思うと寂しくてならない。 私なりに先輩を評価させてもらう。大田さんは、悲惨な沖縄戦体験を基に研究に没頭し続けた学者、その成果を踏まえて県庁や国会で沖縄問題解決を目指して政策決定に関与した政治家であり、県立公文書館や平和の礎などを建立し、目に見える形で戦争の愚かさと平和の尊さを訴え続けた反戦平和の使徒だった。 一言で表現すれば「反戦平和の学者政治家」だったと思う。個性的で好き嫌いも激しかったとも言われたが、義理堅く人情味豊かで、特に晩年は寛大で円満な人柄になったように見受けられた。でも、やはり独自の認識や感情、価値観を持った一人の人間であり、性格や思想、実施した政策、大田さんが目標とした100冊ほどの丹念な著作などの評価は今後ともさまざまであり続けるだろう。 しかし、大田さんを敬愛する私どもは遺志を尊重して、今後とも沖縄県民に対するいかなる差別や犠牲の強要にも反対し、世界の恒久平和と沖縄の発展のために頑張ることを誓う。大田さんがよく話していた天国の友人たちと一緒に安らかにお眠りください。
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女性参画に取り組む/古謝景春県市長会会長 追悼の辞
 沖縄の偉大な指導者である大田先生を失ったことは、県民にとって大きな損失だ。沖縄戦の悲惨な体験から研究者となり、住民の視点で沖縄戦とその後の米軍統治時代の実像を明らかにしたことは大きな功績だ。 県知事時代は女性副知事登用や女性総合センター整備など、女性の社会参画に取り組み、大田知事の下で沖縄の女性はますます元気になった。 1995年の米海兵隊員らによる少女暴行事件では、沖縄代表として県民の気持ちに寄り添った。少女の尊厳を守れなかったことを謝りたいと、総決起大会で県民の無念さを代弁した。また沖縄の米軍基地一極集中を全国に問う流れをつくった。 沖縄の今日をつくり上げた功績は県民の心にいつまでも残るだろう。県民は先生の意志を受け継ぎ、新しい沖縄を創造していくことを誓う。
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好調な県経済に尽力/石嶺伝一郎県経済団体会議議長 追悼の辞
 大田氏は県知事時代の8年間、基地問題に加えて沖縄振興にも精力的に取り組んだ。1996年の「国際都市形成構想」は、アジア太平洋地域との連携により自立的発展を目指す沖縄の新機軸となった。「万国津梁」の理念は現在の21世紀ビジョンにつながった。 沖縄都市モノレールの開業にも多大な力を尽くした。本土復帰の72年に検討が始まり、長年の紆余曲折を経て、知事2期目の96年に工事が始まった。県民と市民の願いであった県内初の軌道系公共交通機関の実現に貢献した。 現在の沖縄の好調な経済は、大田氏をはじめとした諸先輩方の尽力によるもので、改めて敬意を表する。県経済の好調さを、子や孫の世代に引き継ぐことができるように、経済界を挙げて全力で取り組んでいきたいと、本日強く決意する。心より哀悼の意を表し、冥福を祈る。
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偉大な足跡を教訓に/新里米吉県議会議長 謝辞
 大田昌秀先生は1990年から県知事を2期8年務め、2001年から6年間、参院議員として国政に参画し、沖縄の振興開発や基地問題の解決に心血を注いだ。過酷な沖縄戦の経験から郷土愛と平和への思いが強く、県政運営の柱に平和、共生、自立を掲げ、平和の礎の建立や普天間基地の全面返還を要求し、政府と基地負担軽減の交渉を重ねるなど多大な実績を残した。今日の発展の基礎をつくった功労者であり、政治を志す者にとって目標になる存在だった。先生の平和を思う深さ、沖縄のために尽くしてきた生涯は県民のよく知るところであり、それ故に多くの県民から慕われている。県は今なお、幾多の困難な問題を抱えている。平和で豊かな島にするためには一層の努力が求められている。先生の偉大な足跡を教訓に県民と共にさらなる全力を尽くす決意を胸に刻む。

大田元知事県民葬/不戦の覚悟固く
2017.07.27 琉球新報朝刊 32頁 2社 1版 写図表有 (全1,534字) 
礎、全県運動で実現/比嘉さん、功績に感謝
 大田県政の時に県職員として平和の礎の建立事業を担当した比嘉博さん(65)も26日、県民葬に参列した。「平和の礎は沖縄戦の実相を伝えるという思いで取り組んだ」と語り、戦争体験を基にした大田昌秀さんが提唱した平和の礎建立を支える取り組みが県民運動的に広がっていった当時を振り返った。 大田さんの指示で平和の礎の建立計画は1992年に始まった。最も困難だったのは犠牲者の把握だった。県は93年12月から市町村を通じて県内全世帯への調査に踏み出す。作業は膨大だった。比嘉さんは「市町村は最初、やりたがっていなかった」と明かす。 しかし、市町村の担当者らは、わがこととして調査に取り組んでいった。県民全てが沖縄戦犠牲者の遺族という事情があった。 今年の「慰霊の日」に糸満市摩文仁の平和祈念公園を訪れた比嘉さんは、平和の礎の前で戦争体験者らから子や孫の世代に犠牲者のことを伝えている場面を目にした。「後世に伝えるのはこういうことかなと思った。平和の礎で沖縄戦の悲惨さを伝えるというのは大きな功績だ」と語り、大田さんをしのんだ。
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亡きいとこの姿聞く/山城さん 大田さんの人柄に涙
 山城宗克さん(72)=与那原町、写真左=は、いとこの平良松秀さんが大田さんと師範学校の同級生だった。平良さんは鉄血勤皇隊に動員されて亡くなったが、いまだに亡くなった場所が分からず、遺骨もない。3年前、大田さんの情報で平良さんの人となりを知ることができた。その感謝を伝えるために参列した。山城さんは「大田さんの遺志を受け継ぎたい」と誓った。 山城さんによると、終戦直後、大田さんは平良さんの実家がある大宜味村まで出向いて線香を上げ、「小禄のがじゃんびらまで一緒だったと友人から聞いた」と伝えたと言う。平良さんの家族はがじゃんびらで石を拾い遺骨代わりにした。 3年前に再び平良さんのことを聞きに大田さんの研究所を訪ねたが、新しい情報はなかった。しかし、大田さんは平良さんの人柄を伝えた。山城さんは「大田さんは戦前に一緒に塩屋のウンガミを見たと思い出話もしてくれた」と振り返り、涙を浮かべた。 山城さんと共に参列した与那嶺盛昭さん(89)=与那原町、写真右=は一中鉄血勤皇隊として動員された。「大田さんは本当に偉大な人。亡くなられたことは本当にさみしい」と死を悔やむ。与那原の道沿いでプラカードを掲げ辺野古移設反対を訴えている山城さんは「安倍政権は大田さんの遺志を無視している。平和のためにわれわれができることをしたい」と語った。
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戦争体験伝える
 中山きくさん(88)=白梅同窓会長 「あなたたちが戦争を伝えていかないと同じ過ちを起こすかもしれない」という大田さんの言葉がきっかけで語り始めた。大田さんの遺志を引き継ぎ、これからも私の戦争体験や沖縄の現状を伝えていきたい。
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ひめゆりで平和継承
 普天間朝佳さん(57)=ひめゆり平和祈念資料館副館長 大学の時に大田先生の講義を受けていた。大田先生は鉄血勤皇隊として動員され、大変な中で生き残った。その思いを受け継ぎ、ひめゆり平和祈念資料館でも平和継承に取り組んでいきたい。
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先見の明あった
 友知政樹さん(44)=沖国大教授 大田先生の実績は枚挙にいとまがない。「基地返還アクションプログラム」の提案に、政府は恐れをなしたと聞く。アジア経済の発展を見据えて将来を考えており、先見の明があった。琉球人として、思いを受け継いでいきたい。

琉球人遺骨、返還を/札幌市で全国集会 具志堅さんら訴え
2017.07.26 琉球新報朝刊 23頁 4社 1版 写図表有 (全296字) 
 旧帝国大学の人類学者らが戦前から戦後にかけて、墓を暴くなどして持ち出したアイヌ民族や琉球人の遺骨返還問題を題材にしたシンポジウム「遺骨をコタンに返せ!4大学合同全国集会」(同実行委員会主催)が22日、札幌市で開かれた。沖縄戦遺骨収集ボランティア「ガマフヤー」の具志堅隆松代表が、琉球人の遺骨を保管する京都大学などに対し、遺骨の返還を求めた。同集会は23日まで。 具志堅さんは、今帰仁村の百按司(むむじゃな)墓から戦前、人類学者によって持ち出された遺骨が返還されていない問題について講話。「遺骨が墓に戻され、家族と共に土に返るのは自然なことだ。戦没者の遺骨収集にも通じる問題だ」などと訴えた。

アイヌ遺骨 独で返還式/31日開催、海外から初
2017.07.25 琉球新報朝刊 9頁 国際 1版 (全187字) 
 【ベルリン共同】在ドイツ日本大使館は24日、ベルリンの学術団体がアイヌ民族の遺骨1体を北海道アイヌ協会に引き渡すことが決まり、返還式をベルリンの日本大使公邸で31日に開くと発表した。日本政府によると、外交ルートで海外から返還が実現するのは初めて。返還式には学術団体「ベルリン人類学民族学先史学協会」のアレクサンダー・パショス代表と北海道アイヌ協会の加藤忠理事長が出席する。

アイヌ遺骨追い続け/北海道大返還訴訟原告 小川隆吉さん(81)・札幌市/琉球人遺骨問題にエール
2017.07.14 琉球新報朝刊 31頁 社会 1版 写図表有 (全1,082字) 
 人類学者が戦前から戦後にかけて研究目的で墓を暴くなどして持ち出し、北海道大学などに保管されているアイヌ民族の遺骨の返還を求めた訴訟で原告として闘った小川隆吉さん(81)=札幌市=が、和解成立後も資料の掘り起こしに奔走している。和解を受けてアイヌ遺骨のコタン(集落)への返還が認められつつあるが、実態が解明されていない史実も数多く埋もれているからだという。同様に人類学者が戦前、沖縄から持ち出した琉球人の遺骨の問題についても「(返還に結び付けるには)信念で行動し続けるしかない」と沖縄にエールを送っている。 和解を受け、北海道大は掘り出されたコタン(集落)がはっきりしている遺骨については返還する方針。昨年7月に浦河町杵臼(きねうす)の墓地で小川さんのおじの遺骨を含む12体が“再埋葬”された。今年8月以降にも複数の地域への返還が予定される。遺骨が掘り出された地域や経緯が特定され、受け皿が整えば今後も返還が進むとみられる。 小川さんは1日に北海道大(札幌市)で開かれた日本平和学会の春季研究大会で、北海道大が保管する江別市対雁(ついしかり)の遺骨24体について、北海道開発のために政府により強制移住させられた樺太アイヌの遺骨とみられると報告。図書館などに通い、1965年の「北海タイムス」で児玉作左衛門北海道大名誉教授(当時)らが掘り出したことが記事になっているのを確認した。 しかし対雁では300人以上の樺太アイヌが亡くなったという記録がある。小川さんは遺骨が掘り出された埋葬地に隣接して北海道電力の建物があることを挙げて「掘り出された24体以外は、敷地内に今も埋められたままになっているはずだ」と訴えている。 樺太アイヌは1875年に日露両政府によって交わされた樺太千島交換条約に伴い、開拓使庁(明治政府)の指示で841人が北海道の宗谷に移住する。そこからさらに対雁に強制移住させられたが、対雁では和人(アイヌ以外の日本人)が持ち込んだコレラや天然痘が流行し、300人余が命を落としたとされる。 支配者による強制移住は先住民族から先祖伝来の土地を奪い、生存権を脅かす。国連の先住民族権利宣言(2007年採択)でも禁止されている。国内では政府がアイヌに対して行ったことが明らかになっているほか、沖縄戦終結直後には沖縄各地で米軍が住民を強制的に移住させ、集落をつぶして基地を建設した。 小川さんは今後も複数地域で遺骨返還が予定されていることに「本当にうれしい」と語りつつも、さらなる返還と埋もれた史実の解明に向けて「まだまだ頑張る」と力こぶを作った。(宮城隆尋)

自己決定権シンポ in 札幌/いまだ残る差別の根/物言う弱者をたたく社会
2017.07.07 琉球新報朝刊 10頁 文化 1版 写図表有 (全1,819字) 
 東アジア共同体・沖縄(琉球)研究会が6月30日、札幌市で開いたシンポジウム「反差別・反ヘイト-自己決定権を問う」には島袋純琉球大教授、結城幸司アイヌアートプロジェクト代表、ジャーナリストの安田浩一さんらが登壇した。約40人の参加者は沖縄やアイヌ民族、在日コリアンなど国内のマイノリティー(少数派)に対するヘイトスピーチについて意見を交わした。同研究会のシンポジウムが北海道で開かれるのは初めて。(宮城隆尋) 島袋教授は、米軍北部訓練場のヘリコプター着陸帯建設に反対する市民に対し、機動隊員が「土人」と発言したことについて「差別発言は偶然のものではない」と強調。鶴保庸介沖縄担当相が「差別とは断定できない」と述べ、政府も同趣旨の答弁を閣議決定したことに対し「直接的暴力にもつながる構造的差別を、権力が正当化した。民衆もそれを自己正当化することにより、人が人を殺すことも可能となる」と指摘した。 1966年の人種差別撤廃条約を日本も批准していることを挙げ「閣議決定は明らかに条約に違反している。米軍基地の集中に反対する沖縄の民意を無視しているのは差別だ」と政府を批判した。さらに国連人種差別撤廃委員会が2010年の総括所見で「沖縄の人々が被っている根強い差別に懸念を表明する」と表明したことを紹介し「差別は少数派への人権侵害と構造的暴力を正当化し、社会や国家の潜在的脅威を除去するという理由で『殺す』ことさえ正当化する。つまり戦争は差別により正当化される」と警鐘を鳴らした。
謝罪ないまま
 結城代表はアイヌ文化をアピールする北海道庁の「イランカラプテ」キャンペーンに対して「言葉はその人の存在を表すもので、そんなに簡単ではない。(和人からアイヌへの)謝罪もなしに、歴史がなかったことにされる動きに違和感を持っている」と批判。その上で「差別はなくなったと言われるが、そんなことはない。差別の根っこは残っている。学校に行くだけで『あ、イヌが来た』と言われる時代がまた来るかもしれない」と語った。 札幌市議らが「アイヌ民族はもういない」などと発言したことを挙げて「『アイヌ特権』なんていう言葉があり『アイヌは1人につき年間1800万円もらっている』と言われるが、そんなことがあるわけがない。北海道の本当の歴史を国民が共有することが、私たちの解放につながっていく」と強調した。 安田さんは1977年に「青い芝の会」が取り組んだ川崎バス闘争の記録映像を上映。「日本社会は『障がい者はわがままだ』というロジックを放置、容認して少数者の意見を封殺してきた。しかし直接行動をきっかけに社会が変わることがある。現在までに、障がいがあることで乗車を拒否する公共交通機関はなくなった」と語った。
メディアの役割
 「沖縄ヘイト」に関連して、昨年の元米海兵隊員による女性暴行殺人事件について安田さんは「政府関係者は『最悪のタイミング』と言った。被害がなぜ繰り返されるのか、考えようとしない」と政府を批判。東京の地上波テレビで事実と異なる内容の番組が放送されたことなども挙げて「社会の矛盾を変えようとする行動を『わがままな過激派の突出した行動』と決めつけ、物言う弱者をたたこうとする。沖縄やアイヌだけでなく在日コリアン、障がい者、生活困窮者、女性に対しても同じことが行われている」と語った。 「こうした(ヘイトスピーチを行う)人々に歩調を合わせるように、メディアが誇張して『沖縄のわがままによって問題が混迷している』という印象を広めている。ヘイトスピーチは発せられた瞬間から被害者が生まれている。放置してはならず、メディアの役割は重い」と述べた。 琉球新報の宮城隆尋編集委員は、人類学者によって戦前、今帰仁村の百按司(むむじゃな)墓から琉球人の遺骨が持ち出され、京都大学などに保管されていた問題について報告。「先住権を含めた人民の自己決定権の回復に向けて、アイヌと琉球で連帯して取り組めることは多いと思う」と述べた。 フロアから「北方4島の帰属問題をどう考えるか」と質疑があり、司会の清水竹人桜美林大教授は「日本人ではない人たちが住んでいた土地を、日本が領土化した経緯がある。その上で敗戦を迎えた。ポツダム宣言をもう一度読み直そうともせず4島を『領土』と呼ぶのは、政府による印象操作でしかない。メディアもそれを忖度(そんたく)しているが、言葉は正しく使うべきだ」と述べた。

沖縄差別 平等権の問題/日本平和学会春季研究大会/植民地主義など議論
2017.07.03 琉球新報朝刊 27頁 社会 1版 写図表有 (全593字) 
 【札幌市で宮城隆尋】日本平和学会(君島東彦会長)の春季研究大会は最終日の2日、「アイヌと琉球民族にとっての植民地主義と憲法」をテーマにした部会を開き、高良沙哉沖縄大准教授、上村英明恵泉女学園大教授らが登壇した。琉球併合(琉球処分)から現在の米軍基地問題まで沖縄の自己決定権が侵害され続けている状況や、北海道への和人の入植と激しい同化政策にアイヌの人々がさらされてきた経緯などについて議論した。 高良さんは、米軍普天間飛行場移設に伴う名護市辺野古への新基地建設に反対する民意が日本政府に無視されていることを挙げ「憲法論議で具体的に平等権の問題として(沖縄への)差別が語られていない。憲法の平和主義と安保(体制)の矛盾から来る、具体的な人権侵害(基地被害など)を語るべきだ」と指摘した。 その上で「沖縄で少数だが独立論が消えないのは、日本と沖縄の関係が侵略から始まったからだ」と強調。中国脅威論に対しては「帰属問題ではない。大国が沖縄を取るという考えは植民地主義的だ。私たちは所有物ではない」と批判した。 上村さんは日本が敗戦によって朝鮮半島などの植民地を放棄したことを挙げて「北海道と沖縄は同じ法体系にある“内地”となっても植民地支配が続いた。日本は戦後、自らの植民地主義を検証しなかった。日本の近代史、明治以降をどう評価すべきか、問い直すべきだ」と指摘した。

「人権、真摯に対応を」/山城さん国連声明/識者ら、政府へ訴え
2017.06.17 琉球新報朝刊 7頁 国際 1版 (全644字) 
 山城博治沖縄平和運動センター議長が15日、国連人権理事会でスピーチし、名護市辺野古の新基地建設を巡って、沖縄で表現の自由が侵害されていると訴えた。識者らは日本の言論・表現の自由、司法制度を巡る問題点を指摘し「国際的な場で(人権侵害を)訴えた意義は大きい」などと指摘した。(1面に関連) 山田健太専修大教授(言論法)は「政治的な意思表明を含めた表現の自由について、日本は海外から危ない状況にあると見られている。山城さんの事件にも海外の関心は高い。政府はそれを認識し、真摯(しんし)に対応すべきだ」と指摘する。政府の反論には「逮捕の正当性を主張するだけでなく、長期勾留などの問題について事実を示して反論すべきだ。解釈の違いを述べただけでは政府対応として問題が大きい」と批判した。 「身柄拘束が(市民運動の)弾圧に利用されたことを、国際的な場で訴えた意義は大きい」と強調するのは三宅俊司弁護士。国連でも改善が勧告された日本の司法制度には「国際的な水準を満たしていない。“人質司法”と言われる長期勾留をはじめ、代用監獄(捜査当局が身柄を拘束すること)などは米軍が日本側に容疑者の身柄を渡したがらない理由の一つにもされている。保釈して取り調べるのが原則だ」と述べた。 琉球民族独立総合研究学会の親川志奈子共同代表は「日本の政府、多数派は沖縄の声を無視し続けている。主義主張の対立ではなく、人権侵害の問題だ。山城さん本人が登壇し、沖縄の状況を国際的な目にさらしたことは重要だ」とスピーチを評価した。

大田元知事告別式、参列者から追悼の声
2017.06.16 琉球新報朝刊 25頁 4社 1版 (全1,870字) 
 12日に亡くなった元県知事の大田昌秀さんの告別式が15日、浦添市のいなんせ会館で執り行われ、友人、政治、経済、市民団体など関係者が追悼の声を寄せた。告別式では、元副知事の比嘉幹郎さんが弔辞を朗読した。(1面、31面に関連)
差別反対の遺志継ぐ/比嘉幹郎さん弔辞
 謹んで大田昌秀さんの御霊前に弔辞を捧げます。いつも通り、「大田さん」と呼ばせてください。 大田さん、92歳の誕生日にハッピーバースデートゥユーの歌声を聞きながら静かに永眠なさったとの訃報に接し、驚きと悲しみにたえませんでした。心からご冥福をお祈りいたします。 思い起こせば1949年、大田さんが私の古里名護の英語学校の先生だったころから、私を「ミキ」と呼び親しくお付き合いさせてもらいました。公私ともに語り尽くせない思い出があります。大事な先輩、師匠を失い至極残念です。 ここで、私なりに大田さんの功績を総括すると孤独で自由に教育研究に専念する学者、そしてそれを踏まえて政策を決定する政治家の両面がクローズアップされます。「平和の礎」や県立公文書館の設置、名桜大学創設など数え切れない業績を挙げました。大田さんの足跡は末永く残るでしょう。 もうこれから2人でシーバスリーガルを飲んだり、マグロの中トロを食べられないのはさみしく、残念でなりません。 大田さんを敬愛する私どもは、遺志を尊重して、沖縄県民に対するいかなる差別と犠牲の強要政策に反対し、世界の恒久平和と繁栄のためにがんばることを誓います。どうぞ安らかにお眠りください。
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天上から見守って
 石川元平さん(元沖教組委員長) 今朝、共謀罪が強行採決された。とても安らかにお眠りくださいとは言えない。厳しい沖縄を天上から見守ってくださいとお祈りした。新基地建設が強行されている沖縄は、新たな捨て石にされようとしている。許してはならない。
大きな星落ちた
 幸喜良秀さん(元商工労働部長) 大きな星が落ちてしまった。残念だ。大田さんは沖縄の文化、観光行政に力を入れた。世界に誇ることができるウチナーンチュを発信した。厳しい人だが優しい人でもあった。大田さんがいなくなり、寂しくなる。
思い広げていく
 高里鈴代さん(「基地・軍隊を許さない行動する女たちの会」共同代表) 大田さんはよく平和運動は女性が担っていると強調していた。今後は大田さんが残した資料を読み、知る機会をもっとつくり、大田さんの思いを広げていかないといけない。
仕事に厳しかった
 又吉辰雄さん(元県知事公室長) きょうは「お疲れさま」「安らかに眠ってください」と心の中で言って手を合わせた。特に「平和の礎」建立には熱意を持って取り組んでいた。仕事に対してとても厳しい人だった。公務員に対しても厳しかった。
記念館設立させる
 石原昌家さん(沖縄国際大名誉教授) 「大田さんの記念館設立に尽力します」とお伝えした。過酷な体験とそれを踏まえた平和活動、基地撤去に向けた政治活動を含めて形にしていくことが必要ではないか。みんなで考えていかなければと思う。
思い継ぎ返還実現
 佐喜真淳宜野湾市長 普天間飛行場の返還合意を大田知事の時代に勝ち取った。沖縄戦を経験した中で平和の尊さを語り、過重な基地負担の軽減で普天間の返還を訴え、日米両政府が応えた。思いを引き継ぎ、普天間の一日も早い返還を実現したい。
県産品発展に尽力
 宮城弘岩沖縄物産企業連合会長 物産公社を設立し、銀座の真ん中にわしたショップを出店し、県産品の全国展開のきっかけを作った。最盛期の売り上げは1千億円超にもなり、雇用も生み出した。夢見ていた県産品の県外展開を実現させた人だ。
寂しく残念
 嘉数知賢さん(元県議会議長、元衆院議員) 昨晩大田さんの夢を見た。笑顔で私の肩をたたき、頑張れよと言っていた。遺影を見ながら夢の意味を考えいた。議会でけんかをしたこともあったが、県政で協力し合う点もあった。寂しく残念だ。
親身に話聞いた
 長位鈴子さん(県自立生活支援センター・イルカ理事長) 訃報を聞いた時は、本当にショックだった。県内で初めて重度障がい者の施設を造ろうとした際、大田さんは親身に話を聞いてくれた。
 相談で訪ねたら気軽に知事室に招き入れてくれた。
学んだこと伝える
 親川志奈子さん(沖縄大非常勤講師) 年初めにお会いしたとき「独立の本を書く」と話していたので、楽しみにしていた。大田先生の日本人、沖縄人に関する分析は今読んでも重要だ。大田先生から学んだことを伝えるのは私たちの使命だ。

“平和の使徒”に別れ/大田さん告別式 1500人、功績たたえる
2017.06.16 琉球新報朝刊 31頁 社会 1版 写図表有 (全469字) 
 12日に亡くなった元県知事の大田昌秀さん(享年92)の告別式が15日、浦添市のいなんせ会館で行われた。遺族や友人、琉球大教授時代の教え子、政治・経済、市民団体など幅広い関係者約1500人が参列した。家族ぐるみで長年の交流があった元副知事の比嘉幹郎さん(86)が弔辞を朗読し「大田さんは全ての人々に戦争の愚かさと平和の尊さを認識させるために人生を送った。大田さんの人物像を表現すると『平和の使徒』だと思う」と述べ、功績をたたえた。(1面に関連) 大田さんが92歳の誕生日に病室でハッピーバースデーの歌声を聞きながら永眠したとの訃報に接した際の心境について、比嘉さんは「驚きと悲しみに耐えなかった」と言葉を詰まらせながら振り返った。 遺族を代表し、おいの山里馨さん(65)は「昌秀おじの92歳の誕生日で、ハッピーバースデーを聞きながら静かに遺族が見守る中、眠るように亡くなった」と報告し、参列者へ感謝の気持ちを伝えた。また「本日頂いたご香料の一部は、昌秀おじの希望を叶えるべく、平和創出活動に役立たせていただきたいと思う」との考えを示した。

「独立論」を武器に/琉球フォーラム 山崎氏講演
2017.06.15 琉球新報朝刊 3頁 総3 1版 写図表有 (全305字) 
 会員制の講演会組織「琉球フォーラム」(主宰・富田詢一琉球新報社長)の6月例会が14日、那覇市のANAクラウンプラザホテル沖縄ハーバービューで開かれた。哲学者で文芸評論家の山崎行太郎氏が「『日琉同祖論』から『沖縄独立論』へ」と題して講演した。 山崎氏は沖縄の民族や文化は、元をたどれば日本と同じとする「日琉同祖論」の成り立ちを説明し「極めて政治的な背景がある」と指摘。「日琉同祖論」は明治政府が領土を拡張するために組み込まれた議論であると論じた。 基地問題の解決策として「独立論を政府にぶつけていかないと闘えない。政府と対等な立場で『沖縄を米軍基地化するならいつでも独立する』と言って対抗すればいい」と述べた。

琉球人遺骨問題 松島泰勝氏に聞く/国際機関活用し打開/アイヌの闘いから学ぶ
2017.06.15 琉球新報朝刊 15頁 文化 1版 写図表有 (全3,000字) 
 人類学者らが戦前、今帰仁村の百按司(むむじゃな)墓から琉球人の遺骨を持ち出した問題で、松島泰勝龍谷大教授が中心となり「琉球民族遺骨返還研究会」を設立した。松島氏は遺骨返還問題に1980年代から取り組み、北海道大学などから返還を勝ち取ったアイヌ民族との交流も深い。遺骨問題を通して琉球の自己決定権回復をどのように考えるか、松島氏に聞いた。(宮城隆尋)
先住民族で連携
 -アイヌとの関わりは。
 「東京で大学院生時代、アイヌ民族を含む世界の先住民族について学ぶ機会があった。早稲田大学のすぐそばにあったアイヌの民族料理店『レラチセ』に通って、若い人々が集まって歌や踊り、言葉などを学び合うサークルにも参加し、アイヌの人々に親近感を持った。非政府組織(NGO)の市民外交センターのメンバーにもなり、世界各地の先住民族の独立運動や国連への働き掛けなどについても学んだ」 「市民外交センターは1980年代から、アイヌの国連での活動を支援してきた。上村英明氏(恵泉女学園大学教授)と一緒に活動するようになり、96年に国連の欧州本部(スイス・ジュネーブ)に行くことになった。アイヌの方々は二風谷ダム訴訟で一部勝訴したことを報告していた。琉球からは米軍基地が押し付けられた過程のほか、薩摩侵略から始まって現在まで、先住民族の権利侵害が続いていると訴えた」
 -先住民族同士のつながりもできたか。
 「世界には米軍基地の被害を受けている先住民族がいる。彼らの集まりに参加し、それぞれが抱える問題を解決するためのネットワークづくりに力を入れた。米国のネーティブアメリカンは米国内で土地権を奪回するため闘い、権利を認めさせてきた。国連を通じた活動で権利を獲得したことを学んだ。ハワイからもカナカマオリの人々が来ていた。米本土で国家内国家を勝ち取ろうと主張するグループがある一方、独立を求める人々もいる。台湾の先住民とも交流した。その後は96年に萱野茂参院議員(当時)に会い、励まされたのが印象深い。特に言語復興活動に尽力してきた人だ。翌年からはグアムとパラオで働いた。チャモロ人、パラオ人がどのように闘ったかを学んだ」
 -アイヌ民族の取り組みから学べることは。
 「アイヌの人々はまず数が少ない。歴史的にも江戸時代から弾圧され、シャクシャインの闘いなどがあった。旧土人保護法は最近まで使われていた。差別されている状況下で、2008年に国会で先住民族と認める決議が可決されるまで、政府からも先住民族と認められていなかった。その中で国連などに粘り強く働き掛けた。国際機関を活用するしたたかさがあり、状況を打開してきた。野村義一北海道アイヌ協会理事長も国連本部で発言した。国際的なNGOもアイヌに注目している。遺骨返還問題も裁判などさまざまな形で声を上げた。その取り組みから琉球も学ぶべきだ」
 -戦前の学問は日本人と琉球人、アイヌ民族との関わりを盛んに論じた。日本が沖縄、北海道を内国化したことの正当性を、後付けのように主張したようにも見える。
 「日琉同祖論、日鮮同祖論も後付けだった。琉球も北海道やかつての朝鮮のように植民地であるということを思い起こさせるのが、アイヌの人々の闘いだ。80年代から国連に訴え掛けている。琉球は1962年に立法院が国際法に基づいて『米統治は違法である』と国連本部に訴えた『2・1決議』もある。しかし先住民族として国連に行ったのは96年からだ。それから琉球弧の先住民族会が学生や若い人を送り込んできた。糸数慶子参議院議員や翁長雄志知事が行った際も、市民外交センターなどと連携している」
国際法が影響
 -国際法に基づいた活動の重要性はどうか。
 「国際法の活動を知ったのは二風谷ダム訴訟の報告会だ。国内法に基づく裁判でアイヌ民族の権利を認めさせた背景には、国連で国際法に基づいて世論を動かしたアイヌ民族の活動があった。当時、琉球では大田昌秀知事が代理署名訴訟で最高裁で負けた。国内法の最高裁で琉球人の権利が認められないのは、憲法の上位に日米地位協定があるからだ。別の法体系によって琉球人の人権回復を図る必要があった。その中で、国際法が大きな影響を与えたアイヌの闘いから学ぶ必要性を感じた」 「国連には各国政府の代表者もいるが、先住民族や支援団体もさまざまな会議に参加している。世界市民のための場だ。国連を琉球人は活用しない手はない。私が行ってから約20年たったがアイヌ民族から学び、連携する方向性は続いている。遺骨の返還運動もその流れにある」
 -アイヌ文化振興法では文化以外の権利回復が進んでいないとの指摘がある。
 「土地権(先住権)を政府は認めるべきだ。豪州やカナダ政府は先住民族の土地権を認めた。琉球も先住民族と国連で認められており、(先住権を含めて)政府は認めるべきだ」
 -「在日特権」と同様に「アイヌ特権」という言葉が一部で使われ、アイヌもヘイトにさらされている。
 「一般の日本国民と違う権利を持つべきではないという差別意識がある。権利を認めると日本人がアイヌ、琉球にやってきたことについて謝罪や賠償をしなければならないことになるのを恐れている。琉球併合(琉球処分)や先住民族の土地権を侵して米軍基地を押し付けていることなどの不当性が、国連によって認められれば世界を敵に回すことになる。国内で議論が広がらないように、ヘイトを広げている。先住民族の土地権は尖閣諸島などの領土問題にも広がる。北海道、琉球は誰のものなのかという領土主権に関わるから、徹底的に攻撃してくる。しかしアイヌモシリ(北海道)はもともと日本の土地ではない。琉球もそうだ。日本はとてもじゃないがこれに反論できない」
国際社会の多数派
 -アイヌ、琉球はともに国内で少数者の立場だ。
 「アイヌは特に数万人しかいない状況だ。多数決原理では権利がなかなか認められない。琉球も国会ではそうだ。だが国際社会では先住民族は多数派だ。中南米や太平洋の島々など、植民地とされていた土地の先住民族が独立し、国連に加盟した国が多くある。国内の少数派には在日コリアンや被差別部落出身者もおり、交流を続けている。ネットワークとして考えれば国際的に大きな動きをつくり出せる可能性はある」
 -琉球人遺骨問題についてどう取り組むか。
 「先住民族として遺骨を取り戻す権利がある。それ以前に窃盗罪、墳墓損壊罪にも当たり、法的に返す責任がある。研究者がものを盗む行為は、琉球の文化継承への侵害につながる。金関丈夫氏が百按司墓から遺骨を持ち出すことができたのは、琉球が植民地だったからだ。琉球併合の過程で三つの条約原本が日本政府に盗まれたことと同様に、琉球が現在も植民地であることの証しとして遺骨の問題も出てきた。返還させることが脱植民地化の過程になる。自己決定権の回復としても位置づけられる。国連に訴えてもおかしくない事案だ。研究会で議論し、行動していきたい」
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 まつしま・やすかつ 1963年、石垣島生まれ。龍谷大学経済学部教授。専門は島嶼(とうしょ)経済論、内発的発展論。「琉球民族独立総合研究学会」前共同代表、琉球民族遺骨返還研究会代表、東アジア共同体・沖縄(琉球)研究会共同副代表。近著に「琉球独立への経済学」(法律文化社)

シンポジウム 琉球人遺骨問題を考える/国際法のっとり返還を/研究者、多様な観点から議論
2017.06.14 琉球新報朝刊 15頁 文化 1版 写図表有 (全1,809字) 
 京都市の同志社大学で5日に開かれたシンポジウム「琉球人遺骨問題を考える」(同志社大学〈奄美-沖縄-琉球〉研究センター主催)には、約30人の研究者や市民らが参加した。人類学者らが戦前に今帰仁村の百按司(むむじゃな)墓から持ち出し、京都大学や国立台湾大学に長期間保管されていた琉球人の遺骨の問題を起点に、多様な観点から意見を交わした。今後も議論を継続することを確認した上で、松島泰勝龍谷大教授の提案で「琉球民族遺骨返還研究会」(代表・松島教授)を設立した。台湾の研究者とも連携し、両大学に情報公開や返還を求めていくことも確認した。
(宮城隆尋、15日付に松島氏インタビュー)
 討議の冒頭、冨山一郎同志社大教授が「分かりやすい論点がある一方、議論されてこなかった問題もたくさんある。意見を出し合い、この問題の論点の広がりを確認したい」と述べた。 松島氏は京都大に対して遺骨について質問し、実見させるよう求めたが拒否されたことを報告。北海道大学などから遺骨を返還させたアイヌ民族の取り組みを挙げて「裁判などさまざまな方法を駆使し、少しずつ返還を勝ち取った。骨の盗掘は学術目的といわれるが、先住民族の立場からは許されるものではない」と強調した。
■戦後も同様の研究
 松島氏は遺骨返還の権利についても明記された「先住民族の権利に関する国連宣言」を紹介し、ドイツや米国などでかつての植民地から奪われた遺骨が先住民に返還された事例を示した。「日本も琉球を植民地としてきたが、遺骨問題は解決していない。政府はアイヌを先住民族と認めたが、琉球は認めていない」と指摘した。 アイヌ民族への遺骨返還に関連し、京都大がまとめた調査報告書について「遺骨の問題が人権問題だという認識に立って『アイヌ以外の人骨資料も視野に入れて』調査していると明記されている。琉球人の遺骨を無視しているのはおかしい」と批判。「国際法上のルールにのっとって(沖縄側に)返還することが望ましい」と述べた。 冨山氏は「なぜ遺骨を見せようとしないのか。DNAの研究が進んだことで、遺骨の持つ意味が変わり、扱い方も変わってきているのではないか」と指摘。さらに遺骨に限らず、さまざまな分野の研究者が歴史的資料や文化財を地域から持ち出してきたことも問題視した。「研究目的で持ち出されるが、地元の人々が歴史を考えるための資料が東京にしかないという例がたくさんある。そういった論点も含めて広がりを議論したい」と語った。 駒込武京都大教授は「金関丈夫氏(百按司墓から遺骨を持ち出した人類学者)らの研究を『優れている』と評価する枠組みが連綿と続いている。決して戦前の問題ではなく、戦後の研究者も同様の研究を行っている。遺骨となった人々への侮辱であることを無視したままだ」と指摘。その上で「遺骨をどうすべきかということを、誰がどのように決めていくか。そういうプロセス自体が琉球民族を定義していくものになるかもしれない」「議論することで、琉球民族の存在が再活性化されることが大切ではないか」と述べた。
■歴史認識に問題
 その他の参加者は「金関氏らが人骨を持ち出した背景には、植民地支配の学問として人類学が成立してきた背景がある」「琉球やアイヌを同化政策の対象として見ていた当時の学問を批判しないと、この略奪のひどさは証明できない」「最大の問題は(地元の人々との)合意がないまま遺骨を奪ったことだ。当時は合意なく奪える歴史的、社会的な関係性があった」などと意見を述べた。 アイヌ民族の遺骨返還に関しては「アイヌの人々が遺骨問題を語る時、自分が受けた差別体験から語り始める。アイヌの人々が置かれた現状とつながっている問題だからだ。琉球や他の諸民族の遺骨も、現在の状況とつながる形で隠蔽(いんぺい)されているのではないか」などの意見があった。 遺骨返還に関する諸外国政府と日本政府の対応の違いには「ドイツは学術団体が『違法に持ち出した』と認定すれば返す。日本がそうではないのは、歴史認識に問題があるからだ」との指摘があった。 松島氏を中心に設立した琉球民族遺骨返還研究会は、同志社大学〈奄美-沖縄-琉球〉研究センター、東アジア共同体・沖縄(琉球)研究会、中華琉球研究学会(台湾)などと連携して活動する。松島氏は「できれば京都大や国立台湾大だけでなく旧帝国大学全てに調査、返還を求めていきたい」と述べた。

<社告>琉球フォーラム あす6月例会/「日琉同祖論」から「沖縄独立論」へ/山崎行太郎氏(哲学者、文芸評論家)
2017.06.13 琉球新報朝刊 3頁 総3 1版 写図表有 (全496字) 
 会員制の講演会組織「琉球フォーラム」(主宰・富田詢一琉球新報社長)の6月例会が14日正午から、那覇市のANAクラウンプラザホテル沖縄ハーバービューで開催される。講師は哲学者で文芸評論家の山崎行太郎氏。「『日琉同祖論』から『沖縄独立論』へ」の演題で講演する。 山崎氏は1947年、鹿児島県生まれ。慶應義塾大学大学院(哲学)修了。東京工業大学や埼玉大学の講師を経て、現在、日本大学芸術学部講師。 江藤淳や小林秀雄、ハイデガー、ニーチェ、ドストエフスキーの影響を受けて「イデオロギーから存在論へ」「存在論的思考」をモットーに批評活動を展開している。 保守派を自認する一方で、昨今の保守論壇を「思想的に劣化、退廃している」などと厳しく批判。「保守論壇の『沖縄集団自決論争』に異議あり」(佐藤優氏との対談「月刊日本」)「沖縄独立論を知らずして、国防を語るなかれ」(「月刊日本」)など、沖縄の問題に関する言及、論考も多い。 著書に「それでも私は小沢一郎を断固支持する」「保守論壇亡国論」「ネット右翼亡国論」など。

研究会設立、返還要求へ/琉球人遺骨持ち出し 京都でシンポ
2017.06.06 琉球新報朝刊 26頁 2社 1版 写図表有 (全545字) 
 人類学者らが戦前、今帰仁村の百按司(むむじゃな)墓から琉球人の遺骨を持ち出し、京都大学や国立台湾大学に長期間保管されていた問題で、沖縄と関西の研究者が5日、京都市でシンポジウム「琉球人遺骨問題を考える」(同志社大学〈奄美-沖縄-琉球〉研究センター主催)を開いた。松島泰勝龍谷大教授の提案で、琉球民族遺骨返還研究会(代表・松島教授)が設立された。約30人が参加した。(文化面で後日詳報掲載) 同研究会はシンポジウムを重ねて琉球人遺骨問題について世論を喚起するほか、全国や台湾の研究者とネットワークを構築して両大学に情報公開や返還を求める。同志社大学〈奄美-沖縄-琉球〉研究センター、東アジア共同体・沖縄(琉球)研究会、中華琉球研究学会(台湾)などと連携して活動する。 松島教授は「この問題は(ヤマトと琉球の間にある)支配と搾取、構造的な差別の問題だ。京都大や台湾大をはじめ、全国の旧帝国大学に琉球人遺骨がないか調査し、返還を働き掛けていきたい」と話した。 シンポジウムでは、冨山一郎同志社大教授が「遺骨問題に限らず、研究者が文化を地域から略奪している問題もある」と指摘した。駒込武京都大教授は「こういった場で議論することで、琉球民族の存在が再活性化されることが大切ではないか」などと述べた。

琉球人遺骨 返還へ行動/研究者ら新組織設立へ
2017.06.01 琉球新報朝刊 28頁 2社 1版 写図表有 (全587字) 
 人類学の研究者らによって戦前、今帰仁村の百按司(むむじゃな)墓から琉球人の遺骨少なくとも26体が持ち出され、京都大学などに75年間以上保管されていた問題で、沖縄と関西の研究者が中心となって6月にも研究会が設立される。台湾の研究者とも連携し、京都大のほか、同様に遺骨を保管しているとみられる台湾の国立台湾大学に対して、情報公開と遺骨の沖縄側への返還を働き掛ける。シンポジウムなどを開き、世論を喚起する。 研究会の中心となるのは松島泰勝龍谷大教授、冨山一郎同志社大教授、駒込武京都大教授ら。5日午後4時から、シンポジウム(同志社大学〈奄美-沖縄-琉球〉研究センター主催)を京都市の同志社大で開き、松島教授が研究会の設立を提起する。 松島教授は「京都大学総合博物館に遺骨の実見といくつかの質問への回答を求めたが、全て拒否された。納得できる理由も示されていない。この問題について関心のある研究者、先住民族の権利回復運動の支援者らと共にさらに議論し、次の行動につなげていきたい」と話した。 琉球人の遺骨は1928~29年、京都帝国大学助教授だった人類学者の金関丈夫氏が持ち出したことが分かっている。今帰仁村教育委員会が2004年、百按司墓の木棺修復事業の一環で京都大学に26体が保管されていることを確認した。同教委の報告書によると国立台湾大学にも33体が保管されている。(宮城隆尋)

県外移設シンポ/県民意識に変化
2017.05.01 琉球新報朝刊 3頁 総3 1版 写図表有 (全2,793字) 
 シンポジウム「県外移設を再確認する-辺野古新基地建設を止めるもう一つの取り組み」(同実行委員会主催)が29日、宜野湾市の沖縄国際大学で開かれ、約200人が参加して議論に聞き入った。冒頭、28日で1年となった米軍属女性暴行殺人事件の被害者に黙祷(もくとう)をささげた。伊佐眞一氏(沖縄近現代史家)の基調講演に続いて市民、学生、研究者ら6人がそれぞれの立場から県外移設に対する考え方を述べ、続いて伊佐氏も交えて討論した。シンポジウムに賛同を表明した国会議員、市民ら12人が紹介され、翁長雄志県知事ら9人のメッセージが読み上げられた。最後に、日本本土に暮らす人々に宛てた実行委員会一同による4項目の提言が読み上げられた。
<基調講演>伊佐眞一氏(沖縄近現代史家)/歴史基盤に議論を
 沖縄の基地問題は戦後の短い時間ではなく、もっと長い時間で見る必要がある。沖縄は同意ではなく武力で日本に併合された。この間の歴史を見て思うのは、沖縄の社会に対する日本の接し方は対等なものではなく「外から来たものを統治する」発想だ。 明治時代の政府の報告書や新聞では、沖縄は「南方の戸締まりをする鍵を入れる場所」と位置付けられている。つまり玄関だ。その奥に本体である日本列島4島があるという表現が随所に見られる。
 政府は明治のころには宮古・八重山を中国に譲り渡すことを検討し、敗戦後には沖縄を米国に委ねた。施政権(返還)交渉の時には繊維と沖縄を取引した。沖縄は一つのカードだ。同じ地方でも静岡や島根、鹿児島ではあり得ない話だ。 サンフランシスコ講和条約で日本の独立と引き換えに沖縄が切り離された時、当時の比嘉秀平行政主席は「祖国日本が独立の一歩を踏み出すことは誠に喜びに堪えない」とメッセージを書いた。比嘉氏のメッセージを受け取った吉田茂首相は「この沖縄の連中はどうにでもなる人間だな」と思っただろう。この歴史はヤマトの人には耳が痛いが、沖縄にも弱さがあった。 戦後の基地問題は良くなるどころか、ご存じの通りだ。沖縄の人は肝心なところで単刀直入に、語尾を濁さず相手にきちっと言い切る態度が足りなかった。 日本の人たちから沖縄に対する態度は併合から首尾一貫している。県外移設論はこの実態をしっかり認識し、基盤にする必要がある。 県外移設論を言うようになったのは、ウチナーンチュが少し変わるようになった前兆だと思う。
<登壇者発言>
高良沙哉氏/命の価値と尊厳は平等
 本来的には日本でやるべき議論だ。どこで引き取るのか、または要らないなら安保を破棄するしかないという議論だ。沖縄の人間も等しく尊厳を持っている。命の価値は私たちも平等のはずだ。だから、ヤマトの人たちが身の回りに来てほしくないと思うなら、私たちもまた命は平等なのだから嫌だと言って構わないと思う。 基地を引き取るということが基地容認になるのではないかという意見がある。安保が本当に要らないのであれば、その前段階として応分の負担として基地を引き取るかどうかの話をし、その中でその先の安保を破棄するか否かを考えていけばいい。 ヤマトに移す時に弱い所に移すのではないかという話もあるが、沖縄とヤマトは植民地支配とそれに従わされている関係性であり、異質だ。また、平和主義が掲げられている国で一地方に基地の過重負担が強いられていることも問題だ。地方自治の問題だけにフォーカスを当てても全体としての基地問題は見えにくい。 基地を引き取るとなった場合、やはり憲法に定められた手続きにのっとって住民投票で進めていくことができればと思う。
安里長従氏/「引き取り」当然の帰結
 県外移設・引き取り運動は、沖縄の歴史・民族性・植民地性を踏まえた当然の帰結である。本来、理屈はいらないはずだが、その声は無視され、拒否されている。 「沖縄に要らないものは本土にも要らない」という反論がある。日米安保の支持が8割を超える今の日本の政治状況を出発点とすれば、安保破棄まで何年くらいかかるだろうか。奇跡的に早く進んでも何十年もかかる。新基地が造られようとしている今、何十年も待てない。 また「本土で引き取ればその地域の人たちが苦しむ」と言う反論がある。国民的議論の中で、基地が不要、安保が不要という世論が多数を得られないのであれば、その結果責任を負って本土のどこかで引き取るべきだ。その結果責任を負わずに、その地域の人たちが苦しむとして議論を拒否することは、沖縄への差別を固定化する不正義である。 「結局本土でも弱者に押し付けられる」という反論もある。基地を引き取る場合、具体的な場所は国会で審議すべきだ。さらに当該自治体の住民投票による承認が必要。民主主義的な憲法的な解決をちゃんと踏まえればいい。 沖縄以外で引き取るという選択をしていれば、政府の「辺野古が唯一」は瓦解(がかい)する。安保容認か破棄かなどイデオロギーとは関係なく、基地は必要だという人も尊重しないといけない。それが民主主義だ。しかし、差別はなくさないといけない。
<登壇者>
知念栄子氏(73) (主婦)
岸本セツ子氏(78)(主婦)
小禄隆司氏(20) (琉球大3年)
平良美乃氏(23) (琉球大大学院生)
安里長従氏     (司法書士)
高良沙哉氏     (沖縄大准教授)
コーディネーター 親川志奈子氏(沖縄大非常勤講師)
※注:高良沙哉氏の「高」は旧字体
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提言 日本本土に暮らすすべての人びとに向けて
 沖縄が強いられてきた琉球併合から現在の米軍基地集中に至る歴史的・構造的差別に鑑み、また民意を無視し進められている辺野古新基地建設に反対する沖縄の痛切な声として、私たちは日本本土に暮らすすべての人びとに対し、以下のとおり提言する。また、それぞれが自らの責任として、自分の住む町で地方自治法99条に基づいた意見書の採択を求める陳情・請願などの具体的な行動を求める。
1.辺野古新基地建設工事を直ちに中止し、普天間飛行場を直ちに運用停止にすること。
2.米軍普天間飛行場の移設先について、沖縄以外の全国のすべての自治体を等しく候補地とすること。
3.その際、基地が必要か否か、日本国内に必要か否かも含めて、当事者意識を持った国民的議論を行うこと。
4.国民的議論において普天間飛行場の移設先が国内に必要だという結論になるのなら、その移設先については、民主主義及び憲法の精神に則(のっと)り、一地域への一方的な押し付けとならないよう、公正で民主的な手続きにより決定すること。
※地方自治法99条 普通地方公共団体の議会は、当該普通地方公共団体の公益に関する事件につき意見書を国会又は関係行政庁に提出することができる。
2017年4月29日
「辺野古新基地建設を止めるもう一つの取り組み」実行委員会一同

<社説>先住民族世界会議/国際社会に共感広げよう
2017.04.29 琉球新報朝刊 2頁 総2 1版 (全911字) 
 国連本部で開かれている第16回先住民族世界会議で、アジア地区代表による声明に「沖縄人の理解がないままに新基地建設を強行している」とする文言が盛り込まれた。国連の場で沖縄の基地問題への理解が着実に広がっていることを示すものである。 沖縄の民意を無視して強権的手法を取り続ける日本政府を揺さぶる意義は大きい。今後も国際社会への訴えによって共感を広げる努力を続けたい。 会議に出席した友知政樹沖縄国際大教授はNGO主催のイベントで、名護市辺野古で工事が強行されていることを報告した。日米両政府を批判し工事中止を強く求めたことに対し、アジアや南米の参加者から危機感を共有する発言があったことも心強い。 新基地建設やオスプレイ配備に対し、沖縄では選挙や大規模集会などあらゆる方法で反対の意思を示してきた。しかし、日本政府はこの民意を踏みにじり、言論表現の自由の表出である抗議行動を警察力で封じ込めながら、強行を繰り返している。このような状況を打開する努力の一つとして国連の場で訴えているのである。 今回の声明では「国連による度重なる勧告にもかかわらず日本政府が沖縄の人々を先住民と認めていない」とも批判した。 先住民とは、ある土地に元来住み着いている人間集団のことである。沖縄にルーツを持つ人々がそのようなアイデンティティーを持っていることが、国連での議論の前提にある。日本に併合され同化政策が取られた歴史を踏まえれば、先住民として自己決定権を主張するのは自然なことだ。 友知教授によると、声明に対し日本政府代表が「立ち入り禁止区域に入るなど違法な抗議活動が行われている」と発言した。15年に翁長雄志知事が国連人権理事会で「沖縄の人々の自己決定権がないがしろにされている」と訴えた時も「日本の国家安全保障は最優先の課題だ。辺野古移設計画は合法的に進められている」などと主張した。 沖縄の自己決定権侵害の問題として議論されている場でこのような筋違いの主張しかしない日本政府は、国際的な信用を失っている。沖縄に対する差別政策を直ちにやめ、沖縄の自己決定権、民意を尊重することなしに、信用を取り戻すことはあり得ないことを知るべきである。

Editorial: Increasing support from the international community at the UNPFII
April 29, 2017 Ryukyu Shimpo   ---> RS
   At the 16th session of the United Nations Permanent Forum on Indigenous Issues (UNPFII) being held at the United Nations headquarters, a representative for the Asia region prepared a statement indicating that the construction of a new base in Okinawa is being pushed forward without the acceptance of Okinawans. This shows that understanding of Okinawa’s base problems is making headway within the United Nations.
   The statement has great significance in shaking the Japanese government, which continues taking high-handed measures and ignoring the will of Okinawans. We should continue working to address the international community, thereby increasing empathy with Okinawa.
   At an NGO-sponsored event, Okinawa International University professor and forum attendee Masaki Tomochi announced that forceful measures are being used to proceed with construction in Henoko, Nago. It is encouraging that in response to Dr. Tomochi’s criticism of the Japanese and U.S. governments and strong call for a stop to the construction, participants from Asia and South America made comments indicating that they shared his sense of crisis.
   Okinawans have expressed opposition to the construction of a new base and the deployment of Osprey aircraft in elections and large-scale demonstrations and by many other methods. However, the Japanese governments continues to push forward forcefully, trampling on the will of Okinawans and using police force to suppress actions of dissent which are a manifestation of freedom of speech and expression. People such as Dr. Tomochi are taking the issue to the UN as part of efforts to overcome this situation.
   The aforementioned statement also criticized the fact that despite numerous recommendations by the UN, the Japanese government still does not recognize Okinawans as an indigenous people.
   An indigenous people refers to a group of people who originally lived on certain land. The discussion on Okinawans as an indigenous people is premised on the fact that people with Okinawan roots hold such an identity. In view of the history in which Okinawa was annexed by Japan and subjected to assimilation measures, it is natural for Okinawans to assert their right to self-determination as an indigenous people.
   According to Dr. Tomochi, a Japanese government representative responded to the statement by saying, “trespassing into restricted areas and other illegal forms or protest are being carried out.” When Governor Takeshi Onaga stated at the UN in 2015 that Okinawa’s right to self-determination is being neglected, the Japanese government stated that Japan’s national security is its top priority and that the Henoko construction plan is proceeding in a lawful manner.
   In a space for discussing the violation of Okinawa’s right to self-determination, the Japanese government can do no more than make these kinds of irrelevant assertions, and is thus losing the trust of the international community. The Japanese government should recognize that unless it immediately stops its discriminatory policies toward Okinawa and respects Okinawa’s will and right to self-determination, it will never regain that trust.
   (English translation by T&CT and Sandi Aritza)

<社説>4・28「屈辱の日」/ひるまず自己決定権行使を
2017.04.28 琉球新報朝刊 2頁 総2 1版 (全901字) 
 1952年4月28日に発効したサンフランシスコ講和条約によって日本は独立し、沖縄は奄美、小笠原と共に日本から切り離された。 講和条約第3条によって、米国は日本の同意の下で、他国に介入されることなく軍事基地を自由に使用することができた。米軍は沖縄住民の基本的人権を無視し「銃剣とブルドーザー」によって農地を奪い、東アジア最大の軍事基地を建設した。まさに沖縄にとって「屈辱の日」である。 沖縄は4・28を「屈辱の日」と記憶し、自己決定権の回復を求めてきた。現在、安倍政権は選挙で示された民意に反して名護市辺野古の新基地建設を強行している。今ほど露骨に沖縄の自己決定権がないがしろにされている時期はないだろう。過去に学び、未来のために、露骨な強権にひるまず毅然としてはね返そう。 講和条約発効から65年たっても、事件・事故、騒音被害、環境汚染、人権侵害などの基地問題が解決しないのはなぜか。 基地問題を引き起こしているのは米軍の沖縄駐留であり、不平等と指摘される日米地位協定である。日本政府は日米地位協定の抜本改定を米国に求めないため、基地問題は解決されずに、県民に被害を与え続けている。 一方、沖縄を除く日本の米軍基地は1970年代後半までに大幅に削減され、反米ナショナリズムの象徴となっていた基地問題がほとんど解消した。そして相対的に沖縄への基地の集中度が高まったのである。 琉球新報が5年に1度実施する県民意識調査結果(今年1月1日発表)をみると、「日本における沖縄の立場」を問う質問に対し、独立を含め、内政、外交面で沖縄の権限を現状より強化すべきだと考える人が約35%に上った。一方「現行通り、1地域(県)のまま」とする回答は前回から17・7ポイント減って過半数を割る46・1%となった。 安倍政権が、沖縄を他府県と同じように公平に扱わないので、県民は自治権の強化を求めているのではないだろうか。 沖縄を犠牲にし屈辱を与えることで成立する日米同盟は永続しない。安倍晋三首相には米国一辺倒を改め、沖縄を他地域と同様に公平に扱い、沖縄の自己決定権を認めるよう求める。それでこそ真の独立国と言えるだろう。

<ワシントン発>「国が新基地強行」/先住民会議 アジア声明に明記
2017.04.27 琉球新報朝刊 1頁 総1 1版 (全562字) 
 【ワシントン=座波幸代本紙特派員】米ニューヨークの国連本部で開かれている第16回先住民族世界会議で25日午前(現地時間)、世界各地区の先住民族の代表らによる国連総会代表者会合が開かれた。アジア地区代表からの声明も発表され、「国連による度重なる勧告にもかかわらず日本政府が沖縄の人々を先住民と認めず、沖縄人の理解がないままに(名護市辺野古での)新基地建設を強行している」とする文言が盛り込まれた。(7面に関連)
 会合に出席した友知政樹・沖縄国際大教授によると、日本政府の代表者からは声明に対し、「日本国憲法で表現の自由が認められているものの、立ち入り禁止区域に入るなど違法な抗議活動が行われている」と、基地建設反対運動の矮小(わいしょう)化をアピールするような発言があったという。
 午後は、アジア全域の先住民族問題を取り扱う非政府組織(NGO)AIPP(アジア先住民族連合)主催のイベントが開かれ、友知氏は、日本政府が新基地建設に関連した護岸工事を開始したことなどを報告。日米両政府の対応を厳しく非難し、工事の即時かつ永続的な中止を強く訴えた。
 イベントでは、アジア各地の先住民族や南米の先住民族支援団体から発言があり、「沖縄では土地が軍事基地化されていることで先住民族の命や平和が危険にさらされている」と危機感を共有した。

UN forum Asia delegates declare Japan ignores Okinawans' indigenous rights in building new base
April 27, 2017 Ryukyu Shimpo   ---> RS
   On the morning on April 25 (local time), the 16th session of the UN Permanent Forum on Indigenous Issues that convened at the United Nations Headquarters in New York held a meeting between the UN General Assembly and indigenous peoples representatives from around the world. A delegate from Asia included in his speech a statement about Okinawa. He said that despite repeated recommendations from the UN, the Government of Japan does not recognize Okinawans as indigenous people. This representative went on to say that the Japanese government, without understanding Okinawans, is forcing through construction of a new base in Henoko, Nago City.
   According to Okinawa International University Professor Masaki Tomochi, who attended the meeting, a Japanese government representative said that, “Although the Constitution of Japan allows freedom of expression, illegal protest activities such as entering restricted areas are being conducted.” Tomochi pointed out that the statement was intended to downplay the legitimacy of the anti-base movement.
   In the evening the NGO Asia Indigenous Peoples Pact (AIPP), the mission of which is to address issues faced by indigenous people throughout Asia, hosted an event. At the event Professor Tomochi reported that the Government of Japan has started embankment work for the new base in Henoko. He is highly critical of the US and Japanese governments’ handling of the situation, and emphatically calls for construction to be stopped immediately, but moreover for it to be stopped and not to be resumed.
   During the event, delegates from around Asia and a South American support group that tackles indigenous people’s issues made a declaration expressing their sense of impending danger for Okinawa. The declaration imparted that the lives and peace of indigenous people are exposed to dangers through Okinawan land being developed into military bases.
   (English translation by T&CT and Erin Jones)

<ワシントン発>沖縄の権利保護、後退/先住民会議声明 国連宣言実効訴え
2017.04.27 琉球新報朝刊 7頁 国際 1版 写図表有 (全378字) 
 【ワシントン=座波幸代本紙特派員】国連の第16回先住民族世界会議で発表されたアジア地区代表の声明には、2007年の国連先住民族権利宣言の実効性について、アジア各国の現状が盛り込まれた。ミャンマーなどで権利保護の進展が見られた一方、先住民族の土地に対する権利や女性に対する暴力、人権問題などが以前より悪化している事例が多く指摘された。(1面に関連) 先住民族の自決権、土地や資源に対する権利などを認めた国連宣言から10年の節目を迎え、声明には日本政府がアイヌを先住民族と認め、言語や文化の保護に取り組むことなどが進展の一つに盛り込まれた。 一方、沖縄の米軍基地問題やラオスでの同化政策などは宣言に反し、権利保護が後退していると指摘。「アジアの国々に対し、宣言を実効する明確な政策と先住民族の権利を尊重した行動で、政治的姿勢を示すよう呼び掛ける」としている。

在沖米軍基地やヘイト問題発信/先住民族会議が開幕
2017.04.26 琉球新報朝刊 6頁 国際 1版 写図表有 (全430字) 
 【ワシントン=座波幸代本紙特派員】ニューヨークの国連本部で24日(現地時間)、世界の先住民族や各国代表らが集まり、先住民族の権利保護と拡大について話し合う先住民族世界会議が開幕した=写真。友知政樹沖国大教授が参加し、2日目の関連イベントで琉球の歴史や沖縄の基地の現状、ヘイト問題を報告する。 世界中から千人を超える先住民族が参加する今回の会議は先住民族の自決権、土地や資源に対する権利などを認めた2007年の国連先住民族権利宣言から10年の節目。会議では権利保護の現状についての発表や討議が交わされる。
 友知教授は25日、アジア全域の先住民族問題を取り扱う非政府組織(NGO)主催のイベントに登壇し、タイやミャンマー、バングラデシュの代表らと課題を共有する。 初日の会議に参加した友知教授は「女性の人権問題など、世界各地の先住民族の問題を国際社会に発信することで、問題の解決につなげたいという必死な思いが討議から伝わった。学び合いながら協力したい」と話した。

<ワシントン報告・座波幸代本紙特派員>米大統領就任100日/国内外で「強い米国」誇示/少数者が声上げ変革を
2017.04.26 琉球新報朝刊 6頁 国際 1版 (全827字) 
 29日に就任100日を迎えるトランプ大統領は、国内外で「強い米国」「米国第一」の誇示に懸命だ。北朝鮮やシリア、イラクなどへの強硬な姿勢しかり、米製品の購入・米国人雇用の政策強化に向けた大統領令への署名しかりだ。米国では、大統領の権力と影響力が最も大きな就任後最初の100日間でどれだけの成果が成し遂げられるかが、政権の成功の指標として注目される。
 そんな中、気になるニュースが二つあった。トランプ大統領支持を明確にしている米主要メディアFOXニュースの看板司会者、ビル・オライリー氏がセクハラ疑惑で降板した。
 米紙ニューヨークタイムズが番組出演者や制作スタッフなど5人の女性にセクハラで1300万ドル(約14億円)を支払っていたと報じたことで、スポンサー企業が撤退した。その後、セクハラ被害を訴えた6人目の女性である元出演者が告発会見をしたことで、降板に追い込まれた。
 もう一つは米海兵隊員らがメンバーのフェイスブックのグループが女性隊員のヌード写真を共有していた疑惑だ。元海兵隊員の男性が代表を務める非営利のニュース団体が告発し、3月に報道されると、米海兵隊トップはこれを強く非難し、ヌード写真の共有を禁じるなど火消しに躍起だ。
 これらのニュースから何が見えるか。どちらも勇気ある女性たちの告発と権力に対する報道で明るみに出た。力を誇示したい側は常にマイノリティー(社会的少数者)の人権を踏みにじり、権力側に都合の悪い情報は隠す。マイノリティーが声を上げなければ世界は変わらない、といえるだろう。
 24日から開かれる国連の先住民族会議に沖国大教授の友知政樹さんが参加する。関連イベントで沖縄の基地やヘイト問題などを報告し、タイやミャンマーなどからの登壇者と共に課題を共有する予定だ。「沖縄の現状を広く伝えつつ、世界の人々とネットワークを築いていきたい」と語る友知さん。人々がつながり、抑圧や権力に対して声を上げることで変革が生まれることに期待したい。

<「先住民族」論のわな 松島氏、上村氏に問う>下/西石垣見治/国連誤認、寝耳に水/集団の人権は個人に由来  
   2017.04.18   琉球新報朝刊   12頁   文化   1版

 <「先住民族」論のわな 松島氏、上村氏に問う>上/西石垣見治/構造的暴力の標的/「優生学的偏見」を隠蔽  
   2017.04.17   琉球新報朝刊   17頁   文化   1版   写図表有

<辺見庸×目取真俊 沖縄を語る>失われる発言の場
2017.04.16 琉球新報朝刊 12頁 特5 1版 写図表有 (全4,336字) 
【天皇制】
幻想つくる装置 目取真
国体護持が本質 辺見
 辺見 45年2月に近衛文麿(元首相)が出した戦争終結の上奏(じょうそう)文に昭和天皇は、もう一度戦果を上げてからでないと、と言う。沖縄は「捨て石」という判断がその時から既にあった。前縁なる沖縄では出血持久戦をやれと。
 目取真 昭和天皇が戦後の米軍統治にお墨付きを与えた47年の「天皇メッセージ」も問題にされてきた。今の天皇は琉歌を習うなど、沖縄への贖罪(しょくざい)の意識を示しているので、好意的に見ている人が多い。ただ、天皇制は沖縄を日本の中に組み込み、共通の歴史を持つかのような幻想をつくり出す装置でもある。退位の論議でも、一人の人間として自由にさせるべきだ。いつまで天皇家に甘え、彼らを祀(まつ)って利用するのか。「天皇を天皇制から解放せよ」という議論もかつてはあった。
 辺見 退位論も本質的には「国体護持」でしょう。一代限りの退位として、天皇制自体は永続させる。象徴天皇制はうまくできています。これを隠れ蓑(みの)にして、政治の不条理を無化してみせている。われわれの忘却や無関心もその陰に隠れる。本来は敗戦後、昭和天皇を処罰の対象とするのが当然だったと思うけれど、今日に至るまでのわれわれの言語表現やメディアのありようでも「お気持ちのにじむお言葉」に象徴されるような形で完全に思考停止している。象徴天皇制といえども酷薄で非人道的なのですが…。
【戦後の日本】
欠落突き詰める 目取真
戦争の兆し直観 辺見
 目取真 対立を曖昧にして済ませる日本の風土の中で辺見さんは日本人が抱え込んできた問題を突き詰めようとしている。「1★9★3★7」(イクミナ)という作品は日本が中国で何をして、何がわれわれに問われているかということを執拗(しつよう)に問いただしている。地域の共同体や家族史の中に沁(し)み込んでいるものと照らし合わせて歴史を振り返り、何が戦後日本の中で欠落してきたかを考えないと反省する基準を作れない。
 辺見 目取真さんの居ずまい、立ち居振る舞いは、僕にはすぐれて「個的」に見える。
 目取真 高江の森で道に迷って1人で1晩過ごしたことがある。12月の寒い時に薄いヤッケ1枚。食料もなく、パニックになったらおしまいで、1人で判断することを問われた。昨年4月にはカヌーに乗っていて米軍に捕まった。基地の中に連行され、銃を持った米兵と向かい合って6~7時間拘束された。そういうときに問われるのもやはり「個」としての強さであり主体性。耐えきれるかどうかは自分の心の持ち方一つになる。
 辺見 今の話でも、森で夜を明かすとか、海とか、そういった闇と孤独の気配は目取真さんの小説そのもので、聞いていて引き込まれる。世の中の気配とか、権力のおもむきとか、戦争の兆しなどは、集団や組織ではなく、「単独者」として感じ表現するしかない。
 目取真 沖縄が暴動寸前の状況になり、本当に米海兵隊が撤退する事態に至ったとき、ヤマトゥの人は「沖縄県民が望んだことが実現してよかった」と歓迎するだろうか。「沖縄の反戦、平和運動は大いに結構。ただし、米軍が全面撤退するほどには盛り上がらないでくれ」というのが広範な無意識の願望だと思う。琉球独立論もあるが、知識人が議論するのと県や市町村議会に独立派が増え、一定の勢力を有することとは別次元の話。まだ政治的力はなく、そもそも、日本政府が独立を認めることはあり得ないと思う。領土だけではなく、広大な領海も失う。そうなれば、自衛隊が出動し、県民に銃を撃つかもしれない。
 -英国スコットランドの独立を問う住民投票は平和的に行われた。自衛隊が沖縄の人に銃を向けるとまで想定するか。
 目取真 内乱鎮圧は自衛隊の役割の一つ。客観論でなく、こちらはやられる側、やられないことを考える側だ。そういう事態の一歩手前で機動隊が出てきている。いざという時に権力は容赦はしない。まだ手加減してんだ、あんまり調子に乗んなよ。それが彼らの本音と思う。
 辺見 そうでしょうね。目取真さんは肉体的にも内面的にも当事者であることに忠実な人だと思う。僕みたいなホンド育ちの物書きは、表出する言葉、言葉の芯の有効性そのものに予(あらかじ)め疑問を持っている。あなたの作品を読んでいてはっとするのは、そういう迷いを感じずに読めること。メッセージ小説ではなく、とても豊穣(ほうじょう)な文学で、自然と人間の微細な回路、本源の愛…つまり世界性がある。そう遠くないうちに戦争かそれに準ずるようなことが起こるだろうという直観が僕にはある。その過程はもう始まっている。メディアにそうした反動への抵抗力はあるのか。残念ながら、ないと思う。言葉自身が複雑骨折している。それにしても、自分がかつて抱いた幻想でもあるけれども、人間のあるべき戦いをそびきだしてくるような言説が、いまなぜ生まれないか。それは、僕にもよく解(わか)らない。
【抵抗の運動】
全ての人に責任 目取真
怒りいずれ爆発 辺見
 -目取真さんの「沖縄『戦後』ゼロ年」に、沖縄にはまだ戦後は訪れていないとの記述がある。
 目取真 今、沖縄の反基地運動を支援している米国の知識人が論拠にしているのはハーグ陸戦条約、あるいは1943年の米英中によるカイロ宣言で3国が「領土拡張をしない」としていること。米国は戦争のどさくさで沖縄を占領し、占領地をいまだに基地にしている。国際法上も許されない。
 辺見 同感です。ところで、目取真さんの小説群が僕にとって魅力的な理由の一つは、仮借のなさゆえだと思う。ホンド(本土)の進歩的知識人といわれている人たちには、その仮借のなさがない。無傷で反戦平和が転がり込んでくるわけがないのに。ただ、遠くから目取真さんを見ていて、しんどくないかなあ、と思うときもある。
 目取真 (名護市辺野古の新基地建設現場で)毎日カヌーに乗って抗議をして家に帰り、写真を整理してブログを更新するともう深夜。翌朝また6時に起きて行く。睡眠不足で本を読む時間もなく、小説を書くどころじゃない。年齢的に最も書ける自分の50代がこんな形で終わっていくのかと思うと空(むな)しいが、目の前で工事が進むのを見たら、やらざるをえない。基地の弱点はゲート。金網に囲まれているから、もし数百人、数千人がゲートの前に座ったら基地機能も工事も止まる。
 -沖縄の抗議行動には若い世代の参加が少ないとも感じる。近年のアジアでは香港の雨傘運動、台湾のひまわり運動など若者を核とした抵抗運動もあった。
 目取真 逆に聞きたいが、たとえば関東近県で若者の抵抗運動、政治運動がどれだけあるのか。東京の運動はそんなに盛んなのか。平日の昼間が作業時間で、学生や勤め人は抗議行動に参加できない。誰が行けるのかといったら、年金生活の年寄りか、自分のように時間の都合がつく者か、アルバイトで稼ぎ、短期的に参加する人たち。辺野古では、そういう人が運動を維持し、20年も続いている。今の日本にこれだけ長く続いている市民運動がいくつあるか。辺野古へ来て座り込みすることはできなくても、ヤマトゥでも日米安保条約に反対することはできる。それぞれの場でやればいい。安保条約の上で暮らす全ての人が当事者。責任を負っている。
 辺見 現場にいても、僕は目取真さんのようには生きることができないでしょう。が、あるべき懸隔はあっても違和感はない。もう一つ、目取真さんの作品世界は、ここで言われていることよりもさらに深いと感じる。「平和通りと名付けられた街を歩いて」という作品における官憲らの障がい者排除と認知症と思われる老人や皇族の描出も、まったく政治的なメッセージではなく深々と紡がれていることに舌を巻く。あなたはいろいろな暴力の局面を見聞きしている。沖縄は米兵にとって居心地がいいとも言っている。そこには、なぜ居心地を悪くしないのか、という衝迫が隠れているのかもしれない。
 目取真 ジーンズにTシャツ姿のときの米兵は、さっぱりしていて気持ちのいい若者。でも、軍服を着ると変わる。北部訓練場は実戦訓練の場だから、気持ちが高まり、兵士の顔になる。イラクやアフガニスタンに行ってきた彼らからすれば、リゾート地のような所で反対運動をしていると軽く見られているのはよく分かる。銃を手にした彼らに、実際にばかにされて屈辱感を肌身で体験するかどうかは重要なこと。笑っている米兵に目の前の石をぶん投げたいが…と逡巡(しゅんじゅん)する経験をしてみたらいい。イラクやアフガニスタンでは米軍に抑圧され、心もずたずたに踏みにじられた人々がいる。それでも黙って泣き寝入りするかという話。
 -沖縄は非暴力、非武装、平和のメッセージの発信地との意識を持つ本土の人も多い。
 目取真 相手に直接打撃を与えるかどうかでなく、基地がなくなればいい。ただ、非暴力というのは自分が痛い目に遭わないということではない。どんなに痛い目に遭っても非暴力を貫くというのは大変なこと。肉体的にも精神的にも。
 辺見 記者時代に横須賀通信部に勤務した。当時は原子力潜水艦が着くたびに、反対集会があり新聞記事にもなったが、今はならない。変われば変わるもんです。ただね、完全な反復じゃなくても、どこかで(抵抗運動の)相似的な反復はあると予感している。怒りの導火線が湿った状態がいつまでも長続きするとも思わない。かつてとは違う形の闘争が何らかの契機で爆発するときがあるかもしれない。遅すぎるにしても。
 目取真 沖縄では基地のゲート前で年寄りらが座り込み、若者を含めてトラックの前に立ちはだかって止めている。こういう実力阻止的な運動は10年前にはなかった。それを当たり前のようにやるようになったのは大きな変化。選挙や世論調査で民意を示しても踏みにじられる。具体的に行動しないと、自分たちの発言の場、行動の場すら失われていく。戦前もそうだった。1920年代、30年代でも時代に抗しない限り、かなり自由に発言できた。しかし、みな自主的に転向、迎合し、価値基準を抑制していくうちに、以前は書けたことがどんどん書けなくなった。小林多喜二のように拷問されて死んだ人間はごく少数で、大多数の文学者は抵抗もせず、自ら変わっていった。
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<目取真 俊>
 めどるま・しゅん 1960年、今帰仁村生まれ。高校教師時代の97年「水滴」で芥川賞。2000年「魂込め(まぶいぐみ)」で川端康成文学賞。自らが脚本を書き映画化された作品に「風音」がある。評論集に「沖縄『戦後』ゼロ年」など。
(共同通信)

アジアの世紀 沖縄に光/琉球フォーラム 進藤栄一氏講演
2017.04.13 琉球新報朝刊 3頁 総3 1版 写図表有 (全583字) 
 会員制の講演会組織「琉球フォーラム」(主宰・富田詢一琉球新報社長)の4月例会が12日、那覇市のANAクラウンプラザホテル沖縄ハーバービューで催された。政治学者の進藤栄一筑波大学名誉教授が「トランプ新政権と沖縄・アジアの未来」と題して講演した。今後は米国が衰退し、アジアが新たな市場となる「アジア力の世紀」になると展望し、その中心に位置する沖縄に「希望の光が見える」と指摘した。 進藤氏は、自身が発見した、米国による沖縄の長期占領を天皇が米総司令部に要請した「天皇メッセージ」にも言及し「見つけたとき、沖縄は独立しないといけないと思った」と振り返った。その上で「いま改めて沖縄自立論の正当性をかみしめてほしい」と話した。 沖縄の軍備強化の論拠として喧伝(けんでん)される中国脅威論には、米原子力空母と対比しつつ「中国がディーゼル空母1隻造って日本のメディアは大騒ぎしている。本当は中国の軍事力は貧弱なものだ」と指摘した。尖閣諸島周辺の中国海警局の船による領海侵入も「ある種のセレモニーで過大評価されている」と述べた。 現在の米国には、非白人の割合が増えている人種構成や都市の荒廃などを挙げて「米帝国は没落の道を着実に進んでいる」と語った。一方で中国やインド、アセアン諸国の勃興を指摘し「アジアの力の世紀で事実上の東アジア共同体が生まれている」と指摘した。 (共同通信)

Report submitted to UN requesting return of Ryukyuan remains
April 7, 2017 Ryukyu Shimpo   ---> RS
   On April 6, the Association of Comprehensive Studies for Independence of the Lew Chewans (ACSILs) disclosed that they had submitted to the Office of the United Nations High Commissioner for Human Rights a report requesting that Japanese researchers return the remains of the Ryukyuans they brought out of Mumujana grave in Nakijin Village. The ACSILs claims that the researchers infringed on “the right to conduct traditional rituals” of Indigenous Peoples.     The ACSILs also requested a return of original documents of the Amity Treaties created by the Ryukyu Kingdom with the United States, France, and the Netherlands from 1854 to 1859. These documents have been in the possession of the Japanese government. The ACSILs aims to have the issue judged at the Universal Periodic Review (UPR) of the Japanese government by the UN Human Rights Council in November.     The report is dated March 22. Referring to the annexation of the Ryukyus, known as “the Ryukyu Disposal” in 1879, the report pointed out that the Ryukyu islands have been “the subject of discrimination, exploitation, and control.” The ACSILs describe the Ryukyu independence movement as “the movement to restore the sovereignty of the Ryukyu peoples’ nation” and urge the Japanese government “to start demilitarization and decolonization.”     Regarding the taking of Ryukyuan remains, the report claims that it is in violation of Article 12 of the Declaration of the UN on the Rights of Indigenous Peoples (the right to conduct traditional ceremonies). The report called for a full investigation by the government and the return of remains.     As for the original treaty documents being kept by the Japanese government, the ACSILs claims it violates the UN Declaration and Liberty Rules, and requests they be immediately returned to Okinawa prefecture.     In addition to that, the report stressed that riot police officials called Okinawan citizens protesting US military helipad construction in the Northern Training Area “barbarians”. The report is published online at ACSILs website.     The Okinawa International Human Rights Study Group also submitted four reports to UPR on March 30.

琉球人遺骨返還を要求/民族独立研究学会 国連に報告書提出
2017.04.07 琉球新報朝刊 32頁 2社 1版 (全598字) 
 琉球民族独立総合研究学会は6日までに、日本の研究者が今帰仁村の百按司(むむじゃな)墓から持ち出した琉球人の遺骨を返還させることなどを求める報告書を、国連人権高等弁務官事務所に提出した。先住民族の「伝統儀礼を行う権利」を侵害していると訴えている。 1854~59年に琉球国が米国、フランス、オランダと結んだ修好条約の原本を日本政府が保管していることについても返還を求めている。国連人権理事会で11月に行われる日本政府対象の普遍的定期審査(UPR)で判断材料にしてもらうことが狙い。 報告書は3月22日付。1879年の琉球併合(琉球処分)などを踏まえ、琉球が「差別、搾取、支配の対象となってきた」と指摘した。琉球独立運動を「琉球民族の国家の主権を回復する運動」と位置付け、日本政府に「脱軍事基地化と脱植民地化を開始すべきだ」と求めている。 遺骨の持ち出しについては「先住民族の権利に関する国連宣言」第12条(伝統儀礼を行う権利)に違反していると指摘。政府による徹底的な調査と遺骨の返還を求めた。 3条約の原本については同国連宣言と自由権規約に違反しているとして、即時返還を求めた。 ほかに米軍北部訓練場ヘリパッド建設をめぐって機動隊員が県民に「土人」と発言したことなども盛り込んだ。報告書は同学会ホームページで公開している。 UPRには沖縄国際人権法研究会も3月30日、4点の報告書を提出している。

Ex-governor Ota nominated for Nobel Peace Prize
April 4, 2017 Ryukyu Shimpo
   Masahide Ota, ex-governor of Okinawa, has been nominated as a candidate for the 2017 Nobel Peace Prize. The, “Continuing the spirit of ‘life itself is treasure,’ bringing the Nobel Peace Prize to the Okinawan people who lay the foundation for peace,” executive committee held a press conference on March 3 at the Okinawan Prefectural Press Club, and announced that they had received word of the nomination from the Norwegian Nobel Committee.   The executive committee has been working for some time to help award a Nobel Peace Prize to the Okinawans who lived through the Battle of Okinawa and continue a movement for peace. As the governor of Okinawa, Ota laid the foundation for peace, and as someone who lived through the Battle of Okinawa and continues to do research about it, efforts began to make him the candidate for the prize as the representative of Okinawans.   Professor Tetsumi Takara of the Okinawa University Law School, speaking as a representative of the executive committee, said, “Looking at past winners, [the Nobel Peace Prize] has become an object of people who fight against the forced imposition of the government. It will become an even greater source of strength for the peace movement.” According to the executive committee, the winner of this year’s Nobel Peace Prize will be announced October 5. This year candidates for the prize include 215 individuals and 105 groups.

大田元知事、ノーベル平和賞候補に
2017.04.04 琉球新報朝刊
 大田昌秀元知事がこのほど、2017年のノーベル平和賞候補にノミネートされた。大田さんのノーベル賞受賞に向けて取り組む「『命どぅ宝のマブイ(魂)を継承し、平和の礎を創設した沖縄の人びとにノーベル賞を』実行委員会」が3日、沖縄県政記者クラブで記者会見し、3月上旬にノルウェーのノーベル平和賞委員会から連絡があったことを明らかにした。 同実行委員会はこれまで、沖縄戦体験者や平和運動を続ける県民がノーベル平和賞を受賞するよう取り組んできた。県知事として平和の礎を設置し、沖縄戦体験者として平和研究を続けてきた大田さんを県民の代表として、候補とするための取り組みを始めた。 実行委共同代表の高良鉄美琉球大法科大学院教授は「過去の受賞を見ると、政府の強行的な押し付けにあらがう人たちも対象になっている。平和運動へのより大きな力になる」と期待した。実行委によると今年のノーベル平和賞は10月5日に受賞者が発表される。今年は個人215人、103団体が候補として登録されている。

<あしゃぎ>ルーツを示すペンネーム
2017.03.30 琉球新報朝刊 19頁 文化 1版 写図表有 (全464字) 
 「琉球独立への視座-歴史を直視し未来を展望する」をこのほど榕樹書林から出版した里(さと)正三さん。印刷会社を経営しながらさまざまな市民運動に参加する内海正三さん=写真=だ。「球民族独立総合研究学会は琉球にルーツのある人に加入資格があるため、奄美・加計呂麻島出身の祖母・叔母の姓で学会誌に論文を発表した」。琉球独立に関わる場合のペンネームになった。 2012、13年に琉球大、沖縄国際大の非常勤講師を務め、約千人の学生に「現代社会の構造」というテーマでこの本の内容を講義していた。「ところが、国立大学には文科系は要らないということになってクビになった。学生に教えることができなくなったので、本にした」と話す。 大阪での高校時代からさまざまな運動に関わり、東京を経て1975年に沖縄に移住、金武湾反CTS闘争に加わった。現在、沖縄環境ネットワークの世話人も務める。 本では、琉球独立は民主主義の必然だとし、平和的独立は可能と主張する。「国際人権法を中心にして、弱者に優しい国、近隣諸国から祝福される国を目指したい」と確信を込めた。 

品格なき民主主義/沖縄問題シンポ 新基地建設を批判/東京
2017.03.26 琉球新報朝刊 3頁 総3 1版 写図表有 (全509字) 
 【東京】東アジア共同体・沖縄(琉球)研究会は25日、東京都の青山学院大学で「沖縄問題とは何か」をテーマに第5回公開シンポジウムを開いた=写真。基調講演した白井聡京都精華大学専任講師は、行政や財界など日本全体が総じて「ネトウヨのような筋が通らない右傾化が進んでいる」と指摘。翁長雄志知事が辺野古新基地問題で「日本の民主主義の品格が問われている」と言ったことを挙げ「(それに対する)答えは品格がないということだ」と強調した。 白井氏は「保守を名乗る人の間で、反米なのか、親米なのかよく分からない状態があるが、彼らのそんな精神状態の分裂が統一する時はアジア諸国民をヘイトする時だ。『自分たちはあなたたちと違う、欧米並みの国なんだ』と。そのヘイトが中国、韓国・朝鮮人だけでなく、沖縄にも向けられている。今後それが活発化するのを大変危惧している」と語った。 このほか、作家の佐藤優氏が「沖縄アイデンティティーと日本」と題して話した。松島泰勝龍谷大教授はアジアや西洋の国際関係の中で琉球独立論を位置付けた。高良鉄美琉球大教授は憲法の視点から東アジアの中の「琉球」について報告した。 約130人が会場に詰め掛け、熱心に話を聞いた。

<あしゃぎ>日本は琉球から独立を
2017.03.23 琉球新報朝刊 25頁 文化 1版 写図表有 (全462字) 
 公安調査庁の最新の報告書「内外情勢の回顧と展望」にあるコラム「『琉球帰属未定論』を提起し、沖縄での世論形成を図る中国」に対し「『中国脅威論を提起し、沖縄での世論形成を図る日本』と書き換えても、面白い文章が書ける気がする」と語る沖縄国際大学教授の友知政樹さん=写真。12日の琉球民族独立総合研究学会のシンポジウムで、同報告書を批判した。 公安調査庁の調査対象は「破壊的団体、無差別大量殺人を行った団体などとされているようだが、独立学会はそんなことはしていない。それにもかかわらず対象にしているとみられ、強く抗議した」と述べた。 その上で日本と沖縄の関係について「琉球独立論を『応援する』という日本人の方がいる。ありがたいことかもしれないが、いつも『琉球が独立するというより、日本が琉球から独立してください。こちらはこちらで頑張ります』と返している」と語る。「新たな国を作るのではなく、奪われた主権を取り戻す、復権が根底にある」と強調。今後について「独立に向けた過程についても学会内で勉強会などを作り、検討したい」と展望した。

<ネットワーク>琉球独立と経済・歴史/26日、糸満市で勉強会  
2017.03.22   琉球新報朝刊   8頁   オピ   1版

2017.03.14   琉球新報朝刊   31頁   社会   1版   (全512字)  
<読書・BOOK>琉球独立への本標(ほんしるべ)/宮平真弥著 一葉社・1944円/「琉球の怒り」にじむ書評集

ヘイト「放置駄目」/独立学会 シンポで問題討議
2017.03.14 琉球新報朝刊 31頁 社会 1版 (全512字) 
 琉球民族独立総合研究学会の第17回公開シンポジウム「琉球・沖縄ヘイト問題から考える琉球独立の必要性」が12日、宜野湾市の沖縄国際大学で開かれた。ヘイトにさらされた当事者や研究者が、東京MXテレビの番組「ニュース女子」、公安調査庁の報告「内外情勢の回顧と展望」などについて問題点を討議した。 米軍北部訓練場ヘリパッド建設に反対する儀保昇さん(62)は「市民が沖縄防衛局職員らに暴言を吐いた」などと言われていることに「圧倒的力の差がある中で発せられる言葉は(暴言ではなく)悲鳴だ」と話した。 高江や名護市辺野古で基地建設に反対している泰真実(やすまこと)さん(51)=医療職=は事実に基づかない情報が「インターネットや地域FM、口コミなどさまざまな方法で拡散されている」と指摘した。 同学会の親川志奈子共同代表は「私たちの苦しみさえエンターテインメントとして消費されている。放置せず、すぐに一つ一つに反論することが重要だ」と強調した。友知政樹沖国大教授は公安調査庁の報告に対し「日本も署名した『先住民族の権利に関する国連宣言』は、民族差別を助長するプロパガンダを防ぐことを定めている。日本政府は宣言に違反している」と批判した。

<ワシントン発>「日本政府、琉球に敬意!?」/米国務省人権報告書/先住民族認めずも「努力」
2017.03.06 琉球新報朝刊 2頁 総2
 【ワシントン=問山栄恵本紙特派員】米国務省が3日に公表した2016年版の人権報告書で、沖縄について先住民の項目で取り上げた。 報告書では、「(日本)政府は琉球(沖縄の居住者および鹿児島県の部分を含む言葉)を先住民と認めない」と指摘した上で、「(日本政府は)ユニークな文化と歴史を公式に認めて、それら伝統への敬意を守り、示す努力をした」と分析した。 国連では2008年に沖縄の人々を「先住民族」と公式に認めている。09年にはユネスコ(国連教育科学文化機関)が琉球・沖縄の民族性、歴史、文化について固有性を指摘している。 国連は、こうした認識を基に、日本政府に対し米軍基地問題などの差別の改善や、沖縄の言語、文化の保護について、何度も勧告している。 一方、日本政府は、沖縄の居住者・出身者は日本民族だとして「先住民族」として認めず、勧告を“無視”し続けている。

<論壇>比嘉学/自由と自立のために/沖縄人のための政府を  
2017.02.24   琉球新報朝刊   8頁   オピ   1版   写図表有

<社説>嘉手納爆音訴訟判決/夜間飛行容認許されぬ/差し止めぬなら基地撤去を
2017.02.24 琉球新報朝刊 2頁 総2 1版 (全1,513字) 
 米軍機の飛行差し止めを回避する判決がまたも繰り返された。米軍基地運用に司法は口を挟めないという思考停止を脱しない限り、基地被害は永久に救済されない。 第3次嘉手納爆音訴訟の那覇地裁沖縄支部判決は米軍機の夜間・早朝の飛行差し止めを認めず、将来分の損害賠償も退けた。 第2次訴訟で退けられた読谷村座喜味以北の原告への賠償が認められたことを「前進」とする声も原告団にある。しかし安眠を妨げる夜間・早朝の飛行差し止めに踏み込まない限り、爆音被害の抜本的な改善にはほど遠い。米軍基地の自由使用を容認する国策追従の判決と言わざるを得ない。
100デシベルの睡眠妨害
 最大の被害は米軍機の夜間飛行の爆音だ。最近でも昨年10月19日の午前2時半にF16機6機が離陸し最大100・2デシベルを計測した。住民が熟睡する深夜に「電車が通るガード下」に相当する爆音が基地周辺住民の安眠を奪う「殺人的な爆音」が日常化している。 第2次訴訟の控訴審判決は「飛行差し止めの司法救済が閉ざされている以上、国は騒音改善の政治的な責務を負う」と国の騒音改善の責任を指摘した。 しかし夜間飛行の横行は何ら改まっていない。今回の判決も「午後10時から午前6時の飛行制限が十分に履行されず、違法な被害が漫然と放置されている」と国の怠慢を厳しく批判している。 であれば飛行差し止めに踏み込むべきではなかったか。国の無作為で夜間飛行が放置され、その実態を知りつつ、地裁判決は飛行差し止めを回避した。被害救済を放棄する国と司法の無作為、無責任の連鎖と言うしかない。 厚木基地訴訟の2014年5月の横浜地裁判決は初めて自衛隊機の夜間飛行差し止めを命じ、15年7月の東京高裁判決は将来分の賠償をも認める初判断を下した。 しかし昨年12月の最高裁判決は自衛隊機の飛行差し止め、将来の賠償のいずれも退けた。それを受け那覇地裁も将来の賠償を退けた。住民保護に傾きかけた東京高裁判決から後退する司法の反動に那覇地裁も追従した。 米軍機の飛行差し止めを回避する裁判所の論理は「国は米軍機運航を制限できない」とする「第三者行為論」と、その背後にある「高度の政治性を有する安保条約は司法判断になじまない」とする統治行為論である。 統治行為論は米軍駐留を違憲とする一審を破棄した1959年の「砂川事件」最高裁判決が源流だ。しかし同判決は近年、当時の最高裁長官が日米両政府の圧力を受けていたことが米公文書で判明している。
主権と司法の独立否定
 終戦後の米国の影響下で日本の司法が歪(ゆが)められたのである。「国は米軍に口出しできない」「司法は高度の政治問題を判断できない」との論理は日本の主権と司法の独立の否定にほかならない。 米軍が夜間飛行を続け国がこれを漫然と放置し、司法も救済しないのなら、爆音の発生源の基地撤去を求めるしか手だてはないのではないか。 沖縄国際大学の友知政樹教授は、嘉手納基地返還後の跡地利用の「直接経済効果」を年間1兆4600億円と試算する。 嘉手納基地は沖縄戦時に日本軍が飛行場を建設し、占領米軍が基地として接収した。故郷を奪われた住民は周辺に移り住み、今なお爆音禍に苦しみ爆音訴訟の原告に名を連ねている。基地撤去の要求を不当とは決して言えない。 嘉手納基地の爆音被害を放置する政府と司法に対しては、基地撤去要求をも辞さない強い決意で爆音解消を訴え続けねばならない。 全国の米軍基地、自衛隊基地の騒音訴訟原告団との連携も重要だ。政府の無作為を突き動かし、司法の「第三者行為論」を突き破る理論武装が必要だ。将来の基地撤去をも視野に置く、たゆまぬ裁判闘争を原告団に期待したい。

嘉手納返還 効果1.5兆円/沖国大 友知教授/観光、産業で試算/「県は全基地算出を」
2017.02.23 琉球新報朝刊 1頁 総1 1版 写図表有 (全850字)   ---> RS
 【中部】沖縄国際大学経済学部の友知政樹教授は22日までに、米軍嘉手納基地が返還された場合の県経済への効果について、跡地利用が進んで生み出される「直接経済効果」が年間約1兆4600億円になるとの試算をまとめた。県が「嘉手納より南」の基地返還に伴う経済効果の算定で用いた計算式を当てはめて試算した。経費などを差し引いた「粗付加価値額」は約8220億円になるとした。 県は「嘉手納より南」の基地返還後の経済効果について、リゾートコンベンション産業や文化産業などを整備することを前提に計算した。友知教授はこの式を嘉手納基地に当てはめ、基地が所在する3市町それぞれの地価と掛け合わせた。 3市町は嘉手納基地の具体的な跡地利用計画を策定していない。 そのため、沖縄市、嘉手納町は県が試算したキャンプ瑞慶覧の返還効果(1ヘクタール=6・98億円)、北谷町はキャンプ桑江の返還効果(同4・95億円)を適用。1ヘクタール当たりの返還効果の数値と地価換算係数、嘉手納基地の面積1985ヘクタール(沖縄市742・5ヘクタール、嘉手納町879ヘクタール、北谷町363・5ヘクタール)を掛けて自治体ごとに経済効果を出し、これを足し合わせた。 嘉手納弾薬庫は林間地域で跡地利用の効果が限定的と考え、積算には含めていない。 友知教授は「あくまで基地問題は平和や人権の問題であり、経済効果があるから基地を返還した方がいいという論理ではない」と指摘した上で、「基地の存在による経済損失は行政が主体になって数値を出して議論をリードしてほしい。SACO合意以外の基地も『返ってこない』と決めつけず算出してみることが大事だ」と強調した。 友知教授はこれまでに「全基地撤去および全補助金撤廃後の琉球(沖縄)経済に関する一考察」として、県内の米軍施設と自衛隊基地を含めた試算を論文で発表している。 全基地撤去により3兆8426億円の直接経済効果が生み出されると算出し、そのうちSACOで返還合意されている基地以外が2兆9526億円としている。

1.5 trillion-yen benefit expected from return of Kadena
February 23, 2017 Ryukyu Shimpo    ---> RS
    On February 22, Professor Masaki Tomochi from the Department of Economics at Okinawa International University presented his trial calculations regarding the economic benefit to Okinawa if the U.S. military’s Kadena Air Base is returned. According to his calculations, “a direct economic benefit” of approximately 1.46 trillion-yen a year will be generated by the site being redeveloped. His calculations are based on the equations used by the Okinawa prefecture for estimating the economic benefits from the base being returned for “(areas) south of Kadena.” The “gross value added” after subtracting the expenses is approximately 822 billion-yen.    The prefecture made the calculations assuming that the resort, convention, and cultural industries would expand into “(areas) south of Kadena” after the base is returned. Professor Tomochi applied these equations to Kadena Air Base and multiplied that number by the price of land for the three municipalities in which the base is located.    The three municipalities have not come up with concrete plans for redeveloping the area where Kadena Air Base is currently located. Because of this, Okinawa City and Kadena Town have used 69.8 billion-yen per hectare for Camp Foster and Chatan has used 49.5 billion-yen per hectare for Camp Lester for their calculations. The values were provided by the prefecture. Kadena Air Base covers 1,985 hectares: 742.5 hectares from Okinawa City, 879 hectares from Kadena Town, and 363.5 hectares from Chatan. Multiplying the economic benefits per hectare, land price scale, and the three areas results in the economic benefit for each of the municipalities. Adding these numbers together gives the economic benefit from having Kadena Air Base returned. The benefits of redeveloping the Kadena Ammunition Storage Area, located in a forested area, were deemed limited. Therefore, it was not included in the calculations.    Professor Tomochi pointed out, “While our calculations show economic incentives for having the base returned, this was not our intention because in the end, the base issue is a peace and human rights issue.” He also emphasized, “(We) would like the government to become the main body in calculating the economic loss incurred from the base and to lead discussions. Even for the bases that are not part of the Special Action Committee on Facilities and Areas in Okinawa (SACO) agreement, it is important to estimate numbers for them and to not assume from the start that they ‘will not come back.’”    Up until now, Professor Tomochi has presented paper(s) on trial calculations including the military facilities within Okinawa and the Self-Defense Force bases as a part of “an examination of the Ryukyu (Okinawa) economy after all bases are removed and all subsidies were abolished.”    According to his calculations, a direct economic benefit of 3,842,600,000,000-yen will result from all bases being removed. Of that, 2,952,600,000-yen is for bases that are not part of the return agreement, which is a part of the SACO.

琉球独立学会 公安庁に抗議/「中国接近」報告で
2017.02.19 琉球新報朝刊 23頁 4社 1版 (全186字) 
 琉球民族独立総合研究学会は17日までに、公安調査庁が報告書で「琉球独立勢力」が中国と接近しているなどと記述したことに対して同庁に抗議した。東京MXテレビに対しても、番組「ニュース女子」で同庁の報告書が取り上げられたことに抗議した。 抗議文は「『中国脅威論』を提起し、琉球民族の分断を図る日本政府の戦略的な狙いを直ちに改め」るよう要求。同学会を調査対象としないよう求めた。

<北の地とつなぐ 自己決定権の懸け橋>1/遺骨問題/「分断策、沖縄と同じ」/闘い続け返還実現
2017.02.17 琉球新報朝刊 1頁 総1 1版 写図表有 (全1,281字) 
 約100人の参列者が見守る中、浅く掘られた墓穴に12個の木箱が並べられた。中にはアイヌ民族の人々の遺骨が入っている。祭主の男性が、木製のクワ(墓標)にお神酒「トノト」をささげる。参列者がイナウ(房状の祭具)を祭壇にささげ、トノトを酌み交わす。穏やかな表情でカムイノミ(神への祈りの儀式)を見つめるアイヌ民族の小川隆吉さん(81)=札幌市=は、数十年間の闘いを思い返していた。 昨年7月、北海道の浦河町(うらかわちょう)杵臼の墓地で“再埋葬”された遺骨は、人類学者らによって「発掘」され、北海道大学(札幌市)に80年以上も保管されていたものだった。 アイヌ民族が暮らしたアイヌモシリ(アイヌの静かな大地)は1869年、明治政府によって北海道と改称し、内国化された。政府はアイヌに和人化を強制する同化政策を取った。1930年代から70年代にかけて、北海道帝国大学(現在の北海道大)の教授らは道内外50カ所以上のアイヌ墓地を掘り返し、人骨や副葬品を収集。骨の形状から民族的な差異を考察する論文などを発表したが、その後も遺骨のほとんどを返さなかった。 北海道大の調査報告書によると、同大アイヌ納骨堂に保管されている遺骨は「個体ごとに特定できた1027体と、特定できない484箱分」。小川さんはおじの遺骨が持ち去られたとして同大学に情報開示を請求し、返還を求める民事訴訟も提起。同大学は昨年3月、遺骨の返還などを定めた和解に応じた。 80年に最初にアイヌの男性が北海道大に質問状を送ってから36年。遺骨の再埋葬は、アイヌの権利回復運動が実を結んだことを表していた。 ただ身元の特定できない遺骨は、白老町(しらおいちょう)に建設される国立施設に集約されることになっている。杵臼の遺骨返還で受け皿団体となった「コタンの会」で共同代表を務める清水裕二さん(75)=江別市=は「遺骨は全てコタン(地域)に返すべきだ。集約すれば再び研究に利用される。アイヌは賛否に分断されている。政府は今も明治期同様にアイヌを植民地政策、分断策の渦中に陥れている。新基地建設に揺れる沖縄と同じ構図だ」と指摘する。 沖縄で昨年、米軍北部訓練場のヘリパッド建設に反対する県民に大阪府警の機動隊員が「土人」と発言した。清水さんは「沖縄の人を差別し、優越感を得るための発言だ。鶴保庸介沖縄担当相や松井一郎大阪府知事は擁護した。幼いころから『土人』『原住民』と言われてきたが、見ていて寒気がする」と沖縄に寄り添って批判する。同様に過酷な少年期を過ごした小川さんも、沖縄とアイヌがたどった歴史的経緯の類似性を挙げて「遺骨の問題が、沖縄とアイヌの懸け橋になるといい」と連帯を呼び掛ける。 (宮城隆尋)  ◇  「土人」発言や、東京の地上波で事実と異なる内容の番組が放送されるなど「沖縄ヘイト」の動きが広がる。一方で沖縄と同様に明治期に日本に組み込まれ、差別と迫害にさらされたアイヌの人々の闘いが転換点を迎えている。自己決定権回復に向け、北の地から沖縄に連帯を呼び掛ける人々の思いを伝える。

<社説>琉球人骨の流出/調査と返還の是非議論を
2017.02.17 琉球新報朝刊 2頁 総2 1版 (全936字) 
 私たちの祖先が眠る墓地から骨が持ち出され、75年以上も返還されずにいる。研究目的といえども許されない行為だ。 1928年から29年にかけて、人類学の研究者らが今帰仁村の百按司(むむじゃな)墓から持ち出した人骨が少なくとも26体、京都大学に保管されていることが分かった。台湾大学も33体保管している。持ち出しの事例はほかにもある。実態把握を急ぎたい。 百按司墓から人骨を持ち出したのは、人類学者で京都帝国大助教授だった金関丈夫(かなせきたけお)氏である。沖縄での調査と人骨収集について著書「琉球民俗誌」に記している。今帰仁村教育委員会の調査で、京都大と台湾大が金関氏が持ち出した人骨を保管していることを確認した。台湾大は金関氏の異動先だ。 人類学者による沖縄での人骨収集は、当時の人類学の潮流に照らして考える必要がある。 19世紀に西欧で生まれた形質人類学や比較解剖学は、人種の違いや進化の道筋を明らかにするため、受刑者や植民地の先住民の人骨を研究対象とした。日本人類学の黎明(れいめい)期に活動した研究者も西欧の手法を導入し、日本人の優位性を明らかにしようとしたのである。 これらの研究は、西欧列強に対抗して植民地政策を展開した近代日本の国策を支えた点を見逃してはならない。強制的に日本の版図に組み込まれたアイヌや台湾、朝鮮などで人骨を集め、研究成果を通じて力による支配を正当化した。戦後になり人類学の植民地主義への加担が批判された。 沖縄における人骨収集の経緯も厳しく検証すべきだ。その上で人骨返還の是非や保存について議論したい。参考となるのがアイヌ民族による遺骨返還運動だ。 北海道旧土人保護法の撤廃と自己決定権を求める機運の高まりの中で、アイヌの遺骨返還を求める動きが1980年代から活発化した。遺族が遺骨の返還を北海道大に求め、裁判にも訴えた。 文部科学省は国内大学を対象に保管遺骨に関する調査を実施している。政府は2020年までに、国内12大学が保管する遺骨を集約する慰霊施設を北海道に建設する方針だ。 遺骨収集はアイヌや沖縄の人々の尊厳や文化を著しく傷つける行為だ。その反省に立ち、文科省や研究機関は琉球人骨の保管状況をしっかり調査し、事実を公表するべきだ。

京大に琉球人骨26体/学者収集 昭和初期から未返還/台湾大にも33体
2017.02.16 琉球新報朝刊 1頁 総1 1版 写図表有 (全1,257字) 
 昭和初期に人類学の研究者らが今帰仁村運天の百按司(むむじゃな)墓から持ち出した人骨が少なくとも26体、京都大学(京都市)に75年間以上、保管されていたことが分かった。研究目的で持ち出され、現在も返還されていない。同様に研究目的で北海道大学に保管されていたアイヌ民族の遺骨が昨年、遺族らに返還されたことから、一部の研究者らは「琉球人の遺骨も沖縄に返還すべきだ」と訴えている。先住民族が遺骨の返還を求める権利は、国連が2007年に採択した先住民族の権利宣言で認められている。(30、31面に関連、28、29面に特集、17日付から連載) 今帰仁村教育委員会が04年の調査で確認した。 琉球新報は京都大学に対し「琉球人の骨を現在も保管しているか」「当時の発掘調査は適切だったと考えているか」などを質問したが、同大学は「本件について個別の問い合わせには応じかねる」としている。 今帰仁村教委の調査によると、台湾の国立台湾大学(台北市)にも百按司墓から持ち出された人骨33体が保管されている。台湾大学は15日現在、人骨の有無について回答していない。 百按司墓から人骨を持ち出したのは、人類学者で京都帝国大学助教授だった金関丈夫(かなせきたけお)氏(1897~1983年)。28~29年に県内各地で行った発掘調査で複数の人骨を持ち出したことを、著書『琉球民俗誌』(78年)に書いている。沖縄の研究者らも関与したとの記述がある。金関氏はそれらを人骨標本として京都帝大(京都大)に寄贈し、一部は転勤先の台北帝大(台湾大学)に持ち出したとされている。 百按司墓は今帰仁村指定有形文化財で、同村運天集落の北側、がけの中腹にある。『中山世譜』(1697年)には、貴族の墓だったことが記されている。村教委によると、近くにある大北(うーにし)墓を含めて「山北地域の歴代王墓か監守一族の墓所」と考えられている。 金関氏らが収集した人骨を基に金関氏やその師である清野謙次(きよのけんじ)氏、弟子の許鴻梁(きょこうりょう)氏(ともに人類学者)らが論文などを発表した。その後も人骨は返されず、少なくとも2004年まで京都大学に保管されていた。 アイヌ民族の遺骨は、1930年代から人類学者らによって北海道各地の墓地などから掘り出され、全国11大学に1600体以上が保管されている。北海道旧土人保護法の廃止とアイヌの自己決定権回復を求める運動の延長で、遺骨返還を求める動きが活発化した。2012年に遺族らが遺骨返還を要求し北海道大学を提訴した。昨年3月に和解が成立し、同7月に12体が遺族らに返還された。 (宮城隆尋)
<用語>北海道旧土人保護法
 1899年制定。アイヌに土地を与え、農民化を誘導した。ただし土地は15年間未開墾であれば没収された。皇民化教育も徹底した。同法下で狩猟をなりわいとしていたアイヌの農民化は進まず、ますます困窮化した。アイヌ小学校が設置され、アイヌ語や伝統的な文化も否定された。1995年のアイヌ文化振興法制定時に廃止された。

Editorial: Taking of Ryukyuan bones for anthropology must be investigated and their return debated
February 17, 2017    ---> RS
  Our ancestors’ bones were taken from the tombs where they slept, and have remained unreturned for more than 75 years. This is unacceptable even if they were allegedly taken for research purposes.  It has been discovered that bones of at least 26 people taken by anthropologists conducting research in the Mumujana tombs in Nakijin Village in 1928 and 1929 are being stored at Kyoto University. Remains of another 33 people are being stored at Taiwan University. There are also other cases of bones being taken. We must make it a priority to uncover all the facts as quickly as possible.  The bones from the Mumujana tombs were taken by Takeo Kanaseki, an anthropologist and assistant professor at Kyoto Imperial University. He wrote a book titled “Ethnographic Study of the Ryukyu People” detailing his research in Okinawa and collection of bones. A study by the Nakijin Board of Education confirmed that Kyoto University and Taiwan University still have the bones that were taken by Professor Kanaseki, who subsequently moved to Taiwan University.  The taking of remains from Okinawa by anthropologists must be considered in view of the trends in anthropology at the time.  Physical anthropology and comparative anatomy, which were born in 19th century Europe, used the study of the bones of prisoners and colonized peoples to reveal differences between races and the process of evolution. When anthropology first came to Japan, researchers introduced European methods and attempted, through their work, to reveal the superiority of the Japanese.  We must not overlook the fact that this research served to support modern Japan as it pursued its own colonial policy in competition with the great European powers. Japanese researchers collected remains of Ainu, Taiwanese and Korean people whose lands were forcefully taken over as part of Japan, and used the fruits of their research to justify Japan’s domination by force. Since the end of World War II, there have been critiques of the anthropology’s complicity in colonialism.  The collection of bones from Okinawa should also be thoroughly investigated. After the facts are uncovered, we must discuss whether the bones should be returned and how they should be preserved. The Ainu movement for the return of remains serves as a reference.  Since the 1980s, when the Hokkaido Former Aborigines Protection Act was abolished and the opportunity to call for self-determination increased, a movement calling for the return of Ainu remains became active. Descendants of the deceased filed a lawsuit against the Hokkaido prefectural government demanding the return of the bones.  The Ministry of Education is carrying out a survey of remains stored at universities in Japan. By 2020, the government plans to build a memorial facility in Hokkaido for bones currently held at twelve Japanese universities.  The collection of bones severely harmed the dignity and culture of Ainu and Okinawan people. The Japanese government and research institutions should express remorse by thoroughly investigating where Ryukyuan remains are being stored and making the truth known to the public.

Removed during the early Showa Era, 26 Ryukyuan skeletons found at Kyoto University
February 16, 2017  Ryukyu Shimpo   ---> RS
By Takahiro Miyagi 
  At least 26 sets of human skeletons, which had been removed from the Mumujana Grave in Unten of Nakijin Village by anthropological researchers during the early Showa Era, were found at Kyoto University. The skeletons had been preserved at the university for more than 75 years and were removed for research purposes, but have yet to be returned. The Nakijin Village Board of Education confirmed the existence of the skeletons at Kyoto University in its 2004 research.  Similarly, the remains of the Ainu were also removed and preserved at Hokkaido University, but have since been returned to the families of the deceased. Following this, some researchers are arguing that the Ryukyuan skeletons should also be returned to Okinawa. The right of indigenous peoples to request the remains to be returned is stipulated in the United Nations Declaration on the Rights of Indigenous Peoples, which was adopted in 2007.  A representative from The Ryukyu Shimpo asked a representative from Kyoto University questions, such as “Do you still have Ryukyuan bones?” and “Do you think that the excavations that were conducted at the time were appropriate?” However, the representative responded, “We will not be taking any questions regarding this matter.”  According to the research conducted by the Nakijin Village Board of Education, another 33 sets of skeletons that had been removed from the Mumujana Grave are currently preserved at the National Taiwan University located in Taipei, Taiwan. As of February 15, Taiwan University has not answered whether they have the skeletons in possession.  It was Takeo Kanaseki (1897-1983), an anthropologist and Kyoto Imperial University (now Kyoto University) assistant professor who removed the skeletons from the Mumujana Grave. He wrote in his book, “Ryukyuan Ethnography” (1978) that he had removed several sets of skeletons during excavations conducted all over Okinawa between 1928 and 1929. He also noted that Okinawan researchers were also involved. Kanaseki then donated the skeletons as specimens to the Kyoto Imperial University. He also took some skeletons with him to the Taihoku Imperial University (now National Taiwan University), where he was transferred to.  The Mumujana Grave, located on the northern side of Unten, halfway up a cliff, is a tangible cultural property designated by Nakijin Village. According to a historical document from the Ryukyu Kingdom, “Chuzan seifu” (1697), the Mumujana Grave was a gravesite for nobility. According to a representative from the Nakijin Village’s Board of Education, the Mumujana Grave, along with the Unishi Grave close by are believed to be the “gravesites for the royal family of the Hokuzan area or the Kanshu (Administrator) family.”  Kaneseki, his mentor Kenji Kiyono, and apprentice Koryo Kyo, all of whom were anthropologists, presented their papers based on the skeletons collected by Kaneseki and others. However even after that, the skeletons were not returned and had been preserved at the Kyoto University at least until 2004.  In Hokkaido, remains of the Ainu had been excavated from gravesites by anthropologists around the 1930s. More than 1600 sets of skeletons are preserved at 11 universities across the country. With the abolishment of the Protection Law of Hokkaido Aboriginals and increased efforts to regain the right of self-determination by the Ainu, the movement to have the remains returned has gathered momentum. In 2012, families of the deceased filed a suit against Hokkaido demanding the remains be returned. A compromise was reached last March, and 12 sets of skeletons were returned to the families last July.
  Protection Law of Hokkaido Aboriginals
  Enacted in 1899. Gave land to the Ainu and promoted farming. However, the land was confiscated if it had not been cultivated for the past 15 years. Japanization, or imperial education, was also thoroughly implemented. However, farming did not sit well for the Ainu since they made their living by hunting, causing the situation to go from bad to worse. Ainu elementary schools were established, but practicing the Ainu language and traditional culture were forbidden. The law was abolished when the Act on the Promotion of Ainu Culture was established in 1995.

<西石垣見治氏に答える なぜ先住民族なのか>下/松島泰勝/同化は隷属化を進行/蔑視の姿勢、偏見こそ問題  
2017.02.17   琉球新報朝刊   25頁   文化   1版   写図表有

<西石垣見治氏に答える なぜ先住民族なのか>上/松島泰勝/国際法上の権利主体/日本「復帰」で問題解決せず  
   2017.02.16   琉球新報朝刊   14頁   文化   1版   写図表有

公安調査庁「分断」報告書/政府 根拠示さず
2017.02.01 琉球新報朝刊 3頁 総3 1版 (全492字) 
 【東京】政府は31日、公安調査庁が最新の報告書で、沖縄と中国の学術交流を「日本国内の分断を図る戦略的な狙いが潜んでいる」などと分析した内容について、政府の統一見解なのか問われ「記載は公安調査庁の見解を示したものである」と明示を避けた。多くの内容は「お答えを差し控えたい」などと根拠を示さなかった。照屋寛徳衆院議員(社民)の質問主意書に答えた。 記載がある報告書は「2017年 内外情勢の回顧と展望」。「『琉球帰属未定論』を提起し、沖縄での世論形成を図る中国」と題したコラムで「今後の沖縄に対する中国の動向には注意を要する」と結論付けている。照屋氏は記述の根拠や学術会議参加者からの聞き取りの有無などを問うたが、答弁書は「お答えを差し控えたい」と回答しなかった。 同報告書では米軍属女性暴行殺人事件に対する県民大会に「全国から党員や活動家らを動員した」との記述もある。対象の政党は「日本共産党である」と回答。動員と断定する根拠は「お答えを差し控えたい」とした。 公安調査庁の調査は「破壊的団体または無差別大量殺人行為を行った団体の活動に影響を及ぼし得る内外の諸動向」も含まれるとした。


<金口木舌>分断を強いているのは誰か
2017.01.26 琉球新報朝刊 1頁 総1 1版 (全551字) 
 差別を身近に感じ、闘ってきた人は社会の空気に敏感である。「沖縄の人々への人種的差別を復活させてはいけない」。長年、沖縄の問題に取り組んできた東京沖縄県人会前会長の渡久山長輝さん(82)は、大阪府警機動隊員の「土人」発言をしきりに嘆いていた ▼渡久山さんは元教師。「閣僚が差別発言を容認するようでは、『差別はいけない』と諭す教師や大人は示しがつかない。沖縄差別を容認する空気が広がるのでは」と憂いていた ▼残念ながら渡久山さんの不安は的中した。今年に入り、嫌沖をあおるデマが“公共の場”で堂々と流れ始めた。官民一体の様相を帯びているだけに、事態はより深刻である ▼東京MXテレビは、米軍基地建設に反対する市民を攻撃する内容の番組を放送した。公安調査庁は、報告書で沖縄と中国の学術交流を「日本国内の分断を図る戦略的な狙いが潜んでいる」と批判した ▼情報の根拠となる事実への取材や調査はイロハのイ。だが両者に共通するのは事実をきちんと調べず、一方的に決めつけ、ゆがんだ情報を流す手法である。中国の学術交流を現場で取材したが、公安調査庁の報告内容は偏見に満ちている ▼新基地建設を巡る沖縄の現状を見ると、分断を生む差別的施策を強行しているのは、むしろ日本政府の方だ。それを嫌沖や偏見が補強する。その空気に危機を感じる。

<社説>公安調査庁報告書/沖縄敵視の言い掛かりだ
2017.01.18 琉球新報朝刊 2頁 総2 1版 (全915字) 
 ネット上に流布するデマや中傷をかき集めただけの文書だ。それを政府機関が作成し、堂々と発表するのだからあぜんとする。
 公安調査庁がこのほど発刊した報告書「2017年 内外情勢の回顧と展望」の中で、沖縄と中国の学術交流を「日本国内の分断を図る戦略的な狙いが潜んでいる」などと批判し「今後の沖縄に対する中国の動向には注意を要する」と警告した。
 いかなる根拠に基づいて「日本国内の分断を図る」と言えるのか、理解に苦しむ。中国脅威論と絡め、研究者の活動を阻害するものだ。アジア各国の交流を通じて発展を目指す沖縄の将来構想にも悪影響を及ぼしかねない。
 問題の記述は、中国の動向を取り上げた箇所にあり、「中国国内では、『琉球帰属未定論』に関心を持つ大学やシンクタンクが中心となって、『琉球独立』を標ぼうする我が国の団体関係者などとの学術交流を進め、関係を深めている」などと指摘した。
 歴史的に深い関わりがある沖縄と中国の研究者が学術交流を進めるのは当然のことだ。昨年5月に北京で開かれた「琉球・沖縄最先端問題国際学術会議」では「琉球処分」を検証しながら、在沖米軍基地問題や沖縄の自己決定権について意見を交わした。
 米軍基地の重圧にあえぎ続ける沖縄の現状と将来像を考えた場合、自己決定権の行使は重要な意味を持つ。それを議論する学術交流を「国内分断」とレッテルを貼るのは極めて短絡的な思考だ。
 ほかにもある。辺野古新基地やヘリパッドの建設に反対する運動に関しては「公道に座り込むなどして移設工事関連車両の通行を繰り返し妨害し、逮捕者を出すなどした」と記述した。
 米軍属女性暴行殺人事件に対する県民の抗議や県民大会に関する記述では「県内各地の米軍施設周辺で抗議行動に取り組み、海兵隊の撤退などを訴えた」「全国から党員や活動家らを動員した」と記している。
 特定の政党や団体が反基地運動をあおっているかのような書きぶりだ。しかし、辺野古新基地やヘリパッドの建設阻止、海兵隊撤退の要求は県民の人権を守るという切実な願いに基づくものだ。
 報告書は沖縄敵視の姿勢すらうかがえる。偏見に満ちた言い掛かりは国民の沖縄観をゆがめる。記述撤回を公安調査庁に求めたい。

琉中学術交流は国内分断/公安調査庁 報告書に記述/「中国寄り世論形成」も
2017.01.18 琉球新報朝刊 28頁 2社 1版 写図表有 (全1,201字) 
 公安調査庁が最新の報告書の中で、中国側の動きとして「『琉球独立』を標ぼうする我が国の団体関係者などとの学術交流を進め、関係を深めている。背後には、沖縄で中国に有利な世論を形成し、日本国内の分断を図る戦略的な狙いが潜んでいるものとみられる」と分析していることが17日までに分かった。
 報告書「2017年 内外情勢の回顧と展望」で、中国が日本の「右傾化」への警戒を国際社会に呼び掛けていると指摘した。中国側は、在日米軍基地が集中する沖縄で「『琉球からの全基地撤去』を掲げる『琉球独立勢力』に接近したり、『琉球帰属未定論』を提起したりするなど、中国に有利な世論形成を図るような動き」を見せたと報告。コラムで、昨年8月に人民日報系の環球時報が「琉球の帰属は未定、琉球を沖縄と呼んではならない」とする論文を掲載したことを記している。2016年、北京で沖縄と中国の歴史研究者らが集まり「第2回琉球・沖縄最先端問題国際学術会議」が開かれた。「琉球独立勢力」は会議に参加した県内研究者を指すとみられる。
 公安調査庁は取材に「中国のシンクタンクなどが日本側の独立を標ぼうする団体と学術交流を進めていることや、沖縄を訪問していることから『接近』とした」と答えた。シンクタンクの詳細や沖縄訪問の回数、時期などについては「回答できない」とした。一連の報告について「中国政府の公式な表明ではない。主語を中国政府とは書いていない」とした。
 同庁は国内外のテロ組織や中国など各国情勢を分析する法務省の外局。報告書は16年度内に同庁のホームページで公開予定という。
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識者「低次元すぎる」
 公安調査庁報告書に掲載されたコラムに対し、昨年5月に中国・北京で開かれた「第2回琉球・沖縄最先端問題国際学術会議」に参加した県内研究者らからは批判する声が相次いだ。
 学術会議を取りまとめた又吉盛清沖縄大客員教授は「独立は沖縄の人が選択する問題で中国がどうこうではない」と断言。「会議のメンバーは誰も公安調査庁に話を聞かれていない。公的機関が十分な調査もせず発表するとは、無責任そのものだ」と怒りを込めた。
 比屋根照夫琉球大名誉教授も会議の趣旨を「北京周辺の琉球人の足跡をたどること、近現代史や基地問題に関する報告、議論にあった」と説明。「議論の内容をきちんと見たとも思えず、程度が低すぎる」と批判し、「沖縄へのヘイトスピーチでは」と憤った。
 琉球民族独立総合研究学会の松島泰勝共同代表(龍谷大教授)は「中国の研究者の間にも、琉球が独立したら中国が侵略するという発想はない」と話し、独立が「中国に利する」との発想自体を否定した。
 権力とメディアについて研究する砂川浩慶立教大教授はコラムを「内容的に不適切だ」とした上で「沖縄の報道機関も共に、事実に基づいて反論してただしていくしかない」と指摘した。

Public Security Intelligence Agency's report claims Ryukyu-China programs aim to divide country
January 18, 2017 Ryukyu Shimpo  ---> RS
   Japan’s Public Security Intelligence Agency claimed in its latest report that China was moving to deepen its ties with Ryukyu (Okinawa) independence groups through academic exchanges, and that it could be a strategy to divide Japan by promoting favorable public opinion of China.
   The intelligence agency noted in the report, Retrospect and Outlook on Internal and External Situations in 2017, that China had called on the international community to caution against Japan’s drift to the right.
   According to the report, China approached Ryukyu independence groups, which demand the withdrawal of all U.S. bases from Okinawa, where the U.S. bases in Japan are concentrated. The intelligence agency suggested that China was moving to promote favorable public opinion of the communist nation, alleging that the inclusion of the Ryukyus within Japan remains legally unconfirmed.
   In its report, the intelligence agency also referred to an opinion column published in August in the Global Times, a subsidiary of the People’s Daily. The opinion column stated that China should use the old name Ryukyu to refer to the islands because calling them Okinawa was tantamount to accepting Japanese sovereignty over them.
   The Second Ryukyu Okinawa Frontier Issue International Academic Conference was held by historians from Okinawa and China at Beijing University in May 2016.
   “The Ryukyu independence groups” described in the report seem to refer to the historians who took part in the conference from Okinawa.
   The intelligence agency stated: “The Chinese side, including think tanks, facilitates academic exchanges with Japanese groups, which advocate for Okinawa’s independence movement, and they have visited Okinawa.”
   The intelligence agency refused to answer questions about which think tanks in China were involved, when and how many times members of the think tanks visited Okinawa.
   Regarding the reports, the intelligence agency said, “They are not the official statements from the Chinese government. We did not refer to the Chinese government in any sentences.”
   The intelligence agency, which is administered by the Ministry of Justice, analyzes information on domestic and foreign terrorist organizations and the situations in various countries including China. The report will be published on the agency’s website for the remainder of Fiscal 2016, which ends March 31.
   Intellectual criticizes “low-level thinking.”
   Morikiyo Matayoshi, affiliate professor at Okinawa University, who coordinated The Second Ryukyu Okinawa Frontier Issue International Academic Conference, said, “It is a matter for Okinawan people to decide whether to become an independent country or not. This isn’t a matter for China to decide.” He added, “None of the members of the conference has heard from the intelligence agency. It is irresponsible for an organization to announce such a claim without carrying out enough research.”
   Teruo Hiyane, professor emeritus of the University of the Ryukyus, said, “The purpose of the conference was to retrace the footsteps of the Ryukyuan people around Beijing. At the conference, we discussed the recent contemporary history of Okinawa and the military base issue,” “I doubt that they have read what was discussed at the conference. Their approach reflects too much low-level thinking,” He criticized the intelligence agency for committing hate speech against Okinawa.
   Yasukatsu Matsushima, professor at Ryukoku University and co-leader of the Association of Comprehensive Studies for Independence of the Lew Chewans (ACSILs) , said, “There is no concept among Chinese researchers that China will invade if Ryukyu become an independent country.” He denied the idea that the Ryukyu independence movement will do China good.
  Hiroyoshi Sunagawa, professor at Rikkyo University and researcher into the relationship between power and media, indicated that the content was inappropriate. He further said, “Together with news media in Okinawa we have to refute it based on the facts.”

沖縄は独立に向かうのか 豊里友治(68歳)
2017.01.09 琉球新報朝刊 【声】
 今月下旬、翁長知事は就任以来3度目の訪米を計画しているという。トランプ政権が体制固めをする前に、普天間基地の返還と辺野古新基地断念を求めるとのことだ。
 翁長知事の頑張りに敬意を表したい。一県知事が、一国の首相のような重荷を背負わされている現状は県民にとって悲憤を禁じ得ない。米軍基地問題は、歴代の知事たちに荷重な負担を強いており、1985年西銘知事の訪米以来30年以上、延べ17回も対米交渉が行われてきた。察するに、全ての訪米行動に対し日本政府は裏から妨害工作を行ったであろう。いま作家の佐藤優氏が「沖縄が団結し、日本との国家間の外交交渉に準じた体制を構築することが不可欠」という言葉に共感している。
 本紙新年号掲載の県民意識調査は、政府による露骨な沖縄差別が県民の反発を招き、本土からの分離・独立傾向を鮮明にしたといえる。琉球・沖縄の歴史を知らない政治家や官僚たちの言動が、県民を独立の方向に向かわせているように思えてならない。(うるま市)

沖縄の「独立」は当然 渡口彦邦(78歳)
2017.01.08 琉球新報朝刊 【声】
 19世紀の英国人海軍将校、バジル・ホールが琉球を訪れてから昨年、200年を迎えた。その節目を祝い、上陸地の那覇市泊に記念碑が設置され、12月16日除幕式が執り行われた。
 米軍統治下の1950年代にハワイが米国の50番目の州に確定し、米国国旗・星条旗に載った。私も戦後のアメリカナイズの下に育ち、私たち沖縄も第51番目の州として米国の州へ移行すると信じた。しかし日本独立と引き換えに、沖縄は米国の支配下に引き渡され、今も日米安保条約で憲法は無きがごとし、対米隷属に変わりない。
 「矛盾が集約されているのは沖縄の基地問題。沖縄はもともと琉球国で、今は日本の植民地になっている」(法政大総長・田中優子氏)。「現地では独立論が根強いが、問題を日本全体で引き受けない限り、独立しようと考えるのは当然だ」(文芸評論家・加藤典洋氏)。「まずそこで生きる人の声に耳を傾け、対話する必要がある。今のままでは計り知れない禍根を残す」(田中氏)。(本紙新年号) 私たちは「独立の県民投票」を実施し、「守礼之邦」としてアジア諸国と友好を築き琉球の独立を目指そう。(那覇市、自営業)

<社説>県民意識調査/自己決定権求める異議だ/沖縄への誇りを活力源に
2017.01.04 琉球新報朝刊 2頁 総2 1版 (全1,533字) 
 日本復帰45年の節目を迎えた沖縄社会は、過重な米軍基地を未来まで背負わされるのか否かという重大な岐路に立たされている。
 広大な新基地まで強いる日本との関係性をどうすべきかという問いにも向き合わねばならない。そんな状況にある中、県民意識の地殻変動が見えてきた。
 ウチナーンチュ(沖縄人)であることと文化への誇りは相変わらず強い。沖縄の自己決定権を発揮できる「自治権」強化を求め、日本との関係性を改めようと異議を唱える県民が増えている-。
 5年に1度、琉球新報が実施する県民意識調査でこうした県民像が浮かび上がった。
 安倍政権への警告
 日本の1県である限り、沖縄の民意を反映した政治は望めないと不満を募らせ、沖縄の声を政治に十分反映できる仕組みを切望する人々が増えている表れである。
 外交・安保は国の専権事項と言い張って辺野古新基地建設をごり押しし、沖縄を組み敷こうとする安倍政権に対する異議申し立て、警告の意味合いが強い。安倍政権は沖縄の「自治権拡大」要求の高まりを重く受け止め、新基地見直しにかじを切るべきだ。
 「日本における沖縄の立場」を問う質問に対し、独立を含め、内政、外交面で沖縄の権限を現状より強化すべきだと考える人が約35%に上った。一方、「現行通り、1地域(県)のまま」とする回答は前回から17・7ポイント減って過半数を割る46・1%となった。
 「内政上の権限を強化した制度(沖縄単独州、自治州、特別県政など)を取り入れるべきだ」が17・9%、「外交・安全保障でも政府と同等の権限を持つ連邦制にすべきだ」が14%あった。
 「独立すべきだ」は2・6%で前回の4・7%から数字を落としたが、今回の調査で、「沖縄のことは沖縄が決める」自己決定権の確立と背中合わせの選択肢が初めて具体的に設けられたことが要因ではないか。
 在沖米軍基地は「縮小」「撤去」が6割を超え、「維持」「強化」の約4倍に達し、大きく上回る傾向が維持されている。
 全国で、自治権を強化することをこれほど明確に求める都道府県は沖縄をおいてほかにあるまい。
 安倍政権は沖縄の民意を軽視し、さらに強権的に新基地建設を推し進めれば、沖縄の自治権獲得要求が一層高まり、国の統合を揺るがす事態が到来しかねないと認識する必要がある。
 「子の貧困」解消を
 沖縄県民であることに誇りを持つ人と、沖縄の文化・芸能に誇りを持つ人は共に約9割を占めた。
 県民意識に詳しい東江平之琉大名誉教授が「県民の一体感、アイデンティティーは比較文化的に類のない特質を持つ」と指摘したように、祖先から育まれた固有の文化への誇りと愛着を深く胸に刻む県民は世代を超えている。胸を張っていい沖縄の一体感こそ、苦境を乗り越えてアジアの懸け橋として飛躍を目指す活力源にしたい。
 現在の生活に満足している人は7割を超え、過去最多となった一方、現在の悩みの上位3位は(1)収入・所得(2)健康(3)介護や老後-となった。「気になる問題」のトップも「所得の低さ」だった。大人の低収入問題は子どもの貧困や就学環境の格差に結び付く。
 観光産業の活況など好況が到来しても、将来の生活を楽観できない県民が多く存在する事実は重い。
 社会資本整備中心だった沖縄振興体制がどれだけ貢献できたのか、国、県、市町村は生活に根差した県民の不安に目を凝らし、子どもの貧困問題の解消、非正規雇用が多い労働環境の改善、県民所得の向上などに知恵を絞ってほしい。
 「とても盛ん」が約11%にとどまった近所付き合いの希薄化は気になる。つながりを大切に、他者の痛みをわがことと受け止めて行動する「肝苦(ちむぐり)さん」の心、地域社会の助け合い精神を高める方策も練り上げねばならない。

<復帰45年変わるウチナーンチュ像・2016琉球新報県民意識調査から>1/自治/“潜在的独立派”が増加/基地強行 怒り表れ
2017.01.03 琉球新報朝刊 27頁 社会 1版 写図表有 (全1,159字) 
 「連邦制というのは、中央政府から見れば独立と同じ意味だ。ウチナーンチュの自信と怒りが高まってきた表れだろう」。沖縄国際大学経済学部の友知政樹教授は、琉球新報の県民意識調査で「沖縄の今後のあり方」について「連邦制」が14・0%となったことに驚く。「連邦制」は今回、選択肢に新たに加わった項目だ。「政府の専権事項とされる外交・安全保障の権限を沖縄に移すべきだと考える人がこれだけいることが明らかになった」と語り「独立」「単独州など」と合わせて計34・5%が自治権強化を求めたことに「潜在的な独立派が増えたと言っていい」と強調した。
 友知氏は昨年3月の琉球民族独立総合研究学会の会合で、学生314人を対象にした沖縄独立の是非を問う調査結果を発表した。「独立すべきだ」と答えた学生は8%だが「政治、経済の安全が保障されるなら独立すべきだ」という“条件付き独立”の選択肢には38%が賛同した。
 県民意識調査の結果と共通する点として「オスプレイ強行配備などに県民は怒っている。『差別』という言葉が広く使われるようになり、潮目が変わった。2014年の県知事選以降の“オール沖縄”の流れで、基地に反対する経済人が現れたことも県民に勇気を与えた。環境の変化に加え、設問の工夫で隠れた本音が引き出された」と分析する。
 一方で県経済が基地に依存しているとの誤解も根強いことを挙げ「県民総生産に占める基地収入が5%しかない点など、知識が広まれば自治権拡大の意見はさらに増える」と予測した。
 自治の在り方に関心が高まる状況に関して「自治を考える上で、これまでの沖縄振興体制の功罪を問うことが求められる」と指摘するのは、琉球大学の島袋純教授(政治学)だ。
 「現行通り」が半数を割り込んだことに「沖縄側からはこれまで道州制の議論と連動し、経済界を含めて自治権強化を継続的に求めてきた。一括交付金が創設されるなど裁量は大きくなったが、それでも県民の不満は解消されていない。基地問題に関する権限を移さないと解決しない、沖縄の自己決定権を回復すべきだという考えが浸透してきた表れだ」と見る。
 その上で政府が基地と振興策の“リンク論”を露骨に主張し始めたことに警鐘を鳴らす。「政府はより基地と振興を関連付け、沖縄を屈服させる制度につくり変えたいはずだ。その前に沖縄側で今後の振興体制をどうするか議論すべきだ。高率補助は自治体の財政を崩壊状態に追い込んだ側面もある。全国に対し、基地負担を正当化するツールにもなった。沖縄振興特措法を廃止し、基地の引き上げを求めるのも一つの手だ。この5年が勝負になると思う」と語った。(宮城隆尋)

<琉球新報県民意識調査>「自治」拡大背景に基地
2017.01.01 琉球新報新年号 30頁 D3 1版 (全604字) 
 <解説>
 県民意識調査で、沖縄の自治の在り方について「現行通り」が半数を割り「単独州など」「連邦制」「独立」などの自治権拡大を求める意見が3分の1を超えた。調査結果からは、その背景に米軍普天間飛行場の返還・移設問題をはじめとする基地問題で、沖縄の意見が国の政策に反映されないことへの不満があることがうかがえる。
 社会・政治意識の設問で「今、気になる問題」に基地問題を挙げた人は、前回2011年と比べて2・0ポイント増の46・2%。01年の初回調査から増加傾向で、前回から「所得の低さ」に次ぐ第2位となっている。
 「近現代の重要な出来事」に挙がった上位10項目を見ても、1995年の米兵による少女乱暴事件が31・1%で2位、12年のオスプレイ強行配備が23・8%で4位となるなど、基地問題が半数の5項目を占めた。
 14年の県知事選や衆院選で明確に示された民意が政府に無視され、基地と自治を巡る議論が県内外で活発化した結果と考えられる。
 ほかの項目では沖縄県民であることや沖縄文化への誇りは高い傾向を保っている。半面、しまくとぅばは「聞くことも話すこともできる」と答えた人が若い世代ほど少なく、継承の課題は残っている。生活の悩みには今回も「収入・所得」を挙げる人が最多。観光客の増加などで県経済が回復基調にある中でも生活不安が続く背景には、非正規雇用が多くを占める労働環境の厳しさがあると考えられる。(宮城隆尋)

<琉球新報県民意識調査>「日本における沖縄の立場」/40代「単独州」 50代「連邦」/中年層で自立志向強く
2017.01.01 琉球新報新年号 30頁 D3 1版 写図表有 (全668字) 
 琉球新報の県民意識調査で「今後の日本における沖縄の立場」の質問を年代別に見ると、「現行通り」が半数を超えたのは20代と30代で、40代以上は全年代で半数以下だった。「単独州など」を支持した人は40代で最も多く23・7%、「連邦制」支持は50代が22・7%だった。「現行通り」は30代が最多で55・8%だった。40~60代の中年層で自立志向が強く、若年層と70代以上は「現行通り」「分からない」が多かった。(1面に関連)
 同設問は、選択肢を2011年の前回から一部変更した。「現行通り」「独立」は変わらないが、前回15・3%だった「特別区(自治州など)」の項目を廃止し、新たに「単独州など」「連邦制」を設けた。
 米軍基地に関しては「縮小すべきだ」が最も多く40・5%(前回比0・9ポイント増)、「撤去すべきだ」が20・0%(同6・3ポイント減)だった。「維持」は14・2%(同3・2ポイント増)、「強化」は1・6%(同0・5ポイント増)だった。「縮小」「撤去」の合計は、年代別では70代以上が最も多く72・4%、20代が最も少なく38・7%だった。
 自衛隊基地は「現状規模のまま」45・5%(前回比4・0ポイント増)、「拡大すべきだ」7・3%(同1・9ポイント増)の合計が52・8%で初めて半数を超えた。「縮小すべきだ」は19・9%(同2・2ポイント減)、「撤去すべきだ」は7・4%(同1・8ポイント減)だった。「現状」「拡大」の合計を地域別に見ると、最も多いのは中部で66・2%だった。「拡大」が最も多いのは八重山で16・9%だった。

自治権強化 35%望む/琉球新報 県民意識調査/「現行通り」半数割る/しまくとぅば「話せる」20代減7%/自衛隊容認増53%
2017.01.01 琉球新報新年号 1頁 A1 1版 写図表有 (全1,049字) 
 沖縄の県民像やその変化を探るため、琉球新報は昨年10~11月、県民意識調査を実施した。調査は2001年、06年、11年に続き4回目。「今後の日本における沖縄の立場をどうすべきか」という質問に「現行通り、日本の一地域(県)のまま」と答えた人が前回から15・7ポイント減って半数を割り、46・1%となった。一方で独立を含め、内政、外交面で沖縄の権限を現状より強化すべきだと考える人が計34・5%に上った。沖縄の自治に関する権限を現状より強化すべきだと考える層が3分の1を超え、現状を支持する層に迫った背景には、基地問題で沖縄の民意が政府に聞き入れられないことへの不満があるとみられる。(16、17面に特集、30面に関連)
 しまくとぅばを「聞くことも話すこともできる」と答えた人は3・5ポイント減って41・2%となり、20代は7・5%で1割を切った。
 沖縄の近現代の重要な出来事は「沖縄戦」が前回までと同じく最も多かったが、初めて半数を下回って45・7%となった。
 沖縄の自治の在り方について「現行通り」以外の回答は「沖縄関係予算の編成権を持つなど内政上の権限を強化した制度(道州制の沖縄単独州、自治州、特別県制など)を取り入れるべきだ」が17・9%、「内政上の権限を強化し、さらに外交・安全保障に関しても沖縄側が政府と同等の権限を持つ連邦制にすべきだ」が14・0%。「独立すべきだ」は2・6%だった。
 社会・政治意識について「気になる問題」は「所得の低さ」が53・8%、「基地問題」が46・2%と続いた。基地問題が2番目に高くなったのは前回調査の11年に続いて2回目。米軍基地は「撤去」「縮小」を求める人が計60・5%となった。自衛隊基地は「現状規模」「拡大すべきだ」が計52・8%となり、容認する人が初めて半数を超えた。
 沖縄県民であることに誇りを持つ人は「とても」「まあ」を合わせて86・3%、沖縄の文化・芸能に誇りを持つ人も同様に95・6%を占め、ともに前回と同様に高い傾向だった。生活の満足度は70・9%に達したが、現在の悩みについて最も多い38・6%が「収入・所得」と答えた。
 ・・・・・・・・・
 <調査の方法>
 調査は県内41市町村を5地区に分類し、人口比に応じた割合で55地点を抽出するエリア・ランダム・サンプリング法で実施。昨年10月15日~11月25日、各地点の対象世帯を調査員が訪問し、面接で20歳以上の1047人から回答を得た。

「植民地主義の表れ」/独立学会シンポ 差別発言、暴力を批判 
2016.12.04   琉球新報朝刊   2頁   総2   1版   写図表有   (全646字)
 琉球民族独立総合研究学会のオープンシンポジウムが3日午後、宜野湾市の沖縄国際大学で「高江、辺野古問題、『土人・シナ人』発言問題から考える琉球独立」をテーマに約150人が参加して開催された。登壇者は差別発言や抗議行動への暴力的な行為が「植民地主義の表れ」だと批判した。 琉球新報の普久原均編集局長、同学会会員の与那嶺義雄西原町議、「ヘリパッドいらない住民の会」会員で大宜味村で農業を営む儀保昇氏のほか、学会共同代表メンバーから松島泰勝龍谷大教授、琉大大学院生の親川志奈子氏、照屋みどり氏(コーディネーター)が登壇した。 普久原氏は、記者への取材妨害の背景に沖縄メディアを見下す感情があると指摘した。沖縄に対するデマも合わせて「沖縄に対するヘイトスピーチが強まる可能性がある」と述べた。 与那嶺氏は、琉球併合以来、日本による植民地主義が継続しているとして「国内問題として解決できない」と強調した。「国連や国際法に依拠し、先住民族の権利を行使できる主体としてアイデンティティーを認識・自覚することが重要」と訴えた。 儀保氏は高江の現場での抗議行動の状況を生々しく報告した。差別発言と共に「市民をまるで石ころをどかすように排除する」機動隊の暴力を批判した。 松島氏は自民党の改憲草案を琉球独立の視点から批判し「学会として憲法草案を作りたい」と表明した。 親川氏は発言に対してネット上で「大げさに反応すべきではない」という意見が多かったことに触れ、嫌中感情と差別が重なるシナ人発言の問題性も指摘した。

<琉球民族独立総合研究学会 公開シンポに寄せて>松島泰勝/高江、辺野古を議論/自己決定権、政府が妨害  
2016.12.02   琉球新報朝刊   25頁   文化   1版

<声>やはり私は琉球人/久田友一 78歳  
   2016.11.05   琉球新報朝刊   8頁   オピ   1版

<第6回世界のウチナーンチュ大会 10月26日~30日>ウチナーンチュ大会あす前夜祭/琉球史資料展示 講座や芸能実演/民族独立総合研究学会
2016.10.25 琉球新報朝刊 25頁 4社 1版 写図表有 (全214字) 
 琉球民族独立総合研究学会(ACSILs)が世界のウチナーンチュ大会開催期間中の27~29日に、県立博物館の講座室でイベントを開く。琉球の歴史や同学会の取り組みに関する資料を多言語で展示するほか、琉球古典音楽と民謡の実演などがある。入場無料。 琉球アイデンティティーの思いに関する映像資料の常設や、しまくとぅばを学ぶワークショップ、劇団比嘉座によるしまくとぅば芝居がある。 問い合わせは事務局(電話)050(3383)2609。

先住民族の権利保護/国連勧告 国が反論/石垣・豊見城の意見書引用/識者“ご都合主義”と批判
2016.10.04 琉球新報朝刊 2頁 総2 1版 (全787字) 
 国連の人種差別撤廃委員会が2014年に、沖縄の人々を先住民族として権利を保護するよう勧告したことを受け、日本政府が今年8月、勧告の撤廃を求める豊見城、石垣両市議会の意見書を根拠に反論したことが分かった。沖縄における表現の自由の侵害を訴える追加報告書を国連機関に提出した反差別国際運動(IMADR)と沖縄国際人権法研究会は、政府に対し「自分たちに都合のいいところだけ引用している」などと批判している。 沖縄における人種差別撤廃委員会の勧告は日本政府に報告書提出を義務付けていないが、政府はほかの勧告の反応とともに、8月18日に国連人権高等弁務官事務所に提出した。外務省人権人道課は2市議会の意見書可決を踏まえ、「事実関係として進展があるから(報告を)出す判断になった。沖縄にもいろいろな意見がある」と説明した。 報告書は「『先住民族』と認識している人々はアイヌの人々以外には存在しない」という見解を示しつつ、豊見城市議会の「県民のほとんどが先住民族であるとの自己認識を持っておらず」(15年12月)、石垣市議会の「先住民族との指摘は当たらない」(16年6月)の文言を引用。「県出身者が『先住民族』であるとの認識が日本国内に広く存在するとは言えない」とし、「権利を全て等しく保障されている」と強調した。 沖縄国際人権法研究会の島袋純琉球大教授は「先住民族かどうかの概念でなく、どれだけ沖縄の人権が侵害されているかが大きい」と指摘した上で、「国連が定めてきた先住民族の定義を押さえないと反論にならない」と批判。反差別国際運動の小松泰介氏は「国連の舞台で話題になり、くぎを刺そうとしたのではないか」と推測した。 反差別国際運動などは9月27日、名護市辺野古や東村高江周辺の基地建設などにおける表現の自由に関する追加報告書を、国連のデービッド・ケイ特別報告者や関係機関にも送付した。

「琉球は先住民族」/NGO、議員らに反論
2016.09.17 朝刊 28頁 特集3 (全447字) 
 国際機関で沖縄問題を訴えるNGO「琉球弧の先住民族会」(宮里護佐丸代表)は16日、県庁で会見し、豊見城市議会や県選出の国会議員が、県民は「先住民族」ではなく日本人と主張していることに対し「国連の諸機関から政府に対し『琉球民族』を先住民族と認めるよう勧告が出ている」などと反論した。引き続き国際法に基づき琉球民族の権利を回復する意義を強調した。 会見では、琉球民族を先住民族とする国連勧告への異論は(1)県民が知らずに提出した文書で勧告が出た(2)沖縄以外のNGOの勝手な主張(3)県民は日本人で先住民族ではない-との3点に要約できると指摘。 これに対し、同会は(1)国連勧告が出る度に新聞や報告会で説明している(2)国連での協議資格(発言権)を持つ「琉球弧の先住民族会」は「琉球にルーツを持つ者」の組織で他NGOの入れ知恵の活動ではない(3)琉球民族は日本人だという遺伝子的な説と異なり、「先住民族の権利に関する国連宣言」における「先住民族」概念は構造的差別を問題にしている-などと説明した。

ハトおじさん 長堂嘉光さん/平和の象徴と「辺野古NO」/那覇・上之屋 沖縄自立訴え街頭に  --->RS
2016.09.05琉球新報朝刊24頁2社1版写図表有(全849字)
 那覇市上之屋の国道58号沿いに立ち、肩や腕にハトを乗せてバイオリンを弾き、辺野古新基地建設とオスプレイ配備への反対を訴える男性がいる。周囲の人から「ハトおじさん」と呼ばれるのは、那覇市の自営業、長堂嘉光(かみつ)さん(69)。母親の疎開先の宮崎県で生まれた長堂さんだが、沖縄戦で親族40人以上を亡くした。「米軍だけでなく、自国にもいじめられている地域は世界中にどこにもない」。平和の尊さと、沖縄の真の自立に向け、街頭に立ち続けている。 宮崎県で生まれ、大阪で育った。大型重機の操縦士などを務めたが、2010年に“故郷”沖縄に戻った。「ずっと魂はウチナーンチュだ」と関西弁で照れる長堂さん。基地問題に常にさいなまれる沖縄の現状を憂い、15年3月から街頭で辺野古新基地建設反対やオスプレイ配備反対を訴え始めた。 当初は「辺野古新基地反対」と書かれたTシャツを着て、肩や腕にハトを止まらせて抗議行動をしていた。米軍属女性暴行殺人事件を受け「訴えをもっと聞いてもらうため、目立つパフォーマンスが必要だ」と16歳から始めたバイオリンでの演奏も披露するようになった。 雨の日も風の日も、毎日3回同じ場所に立ち、平和の象徴であるハトに餌をやり、得意のバイオリンを奏でる。レパートリーはアルゼンチンタンゴを中心に約50曲。演奏歴は50年超、腕前もなかなかだ。 最初の頃は通り過ぎる車から罵声を浴びせられたり、からかわれたりもしたが、最近では応援して手を振ってくれる人も増えた。「精いっぱい自分の思いを主張したい。それだけや」 辺野古新基地建設問題をはじめ、日米両政府は県知事選や国政選挙などで示されてきた沖縄の民意をことごとく無視してきたことが腹立たしい。 「沖縄への弾圧を断ち切るには、琉球民族の独立しかない」 周囲からは非現実的だと眉をひそめられることもあるが、自身の信念は貫きたいと意志は固い。 「沖縄に真の平和が訪れる日が必ず来ると信じている」。ハトおじさんは今日も、上之屋交差点の角に立つ。(當銘千絵) 
  
自己決定権で研究会/県内外有識者ら呼び掛け/来月11日発足、シンポ 
2016.08.26琉球新報朝刊2頁総21版(全755字)  

<論壇>比嘉康文/高江でも沖縄独立の気運/明治以来続く「琉球処分」  
2016.08.23琉球新報朝刊8頁オピ1版写図表有(全0字)  

「独立で決定権」仲村氏が強調/沖縄市で勉強会 
2016.08.19琉球新報朝刊35頁地21版写図表有(全207字)  

<琉流・ずっと手元に シマの手仕事>ファッションブランド LEQUIO/沖縄素材で世界へ 
2016.08.16琉球新報朝刊15頁火フ1版写図表有(全1,139字)  

「県民の抗議重要」/ストーン氏 辺野古問題で強調 
2016.08.15琉球新報朝刊1頁総11版写図表有(全638字)  

<ネットワーク>「琉球独立」の勉強会/14日、沖縄市で  
2016.08.12琉球新報朝刊8頁オピ1版

<平和考>13/親川志奈子さん オキスタ107共同代表/独立は現実的選択肢/沖縄と日本、「平和」に違い
2016.08.12 琉球新報朝刊 6頁 国際 1版 写図表有 (全2,183字) 
 辺野古での新基地建設に女性暴行殺害事件…。沖縄では戦後71年の今も、米軍絡みの犯罪や事故、騒音、環境破壊が絶えない。基地被害が続発する中で考える平和とは何か。発足後3年を迎えた「琉球民族独立総合研究学会」の若き論客で、社会言語学者の親川志奈子さん(35)に聞いた。
    ◇    ◇
 -沖縄独立論には過激なイメージがあります。
 「そう感じる人もいる。でも2年前に住民投票を行ったスコットランド、年内にも投票があるグアムなど海外の独立運動は珍しくない。独自の歴史や文化が政治に抑圧されている植民地状態を脱し、民族の自己決定権を取り戻そうとしている」
 -沖縄は植民地か。
 「19世紀の琉球処分以来、伝統の『島言葉(しまくとぅば)』を話すことも、琉球の歴史を学ぶこともままならない沖縄は、自分たちの土地も基地にされ自由に使えない植民地状態にある。国際法に基づく独立のシナリオは十分に現実的だ。暴論や空論に見せているのは、沖縄の国際問題化を嫌う『宗主国』の意向も反映している」
 -近年の反基地世論の高まりをどうみますか。
 「発火点は1995年の少女暴行事件。戦後50年、本土復帰後20年余が過ぎたのに、この種の事件がまた起きたことが衝撃だったし、日米両政府の対応もひどかった。沖縄の基地は本当に必要なのか。不当に押し付けられているのでは。多くのウチナーンチュがそう考え始めた」
 -保革相乗りの「オール沖縄」「島ぐるみ」が実現しました。
 「沖縄のイデオロギー対立は、日本政府が『基地か経済か』と偽りの二者択一を突き付けてきたことが大きい。そうした差別と抑圧の構造が20年かけて広く認知されたことで、『イデオロギーよりアイデンティティー』を掲げる翁長雄志県知事が登場した。沖縄は新たな一歩を踏み出した」
 -一方で反基地運動の現状は厳しい。
 「沖縄の民意を選挙でいくら示しても、政府は聞く耳を持たない。沖縄出身の芸能人や『癒やしの島』の人気ぶりを利用して沖縄との融和を装いつつ、耐用200年という新基地を辺野古につくろうとしている。『日本の沖縄』という政治的地位では未来は見えないという危機感から、独立論に関心が寄せられている」
 -運動に限界がある?
 「端的に言えば、運動自体が差別と抑圧をはらんでいる。それを可視化したのが、鳩山由紀夫元首相の『迷言』から広がった普天間飛行場の県外移設の訴えだった」
 -具体的には?
 「日本の左派運動が掲げる『基地はどこにもいらない』は正論です。でも基地の大多数は、日米安保の支持者の大多数が住む日本ではなく沖縄にある。それを棚に上げて、ウチナーンチュが県外移設を言うと『安保を容認するのか』『自分さえよければいいのか』と責めるのはフェアでない」
 -沖縄の受忍を前提とした運動になっている。
 「沖縄に基地を押し付けている日本の利益に反しない形でしか、沖縄は主張できない。それでいて日本の運動家たちは『沖縄から日本を変えろ』『もっと頑張れ』と盛んに言う。差別の自覚がないのがやるせないです」
 -沖縄の平和と日本の平和はどう違う?
 「悲惨な沖縄戦の記憶につながる米軍が今も目の前にいて、被害が続く中で平和の意味を問う。それが沖縄のリアルです。未来の戦争を想定し、憲法改正の是非を争っている日本とは次元が違う」
 -議論をかみ合わせるにはどうすればいい?
 「日本と沖縄が同じ平和を語るには、お互いに脱植民地化を進めて対等な関係を結び直す必要がある。そのための選択肢の一つが独立です」
 -かえって関係が悪化しそうな気もします。
 「日本だけを見ていては理解しにくいでしょうが、旧植民地と旧宗主国の関係は、世界的にも非常に重視されています。日本は沖縄に対する過去の不正義を直視し、負の歴史の清算に努める必要はある。その上で、互恵的な関係も対話を通じて再構築できるはずです」
 -学会の目標は。
 「『この島を二度と戦場にしない』がウチナーンチュの総意です。非武装中立の平和国家に向けた独立の在り方を具体的に研究、啓発するのが役目だと思っています」
 -独立を達成したら基地はどうしますか。
 「米軍基地も自衛隊基地も撤去します。そのとき日本はどうするでしょう。平和憲法をなし崩しにして米軍に寄り掛かり、沖縄を犠牲にして目を背けてきた日本にとって、沖縄の独立こそ平和を考える絶好の機会になるでしょう」(聞き手は共同通信記者・山下憲一)(随時掲載)
………………………………………………………………
 おやかわ・しなこ 1981年沖縄市生まれ。琉球大大学院博士課程に在籍、専門は消滅危機にある伝統言語の復興。米英の大学、大学院に留学後の2013年「琉球民族独立総合研究学会」設立に参加。沖縄の自己決定権の啓発団体「オキスタ107」共同代表。
<メモ>普天間移設問題
 宜野湾市の中心部にある米軍普天間飛行場の移設を巡る問題。1995年の米兵による少女乱暴事件を受けて翌年、日米両政府が返還で合意した。日本政府は99年に名護市辺野古への移設を閣議決定。2013年には仲井真弘多前知事が移設先の埋め立てを承認したが、翌年の知事選に勝利した翁長雄志知事が15年に取り消した。政府と県の対立は互いに提訴する事態に発展。今年3月にいったん和解後、7月に政府が再提訴し法廷闘争に回帰した。


 <声>各県で独立国家を/親泊善雄 63歳
   2016.08.10   琉球新報朝刊   8頁   オピ   1版

 <声>「琉球」独立の道を/普久原裕子 50歳
   2016.08.05   琉球新報朝刊   8頁   オピ   1版

Self-determination association forms with an eye on Ryukyu independence  --->RS
July 25, 2016 Ryukyu Shimpo
  On July 24, the newly-formed “Nuchi du takara (life is a treasure)! Ryukyu self-determination association (preparatory association)” held an event to celebrate its formation at the Central Community Center in Nishihara Town. Approximately 150 people attended the event. The association aims to be a “civil society-style political organization” and plans to utilize the United Nations and international law to work toward realizing self-determination, with an eye on the possibility of eventually achieving Ryukyuan independence. The association plans to develop into an official political association once it attains a certain number of supporters.     The association upholds five tenets, including “embodying the history of Ryuku/Okinawa up until the present, and, with strength, opening up the future through the exercise of Ryuku/Okinawan self-determination with a readiness to aim for independence,” and “bidding farewell to the colonialism of Ryukyu/Okinawa by Japan and the United States, which continues today in the form of the Henoko new base construction issue.” Members are required to have roots in the Ryukyu arc.     As its basic policy, the association upholds the goals of “working together with the United Nations, international society, and East Asia and expanding self-determination” and “seeing resolutions supporting the realization of self-determination passed by all of [Okinawa’s] city, town, and village assemblies, and by the Prefectural Assembly.” It plans to work on a variety of pressing issues, including working to achieve the immediate closure of U.S. Marine Corps Air Station Futenma, opposing the forcible construction of a new base in Henoko and of Osprey pads in Takae, and opposing increased Japan Self-Defense Force deployment on Okinawa and further militarization of Okinawa, in addition to working to promote economic development, cultural promotion, language education, and an improved working environment.     One sponsor of the association, Nishihara Town councilmember Yoshio Yonamine, said, “Ultimately, we hope to become a group capable of conducting a prefectural referendum on the issue of realizing self-determination.”
  (English translation by T&CT and Sandi Aritza)


琉球独立も視野に/「自己決定権準備会」が集会  --->RS
2016.07.25 琉球新報朝刊 28頁 2社 1版 写図表有 (全581字) 
 【西原】沖縄の自己決定権確立を目的とした「命どぅ宝! 琉球の自己決定権の会(準備会)」の結成集会と講演会が24日、西原町中央公民館で開かれ、約150人が参加した。同会は「市民運動的政治団体」を掲げ、最終的な琉球独立の可能性も視野に入れ、国連や国際法を活用した自己決定権の確立を目指して活動を展開する方針。一定の賛同者が集まり次第、正式な会として発足させる。 会の理念では「今日までの琉球・沖縄の歴史を体現し、独立も辞さずの気構えで琉球・沖縄の自己決定権を行使し、力強く未来を切り開く」「今日の辺野古新基地建設問題までの琉球・沖縄に対する日本と米国による植民地主義と決別する」など5項目を掲げた。会員資格は「琉球弧にルーツを持つもの」と定めた。 基本政策として「国連や国際社会・東アジアと連携し自己決定権を拡大する」「全市長村議会および県議会での自己決定権確立の決議採択を目指す」などの目標を掲げた。当面の課題として「普天間基地の即時閉鎖と辺野古新基地建設および高江オスプレイパッド強行建設に反対し、自衛隊の新たな沖縄配備と軍事強化に反対する」ことをはじめ経済発展、文化振興、言語教育、労働環境改善などに取り組むとした。 世話人の一人の与那嶺義雄西原町議は「最終的には県民に自己決定権の確立を問う住民投票などを実施できる主体となることを目指したい」などと語った。

<会と催し>自己決定権の会 24日に結成集会/伊佐眞一氏が講演
2016.07.22 琉球新報朝刊 17頁 文化 1版 (全191字) 
 「命どぅ宝!琉球の自己決定権の会」(準備会)の結成集会が24日(日)午後2時から西原町中央公民館で開かれる。 与那嶺義雄氏(西原町議)が「私たちの目指す琉球・沖縄の姿」と題して基調報告を行い、伊佐眞一氏(沖縄近代史家)が「今、琉球・沖縄史に立つ意味」と題して講演する。 資料代500円。問い合わせは(電話)090(1947)5535(与那嶺)、090(1946)6702(宮城)。

大橋巨泉さん死去/「沖縄は独立を」/基地問題で提言
2016.07.21 琉球新報朝刊 31頁 社会 1版 (全285字) 
 12日に82歳で亡くなった大橋巨泉さんは、2014年末、琉球新報のインタビューに応じ、沖縄の基地問題解決に向けて「沖縄はもう独立すべきではないか」と語るなど、沖縄の自己決定権に着目し、日本との決別を提言していた。 当時は、辺野古新基地建設に反対する翁長県政が発足し、直後の衆院選で、翁長雄志知事を支えるオール沖縄勢力が県内全選挙区で勝利したころだ。衆院選は全国的には自公の安倍政権が勝利。沖縄の声がかき消されてしまうかのような状況を憂えてか、巨泉さんは「日本人は何もできない、駄目な国民だ。日本人に頼って(基地問題を)解決しようと思っても無理だろう」とも指摘していた。

 <読書・BOOK>琉球独立への経済学/松島泰勝著 法律文化社・2700円/立ち位置、明確に自覚
   2016.07.17   琉球新報朝刊   20頁   読1   1版

<声>沖縄は本気で独立を/上出勝 63歳
   2016.07.14   琉球新報朝刊   8頁   オピ   1版

<金口木舌>EU離脱の結末は
2016.07.07 琉球新報朝刊 1頁 総1 1版 (全551字) 
 誰も予想できない驚きの結末。それは見てのお楽しみ-。映画の宣伝ならいいが、現実世界ならどうだろう。ここまで目算が狂うと、もはや悲劇か
▼英国民投票でEU離脱派が勝った後の混乱が収まらない。想定外が想定外を生む“誤算の連鎖”が生じている。まずはキャメロン首相の誤算。勝って離脱派を封じ込むもくろみは外れた
▼首相の辞任表明で生じた政治空白は混乱を一層助長している。英国の混乱を反面教師と見たか、予想されたEU参加国の「離脱ドミノ倒し」の動きよりも、欧州結束派の巻き返しが目立つ。離脱派の相次ぐ公約撤回も大きな誤算
▼離脱派はかつての強い「大英帝国の復活」を目指した。だが狙いに反し、各地の独立派が勢いを増したことが最も大きな誤算だろう。今の連邦さえ崩壊の危機に直面しようとしている
▼「次はEU離脱のタイミングだ」。2014年のスコットランド独立住民投票を取材した時を思い出した。独立派は敗れた翌日、既に狙いを定めていた
▼案の定、その時に反対票を投じた人々にも今は共鳴が広がり、独立が一層現実味を帯びてきた。離脱派が描いた、映画のようなハッピーエンドの筋書きはさらに遠のく。離脱を離婚に例えて夫婦が「やり直そう」と復縁する場面を期待する声もあるが、投票結果は重く、時既に遅し。現実世界の結末は映画より奇なりか。


<記者の窓>1カ月前の「ゲンロンカフェ」/立場性示しつつ書くか/文化部 米倉外昭
2016.07.03 琉球新報朝刊 8頁 オピ 1版 写図表有 (全724字) 
 記事にできず、胸に何かが詰まったような思いのまま1カ月が過ぎてしまった。 5月27日夜、那覇市の桜坂劇場で「ゲンロンカフェ」が行われた。東京で開かれている言論イベントの「沖縄出張版」で、その第2夜「琉球独立論は何を夢見るか」を聴いた。午後7時すぎから深夜0時前まで、休憩も含めて5時間近い長丁場だった。 ジャーナリストの津田大介氏の進行で、哲学者の東浩紀氏、明星大准教授の熊本博之氏、地元沖縄から琉球民族独立総合研究学会理事の親川志奈子氏が登壇した。議論は植民地主義をめぐるポジショナリティー(政治的権力的位置性)の表明の問題、基地引き取り運動などへと展開された。 東氏は、対話の順序として冒頭にポジショナリティーを問うことを「暴力的」と指摘。津田氏も「それが議論を閉塞(へいそく)させているのでは」と述べた。それに対し親川氏は「立場を明らかにすることで対等になれる」と説明し、場は緊張感を帯びた。東氏は、中途半端な同胞意識が迷惑施設を押し付ける背景にあるとし、同胞としての良心に訴えるより、異文化性、他者性を強調して「淡々と独立を説けばいい」などと主張した。 会場からも多くの意見が出た。「自分の中で琉球人と日本人を分けられない」などの「もやもや感」が示された。辺野古在住の人から「私たちは生きていかなければならない。(基地建設が)強行されれば、条件闘争しかない」という発言もあった。 議論を閉塞させるとの指摘の一方、聴衆から表明されたさまざまな「もやもや感」。これが沖縄を巡る言論空間のリアルな状況なのだろう。シマナイチャー記者としての立場性を示しつつ、書くべきだったのだが。米軍属が逮捕された事件の重苦しさの中で、その苦さをかみしめている。

ウェールズでも独立の声/EU
2016.06.29 琉球新報朝刊 6頁 国際 1版 (全383字) 

<表層深層>英、揺らぎ始めた結束/独立、分裂懸念も
2016.06.28 琉球新報朝刊 6頁 国際 1版 写図表有 (全1,237字) 
 欧州連合(EU)からの離脱を決めた英国の結束が揺らぎ始めた。残留支持が多数を占めた北部スコットランドでは独立の機運が再燃。かつて紛争があった北アイルランド住民は、和平や生活への影響を懸念する。ロンドンでは「首都独立」という奇抜な運動も。国の分裂にもつながりかねず、伝統ある連合王国・英国の「終焉(しゅうえん)の始まり」との見方も広がっている。
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再投票
「失望した」
 住民の62%が残留に票を投じたスコットランド。中心都市エディンバラの繁華街で大道芸人のスティーブン・アーチバルドさん(44)がこぼした。興行でEU各国に出向くが、離脱すれば査証(ビザ)が必要になる。 アーチバルドさんは「市民の都合を顧みずに投票が行われた」と憤慨。「スコットランドは英国を離れてEUに入るべきだ」と訴える。 スコットランドは約300年前にイングランドと合併、連合王国の一部となった。独立志向が根強く、2014年に是非を問う住民投票を実施したが約55%が反対し、英国残留を決めた。 住民投票を主導したスコットランド行政府のスタージョン首相は、再投票を検討すると表明。独立国として新たにEUに加盟申請したい考えだ。ただ、2度目の住民投票には慎重論もある。
和平後退
 北アイルランドでも動揺が広がっている。EU離脱によって、経済発展をもたらしてきた隣国アイルランドとの自由往来が阻害される恐れがあるからだ。「離脱は困る」。北アイルランド側の国境の町ニューリー。アイルランドから越境通勤するタイヤ店員アレックス・ピローさん(30)が渋い表情を見せた。「国境が閉まれば客が減る。こっちに引っ越さないと」 北アイルランドの輸出の4割弱はアイルランド向け。国境沿いでは残留支持が80%近くに達した地域もあった。 北アイルランドの経済発展は、英統治の存続を求めるプロテスタント系住民と、アイルランドへの帰属を目指すカトリック系住民の紛争に終止符を打った1998年の和平を支える基盤となってきた。離脱は「和平の後退につながる」(英紙)とみられている。
栄光の終焉
 「ロンドンは移民を歓迎する」。EUに秋波を送ったのは5月にロンドン市長に就任したばかりのサディク・カーン氏。パキスタン系移民2世で、欧米の主要首都で初のイスラム教徒市長だ。EU離脱派は域内からの移民増加を懸念している。 海外との結び付きが強い国際経済の中心地ロンドンでは、6割が残留に投票した。インターネット上で「ロンドン独立」への署名を呼び掛ける発起人は「正式に分離し、大陸に仲間入りしよう」と主張。賛同数は20万に及ぶ勢いだ。 「北アイルランドはアイルランドとの合併を望むだろう」「スコットランドは再投票を選択し、独自の道を選ぶ」 米政府特使としてアイルランド和平交渉に携わった外交問題評議会のハース会長は、米メディアに大胆な予想を披露。国民投票の結果を「栄光の歴史を持つ国家の終焉の始まり」と指摘した。(エディンバラ、ニューリー共同=高橋伸輔)


単独残留へ交渉方針/スコットランドが表明
2016.06.26 琉球新報朝刊 10頁 国際 1版 (全278字) 
 【ロンドン共同】英北部スコットランド行政府のスタージョン首相は25日、行政府の閣議後に記者会見し、スコットランド単独での欧州連合(EU)残留に向けた交渉をEU側と早急に始めると述べた。残留が実現する可能性は不透明だが、国民投票での英国全体の離脱決定に逆行する方針で、英内政の混乱が拡大しそうだ。 スコットランドは国民投票後、離脱派が多い南部イングランドに反発、独自の動きを強めている。 閣議では英国のEU離脱に備え、スコットランド独立の是非を問う住民投票の再実施について「検討を進める」ことで一致。スタージョン氏は再実施の可能性は「かなり高い」と語った。

<出版話題>「アエラ」が沖縄を特集/著名人ら思い語る
2016.06.23 琉球新報朝刊 12頁 文化 1版 写図表有 (全536字) 
 週刊誌「アエラ」(朝日新聞出版、県内は24日発売)が、23ページにわたる特集「沖縄はもうギリギリだ 沖縄を他人事だと思っていませんか」を組んだ=写真。 作家の目取真俊と哲学者の高橋哲哉による緊急対談のほか、川平朝清、ジョン・カビラ、いっこく堂、今日マチ子、金城小百合、牛島貞満、池澤夏樹が、沖縄の状況に対する思いを語っている。 松島泰勝「琉球独立運動は日本の今を映す鏡」、屋良朝博「日本政府が沖縄駐留にこだわる本当の理由」、渡瀬夏彦「沖縄戦体験者が減っても『風化』させない」、安田浩一「『嫌沖』の空気と『沖縄叩(たた)き』」、仲里効「写真で振り返る沖縄の歴史」など、多彩な執筆陣が沖縄の今を多角的に論じている。 対談では県外移設論、独立論が話題に。目取真は基地引き取り運動を提唱する高橋に、「運動につながらない『県外移設』の言論活動に何の意味があるのでしょうか」と批判をぶつける。「1億3千万の日本国民を変えるのは無理かもしれないけれど、140万の沖縄県民が変われば基地は撤去できると思う」と、座り込みによるゲート封鎖の方が現実的だと主張し、沖縄に関わる学者・文化人の姿勢も問うた。定価390円。問い合わせは朝日新聞出版販売部(電話)03(5540)7793。(敬称略)

米軍属女性暴行殺人 若者座談会/国は第2の加害者
2016.06.15 琉球新報朝刊 15頁 特3 1版 写図表有 (全3,503字) 
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学び「琉球民族」確信/喜久村
喜久村 高校までは、なんも考えたことなかった。大学進学で本土に出てから「基地はそのまま沖縄に置いておけばいいさ」と悪気なく言われ、面と向かって「財源ばかりゆすり取っている」と言われたこともあった。そこから沖縄の歴史を勉強し始めた。琉球処分から、同化政策を経て沖縄戦、米施政権下でのことなどを学んでいくにつれ、自分は日本人ではあるけど、歴史的に見ても琉球民族なんだと考えている。
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<声>沖縄は独立すべきだ/内間寅男 65歳
   2016.05.30   琉球新報朝刊   8頁   オピ   1版

<声>独立していれば/我謝美翠 88歳
   2016.05.27   琉球新報朝刊   8頁   オピ   1版

米軍属女性遺棄/植民地扱い 今も/「日本の独立は神話」/知事、毅然と首相に訴え
   2016.05.24   琉球新報朝刊   35頁   社会   1版   写図表有   (全651字)

<「琉球民族独立学会」3周年記念シンポに寄せて>比嘉克博/-沖縄「先住民族」論-/国連勧告撤回要求なぜ/豊見城市議会意見書 差別の移譲想起
   2016.05.20   琉球新報朝刊   23頁   文化   1版

沖縄を平和拠点に/北京国際会議 決定権、基地で議論
2016.05.17 琉球新報朝刊 30頁 2社 1版 写図表有 (全759字) 
 【北京で新垣毅】沖縄、中国双方の研究者らが琉球・沖縄史や中国との交流史を議論する「第2回琉球・沖縄最先端問題国際学術会議」(中国戦略・管理研究会、北京大学歴史学部、北京市中日文化交流史研究会主催)は最終日の16日、中国の北京大学で沖縄の自己決定権や米軍基地問題、独立などを巡って意見を交わした。その中で、中国の研究者から沖縄の自己決定権行使に理解を示す意見が聞かれた。双方の発表者から、沖縄は東アジアの平和的要、交流の拠点として重要との意見が相次いだ。 最終日は、比屋根照夫琉球大名誉教授や又吉盛清沖縄大客員教授ら沖縄側7人、中国側12人、日本本土から2人が研究成果などを報告した。 比屋根氏は近代沖縄の知識人がアジアをどう見ていたかについて報告。「沖縄ほど抑圧の歴史を分かる人々はいない」と述べた。又吉氏は「沖縄戦の被害が大き過ぎて沖縄では戦争の被害の側面ばかり言われているが、加害責任も追及されねばならない。東アジアの人々と共通認識を持つためにも必要だ」と話した。 八重山郷土史家の大田静男氏は尖閣諸島問題に触れ「小さな島から見えることは、未来に向かって国民国家の壁を取り払い、共同体社会をつくり上げる必要性だ」と主張した。 松島泰勝龍谷大教授は「先住民族としての琉球人の自己決定権行使」、友知政樹沖縄国際大教授は「全基地撤去後、全補助金撤廃後の琉球・沖縄経済に関する一考察」と題し発表した。 新垣毅琉球新報東京報道部長は、なぜ沖縄で自己決定権が叫ばれているかを説明。「日中の紛争が起これば沖縄は真っ先に戦場になる。両国、あるいはアジアの懸け橋になる資格があるし、役割を果たせる。そのためにも自己決定権が重要だ」と強調した。吉田伸沖縄タイムス学芸部記者は在沖米軍基地の現状を解説し、日本本土側の無関心を批判した。

<社説>「先住民族」撤回要求/併合と抑圧の歴史直視せよ
2016.04.29 琉球新報朝刊 2頁 総2 1版 (全943字) 
 沖縄の人々を「先住民族」とし、言語や文化、歴史の保護を日本政府に求めた国連勧告について木原誠二外務副大臣が「事実上の撤回、修正を働き掛けたい」と述べた。 木原氏は、国連勧告が「政府の立場と異なる」「わが国の実情を正確に反映していない」と認識しているようだ。しかし、琉球・沖縄の近現代史に照らせば、その認識自体が重大な問題を含んでいることが分かる。 米、仏、蘭3カ国と修好条約を結んだ国際法上の主権国家である琉球王国を日本政府が武力で併合したというのが琉球併合(「琉球処分」)の実相だ。「国際法違反」という研究者の指摘もある。 政府は琉球王国が独立国家であったかについての判断を避けている。それにもかかわらず「政府の立場と異なる」として国連勧告の撤回・修正を求める木原氏の姿勢は本末転倒だ。琉球王国に対する認識を明確にすることが先決ではないか。 勧告にある「先住民族」規定は、差別や人権侵害に苦しむ少数者の救済を目指す国連や国際社会の活動を通じて醸成された。沖縄の人々にあった「土地の権利」が奪われたことを重視したものでもある。 4度にわたる勧告は、琉球併合の実相を見据え、それに続く沖縄支配と抑圧を憂慮し、是正を求めたものだ。基地集中による人権侵害も是正の対象だ。 「先住民族」という言葉に対してはさまざまな意見がある。豊見城市議会は「沖縄県民は日本人であり、決して先住民族ではない」として勧告撤回を求めている。 しかし、少数者救済や「土地の権利」に基軸を置いた「先住民族」規定を踏まえ、差別の解消を政府に求める国連勧告は妥当だ。植民地支配にあらがい、自決権回復を目指した国際社会の経験に照らしても勧告は尊重されるべきだ。人種や血統の同一性のみを取り上げ、批判するのは筋違いだ。 勧告撤回・修正要求は、沖縄を苦しめる差別構造を放置すると国際社会に宣言するに等しい行為だ。勧告を実行に移し、差別構造を解消することが政府に課せられた責務である。 木原氏らに対する質疑で、国連勧告を「民族分断工作と言ってもいい」と発言した宮崎政久氏(自民)の認識もおかしい。差別の解消を求める県民の要求に逆行するものだ。沖縄の近現代史に対する理解を欠いている。これこそ沖縄を「分断工作」するものではないか。

勧告は沖縄に危険/県民侮辱/先住民族撤回要求 国会議員に賛否
2016.04.29 琉球新報朝刊 9頁 国際 1版 (全1,150字) 
 【東京】木原誠二外務副大臣が、沖縄の人々を「先住民族」とする国連勧告に撤回を働き掛ける考えを示した件は、県関係国会議員の間で波紋を広げている。自民党国会議員からは「勧告は沖縄にとって危険な内容を含む」などと撤回に賛同があったが、慎重な意見もあった。一方、野党国会議員は「県民への侮辱だ」などと反発が大勢を占めた。 西銘恒三郎衆院議員(自民)は「国会議員の質問にコメントする立場にない。41市町村の市民、町民、村民は沖縄県民である。沖縄県民は日本国民である」と主張した。 国場幸之助衆院議員(自民)は「沖縄は言語学的にも民俗学的にも日本の源流を残す地域という特色もある。基地負担の在り方を含め、公平な国づくりの実現が不可欠だ」と指摘した。 宮崎政久衆院議員(自民)は「国連勧告は県民の知らない中で県民を先住民族とし、沖縄にとって危険な内容を含むことを広く県民に知ってもらいたい」と勧告撤回に賛同した。 比嘉奈津美衆院議員(自民)は「慎重かつ冷静に人権問題は議論しなければならないが、現状で県民は誇りある日本人として、政府から働き掛けていただきたい」と注文を付けた。 赤嶺政賢衆院議員(共産)は「勧告は国内の人権や自由を尊重するよう求めたもの。民意を一顧だにせず、新基地建設を押し付ける日本政府の姿勢こそ撤回されるべきだ」と訴えた。 下地幹郎衆院議員(おおさか維新)は「かつて『琉球』時代が長く『日本』でなかった時代があったのも間違いない。史実に基づいた学術的判断は政治家の領分ではない」とした。 照屋寛徳衆院議員(社民)は「国際機関の共通認識を否認し、撤回、修正を働き掛けるとの答弁は非常識。琉球王国の否定と併せ、構造的差別に抗(あらが)う県民への侮辱だ」と批判した。 玉城デニー衆院議員(生活)は「独特の文化、歴史、伝統、言語は今も県民の大切な帰属意識の源。それらを法的に保護し、差別を否定する勧告は政府も尊重すべきだ」と求めた。 仲里利信衆院議員(無所属)は「勧告は、基地の不均衡な集中や沖縄の歴史の否定が沖縄差別や人権侵害を招いていることを明らかにし、沖縄との対話を促しており評価する」とした。 島尻安伊子参院議員(自民)は「国連勧告への対応は外務省など関係省庁で適切に対応してもらえるだろう。沖縄振興を担当する大臣としてのコメントは控えたい」と言及を避けた。 儀間光男参院議員(おおさか維新)は「独自の伝統文化はあるが、それで先住民族と位置付けるのは拙速過ぎる。県民自体がその意識を持っているのか甚だ疑問がある」と指摘した。 糸数慶子参院議員(無所属)は「琉球併合は国際法違反で、本土防衛目的の沖縄戦、過重な基地負担など政府の沖縄差別は明確。政府は速やかに勧告を受け入れ是正すべきだ」とした。

「屈辱の日」県民集会/返せ「本物の主権」/国際通りデモ 基地集中に怒り
2016.04.29 琉球新報朝刊 33頁 社会 1版 写図表有 (全732字) 
 「沖縄差別を許さないぞ」。サンフランシスコ講和条約の発効により沖縄が日本から切り離された「屈辱の日」に、約300人が国際通りをデモ行進した。沖縄の人々を「先住民族」として県民の権利の保護を求めた国連勧告の撤回に動きだす政府、県経済の米軍基地依存を誇大する高校教科書、今なお続く過重な米軍基地負担。64年がたってもなお、新たな沖縄差別が噴出する現状に、参加者は怒りを込めて声を上げた。(1面に関連) 米統治下の時代を知る高齢者から、沖縄の現状を知りたいと県外から足を運んだ若者まで、デモ行進には多様な年代が集まった。「平和な沖縄をつくるぞ」「本物の主権を回復するぞ」。先導車の拡声器から流れるシュプレヒコールに、参加者は「取り戻そう普天間」「フェンスを取っ払おう」と書かれたプラカードを掲げて呼応した。 平良猛夫さん(77)=那覇市=は「復帰したら日本国民として平等に扱ってもらえると信じていたが、そうはならなかった」と、復帰後も続く米軍基地の負担を嘆いた。 政府の国連勧告撤回の動きや高校教科書の記述問題についても憤り「歴史を知らない政治家が歴史をねじ曲げ、沖縄を利用している。オール県民で訴え、差別的な扱いを変えないといけない」と語った。 デモ行進した国際通りは、国内外の観光客や地元客でにぎわっていた。物珍しそうにカメラで撮影する観光客のほか、「今日は何の日? 何のデモよ?」と話す県内高校生の姿もあった。 「沖縄の人でも4・28がどういう日なのか分からない人が増えている。本土との擦れ違いも、屈辱の日が分からないことから生まれているのではないか」。宜野湾市の公務員、比嘉祐子さん(51)は、不平等の源流となった屈辱の日を風化させないよう、声を上げて訴えた。

「先住民族」撤回要求へ/外務副大臣、国連勧告に/「国の実情 反映せず」/認識に隔たり
2016.04.28 琉球新報朝刊 1頁 総1 1版 写図表有 (全980字) 
 【東京】沖縄の人々を「先住民族」とし、日本政府に琉球・沖縄の言語や文化、歴史の保護などを求めた国連勧告について、木原誠二外務副大臣は27日の衆院内閣委員会で「事実上の撤回、修正を働き掛けたい」と述べた。国連は、琉球王国があった事実を基に勧告しているが、日本政府はこれまでその判断を回避してきた。琉球・沖縄を巡る政府と国連の歴史認識などに隔たりが大きいことがあらためて浮き彫りとなった。宮崎政久氏(自民)に答えた。(2、29面に関連) 国連は2008年に沖縄の人々を「先住民族」と公式に認め、過去4回勧告を出した。14年8月には国連人種差別撤廃委員会が沖縄の人々の権利を保護するよう勧告する「最終見解」を発表し、法制を改正しての土地や天然資源に対する権利の保障措置を求めている。 10年には「沖縄における軍事基地の不均衡な集中は住民に否定的な影響がある」とし、「現代的形式の差別」と断じた。 対して日本政府は、日本にアイヌ民族以外に少数民族は存在せず、沖縄の人々は日本民族で、人種差別撤廃条約の適用対象にならないと主張している。 同日の委員会で宮崎氏は国連勧告を「県民もほとんど知らない状況で勝手に先住民族として扱われている」と強調し、政府に「責任を持って抗議をしてほしい。民族分断工作と言ってもいいようなことを放置しないでほしい」と述べ、国連への働き掛けを求めた。 これに対して、木原氏は豊見城市議会が国連勧告撤回を求める意見書を賛成多数で採択したことに触れ「これまでも政府の立場と異なる意見、わが国の実情を正確に反映していない勧告、意見については事実上の撤回、修正をするように働き掛けており、これからもしっかり行っていきたい」などと述べた。
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議論のすり替え
 島袋純琉球大教授の話 国連宣言での「先住民族」は、抑圧されている人たちの人権を保障するという概念で、国連人種差別撤廃委員会の勧告は構造的差別を受けている沖縄県民の人権を保障するというものだ。本土と同じ血筋や言語だから先住民族ではないとし、撤回を求めるとする国会のやりとりは的外れで、議論のすり替えだ。沖縄には民族分断をする危険な人たちがいるとのレッテル貼りの意図があるのではないか。仮に国連に抗議をしても沖縄の権利を奪う意図があるのかと思われるだけだ。


「先住民族」撤回要求/琉球王国の認識に違い/政府、「不正」認定を回避
2016.04.28 琉球新報朝刊 2頁 総2 1版 写図表有 (全819字) 
<解説> 国連が沖縄の人々を日本の「先住民族」と認識していることに対し、外務省が否定しているのは、歴史認識の違いによるものが大きい。それは1879年の琉球併合(「琉球処分」)まで琉球王国が独立王国として存在していたかどうかへの評価に深く関わっている。 国連が規定する「先住民族」は、他者によって土地を奪われた、もともとその土地に住んでいた人々を指す。血統や言語といった人種や民族的同一性や違いも指標にはなるが、最も重要なポイントは、そこの土地はそもそも誰のものだったかという「土地の権利」だ。 国連が沖縄の人々を「先住民族」と認めたのは(1)琉球王国が1850年代に米国、フランス、オランダと修好条約を結び、国際法上の主体=主権国家として存在していた(2)79年に日本によって併合され沖縄県が設置された(3)その後日本に支配され差別の対象とされた-主にこの3点を事実として認定したからだ。 一方、日本政府側は琉球王国が国際法上の主体としての独立国家だったかどうかについて「『琉球王国』をめぐる当時の状況が必ずしも明らかでなく、確定的なことを述べるのは困難」という判断を避ける答弁を繰り返してきた。つまり公式には琉球王国の存在を確定的なものとして認めていない。 ただ、今回の国会答弁のように日本の先住民族は「アイヌの人々以外にいない」ということであれば、少なくとも1879年以前、琉球人は存在せず、琉球王国の国民は日本人だったことになる。琉球王国の存在を認めた場合、先住民族論に最も重要な根拠を与えることもあり、判断を避けているとみられる。 2007年に国連で採択された先住民族権利宣言は、先住民族の合意がない限り先住民族の土地を軍事に利用することを禁じている。日本政府が沖縄の人々を先住民族として認めると、日本政府は米軍基地問題などこれまでの沖縄政策で多くの「不正」を是正せざるを得なくなることも、認めたくない理由の一つだろう。(新垣毅)

「先住民族」撤回要求/「問題拡散へ焦り」「冷静議論を」/政党に賛否の声
2016.04.28 琉球新報朝刊 2頁 総2 1版 (全857字) 
 政府が27日、沖縄の人々を「先住民族」とした国連勧告の撤回を働き掛けるとしたことに、県内政党・県議会会派から「沖縄問題が国際社会に拡散されることへの焦り」「冷静な議論を求める」「早くやるべきだ」などと賛否の声が上がった。 自民県連は「政府が撤回を働き掛けると答弁したが、遅きに失した。基地の問題と人権の問題は次元が違う。本来なら県からも速やかに国連に撤回を申し入れすべきだ」と指摘した。 社民県連は「自民党が沖縄に基地犠牲を強要し続けるから国連に訴える。本質は国家による少数派への政治的差別。民俗学的な切り口だけで捉える宮崎氏の政治家の資質を疑う」と断じた。 県議会会派の県民ネットは「国連勧告は沖縄の言語や文化、人権の抑圧・侵害を国際的に示した。発言は沖縄問題が国際社会に拡散されることに脅威を感じた焦り」と指摘した。 共産県委は「米軍基地集中が『現代的形式の差別』とした勧告を受け止めていない。長年の米軍基地の重圧を容認し、沖縄特有の歴史、文化をも理解しない排外主義と結びつく」とした。 公明県本は「先住民族の捉え方はいろいろでデリケートな問題。基地問題や人権問題などと先住民族の議論は整理して考える必要があるのではないか。冷静な議論を望む」と要望した。 おきなわ維新は「王国として存在し、歴史から沖縄を見ると先住民族という見解もあり得る。しかし今日では県民に先住民族との意識はないと思われ、日本人そのものだ」と評した。 社大は「国連は沖縄を国際人権法の自己決定権を保障すべき集団としている。政府は国連勧告を受け止め、沖縄の民意を聞き、米軍基地集中などの差別政策を是正すべきだ」と訴えた。 民進県連は「国連は琉球の歴史文化の教育やシマクトゥバの使用促進を理解し、保護すべきと求めた。これを否定する自公政権の浅学で稚拙な態度にはあきれる」と批判した。 生活県連は「国連人種差別撤廃委員会が勧告する沖縄の歴史、文化、伝統を鑑み、ウチナーンチュが納得して未来に歴史、文化、伝統を伝えていくことが肝要だ」と指摘した。

「先住民族」撤回要求/衆院内閣委質疑
2016.04.28 琉球新報朝刊 2頁 総2 1版 (全546字) 
 27日の衆院内閣委員会における質疑は次の通り。
 宮崎政久氏(自民) 政府の立場として沖縄民族は先住民族だと認めているか。
 外務省・飯島俊郎参事官 長い歴史の中で特色豊かな文化、伝統が受け継がれていると認識しているが、政府として先住民族として認識しているのはアイヌの人々以外に存在しない。
 宮崎氏 (国連勧告は)国内法的、国際法的にどういう効力があり、どのような制約を受けるのか。
 飯島参事官 委員会による最終見解や勧告等は法的な拘束力を有するものではない。
 宮崎氏 県民の中にもさまざまな考えの方がいるし、自由もあってもいいと思っている。ただ、多くの県民は先住民族だと思っていない。民族分断工作と言ってもいいことを放置しないでほしい。私たち沖縄県民は紛れもなく日本人であり、先住民族ではない。政府には国連に抗議してこういう承服できない勧告を撤回させてほしい。
 木原誠二外務副大臣 これまでも政府の立場と異なる意見、わが国の実情を正確に反映していない勧告、意見については事実上の撤回、修正をするよう働き掛けているし、これからもしっかり行っていきたい。豊見城市議会からいただいた決議もその過程の中でしっかりと反映をさせていきたいと思っている。どういったことができるのか、真剣に検討していきたい。


「屈辱の日」巡る政府対応/「琉球民族」/定義避ける
2016.04.28 琉球新報朝刊 3頁 総3 1版 (全384字) 
 本土復 帰前には沖縄の住民を「琉球住民」として、日本国籍を持つ「日本人」と明確に区別していた日本政府だが、2008年の政府答弁書では「『琉球民族』の意味 するところが必ずしも明らかではない」として、場当たり的な対応に終始している。 答弁書は琉球民族の定義を明確にせず、沖縄に対して「沖縄振興計画に基 づき伝承されてきた文化的所産の保存、活用、地域の文化復興に取り組んでいる」とするにとどめている。 喜納昌吉参院議員(当時)が質問趣意書で、国連人 権委員会の「アイヌ民族および琉球民族を国内立法化において、先住民族と公式に認め、文化遺産や伝統生活様式の保護促進を講じること」とする勧告につい て、政府の対応をただしていた。 琉球民族を巡っては08年に国連人権委が沖縄固有の民族性を認め、歴史、文化、伝統、琉球語の保護を日本政府に求めた。 しかし、日本政府は勧告を受け入れていない。

「先住民族」撤回要求/「人権侵害に目向けて」/県内関係者 副大臣発言に疑問/豊見城市議「後押し心強い」
2016.04.28 琉球新報朝刊 29頁 社会 1版 (全723字) 
 国連が「沖縄への米軍基地の集中は現代的な人種差別」という見解を示し、県民の権利を保護するよう勧告した中で示された「先住民族」という言葉を巡り、政府と国連の認識の違いが、木原誠二外務副大臣の答弁で浮き彫りになった。木原外務副大臣が国連勧告の撤回、修正を求める方針を示したことに対し、県内の関係者からは「言葉に固執せず日米の沖縄に対する人権侵害に目を向けるべきだ」などと指摘する声が上がった。一方、昨年12月に勧告の撤回を求める意見書を可決した豊見城市議会からは「政府の後押しは心強い」との声があった。 シールズ琉球の元山仁士郎さん(24)=国際基督教大4年=は「先住民族という言葉に固執せず、沖縄で日本政府や米国によって人権侵害が行われている点に目を向けるべきだ。国際法上も独立国だった沖縄を、日本が強制的に併合した歴史を踏まえて議論する必要がある」と指摘した。 沖縄国際大学の大城尚子(しょうこ)非常勤講師=国際関係論=は「沖縄の自己決定権がないがしろにされており、民意が反映されていない状況がある。木原氏は国内法で解決できないから国連が介入しているという事実を把握しているのか」と疑問視した。 親川志奈子さん(35)=琉球大大学院博士後期課程=は「沖縄から国連人権委員会の先住民族作業部会に参加し、国連特別報告者による調査も踏まえて出された勧告だ。政府はその議論を無視している」と批判した。 豊見城市議会が可決した意見書の提案者の新垣亜矢子市議は「意見書を政府として後押しする答弁があったことは心強く思う。先住民族であるかの全県的議論はこれまでになされたことはなく、多くの県民も自分たちが先住民族だという認識は持っていないと考える」と述べた。

「先住民族」撤回要求/上村英明氏 恵泉女学園大教授/責任持ち歴史検証を
2016.04.28   琉球新報朝刊   29頁   社会   1版   写図表有

<沖縄「先住民」論の地平>4/上村英明/歴史的正義の実現/現代に不正義連鎖/根底から本質的解決を
2016.04.08   琉球新報朝刊   19頁   文化   1版   写図表有

<沖縄「先住民」論の地平>3/松島泰勝/定義するのは誰か/自ら「所属性」決定/政治的地位は住民投票で
2016.04.07   琉球新報朝刊   19頁   文化   1版   写図表有

<沖縄「先住民」論の地平>2/大城尚子/土地へのアクセス権/自身が活用法決定/生活・文化と密接に関係
2016.04.05   琉球新報朝刊   12頁   文化   1版   写図表有

<沖縄「先住民」論の地平>1/大城尚子/ILO条約と国連宣言/自己決定権を明記/事実から「行使主体」該当
2016.04.04   琉球新報朝刊   10頁   文化   1版   写図表有

<論壇>比嘉学/豊見城市議会意見書と独立学会の抗議/沖縄人「先住民族」は史実
2016.04.02   琉球新報朝刊   8頁   オピ   1版   写図表有

グアム「独立」住民投票/知事発表、11月にも/「米属領」に不満
2016.04.02 琉球新報朝刊 1頁 総1 1版 (全887字) 
 米国グアム準州のグアム政府脱植民地化委員会は1日、11月にもグアムの独立などの是非を問う住民投票を実施することを決めた。同委員長のエディ・バザ・カルボ知事が公表した。グアム住民は米大統領選に投票できず、米連邦下院の代表者に議決投票権がないなど、民主主義の制度が制限された「米国の属領」的地位に、住民の不満が募っていた。グアムの米軍基地拡大計画も、グアム住民の意思に関係なく、米政府、米連邦議会が決定してきたとして、先住民のチャモロ人らから強い反発がある。 グアムには在沖米海兵隊約4千人の移転が決まっており、日米両政府は2013年10月に移転を20年代前半に開始することで合意している。カルボ知事も基本的には移転に賛同している。 投票する際の選択肢は「完全独立」「自由連合国」「米国の州」の三つ。「自由連合国」は、パラオ、ミクロネシア連邦、マーシャル諸島のように、内政権、外交権を持っているが、軍事権は米国が持つ国のことで、国連には加盟できる。 住民投票は、国連憲章で自己決定の原則を宣言した第1条(2)と第55条を根拠に実施する。 グアムは、国連脱植民地化特別委員会から「非自治地域」に登録されており、国連憲章では、統治国の米国に自治への支援を義務付けている。全ての人民は自己決定権を有し政治的地位を自由に決めることができるとする植民地独立付与宣言も根拠となる。 国連憲章第73条に基づき、米国にはグアムの住民投票の決定を尊重することが求められる。米政府が投票の結果を公認しない場合でも、国際社会や国連からの米国への圧力が予想される。 住民投票を目指すグアムの関係者と交流が深い松島泰勝龍谷大教授は「住民投票は、東ティモールと同様に、国連の監視下で行われるだろう。東ティモールも非自治地域にリスト化されていたが、住民が独立を選択して、独立を実現できた。米国もグアムの住民投票の結果を無視できない」と指摘する。 その上で「グアムは琉球と同じく植民地だ。国連、国際法、国際的なネットワークを活用して、グアムは具体的に脱植民地化のための歩みを進めている」と強調した。(新垣毅)

<金口木舌>緩んだ地盤
2016.03.27 琉球新報朝刊 1頁 総1 1版 (全569字) 
 思わず読み返した。短文投稿サイトのツイッターで「琉球王国」はなかったと書かれていた。「藩としての『琉球國』しか存在したことありません(笑)」とあるが、全く笑えない ▼ネット上で話題になっている。やりとりから察するに、律令(りつりょう)制の「山城国」や「薩摩国」などの「国」と同列に論じ、「琉球国」も地方の一つと捉えているようだ。ちょっと待って、と言いたくなる▼ 考えてもなかった。当たり前と思っていた前提が当たり前でなくなる。よほど固いと思っていた地盤が、実は思いのほか揺らいでいたことに気付く。以前から危うかったのか、それとも急に危うくなったのか ▼2017年度から高校1年生が使用する教科書で、驚く記述が文科省の検定を素通りした。沖縄経済の基地依存度が「きわめて高」く、基地との取引で「ばくだいな」振興資金を沖縄は手にしているというのだ。教科書ってこんなに軽かったか ▼いまだこの手の誤解が跋扈(ばっこ)する現状にうんざりする。書く方も書く方だが、通してしまう政府の方が実は根が深い。従軍慰安婦といい、「集団自決」(強制集団死)といい、日本の歴史が試練にさらされている ▼かつてはマーカーを引いて暗記させられた。教科書の権威はどこへ行ったのか。そのうち「琉球王朝は藩の一つで独立国ではなかった」との記述が検定を通ってくる時代が来るのだろうか。

米兵女性暴行 きょう抗議集会/やまぬ犯罪に憤り
2016.03.21 琉球新報朝刊 27頁 社会 1版 写図表有 (全1,176字) 
 米兵少女乱暴事件を受け、1995年に開催された県民総決起大会から21年。8万5千人が集結し、再発防止の徹底を求めてきたが、13日には米軍キャンプ・シュワブ所属の米海軍1等水兵が観光客の女性に暴行したとして逮捕されるなど、米兵による性犯罪が繰り返されている。21日の緊急抗議集会を前に、95年の大会で実行委員長を務めた当時の県議会議長で元衆院議員の嘉数知賢さん(74)と、米兵による沖縄女性への性犯罪を考察してきた琉球民族独立総合研究学会共同代表の親川志奈子さん(35)に話を聞いた。
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親川志奈子さん(琉球独立学会・共同代表)/基地撤去しかない
 1995年の米兵少女乱暴事件で沖縄は日米両政府に「再発防止」「日米地位協定改定」などを訴えたが、暴行事件はその後も繰り返され、地位協定も改定されていない。2014会計年度の米軍内の性的暴行は1万9千件とされており、もはや再発防止教育では防げないのは明らかだ。軍隊の暴力性が問題の根本にあり、性犯罪をなくすには基地を撤去するしかない。 沖縄でも米兵による性犯罪は少なくないはずだ。だが、被害者の落ち度を探して責めるような風潮がまん延しており、心ない中傷などにさらされることを恐れて被害者が告訴しにくい現状がある。表面化した米兵による性犯罪は氷山の一角の可能性が高い。 日本政府は事件が起きるたびに「米側に抗議した」と繰り返すが、真剣さがない。本気なら思いやり予算を削減したり、新基地建設を中止したりするはずだ。沖縄に基地を集中させ、性犯罪被害も沖縄の問題として矮小化(わいしょうか)しようとする構造的差別を可視化するため、基地を日本本土に移設すべきだ。


先住民族勧告撤回/各議会の対応焦点に/豊見城市議 採択求め陳情書送付
2016.03.21 琉球新報朝刊 25頁 地2 1版 (全3,217字) 
 豊見城市議会が昨年12月に賛成多数で可決した「先住民族勧告撤回」の意見書をめぐり、賛否両派の動きが活発化している。20日、豊見城市で開かれた「国連先住民族勧告の撤回を実現させる沖縄県民の会」の設立決起大会で意見書採択の経緯を報告した。一方、琉球民族独立総合研究学会は意見書には事実誤認があるとして3月上旬、同市議会に抗議文書を送付した。(26面に関連) 意見書を提案、賛成した豊見城市議らは陳情書として各市町村議会に送付し、採択を求めており、各議会の対応が今後の焦点になる。 豊見城市議会は同学会からの抗議について、6月定例会で対応を決める。市議会事務局は「陳情書などは、議会運営委員会の前日までに届いた分を受け付けている。それ以降のものは次の6月定例会で取り上げることになる。3月定例会本会議前の議運は2月24日に開かれた」と説明した。 意見書を提案した新垣亜矢子市議は同学会からの抗議について、「市議会として6月に対応を決めることになる」と述べるにとどめた。設立決起大会で新垣市議は「意見書を修正し、陳情書として各市町村議会に送付している。3月議会か6月議会で審議してもらいたい。意見書をきっかけに、これまで声を上げられなかった人も声を上げてほしい」「県民にマイナスになることをほったらかすことはできない」などと述べた。
 豊見城市議会の意見書と、意見書に対する独立学会抗議文要旨は次の通り。
<豊見城市議会意見書(全文)>
 国連各委員会の「沖縄県民は日本の先住民族」という認識を改め、勧告の撤回を求める意見書
 2015年9月14日~10月2日までスイス・ジュネーブで開催された国連人権理事会において、9月22日翁長雄志沖縄県知事の国連演説が行われた。知事の国連演説は、島ぐるみ会議が国連NGOの「反差別国際運動」と「市民外交センター」と調整をして実現した。この2つの国連NGOは「沖縄県民は先住民である」と国連に働きかけてきた団体であり、知事の発言枠は「市民外交センター」から譲り受けたものである。このような環境の中での翁長知事の発言は本人の発言内容や意図と関係なく「沖縄県民は先住民である」と誤った認識を世界に発信した。 何故なら2008年には既に、市民外交センターのアドバイスを受けた琉球民族独立総合研究学会松島泰勝氏の訴えで、国連から日本政府に対し、沖縄県民は先住民族で日本人ではないという勧告文が出されている。 その内容とは、「32.委員会は、締約国が正式にアイヌの人々及び琉球・沖縄の人々を特別な権利と保護を付与される先住民族と公式に認めていないことに懸念を持って留意する。(27条)締約国(日本)は、国内法によってアイヌの人々及び琉球・沖縄の人々を先住民族として明確に認め、彼らの文化遺産及び伝統的生活様式を保護し、保存し、促進し、彼らの土地の権利を認めるべきである。締約国はアイヌの人々及び琉球・沖縄の人々の児童が彼らの言語で、あるいは彼らの言語及び文化について教育を受ける適切な機会を提供し、通常の教育課程にアイヌの人々及び琉球・沖縄の人々の文化及び歴史を含めるべきである。」というものである。これに対し日本政府は勧告を認めなかったが、国連は2010年、2014年に再度勧告を出している。 しかし、私たち沖縄県民の殆どが自分自身が先住民族であるとの自己認識をもっておらず、県民の知らないところでこのような勧告が出されているのは甚だしく遺憾であると言わざるをえない。 私たち沖縄県民は米軍統治下の時代でも常に日本人としての自覚を維持しており、祖国復帰を強く願い続け、1972年(昭和47年)5月15日祖国復帰を果たした。そしてその後も他府県の国民と全く同じく日本人としての平和と幸福を享受し続けている。 それにもかかわらず、先住民の権利を主張すると、全国から沖縄県民は日本人ではないマイノリティーとみなされることになり、逆に差別を呼びこむことになる。 私たちは沖縄戦において祖国日本・郷土沖縄を命がけで日本人として守り抜いた先人の思いを決して忘れてはならない。沖縄県民は日本人であり、決して先住民族ではない。よって、国連の各委員会には「沖縄県民は先住民である」という認識を早急に改め、勧告の撤回を求めるものである。更に、日本政府、沖縄県の各行政機関は、国連各委員会が「沖縄県民は先住民である」という認識を早急に改め、勧告の撤回をするよう働きかけることを要請する。 以上、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出する。
 平成27年12月22日
 沖縄県豊見城市議会 
 〈宛先〉外務省、内閣総理大臣、沖縄県知事
<琉球独立学会抗議文(要旨)>
 2016年3月13日に開催された琉球民族独立総合研究学会第6回総会において以下の抗議、要求が全会一致で採択された。以下、豊見城市議会に対して抗議、要求を行う。 2015年12月22日に豊見城市議会において可決され、内閣総理大臣、外務省、沖縄県知事に送付され、同市議会ホームページ等で公開されている本意見書は以下の諸点において大きな問題を含んでおり、強く批判し、琉球民族独立総合研究学会に対する謝罪と、意見書の取り消し、松島泰勝に対する名誉の回復、HPでの本意見書取り消しの公表を求める。
 1、本意見書の中で引用されている日本政府に対する国連の勧告は、1996年以来琉球人が実施してきた国連における脱植民地化運動の結果である。琉球民族独立総合研究学会の松島は2008年の国連勧告に直接影響を及ぼしたとは言えない。市民外交センターのアドバイスを受ける存在でもない。個人名をあえて公表し、虚偽の事実に基づいて名誉を毀損している。 2、米軍統治下においても琉球独立を求める幾つかの政党や市民団体が存在し、「反復帰論」という主張も展開されており、「常に日本人として自覚」していたとは言えない。「復帰」後も基地が押し付けられ、現在も現知事、名護市長をはじめ、ほとんどの「沖縄県民」が反対しているにもかかわらず、辺野古新米軍基地建設を日本政府は強行しており、「他府県の国民と全く同じく日本人としての平和と幸福を享受し続けている」とは言えない。 3、琉球人が先住民族としての権利を主張することで、国際法によりその集団的権利が保障され、国際的な支援を得ることで、現在の植民地体制から脱却し、辺野古新基地建設計画を止めることも可能になるのである。本意見書では、「マイノリティーになると差別を呼び込む」と主張しており、現在、日本で生活しているマイノリティーに対する差別意識を助長していると受けとめられかねない。 4、日本軍による住民虐殺、住民の強制集団死、住民の壕からの追い出し等、日本軍によって住民が殺害された事例が非常に多く存在し、「祖国日本・郷土沖縄を命がけで日本人として守り抜いた」とは言えないのが沖縄戦の実相である。 5、豊見城市議会が法的意見書において「沖縄県民は日本人であり、決して先住民族ではない」と断言することは、日本国憲法第19条で保障された琉球人の思想・良心の自由の侵害となる。自らの民族的な所属生を決定できるのは、その当人だけであり、人のアイデンティティ形成を尊重しなければならない。 6、本意見書の送付先として、当初、「国連人権委員会、国連人種差別撤廃委員会、国連脱植民地化特別委員会、国連先住民族会議」が含まれていたが、最終的にはそれらの機関が排除された理由が同議会議事録において明確にされていない。本意見書は国連の「先住民族」勧告を取り消すことが目的であり、その勧告先に送付しないでは、意見書の本来の効果を自ら損なうものとなる。効果のない意見書を、市民の税金を使って議会において審議し可決しており、税金の無駄遣いであり、市議会として市民の付託に応えていないと指摘できる。


「植民地体制」脱却を/独立学会国際シンポ 先住民族の権利議論/宜野湾
2016.03.13 琉球新報朝刊 27頁 4社 1版 写図表有 (全760字) 
 琉球民族独立総合研究学会は12日、宜野湾市の沖縄国際大学で、「先住民族の自己決定権とは何か」をテーマに国際オープン・シンポジウムを開いた。共同代表の一人、松島泰勝龍谷大学教授はスカイプ(インターネット電話)を使って参加し「琉球人が先住民族としての権利を主張することで、国際法によりその集団的権利が保障され、国際的な支援を得ることで、現在の植民地体制から脱却し、辺野古新基地建設計画を止めることも可能になる」と訴えた。 松島氏は「先住民族は血によって定義されるものではなく、抑圧の歴史を共有した人民という政治的概念で、人民自らが決める」と説明した。 ハワイ大学大学院生の知花愛実さんは、ハワイの先住民族と沖縄人の共通性と違いから多くが学べるとした上で「民族性よりも、ウチナーンチュが権利主体であることが重要だ。権利の行使の仕方について丁寧に議論する必要がある」と主張した。琉球大学博士研究員の宜野座綾乃さんは「自己決定権の議論では女性への暴力や、女性の自己決定権という視点も大切だ」と提起した。 グアム政府脱植民地化委員会のエドワード・アルバレス事務局長はグアムの先住民族チャモロ人と沖縄人の歴史に共通点が多いとし「沖縄には豊かな歴史がある。次世代のことを考え、立ち上がってほしい」と強調した。グアム大学のマイケル・ベバクア准教授は「日本併合前の自分たちを思い出し、先住民族であることに気付けば、併合を美化する歴史から自分たちの歴史を取り返し、日本のしがらみから自らを解放することができる」と話した。 豊見城市議会が12月に「国連委員会の『沖縄県民は日本の先住民族』という認識を改め、勧告の撤回を求める意見書」を可決したことについて、同学会は13日に総会を開き、意見書に抗議し、謝罪と取り消しを求めることを決める方針だ。

豊見城市議会「先住民族勧告撤回」意見書/主張拡散、学会は疑問視/識者「事大主義」指摘も
2016.03.13 琉球新報朝刊 31頁 地1 1版 (全1,391字) 
 豊見城市議会(大城吉徳議長)が昨年12月の定例会本会議で賛成多数で可決した「沖縄県民は日本人であり、決して先住民族ではない」と主張する意見書が波紋を呼んでいる。意見書は「国連各委員会の『沖縄県民は日本の先住民族』という認識を改め、勧告の撤回を求める」との内容。賛成した市議らが主張を広げる動きを加速させているのに対し、関係団体は「事実誤認がある」として意見書の取り消しを求め、識者は沖縄戦の歴史認識などに疑問を呈している。 意見書に賛成した市議らは意見書の内容を一部修正し、陳情書として県内各市町村議会に送付している。20日には、同市議らを中心に「国連先住民族勧告の撤回を実現させる沖縄県民の会」設立決起大会を豊見城市で開く予定。保守系の県議らも発起人となり、主張を広げていく構えだ。 一方、意見書の中で名指しで活動経過などが取り上げられた琉球民族独立総合研究学会は市議会に対し、謝罪や意見書の取り消しを求める方針を示している。同学会共同代表の松島泰勝龍谷大教授は「独立学会や個人名を出した上で、事実誤認があり、大きな問題点を含んでいる」と指摘する。意見書を提案した新垣亜矢子市議は「国連の勧告撤回が目的で、沖縄県民は日本人だとの主張が訴えの趣旨だ。個人や学会を攻撃するつもりはない」と述べる。
■自己決定権の要求 波平恒男琉球大教授(政治学)は「国連の諸規約にいう『人民』や『先住民族』の概念は確かに多義的だが、重要なのは外部から圧迫を受けているマイノリティー集団の『自己決定権』を尊重するという法の趣旨だ。沖縄県民は数の上からいえば圧倒的少数派で、それが基地問題に象徴される国政上の差別的処遇の理由となってきたのは明らかだ」と説明する。 「戦後も沖縄の人々は米国や日本という国家から圧迫を受けてきた。戦後もキャラウェイの時代に『自治権』が主張されたが、現在、国際法の用語で主張されている『自己決定権』(沖縄にとって重要な決定には沖縄の人々の民意や利益が反映されなければならないという)も、同じような権利要求にすぎない。意見書はそのような歴史や現実から目をそらし、権力に迎合していくというあしき事大主義の姿勢に立ったものと言わざるを得ない」と強調する。
■「戦死者への冒涜」 意見書は沖縄戦や日本復帰についてこう記す。 「私たち沖縄県民は米軍統治下の時代でも常に日本人としての自覚を維持しており、祖国復帰を強く願い続け、1972年5月15日祖国復帰を果たした。そしてその後も他府県の国民と全く同じく日本人としての平和と幸福を享受し続けている」「沖縄戦において祖国日本・郷土沖縄を命がけで日本人として守り抜いた先人の思いを決して忘れてはならない」 これについて、石原昌家沖縄国際大名誉教授は「沖縄戦で亡くなった人の死を冒涜(ぼうとく)する内容だ。数千人の沖縄戦体験者に聞き取り調査してきた者として、許すことはできない」と批判。その上で「元大本営参謀・厚生事務官の馬淵新治氏は、『沖縄作戦における沖縄島民の行動に関する史実資料』で日本軍が沖縄の住民をスパイ視したり、非国民扱いしたりして死に追いやったことなどを報告し、『皇軍のなれの果て』と表現している。政府が1950年代に認識していた真実を、被害に遭った沖縄側の議員が知らないというのはあまりに無知すぎる」と指摘している。(大城三太)


豊見城市議会意見書 取り消しと謝罪要求/琉球独立学会
2016.02.29 琉球新報朝刊 30頁 2社 1版 (全130字) 
 琉球民族独立総合研究学会は26日、豊見城市議会が昨年12月の本会議定例会で可決した意見書について、取り消しと同学会への謝罪を市議会に対し求める方針を示した。意見書は「国連各委員会の『沖縄県民は日本の先住民族』という認識を改め、勧告の撤回を求める」という内容。

北京の琉球人埋葬地 県内研究者有志、現地で発掘調査へ  --->RS
2016.01.27 琉球新報朝刊 社会
 1879年の琉球併合「琉球処分」前後に琉球の救国を訴えて中国に亡命、北京で客死した琉球人が眠る埋葬地が開発される危機に直面している問題で、県内の研究者ら有志は、現地に赴き発掘調査や遺骨・遺品の収集・保存に向けた取り組みに乗り出す。29日に会合を開き対応策を協議する。有志からは、調査・保存を中国との共同プロジェクトとして実施する案も出ている。このほか、県内外で遺骨などの保存を求める声が上がっている。 埋葬地があるのは北京市通州区張家湾で、首都機能の一部移転や大型テーマパークの建設計画があり、ことし中に工事が始まる予定という。有志は、北京の有識者や大学などと連携して5月に埋葬地を墓参する。その際に中国側に働き掛ける見通し。金城正篤、比屋根照夫の両琉球大名誉教授、友知政樹沖縄国際大教授らが参加する。 中心メンバーの又吉盛清沖縄大客員教授は「調査・発掘には中国側の全面協力が必要だ。日中の外交・交流窓口にアクションを起こしたい。県の北京事務所も巻き込みたい」と話した。 張家湾には久米村出身の士族で親雲上(ぺーちん)の位を持つ王大業の墓碑もある。29日の協議には王氏門中会の国場栄正元会長も参加する。大田捷夫(かつお)会長は「門中会の会員に協力を呼び掛け、調査・保存に向けて声を上げていく」との考えを示した。王大業直系の玄孫(げんそん)(孫の孫)の国場義一さん(64)=熊本市=は「ぜひ何らかの形で残してほしい」と求めた。 (新垣毅)


Beijing’s Ryukyuan burial sites under threat of development  --->RS
2016.01.04, Ryukyu Shimpo, Tsuyoshi Arakaki reports
      There are burial sites in Beijing for Ryukyuans (Okinawans) who sought for the Chinese Qing Dynasty to save the Ryukyu Kingdom and who died in exile before and after the “Ryukyu disposal”, when the Ryukyu Kingdom was annexed by the Meiji government in 1879. The burial sites, which are located in apple fields, are under threat of development, without investigation, and the remains and their relics are still left there.      Zhangjiawan Town, Tongzhou District, Beijing, where the burial sites are located, is included in the government development plan. Some of the capital functions will be moved to the area and a large theme park will be constructed. The construction will start this year. Chinese researchers on the history of relations between China and Ryukyu are striving to carry out excavation surveys and collect the remains, but time is limited.      Several burial sites for the Ryukyuan people, including envoys, students from the kingdom and royalists who sought to save their country from Japanese invasion, are found at Zhangjiawan. The gravestone of Wang Dayie, a royalist from Kume Village belonging to the scholar-officials class of the kingdom, stands there. About 14 Ryukyuan people are buried in the apple fields of Li Chan An Cun, Zhangjiawan. The apple fields are surrounded by traditional courtyard residences, which retain the feel of the old days. However, it is still easy to excavate the remains because of the fields.      Chinese scholars, including Bu Ping, the director of the Institute of Modern History, the Chinese Academy of Social Sciences, and Jiang Hong, a professor at Beijing Normal University, are striving to carry out an investigation to preserve the burial sites. Jiang said, “We will continue to work positively in order to excavate the Ryukyuan burial sites, restore and preserve them as proof of the history of friendship and exchange between China and Ryukyu for about 500 years.”      Tongzhou District Office has a plan to build a museum. An official of the district said, “We want to carry out an investigation before the start of the development, and we will collect the remains and their relics to preserve them in the museum.” However, future challenges remain, such as creating a concrete plan and how to get a budget for the project.      Seventeen Okinawan researchers, including Masaki Tomochi, a professor at Okinawa International University, sent a petition to Chinese scholars on December 14. Tomochi said, “The excavation and research for Beijing’s Ryukyuan burial sites and the restoration to preserve them are very important as proof of the long history of friendship and exchange between Ryukyu and China, and as a foundation for future friendship.”      Morikiyo Matayoshi, an affiliate professor at Okinawa University, has carried out research on the Ryukyuan burial sites in Beijing for many years. Matayoshi said, “These burial sites are the place to prove that Ryukyu staged a campaign for national salvation as an independent country, and also proof that the Ryukyu Kingdom had friendships and exchanges with countries of East Asia. We can’t allow valuable sites to be destroyed. We should seek for Chinese officials to carry out an early investigation through the Okinawa Prefectural Government.”

北京の琉球人埋葬地危機/「琉球処分」救国訴え客死/調査・収骨なく開発計画/研究者ら保存運動  --->RS
2016.01.04 琉球新報朝刊 1頁 総1 1版 写図表有 (全924字) 
 明治政府によって琉球王国が併合された1879年の「琉球処分」前後に救国を訴えて中国に亡命、北京で客死した琉球人が眠る埋葬地(現在はリンゴ畑)が、発掘調査や遺骨・遺品の収集・保存がなされないまま、開発される危機に直面している。埋葬地がある北京市通州区張家湾は、首都機能の一部移転や大型テーマパークの建設計画があり、2016年中には工事が始まるという。中国の琉中関係史研究者が発掘調査や遺骨・遺品の収集・保存に向けて動いているが、限られた時間の中で課題は多い。 張家湾で数箇所確認されている琉球人埋葬地には、琉球からの進貢使、官生、救国を訴えた陳情使らが葬られているという。久米村出身の士族で親上雲(ぺーちん)の位を持つ王大業の墓碑も建っている。14人ほどの琉球人が眠るとされる張家湾鎮立禅庵村のリンゴ畑は、地元住民が住む長屋に囲まれ、昔からのたたずまいをうかがわせる。畑地なので、現状ならば発掘しやすいが、開発されれば困難とみられる。 中国社会科学院近代史研究所の歩平所長、北京師範大の姜弘教授らが調査・保存に向けて取り組みを始めた。姜教授は「琉球と中国の約500年に及ぶ友好往来の歴史の証しとして、北京の琉球人墓の発掘、保存、復元に前向きに取り組んでいきたい」と話している。 通州区では博物館を建設する計画があり、関係者は「開発前に調査したり、遺骨や遺品を発掘したりして、博物館に保管したい」と一層の取り組みの必要性を強調。予算の確保や具体的計画の策定は今後の課題だ。 県内でも調査や遺骨・遺品の保管を求める動きが出始めた。沖縄国際大の友知政樹教授ら有志17人は12月14日、中国の研究者に嘆願書を提出した。友知教授は「中国と琉球(沖縄)のこれまでの友好交流の歴史を長きにわたり伝える証しとして、また未来のさらなる友好関係を示す礎として、発掘調査、保護、復元整備は大変重要だ」と話す。 北京の琉球人埋葬地について長年、調査してきた又吉盛清沖縄大学客員教授は「琉球が一独立国として救国運動したことを証明する場であり、東アジアとの友好交流の証しでもある。価値ある場をつぶしてはいけない。沖縄県を通じて早期に公的調査をすべきだ」と話している。(新垣毅)

喜納昌春県議会議長インタビュー/3修好条約 県内移管を/外務省保管原本「琉球独立の象徴」
2016.01.03 琉球新報朝刊 2頁 総2 1版 写図表有 (全951字) 
 琉球国が19世紀に米国、フランス、オランダと締結した修好条約は国際法の専門家から「琉球が国際法の主体として主権を有していた証し」と指摘され、ことし2月には特別展出展のため、里帰りを果たし、注目を集めた。現在は外務省外交史料館(東京都港区)に保管されているその原本について、県議会の喜納昌春議長は「現代のわれわれが琉球の気概を学ぶ第一級の史料だ」として沖縄側への移管を求めている。喜納氏に思いを聞いた。(聞き手・新垣和也)
 -3条約についてどのようなことを感じるか。
 「琉球は小国といえども、大国と対等に条約を締結したということは大変なことだ。戦う武力がなくても、外交官としても優秀な通訳官がいて、立ち回りができた。琉球が独立国であったということを、当時の国々も認めていたということであり、それは厳然としている」 「明治政府は琉球を抑えるために条約を提出させた。琉球を今後認めないということであれば、それを燃やしてしまうこともできただろうが、しなかったことは良識ではあった。相手国に条約原本が残っており、外交上のセンスからの判断だったのかもしれない。それは条約が独立国の象徴だったからだ。歴史、人間の歩みに対する重さが条約原本にはあると思う」
 -3条約原本の返還を求める考えか。
 「われわれの先祖が結んだものであり、返還というよりは、あるべきところに戻してもらいたいということになるのではないか。現在も貴重に保存されているだろうが、東京にあっても光らない。琉球の時代の気概を、お互いや子どもたちが学び、知ることのできる第一級の史料だ。沖縄にも県立の公文書館があり、ぜひそこに置いてもらいたい」
 -どのように働き掛けることが考えられるか。
 「政府の方から返すと言い出すことは考えにくい。持ち出した経緯などに触れなければならないからだ。『やはり戻してもらいたい』と沖縄側から自覚的に取り組まなければならないと思う」
 「県議会で決議や意見書として政府に伝えることができるのではないか。琉球が独立国であった象徴であり、子どもたちの学びにつながることについては与野党の違いなく取り組めることだと思う。こうした課題に取り組む運動の機運を高めることは県議会の役割だと考える。2月定例会のタイミングなどで働き掛けたい」


全基地返還 3.5兆円効果/沖国大教授友知氏試算 県民総所得1.8倍/「基地は発展を阻害」
2015.12.05 琉球新報朝刊 5頁 経2 1版 (全706字) 
 沖縄国際大学経済学部の友知政樹教授はこのほど、県内にある全ての米軍基地が返還され、跡地利用が進んだ場合に生み出される「直接経済効果」は2兆7643億円に上るとの試算をまとめた。同様に自衛隊基地が返還された場合の直接経済効果は7843億円に上るとし、全体で3兆5486億円と試算した。県民総所得は2012年度の4兆165億円と比較して、1・8倍の7兆2902億円に上ると試算した。 これに対して米軍基地と自衛隊基地から派生する軍用地料や雇用、基地関係交付金などの収入は、12年度に2749億円。 友知教授は「基地は県経済発展の阻害要因であり、基地がないと食べていけないというのは幻想だ」と強調した。 県企画部がことし1月にまとめた、嘉手納より南の基地返還後の経済効果に関する試算を基に、対象施設を全ての基地に広げて積み上げた。跡地利用が進んだ後の個人や企業の経済活動が生み出す支出額を合算したもので、返還直後のインフラ整備が落とす収入については除外している。 県は、普天間基地など嘉手納より南の基地が返還されることによる直接経済効果を8900億円と試算し、返還前の現在の経済取引額の18倍に上ると試算している。 友知教授はこれに加え、沖縄市、北谷町、嘉手納町にまたがる嘉手納基地については、県が試算したキャンプ瑞慶覧やキャンプ桑江の返還効果を適用するなどして試算を追加した。 一方で、嘉手納弾薬庫など山間部分や離島にある基地については跡利用の効果が限定的として、経済効果の積算に含めていない。 友知教授は5日に沖国大で開催される三大学共同シンポジウム「戦後70年、地域経済の変容と展望」で、今回の試算を報告する。

<シンポジウム「『基地の島』沖縄が問う-『辺野古移設問題』を考える-」>日本の変革迫る
2015.12.19 琉球新報朝刊 7頁 特5 1版 写図表有 (全4,323字) 
 シンポジウム「『基地の島』沖縄が問う-『辺野古移設問題』を考える-」(沖縄国際大学沖縄法政研究所主催、琉球新報社共催)が12日、沖縄国際大で開催された。市民運動、哲学、法律の観点から6氏が登壇し、県外移設、基地引き取り運動や代執行訴訟の行方などについて熱のこもった討論を行った。約370人が耳を傾けた。
<会場との質疑>
金城氏/「運動」日本人の意思/政治的判断で「独立」ある
 石川朋子氏 会場からたくさんの質問が寄せられた。報告者に答えていただきたい。金城さんへの質問。(1)本土の引き取り運動はどう展開するのか。(2)独立論についてどう思うか。(3)「間違いをやめる」とはどういう意味か。
 金城 大阪の引き取り運動は大阪にいる「日本人」が自らの意思でやっている。使っていない埋め立て地があって、先日、その近くの駅でビラをまいた。1月には八尾空港の近くでまく。具体的にその場所に出掛けていって、問い掛け議論していきたい。受け取る人が多かった。「えっ、何で?」と言う人がいて、インパクトがある。「引き取り運動」は運動体の中では少数派だが、それ以外では少数ではないのではないか。私たち沖縄人は一緒に動ける時は動く。自分たちが「引き取れ」と強いることはない。そういう感覚からは完全に次のところに行っている。
 私は独立学会には入っていないが、独立論は大いに議論した方がいい。私にとって大事なのは、対等な関係を日本人がつくろうとしているのかどうかということで、沖縄を理解するということではない。違いを受け止めてほしいということ。同化、迎合をせずに、人権として対等な関係が日本の中でできれば、それが一番いい。それができなければ、政治的判断として独立はあり得る。独立は具体的に身近なものとして議論されるべきだ。
 「間違い」について。「正しい」と思い込むと間違いに気が付かなくなる。日本では強い方が勝つという政治が行われている。日本の「正しさ」とぶつかる時、沖縄の「正しさ」がつぶされてきたのではないか。「正しい」ということそのものが暴力を持っている。「かなぐすく」を「きんじょう」に変えたように、琉球人は自分たちの名前すら日本人の正しさに合わせてきた。このような、暴力を受けた側が正さなかったことを間違いだと言っている。しかし、生き延びるために同化と迎合をせざるを得なかったので、先人たちの間違いを否定しない。そうしないと親たちは殺されていたかもしれない。間違いを共有することで、親たちの世代の間違いを自分たちが正していければいい。 …


<沖縄本>実現可能な五つの方法/「琉球独立宣言」(松島泰勝著)
2015.12.05 琉球新報朝刊 19頁 文化 1版 写図表有 (全457字) 
 琉球民族独立総合研究学会の共同代表を務める中心的人物、松島泰勝龍谷大教授が「なぜ琉球は独立しなければならないのか」を、分かりやすく解説した文庫版独立論。 日本政府と沖縄が裁判闘争となり、鋭く対立している中で、琉球の独立を志向するウチナーンチュが増えるとの観測もある。 本土側からも注目される独立論だが、「そもそも独立するって何なのか?」「独立はキケンな行為ではないのか?」「琉球独立は実現可能なものなのか?」などの疑問がある。それらに丁寧に答える形で章立てされている。 副題に「実現可能な五つの方法」を掲げる。その方法を「あとがき」で(1)琉球人の賛成派を増やす(2)日本で独立賛成派を増やす(3)国際世論を味方にする(4)国連、国際法に従って進める(5)日米両政府に辺野古新基地建設を断念させる-と挙げている。 米国から独立したパラオなど太平洋島嶼国の経済を専門分野とし、海外事例の豊富な知識を基にした独立論は、従来言われてきた「居酒屋独立論」「感情論」とは異なり、説得力がある。 (講談社文庫・690円+税)

新基地中止を要求/琉大で研究集会 平和学会有志が声明
2015.11.29 琉球新報朝刊 31頁 社会 1版 写図表有 (全516字) 
 … 親川志奈子琉球民族独立総合研究学会共同代表は「対米従属で辺野古に税金で基地を造ろうとしている日本こそが独立し、平和な社会を築いてほしい」と強調した。 …

<あしゃぎ>「琉球併合」を客観的に
2015.11.25 琉球新報朝刊 14頁 文化 1版 写図表有 (全457字) 
 昨年、大著「近代東アジア史のなかの琉球併合」(岩波書店)を世に問うた琉大教授の波平恒男さん=写真=が21日、琉大史学会大会で「研究史における琉球併合論の位置づけ-歴史社会学の立場から」と題して基調講演した。 西洋政治思想史を専門としてきたが、「従来の『琉球処分』研究は、日本中心史観だったので不満を持っていた」と話す。復帰闘争の影響もあったと指摘し、「そろそろ公平・客観的に書くべきだと思った」と自著執筆の意図を述べた。 1872年の「琉球藩」設置について、明治政府が東アジアの関係再編を狙ったと分析。「日本は琉球藩王として冊封したのであって、『藩設置』とは言っていない。琉球王国が廃止されていないのに『琉球藩設置』と言うのは、後の時代の概念を当てはめる間違いだ」と批判した。その後、征韓論政変や台湾出兵を経て、79年に武力を背景とした「強制併合」に至る。 他の発表者と共に登壇した討論で独立論について問われ、「独立という選択が最初からないということは論理的にない。差別的政策に対して独立はあり得る」と指摘した。

島の未来、自らの手で/独立学会シンポ 石垣で平和議論/国際社会へ訴えも提起  --->RS
2015.10.25 琉球新報朝刊 28頁 2社 1版 写図表有 (全713字) 
 【石垣】平和や琉球独立について考える琉球民族独立総合研究学会のシンポジウムが24日、石垣市民会館で開かれた。登壇した八重山やグアムの関係者が石垣島への自衛隊配備計画や沖縄の米軍基地問題などについて意見交換した。地域で議論を深めて自ら決定し、国際社会に発信していくことの重要性を確認した。 独立学会員で島の未来を考える島民会議共同代表の新垣重雄氏は「あらゆる方法で戦争にならないよう努力することが重要」と訴えた。その上で「サンフランシスコ講和条約で沖縄は意見を聞かれてない。沖縄は軽く扱われてきた」などと差別されてきた歴史に触れ「石垣島では自衛隊配備問題に当たる。阻止するため反対の声をまとめなければならない」と呼び掛けた。 沖縄の米軍基地問題などについて、グアムの脱植民地化を訴えるグアム政府脱植民地化委員会事務局のエドワード・アルバレス氏は「グアムも沖縄も植民地と言える状況にある。国連の非自治地域のリストに載るような扱いを受けている」と指摘した。同リストに沖縄を載せることで「自治から離れた不当な扱いを受けていると国際社会にアピールすることができる」と提案した。そのほか「西表をほりおこす会」代表の石垣金星氏やグアム大学准教授のマイケル・ベバクア氏が意見を述べた。 討論会前に平和について基調講演した前竹富町教育長の慶田盛安三氏は、自身の戦争体験や八重山教科書問題を紹介し「いい戦争というものはない。弱い人が安全で楽しく暮らせる世の中がよい社会と考え、平和学習にも取り組んできた。戦争のできる国民意識を形成するような教科書は認められないと教科書問題に向き合った」と国からの押し付けでなく自ら決めることの重要性を強調した。

特集「展望・自己決定権」/差別の歴史 終止符を
2015.10.18 琉球新報朝刊 16頁 特2 1版 写図表有 (全8,494字) 
 翁長雄志知事は9月21日、国連人権理事会で演説し「沖縄の人々の自己決定権がないがしろにされている」と表明した。沖縄史上、初めて沖縄の行政のトップが国連で沖縄の問題を直訴した歴史的行動となった。訴えを受けて国連人権理事会が今後、日本政府に対し何らかの勧告をするのかどうか、対応が注目される。そもそも自己決定権とはどのような権利で、今の沖縄にとってどう有効なのか。これまでの海外での事例などを参考にした上で、識者に今後の自己決定権行使の展望などを聞いた。
(編集委員・新垣毅)
【自己決定権とは何か】全人権保障の大前提
 自己決定権は、土地の権利や人権など自らに関わる重要政策を中央政府が決定する過程に参加できる権利だ。国際法である国際人権規約(自由権規約、社会権規約)は各第1部第1条で、集団の権利として「人民の自己決定権」を保障している。この権利が両規約の冒頭に据えられているのは、集団が抑圧されると、集団に属する個人一人一人の権利も侵害されかねないからだ。いわば「人民の自己決定権」は、全ての人権保障の大前提となっている。外から加えられる圧力や搾取への法的壁となって、集団のメンバー個々の権利を守る役割を担う。
 国際法学者の阿部浩己神奈川大学教授(国際人権法学会理事長)によると、自己決定権は今や国際人権規約の範囲を超えて国際法の基本原則の一つとなっており、いかなる逸脱も許さない「強行規範」と捉える見解も有力という。自己決定権は全ての人民が有する自然権ともいえる権利で、マイノリティー(少数者)や先住民族などの集団も「人民」の概念に含まれて主張されている。
 自己決定権の主体である「人民」は一義的な定義はなく、エスニック・アイデンティティーや共通の歴史的伝統、文化的同質性、言語的一体性、領域的結び付きなどが目安になるが、その集団の自己認識が最も重視される。
■沖縄住民は「人民」か
 沖縄の場合、ウチナーンチュ(沖縄人)というアイデンティティー(自己認識)が強く、琉球王国という歴史的経験、固有性の強い伝統芸能や慣習、しまくとぅば(琉球諸語)という言語的一体性、琉球諸島という領域的結び付きもある。
 歴史的にみると、外部からの一貫した抑圧や差別を受けてきた人々が被抑圧・被差別者として「人民」を名乗る場合が少なくない。いわば政治的概念の意味合いが強い。
 沖縄には琉球併合(「琉球処分」)や同化政策、沖縄戦、米統治、現在の過度な米軍基地集中などの被抑圧・差別の歴史的経験と現状がある。その意味で沖縄の人々は「人民」を名乗る主体たり得る。
 自己決定権は日本語では一般に「民族自決権」と訳されているが、沖縄では沖縄戦における住民の「集団自決」(強制集団死)を連想する「自決」という言葉が含まれているため「自己決定権」という言い方が一般的になっている。
 自己決定権には内的側面と外的側面がある。内的側面は既存国家の枠内で政治・経済・社会・文化の発展を自由に追求できる権利のことをいい、自治権とほぼ同義だ。その行使が著しく損なわれている状況では、さまざまな人権が重大かつ広範に侵害され続けられることにつながるので、外的側面として独立の権利がある。その行使は救済的分離の意味も含まれる。そのためには人民の半数を超える支持が必要とされている。
■国連の沖縄認識
 自己決定権の内的側面は、世界の先住民族にとって権利主張の重要な権利となっている。先住民族とは先住性、文化的独自性、自己認識、被支配といった基準で定められる集団のことで、国連は2007年、「先住民族の権利宣言」を採択し、先住民族は自己決定権を有し、その行使に際して自律および自治の権利があると明言した。
 国は先住民に影響を与える可能性のある法律や行政措置を採択・実施する際は「自由な、事前の、情報に基づく合意(インフォームド・コンセント)を得るために、代表機関を通して」(同宣言)誠実に協議し、協力することが求められている。この規定で重要なのが、土地や領土、資源に関する権利だ。先住民族による自由な同意または要請がある場合を除いては、先住民族の土地または領域で軍事活動してはならないと明確に規定している。
 規定では、国が軍事活動のために土地を使う場合は、先住民族と事前に政策決定への効果的参加や協議を義務付けている。これは国家権力の行使を制限し、説明責任を求め、少数者の声を尊重する機会を保障していることを意味する。
 従来は、その参加と協議は先住民族の同意を意味していなかった。しかし、「先住民族の権利宣言」は「自由な、事前の、情報に基づく同意を得る」と踏み込んだ。すなわち、先住民族の同意を得なければ、先住民族の土地で軍事活動をしてはならない。
 国連NGOの「琉球弧の先住民族会」は沖縄人/琉球人は先住民族であり、琉球併合(「琉球処分」)は国際法に照らせば「違法」だとして、先住民族としての権利を国連に訴えてきた。その結果、国連は08年に琉球民族を先住民族と公式に認め、文化遺産や伝統生活様式を保護・促進するよう日本政府に勧告している。その後も、09年にユネスコが沖縄固有の民族性を認め、歴史、文化、伝統、琉球語の保護を求めた。
 10年には人種差別撤廃委員会が「沖縄への米軍基地の不均衡な集中は現代的な形の人種差別だ」と認定、日本政府に対し、沖縄の人々の権利保護・促進や差別監視のために、沖縄の代表者と幅広く協議するよう勧告した。しかし、日本政府はこうした勧告を受け入れておらず、国連はその都度「懸念」を表している。
■権利行使の意味
 米施政権下で沖縄は「平和憲法への復帰」を掲げ、強力な運動を展開した経緯がある。しかし、「復帰」以降、憲法が定める平和主義や権利保障が、沖縄で十分発揮されてこなかったことへの不満やいら立ちが募っている。沖縄で連綿と続いてきた米軍基地から派生する人権侵害を終わらせたいという願いが国際人権法、とりわけ自己決定権への期待を高めているといえよう。名護市辺野古への新基地建設問題はその意思の象徴とみることができる。
 沖縄で自己決定権の行使を考えるとき、視野に入れるべきは国際法学者から「国際法上不正」と指摘されている琉球併合とその後も続く抑圧の歴史の連続性である。併合で失った「主権」の回復という視点は重要だ。
 沖縄は琉球併合を起点に、差別を伴う同化政策、沖縄戦、米統治、現在の過度な米軍基地集中と、自己決定権は侵害され続けてきた。沖縄はアジア・太平洋など幅広く交易・交流した長年の歴史的経験だけでなく、非武装平和・非暴力の理念を大切にする伝統が育まれてきた。沖縄戦でその大切さを身をもって理解している。だからこそ、沖縄が置かれた差別の歴史に終止符を打つ根本的解決策として自己決定権の行使は一層、重要性を帯びている。
 世界的に著名な平和学者ヨハン・ガルトゥング氏は沖縄は北東アジアの平和を築く拠点になれると提唱し、アジアの平和構想を沖縄から打ち立てることを促した。県の沖縄振興指針「沖縄21世紀ビジョン」は沖縄を「アジアの橋頭堡(ほ)」と位置付け「沖縄が持つ自然、歴史、文化、地理的特性などのソフトパワーは、我が国がアジアとの関係を深化させ信頼を確保していく取り組みにおいて、一層大きな役割を担い貢献する資源になり得る」と明記している。
 沖縄が自己決定権を行使し権利を拡大することは、こうした平和の創造に向けた主体性を発揮することにもつながる。それは沖縄の安全保障だけでなく、アジア全体の平和に貢献することにもなる。
<参考文献>
 島袋純・阿部浩己責任編集「沖縄が問う日本の安全保障」(岩波書店)、松島泰勝著「琉球独立への道」(法律文化社)、上村英明著「新・先住民族の『近代史』」(法律文化社)、沖縄県議会議員経験者の会編「沖縄自治州」(琉球書房)
【国連の役割】勧告は政府への圧力
 国連の勧告には法的拘束力はないが、定期的に国際社会に公表されることで、人権保護などに関して改善を促された国は「人権後進国」というイメージが付与される。
 日本政府は、沖縄の人々の人権に関する勧告を“無視”し続けているが、国連の勧告を機に、改善への動きが出るケースもある。例えば、昨年8月、国連人種差別撤廃委員会がヘイトスピーチを法規制するよう勧告したことを受け、国会では野党が規制法案を提出、国会で議論されている。
 国連NGO「市民外交センター」の上村英明代表(恵泉女学園大教授)は「国連の勧告は政府にプレッシャーをかける効果がある」と指摘する。日本の外務省には「国連はアメリカが中心だから、アメリカの言うことさえ聞いていれば国連の意にも沿う」という認識と、「国連は偉い」という絶対視する見方があるという。上村氏は「どちらも実態ではない」として「国連は組織・機構だから、なかなか動かないことがあるなど限界もあるが、いろんな国の人々が集い、NGOの意見を尊重する仕組みができている」と強調する。
 例えば、アフリカの代表は植民地から独立した歴史的経験があるので「植民地」や「自己決定権」といった言葉に敏感なため、沖縄の訴えが響く可能性が十分あるという。
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【各地の事例】自治権拡大、独立も
 世界には、植民地状況に置かれた地域が自己決定権を行使して自治権を拡大したり独立したりした事例が数多くある。今も自己決定の道を模索している地域は多い。中でも、広大な米軍基地を抱える沖縄との類似性で参考になるのが、ハワイやグアムなど太平洋諸島の地域だ。これらの地域は、国際法で保障された先住民族の権利や人民の自己決定権を根拠に、民間団体が国連の先住民作業部会に参加するなどして他国の先住民族と連携している。
世界の先住民と連携/太平洋諸島
ハワイ
 ハワイ王国は1810年に誕生し、諸外国と条約を結んで、43年には英仏が独立国家として承認した。やがてキリスト教の宣教師が政府機構に入り込み、白人勢力が権力を拡大し、先住民族カナカマオリを排除した。白人勢力は女王を追放し、王位を剥奪、98年に米大統領がハワイ併合を承認する。
 ハワイは1946年に国連の非自治地域リストに登録された。59年の住民投票の結果、米国の一州となり、リストから除かれた。ただ住民投票の選択肢は「現状維持」か「州」しかなく、カナカマオリの主権回復の道は閉ざされていた。米連邦政府はいまだにカナカマオリに自治権を与えていない。ハワイには米軍基地があり、オアフ島の約30%を米軍が占有、ベトナム戦争の時もカナカマオリの信託地が奪取された。
 カナカマオリは87年、自治組織カラフイ・ハワイを結成。「米国内国家」の実現を目指している。国連は98年、ハワイは国連の非自治地域リストに登録されるべきだと勧告した。
グアム
 1898年の米西戦争で勝利した米国はスペイン領だったグアムを統治下に置き、海軍基地を建設、先住民族チャモロ人に英語を強制した。チャモロ語を使うと体罰を科すなどの同化政策を進め、米国への依存度を深めさせ、島を軍事基地として自由に使おうとした。
 チャモロ人は米大統領選での投票権がなく、グアム代表は米連邦下院議会での発言権はあるが投票権はない。同議会はグアムに影響を与える法律をグアム側の同意なしで採択することが法的に可能になっている。
 グアムは1946年、国連の非自治地域リストに登録され、今もリスト上にある。国連は米政府に対し、グアムの自治を向上させ、住民の政治的希望に誠実に対応するよう勧告しているが、米国は従っていない。
 グアム政府はコモンウェルスという自治性の高い政治的地位を獲得しようと80年、政府内に自己決定委員会を設置。国内外の法律・条約を研究し連邦政府と交渉を進めた。その結果、グアムに影響を与える法律や政策を策定する際には、グアム側の同意を得なければならないとするコモンウェルス法案が87年の住民投票で承認された。
 グアム代表は97年までに米連邦議会に4度も同法案を提出したが、チャモロ人の意向に左右されず、自由に軍事活動をしたい米政府は法案を拒否した。同年、グアム政府は脱植民地化委員会を設立し、将来の政治的地位として、独立国、自由連合国、州を検討することを決めた。
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スコットランド/権利宣言で国内外承認
 自らを先住民族と規定せず、国連の諸機関や国際人権法を直接利用することなく自己決定権を行使する事例もある。スコットランドでは「スコットランドの主権はスコットランド人が持っている」ことを宣言し、自治権を拡大、その後、独立運動へ発展した。
 権利宣言は、フランス革命時の憲法制定国民会議がモデルだ。スコットランド人による自治の方向性を議論するため、政党、団体、諸個人でつくるスコットランド憲法制定会議を設置し、1989年にスコットランドの主権や憲法制定権を持つことを宣言した。それを基に憲法に相当する基本法を制定。英国国会がそれを国会の制定法として法律化したため、独立への動きなど自己決定権の行使が国内外に承認されている。
 スコットランド議会設立の是非を問う97年の住民投票で74・3%の賛成票を得て、99年に議会が発足し、中央政府から権限委譲が大きく進んだ。
 中央政府の権限は国防、外交、貿易の自由、全国レベルの単一市場に関わる部分、社会保障制度に限られた。スコットランド議会に委譲された権限は、医療・保健、教育・職業訓練、地方政府、社会福祉事業、住宅、土地利用計画、経済開発、内務、司法、刑事法の大半、環境、農業、漁業、林業、スポーツ、芸術などに及ぶ。
 独立をめぐっては、昨年9月18日の住民投票で反対が55・3%で賛成44・7%を上回った。住民投票を率いた独立賛成派のスコットランド国民党の党員数は、投票時に約2万5千人だったが、その後10万人以上に達し、ことし8月上旬の同党支持率は60%を超えている。
<用語>国連の非自治地域
 「人民がまだ完全には自治を行うに至っていない地域」のことで、植民地、属領といわれる地域が該当する。国連憲章第11章は「非自治地域に関する宣言」を設け(1)人民の進歩の段階に応じて自治を発達させること(2)地域の経済的・社会的・教育的状態に関する情報を事務総長に提供すること-などを、非自治地域を統治する加盟国に義務付け、国連の監視下で非植民地化を目指す。現在16地域が登録リストに残っている。県内には「沖縄は非自治地域登録を目指すべきだ」との声もある。
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【識者インタビュー】
歴史創造の主体性回復/自治構想へ 県議会が鍵に/島袋純氏(琉球大学教授)
 -知事の国連演説をどう見るか。
 「自己決定権を明白に認識し、沖縄が有すると国際社会に訴えた。これで戦前・戦後史の抜本的な見直しが始まるだろう。軍用地のための不法な土地強奪や占拠は沖縄の自己決定権を完全に否定した形の軍事支配。1952年の対日講和条約第3条は沖縄の自己決定権を完全に無視しており、無効ということになる。72年の沖縄返還協定も不当だ。日本政府は沖縄の人々に政治的な地位と基地の取り扱いについて同意を求めるべきだった。沖縄には基地の処遇に自らの意思を実現させる権利がある。こうした歴史の捉え方の大転換が起こる。歴史を創造する主体性を回復する。そんな歴史観を知事は意識していると思う」
 -現状をどう見るか。
 「新安保法制で何が変わるかというと、米軍の指揮下に日本の自衛隊が入るという意味であり、自衛隊が日本の統帥権から離脱する。民主的統制が全く利かない軍隊としてどんどん肥大化する。沖縄は既に日米共同訓練の場となっており、その訓練の前に人権の犠牲は厭(いと)わない。人権侵害がひどくなる可能性がある。それに抵抗するためには、人権保障を実現する権利として沖縄の自治権や自己決定権を考える必要がある。立憲主義的統制下に米軍や自衛隊をどう抑え込むかが、主権国家として日本が再生するための最重要テーマ。これを念頭に日本全体と共闘しないといけない。沖縄が自己決定権を主張して人権を守るためにこそ権力や物理的強制力は存在するとして、立憲主義の下に統制していきましょうと提起することが一番分かりやすい」
 「国防に関しても自治体の役割が極めて重要だ。自治体は住民の人権を守るためにはまさしく政府と対等。これが地方自治の本旨であり、地方自治法の根本なので、住民の人権を犠牲にして国防を最優先にする発想は出ないし、あり得ない」
 -今後の課題は。
 「自己決定権の確立にとって重要なのは権利宣言だ。権利章典ともいう。人権条項と主権在民を宣言し、この部分を後に憲法や基本法に入れ込む。人権とそれを守る憲法や基本法の制定権力が私らにあるという宣言だ。人民の代表からなる最も民主的に権威のある組織で宣言を行う必要がある。2013年の建白書が似ている。あの方式で集まった人たちが権利宣言する。沖縄の人々に人権があり、自己決定権を持つと権利宣言する。これは強力な立憲主義の出発点になる。その権利に基づき、沖縄の自治や政治はどのような姿がよいかを構想していけばいい」
 -具体的な展望は。
 「県議会がキーだ。県議会や立法院は人権と自治権、主権回復に関する決議をたくさんしてきた。62年の2・1決議もそうだ。建白書の方式が望ましいが、まずは県議会の単純過半数でもいいから、権利宣言のようなものを作り、それから可能な限り全会一致や建白書方式を目指す。内容は、人権があり自己決定権がある、と主張した知事の国連演説の文言を基盤にすればよいのではないか」(政治学)
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日米政府と対等交渉/沖縄内格差の積極的議論を/大城尚子氏(沖縄国際大学非常勤講師)
 -現状をどう見るか。
 「翁長雄志知事は琉球併合時の教訓を生かし、大きな力に頼らず、自らの力で協力者を募りながら日米両政府と対等に交渉しようとしているように見える。一方の日本政府は専ら『安全保障論』を使い、リアリストのように振る舞っているが、その主張は自らの外交政策に反する。日本の外交の柱の一つに、人間を中心に置いた『人間の安全保障』という考えがある。これは軍事力に頼る安全保障とは真逆の発想だ。例えば、自衛隊がスーダンで活動しているのは人間の安全保障という概念が軸だ。政府は基地問題において人間の安全保障論を議論していない。外交と内政に矛盾、あるいは二重基準を抱えている」
 -沖縄の自己決定権行使をどう考えるか。
 「翁長知事が言う、土地の強制接収で普天間基地が建設されたという『そもそも論』を日本政府は問題にしていない。それは沖縄振興策における本島北部と中南部の開発の差の問題と似ている。北部圏の基地縮小が明記されたのは第3次振計が初めてだが、普天間移設問題が浮上した1990年代後半の状況変化を受けて2001年以降の計画では、その文言が再び消えた。基地は縮小しないという姿勢が明らかだ」
 「中南部のインフラ整備が進み、北部の開発が遅れたため、沖縄内で格差が拡大した。中南部では基地返還が進み、政府も基地が経済の阻害要因と認めているが、北部圏に関してはそれが北部に基地建設を促す要因の一つになっている。沖縄内で地域格差が一層進み差別的構造がつくられている。沖縄人の中でそれを問題と捉え、積極的に議論すべきだ」
 「ただ、ここでも強制接収された土地の問題に目を向けることが重要だ。自己決定権をいうなら、沖縄内部の差別、北部の振興をきちんと考えるべきだ」
 -具体的な行使の在り方はどうあるべきか。
 「必要なのは、インフォームドコンセント(正しい情報を伝えた上での合意)だ。沖縄内の地域関係、そして沖縄と政府との関係が、それぞれ対等であることが根底にあるべきだ。そうでないと、何らかの解決策を見つけるための事前協議が、一方の考えを押し付ける構造になってしまう」
 -自己決定権の展望は。
 「沖縄人の中に、対日本人に対する消極的姿勢を感じる。日本人と沖縄人を区別することは、日本人を排除するものではなく、違いを見つけ、そこから互いが尊重し合う関係をつくるために重要だ。脱植民地主義を実現するには、日本人が基地の押し付けという暴力をやめることが必要だ。米軍基地偏在問題に日本人の沖縄差別が根強く、色濃く表れている。琉球併合プロジェクトが今も継承されていると認識すべきだ」
 「また、他の国の先住民族が沖縄は先住民族として認めていることを知り、互いに情報交換をする場があることが望ましい。特にアジア圏にいる先住民族との交流によって、より共通点を見つけることができる」
(国際関係論)

<あしゃぎ>東アジア平和の触媒に
2015.10.01 琉球新報朝刊 17頁 文化 1版 写図表有 (全463字) 
 昨年8月に発足した「琉球・沖縄の自己決定権を樹立する会」の7人の幹事代表の一人で事務局を受け持つ大村博さん=写真。論文集「うちなーの夜明けと展望」出版をやり遂げ、24日に第2回総会を控えている。「あの本は遺言書のつもりだから、これでゆっくりしたい。運動を若い人たちに引き継ぎたいね。事務局体制も整えなければ」と2年目の課題を挙げた。 総会では会の名称についても議論になりそうだ。「独立国だった時代があり、自己決定権を持っていた。だから、樹立ではなく回復とすべきではないか」という指摘があり、「回復し樹立する会」への改称が提案されているという。 総会に合わせてシンポジウムも開かれる。海勢頭豊さんの映像と歌と語りに続いて、石川元平さん、川満信一さんらが討論する。 「安倍政権によってヤマトの強権的意思が見えるようになった」と話し、「琉球民族が自意識を持って人間解放という形でまとまれば大きな力になる。ヤマトにも理解する人たちが増えてくる。沖縄は東アジアの平和と民主主義の触媒になれる。それだけの文化力を持っている」と力説した。

ACSILs holds forum on Ryukyu independence in New York  --->RS
2015.09.29 Ryukyu Shimpo Sakae Toiyama reports from Washington DC
  On September 27, the Association of Comprehensive Studies for Independence of the Lew Chewans (ACSILs), an organization engaged in interdisciplinary research aiming to achieve Ryukyuan independence from Japan, held a forum at New York University in New York. The five speakers presenting at the forum were ACSILs co-representative and Ryukoku University professor Yasukatsu Matsushima, University of Illinois professor emeritus Koji Taira, Okinawa Association of America president Shingi Kuniyoshi, Okinawa International University professor Masaki Tomochi, and University of California, Riverside professor Annmaria Shimabuku. The speakers discussed the issue of Ryukyuan independence from various angles.
  Professor Matsushima described the history of US base construction in Okinawa and the current situation, and then discussed the grounds for and methods to achieve independence. He stated, “In order to remove all the US bases from our island, Okinawa should become an independent nation.”
  Professor Taira, an economist and proponent of independence, talked about the history of the Ryukyus and discussed Ryukyuan independence from a global perspective. Kuniyoshi, who has worked on environmental clean-up of U.S. base land after it has been returned, talked about how the U.S. Department of Defense deals with environmental clean-ups, including the legal framework, disclosure of information, and record-keeping. He noted as issues relating to the U.S. bases in Okinawa the lack of an environmental restoration program and the need to better manage dangerous substances and deal with pollution caused by leakages.
  Professor Tomochi discussed the history and culture of the Ryukyus as an independent nation. Referring to the current issues of the relocation of MCAS Futenma to Henoko, Nago and the forced deployment of the MV-22 Osprey, he emphasized that today, Okinawa remains a colony of the United States and Japan.
  Professor Shimabuku advocated for Okinawan sovereignty from the perspective of legal philosophy. She proposed the potential for independence based on the idea of relocating MCAS Futenma outside of Okinawa and the movement of the Okinawan diaspora.
  Forum attendees asked questions about the proportion of people in Okinawa who support independence, the prevalence of Uchinaaguchi speakers in Okinawa, and the possibility for solidarity with Ainu people.
(Translation by T&CT and Sandi Aritza)


<ワシントン発>独立の正当性強調/琉球独立学会 NYでフォーラム  --->RS
2015.09.29 琉球新報朝刊 3頁 総3 1版 写図表有 (全624字) 
 【ワシントン=問山栄恵本紙特派員】独立を目指し学際的な調査研究を進める琉球民族独立総合研究学会は27日、米ニューヨーク大学で「琉球独立」をテーマにフォーラムを開いた。共同代表の松島泰勝龍谷大教授、平恒次イリノイ大学名誉教授、国吉信義北米沖縄県人会会長、友知政樹沖国大教授、アンマリア・シマブク・カリフォルニア大学リバーサイド校准教授の5人が登壇し、多角的に問題提起した。 松島氏は米軍基地の形成過程や現状を説明しながら、独立の根拠や方法を説明した。「私たちの島から全ての米軍基地をなくすために独立国家になるべきだ」と訴えた。 沖縄独立論者で経済学者の平氏は琉球の歴史やグローバルな観点から琉球独立を説いた。閉鎖された米軍基地の環境浄化の担当官を務めた国吉氏は環境浄化に対する法律に基づく枠組み、情報公開、記録保全など米国防総省の対応を説明した。その上で在沖米軍基地の問題点として、環境回復プログラムがないことや危険物資管理、汚染流出への対応の必要性などを挙げた。 友知氏は独立国家であった琉球の歴史、文化を紹介した。米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設問題やオスプレイの強行配備を挙げ「沖縄は依然として日米の植民地である」と強調した。 シマブク氏は法哲学の観点から主権を説き、普天間の県外移設と沖縄人の離散の動きから独立の実現性を提起した。 会場からは県内での独立賛成者の比率やうちなーぐちの普及率、アイヌ民族との連携などについての質問が出された。


ヨハン・ガルトゥング氏が語る「積極的平和」と沖縄/「平和の傘」推進提唱/安保法案は時代遅れ/北東アジア共同体本部 誘致を
2015.08.27 琉球新報朝刊 16頁 特2 1版 写図表有 (全8,882字) 
 …。 今、世界の趨勢(すうせい)は地域の共同体で行動するのが一般的だ。その視点で見れば北東アジアのこの一帯は、ある意味遅れている。EU、アフリカユニオンのAU、東南アジアのASEANがある。 ECは賢明で小さい国ベルギーを意識して本部の場所に選んだ。将来北東アジアの国際組織をつくるとき、その視点から見て本部は沖縄がいいと思う。「琉球処分」に対する反省も含め、特別な地位がある重要な県として沖縄を意味あるものとする。私が提唱したいのは小さくても独立国家としての沖縄がいいのか、国際機関の本部がある特別県とした方がより意義があるのか、ということだ。 …。
<パネリストの発言>
 …。
我部政明・琉球大教授/独立・自立的振る舞い必要
 …。 ガルトゥング氏は北東アジア地域は六つとおっしゃったが、その中に沖縄は入っていない。「日本の一部である」という見方だ。つまり主体として沖縄はここに入っていない。基地問題を解決するには、沖縄は主体となり得るかどうかが重要だ。今、知事と官邸は一対一で協議しているが、権限や背負っているものは決して一対一ではない。沖縄は47分の1、(人口は)100分の1、面積は0・6%となっており、対等関係になっていないというのが「日本の中の一部である沖縄」という考え方だ。 沖縄がどう北東アジアと関われるかというと、水平な関係、つまり公平な対等関係になり得るかどうかが大変重要だ。これが構築されない垂直的関係が、ガルトゥング氏が言うように構造的暴力を支えている。東京と沖縄の関係が垂直的関係にあるので、今のところ解決に至りにくいだろう。独立あるいは特別県であれば、水平的関係、すなわち対等な関係の形になる。 それを目指すのであれば、沖縄の人は独立・自立的な振る舞いをすることが大切だ。自分たちは自分たちであり、相手と対等な関係であるという立場や気持ちをもって相手と話をしない限り、相手はそのように認めないだろう。
 …。
………………………
 ヨハン・ガルトゥング 1930年、ノルウェー・オスロ生まれ。59年、オスロ国際平和研究所(PRIO)を創設。64年には影響力のある専門誌「平和研究ジャーナル」を創刊した。87年にもう一つのノーベル賞といわれる「ライト・ライフリフッド賞」を受賞している。著書に「平和への新思考」(勁草書房、1989年)など多数。


<声>沖縄県は独立しては/鈴木晃 75歳
   2015.08.23   琉球新報朝刊   8頁   オピ   1版

「国内で自治権拡大を」/国連報告者コープス氏 沖縄独立論で助言
2015.08.17 琉球新報朝刊 3頁 総3 1版 写図表有 (全1,051字) 
 国連特別報告者のビクトリア・タウリ=コープス氏はシンポジウムで沖縄の独立論についても言及した。島ぐるみ会議の島袋純琉球大教授は来場者からの質問とした上で「独立が国連で認められる手続きや過程があるのか」と問い掛けると、コープス氏は「パレスチナのように他国から独立を認めてもらい、その上で国連にも認めてもらう必要がある」と述べ、独立への第一段階として諸外国から独立国と承認される必要があるとの見方を示した。 島袋氏は「独立することも含めて自己決定権はあるはずだが、国連だけで独立を認める手続きはないのか」と確認した。 コープス氏は「自己決定権の拡大は段階を踏んでいく必要がある。まずは日本に属しながら自国で自治権の範囲を広げていくことが重要だ」と述べ、沖縄の自己決定権を国会や日本政府に承認させる必要があると強調した。独立については「より厳しいことだが、皆さん次第だ」と述べ、県民の選択を尊重する考えを示した。 9月に国連で演説する予定の翁長雄志知事に対しては「沖縄がどのような問題に直面し、日本政府にどのような要求をしているのか明確に説明することが重要だ」とした上で「過去の報告書に言及した上で、(日米両政府に対し)『国連の提言をきちんと実現すべきだ』と繰り返すべきだ」と助言した。 会場でシンポジウムを聴いた沖縄国際大学非常勤講師の大城尚子さん(35)は「国連の特別報告者が沖縄に来てくれたのは素晴らしいことだ。沖縄が自己決定権を拡大するためには何をすべきかという課題が明確になった」と話した。

平和学の権威 ヨハン・ガルトゥング氏講演会/22日午後2時 浦添市てだこホール大ホール/「積極的平和」を希求
2015.08.08 琉球新報朝刊 22頁 特2 1版 写図表有 (全2,034字) 
 …。 2000年代に入り、国内で行った講演の中でガルトゥング氏は1879年の「琉球処分」や沖縄戦、日米安保下における沖縄の犠牲に触れ「沖縄問題の結論を言うと、日本政府には歴史的に見てほとんど正当性がない」と指摘。「沖縄がより高い自治権をもって独立すべきです。そして那覇は将来、東アジアの国際会議場に、もしくは日本と台湾との貿易の窓口にするのです」と提唱した(岩波ブックレット「平和を創る発想術 紛争から和解へ」、2003年)。


<第33回 琉球新報 読者と新聞委員会>屈せず沖縄問題発信を
2015.08.02 琉球新報朝刊 13頁 特1 1版 写図表有 (全5,012字) 
 …。 仲吉 世論調査で「自己決定権を広げていくべきだ」が87%で、沖縄の方向性は「日本の一県」とするのが66%。識者は「矛盾する」と述べているが、私はそうは思わない。現実に生活する人々は独立という大きな変化を求めているわけではない。私の世代は本土側からの構造的な差別に対する思いを持っている。琉球処分以降の歴史的経緯、異民族支配などは理解しているが、それでもいずれ差別は解消されると思っている。復帰を私たち自身が選び取ったことは重い。 …。

<論壇>友知政樹/普天間基地撤去と新基地反対/独立の観点から議論を
2015.07.24   琉球新報朝刊   8頁   オピ   1版   写図表有

民主沖縄研究会 細野氏が会長に/参院議員会館で初会合
2015.07.10 琉球新報朝刊 2頁 総2 1版 写図表有 (全407字) 
 【東京】過重な米軍基地負担が続く沖縄の歴史を知ろうと、民主党は沖縄研究会を設立し、参院議員会館で9日、第1回会合を開いた。会長に細野豪志政調会長、会長代行に荒井聰「次の内閣」沖縄担当相が就任した。細野氏は「沖縄は基地問題という大きな問題がある。歴史的背景を踏まえ本腰を入れて考えていきたい」と述べた。研究会は月内にも2回程度、沖縄での会合も予定している。 第1回会合は琉球大学名誉教授で琉球史に詳しい高良倉吉前副知事が近世を中心に沖縄の歴史について講演した。琉球王国は薩摩藩に侵攻された後も「日本、中国のどちらにも完全にのみ込まれず、主体性を持っていた」などと述べ、独自の歴史を歩んだと説明した。 出席議員からは沖縄独立、自治州の可能性や昨年の知事選などの結果について質問があった。高良前知事は選挙結果については明言せず、独立論には「政治家の提案ではなく、県民の中にその意思があるかを知る必要がある」と指摘した。

<社説>沖縄戦体験/語り継ぐことに現代的意義
2015.06.04 琉球新報朝刊 2頁 総2 1版 (全931字) 
 戦争の足音が聞こえる。そんな危機感が徐々に「水位」を高めているのではないか。 今回の琉球新報・沖縄テレビ戦後70年合同世論調査の結果は、そのような県民の皮膚感覚の反映と言えるだろう。国会審議中の安保法制については反対が73%に達し、賛成の16%を大きく上回った。 自衛隊の活動範囲を世界中に広げることについても、憲法9条改正についても同様だ。自衛隊の活動拡大が日本への攻撃を呼び、9条改正が戦争への歯止めをなくす。すると沖縄が再び戦場になり、耐えがたい惨禍を招く。真っ先に戦場にされかねない沖縄だからこその直感だ。 基地集中のありさまを見れば、安保法制の最大の当事者は沖縄だ。当事者の同意を得られない安保法案はやはり廃案にするほかない。拙速審議は断じて許されない。 それにしても、県民の軍事基地への反発、平和希求への思いの強さなど、「沖縄らしさ」の全ての原点は沖縄戦体験にある。それをあらためて思い知らされた。 沖縄戦体験の継承について、「もっと語り継ぐべきだ」が75%と、「現在の程度」19%を大きく上回った。前述の安保法制、自衛隊活動拡大のいずれも賛否の差は約60ポイント、9条改正も大差で、似た傾向にある。県民がこれら一連の「戦後レジーム(体制)見直し」の動きと沖縄戦を関連付けて受け止めていることを物語っている。 沖縄戦を知るからこその、安全保障に対する皮膚感覚なのであろう。「もっと語り継ぐ」ことの現代的意義はここにある。安保法制が変わり、戦争の可能性が変わりかねない今だからこそ、過去の経緯と戦場の実際を正確に把握しておくべきなのである。 興味深いのは自己決定権拡大を求める声が88%に達したことだ。辺野古新基地建設をめぐる、民意を無視した政府の強硬姿勢に対する反発の表れなのは間違いない。 半面、今後の沖縄について「現行通り日本の1県のまま」は67%を占めた。自己決定権と一見矛盾する結果だ。矛盾を読み解く鍵は「不安」ではないか。独立または特別自治州になることへの漠然とした不安の反映だとも考えられる。 不安は常に知識不足と表裏一体である。自己決定権を確立する道筋、確立した場合の社会の在り方を、冷静かつ正確に提示することが論議の手始めとなろう。

<沖縄戦70年>新報・OTV世論調査/「沖縄戦継承を」94%/自己決定権拡大87%/政府は配慮不足54%
2015.06.03 琉球新報朝刊 1頁 総1 1版 写図表有 (全922字) 
 琉球新報社と沖縄テレビ放送(OTV)は戦後70年の「慰霊の日」を前に5月30、31の両日、電話による世論調査を実施した。調査結果によると、戦争体験の継承については「もっと戦争体験を語り継ぐべきだ」との回答が75・4%に達し、「現在の程度で語り継げばよい」の19・4%を大きく上回り、全体で94・8%が戦争体験を継承すべきだとの認識を示した。一方、米軍普天間飛行場移設問題などさまざまな課題を抱える沖縄が、沖縄のことは自ら決める「自己決定権」については、87・8%が「広げていくべきだ」と回答した。(2、3、28、29面に関連) 「自己決定権を広げるべきだ」との回答が約9割に上った背景には、普天間飛行場の県内移設に県民の大多数が反対しているにもかかわらず、日米両政府が民意を無視して移設を推進していることに対する反発などがあるとみられる。 戦後70年が経過した中で「政府はこれまで沖縄に対して外交や地域振興などの施策について配慮してきたか」との問いに対しては、「配慮が不十分」「どちらかと言えば配慮していない」を合わせて54・2%と過半数となった。一方、「十分配慮してきた」「どちらかと言えば配慮してきた」を合わせて41・4%だった。 県内で在沖米軍基地が「必要」と答えたのは38・6%で、その半数が理由として「日本や周辺地域の安全を守るため」とした。 一方で「必要ない」と回答したのは58・6%で、理由のトップは「沖縄の基地負担が重すぎるから」(43・0%)だった。 将来の沖縄の方向性については「日本の中の一県のままでいい」が66・6%で最も多く、次いで「日本国内の特別自治州などにすべき」が21・0%だった。「独立すべき」は8・4%だった。 憲法9条の改正については改正する必要があると回答したのが24・0%で、改憲で重視すべきものとしては「自衛隊が国際活動を拡大するにあたり歯止めの規定を設けるべき」が46・7%で最も多かった。 「沖縄戦の体験を伝えていくためにはどのような取り組みが必要か」については「学校現場での取り組み」が41・2%、「戦争体験者による語り継ぎ」が31・4%、「行政による平和関連事業の充実」が22・8%だった。

新報・OTV世論調査/調査結果、こう見る/県民意識より鮮明に
2015.06.03 琉球新報朝刊 28頁 2社 1版 写図表有 (全1,396字) 
 琉球新報社と沖縄テレビ放送が戦後70年の「慰霊の日」を前に実施した世論調査で、戦争体験を継承すべきだとした回答が94.8%に上ったほか、米軍普天間飛行場の県内移設反対が83.0%に達した。沖縄の自己決定権拡大についても87.8%が「広げるべきだ」と回答した。今回の調査で示された県民意識について、沖縄戦体験者や識者などそれぞれ見解を聞いた。
・証言活動に手応え/中山きくさん(戦争体験者)
 若い人を含め、多くの県民が戦争体験を伝える大切さを理解していることにほっとした。戦後生まれの人が戦争をどう思っているのか常に心配してきた。特に20代の8割以上がさらなる継承を求めているのは、多様な分野に継承活動が広がった成果だと思う。逆に40~50代が子どもだったころは戦争体験を伝える機会が少なかった。今後も体が続く限り証言を続けたい。 20年以上、懸命に継承に取り組んできたが、一人一人にできることは限られている。年齢に沿って段階的に戦争の姿を伝える必要がある。国民全体に伝えていくには教科書が大切だ。「集団自決」(強制集団死)への軍の関与に関し、記述が薄められる流れを憂えている。 安全保障法制は絶対に戦争につながる。国会中継を見ても納得のいかない答弁が繰り返され、理解できない。国会で数の暴力によって決められてしまわないか心配だ。多くの県民も反対していると思う。(談)
・知事発言、共鳴呼ぶ/照屋義実さん(島ぐるみ会議発起人)
 翁長雄志知事が覚悟を決め「新基地は造らせない」と事あるごとに表明していることが、県民の間で共感、共鳴を呼んでいるのではないか。翁長知事の決意が幅広く県民に浸透してきていることで、「県内移設に反対する」が83・0%という数字になって示された。 5月17日に沖縄セルラースタジアム那覇で開催された県民大会では涙を流す人もいたと聞いた。翁長知事の「うちなーんちゅ、うしぇーてぇーないびらんどー(沖縄人をないがしろにしてはいけませんよ)」という発言などが県民の琴線に触れたのだろう。各地で島ぐるみ会議の支部が設立されるなどこれまでと決定的に違ううねりがある。 さらに辺野古埋め立て承認の取り消しを支持するとした回答が77・2%に上ったのは大きい。県民の負託を受けた知事として、辺野古新基地建設阻止のための政治決断がしやすくなるのではないか。世論調査の結果に知事は励まされたはずだ。(談)
・自己決定権が浸透/島袋純さん(琉大教授)
 「自己決定権を広げるべき」が8割を超えたのは、基地問題で沖縄側の決定権の領域を拡大してほしいとの県民の意識が表れている。昨年の知事選で翁長雄志知事がよく使っていたことも「自己決定権」が浸透した要因の一つと推察される。 ただ、今後の方向性には「現行通り日本の中の一県のままでいい」が最多で、自己決定権の拡大と矛盾する結果も出た。自己決定権を制度化するならば政治的に大きな変化が求められる。国際人権規約第1条で政治機構をつくる権限が認められていることなど「自己決定権」の中身が深く理解されていないようだ。 20年ほど前の私の調査では独立を望む回答は3・4%だった。単純比較はできないが、今回の8・4%はかなり高くなっている。 政府が辺野古新基地建設を強行するなど「外交や安全保障は国の専管事項だ」という姿勢を続ければ独立を望む声はさらに高まるだろう。(談)


新基地建設問題 写真誌が特集/「DAYS JAPAN」
2015.05.26 琉球新報朝刊 27頁 4社 1版 写図表有 (全394字) 
 写真誌「DAYS JAPAN」6月号=写真=が「辺野古新基地建設、許さない」と題して、沖縄の基地問題を特集している。沖縄戦体験者で、米軍普天間飛行場の移設先とされる名護市辺野古のキャンプ・シュワブのゲート前に座り込む島袋文子さん(85)が発した「国を守るだなんて言う人は、血の泥水をすすってから言ってごらん」という言葉を島袋さんの写真付きで紹介している。 特集は4部構成。大田昌秀元知事の「沖縄戦後70年 新たな占領が始まった」、基地・軍隊を許さない行動する女たちの会共同代表の高里鈴代さんの寄稿文や、「辺野古は渡さない」と題して二見以北住民の会の松田藤子会長の4月28日の県民広場でのあいさつなどを掲載している。 「DAYS JAPAN」の広河隆一編集長と琉球民族独立総合研究学会共同代表の松島泰勝龍谷大教授の対談も盛り込まれている。 同誌はデイズジャパン社発行、843円(税込み)。


<5・17県民大会とこれから 私の視座>1/玉城福子/現実から目逸らさず/「保守性」が変化を要請
2015.05.21   琉球新報朝刊   19頁   文化   1版   写図表有

新基地阻止なら「独立も」/独立学会シンポ 大田元知事が主張
2015.05.18 琉球新報朝刊 23頁 4社 1版 写図表有 (全446字) 
 琉球民族独立総合研究学会の設立2周年記念オープンシンポジウムが16日午後、沖縄国際大学で200人が参加して開催された。沖縄国際平和研究所理事長の大田昌秀元知事が基調講演した。独立論について「辺野古に新基地を造らせてしまえば二度と独立はできなくなる。阻止したら可能性は出てくる」と述べ、新基地阻止の重要性を指摘した。パネル討議には共同代表の松島泰勝龍谷大教授、友知政樹沖国大教授ら5人が多角的に問題提起し、フロアを交えて議論した。 大田氏は独立論について本を書こうとしていることを明かし「(独立について)まだ結論は出ていない。整理している段階」と述べた。独立の展望を問われると、沖縄より人口の少ない国連加盟国が42カ国あると指摘し、「国連には少数民族を支援するセクションがある。その支援を受ければ独立は不可能ではない」と述べた。 講演では沖縄戦の体験を生々しく語って憲法の重要性を説いたほか、知事時代に「基地返還アクション」「国際都市形成構想」などを掲げて政府と交渉した経緯などを振り返った。

 <復帰43年の5・15に思う>又吉盛清/沖縄新時代の始まり/日本人の在り方を問う
   2015.05.14   琉球新報朝刊   21頁   文化   1版   写図表有

英総選挙 スコットランド党56議席/「地域再生のモデル」/研究者 沖縄の政策発信を提言
2015.05.09 琉球新報朝刊 11頁 国際 1版 (全877字) 
 8日に大勢が判明した英国下院総選挙で、スコットランドの独立を目指すスコットランド国民党(SNP)が56議席を獲得した。沖縄の自治やスコットランド情勢に詳しい研究者は「基地にノーを突き付けるためには沖縄も独立が選択肢になり得る」「沖縄から地方分権と地域政策のビジョンを発信することが求められる」などと指摘した。 琉球民族独立総合研究学会の共同代表を務める友知政樹沖縄国際大教授は、SNPが核戦力の放棄を求めていることを挙げ「独立すれば主権を獲得し、核兵器を撤去できると訴えたことがSNPが支持を広げた要因の一つだ」と指摘する。「基地にノーを突き付けるために“イエス独立”と言った。そこから沖縄は学ぶことができる」と語る。 スコットランドと沖縄は経済的な面で相違点があることには「スコットランドには石油資源があるが、沖縄には観光資源がある。尽きるものではなく規模を増していけるのが観光で、何ら悲観することはない」と強調。その上で「抑圧と差別を受けてきたスコットランドの歴史は、沖縄と共通している。選挙結果は、平和な島を取り戻すためには独立が選択肢になり得ることを(沖縄に対しても)示している」と語った。 山口二郎法政大教授は、スコットランドに割り当てられた議席のほとんどをSNPが獲得したことについて「労働党が優位にあった状況からわずか5年で変化した。民意が不可逆な化学変化を起こすことがあり得るということを示した」と指摘する。沖縄で昨年の知事選、衆院選で辺野古新基地建設に反対する候補者が当選したことを挙げ「スコットランドでは独立を考えることによって、まさに沖縄の“イデオロギーよりアイデンティティー”と同様の形で政治の結集軸ができ、この結果につながった」と分析する。 その上で「スコットランドは自主的な政策決定を積み重ね、自治の運動の仕上げとして独立の議論が出てきた。沖縄でも自治に関しては長年の議論の蓄積がある。沖縄から安全保障の観点だけでなく、地方分権とセットにした地域政策のビジョンを発信していけば、地域再生のモデルとなる可能性がある」と話した。

<拓くワッター世(ゆー)~4・28屈辱の日~ 戦後70年>中/大田昌秀さん(89)/沖縄 取引の具に/辺野古強行 変わらぬ日米/独立機運 高まりに注目
2015.04.27 琉球新報朝刊 27頁 社会 1版 写図表有 (全1,728字) 
 1952年4月28日、東京都新宿区の夏目坂通り近くの清源寺で下宿していた元県知事の大田昌秀さん(89)は「なぜ沖縄だけ」と強烈な違和感を感じたが、声を上げることができなかった。早稲田大学に在籍し続けるには、政治活動と距離を置かなければならなかった。「日本留学」した沖縄出身の学生は、学生運動や反米活動に関わると米国民政府が発行する身分証明書を没収される。「東京への進学がうれしくて、よく内容を見ないで書類にサインしてしまった」 当時の学生は学徒として戦地に動員されたり、空襲で家族や友人を失ったりと悲惨な体験をしている。51年のサンフランシスコ講和条約締結とともに旧日米安全保障条約が結ばれると、戦争の記憶がある若者らが「悲劇を繰り返すな」と武力を保持しないとした憲法順守を訴え、機動隊と激しく衝突した。 ただ、日本の主権回復のため沖縄が切り離されたことへの周囲の関心は低かった。「一般市民は沖縄が切り捨てられたという現実を分かっていないのか、普段通りの生活を送っていた」 講和条約の発効で日本の主権は回復したが、「皇土防衛」の「捨て石」にされ、日本の主権回復のため今度は「捨て駒」にされた。政治活動をすれば除籍処分になる。悶々(もんもん)としながら、米国留学の準備のために英語の勉強などに集中した。 戦前は師範学校で学び「純粋培養」(大田さん)の軍国少年として日本軍の将校になることを夢見た。45年3月、「鉄血勤皇隊」として徴用され、半袖半ズボンの軍服、1丁の銃と120発の銃弾、自決用を含め2個の手りゅう弾を持たされ戦場に放り込まれた。任務は大本営発表を本島南部一帯の壕に身を潜めている日本兵や住民たちに伝えること。守備軍司令壕(ごう)と日本兵と住民が入り乱れる壕を行き来する中、日本兵が住民を守るどころか住民から食料を強奪する場面も目撃し「信じていたものが崩れ去った。戦争は醜悪そのもの」 戦後、生きる希望をもたらしたのは日本国憲法だ。「戦後の沖縄の教科書を作った仲宗根政善先生が『これ読んだか』と日本国憲法のコピーを持ってきた。『戦争を永久にしない。軍隊を持たない』との条文を読んで『もう戦争をしなくていいんだ』と感動した」 だが、「屈辱の日」で日本から切り離された沖縄には憲法は適用されず、米軍が強制収用した土地を占有し続け、住民が事件や事故に巻き込まれた。 「契約学生」として政治活動を禁じられた早稲田大学在籍中は米大学院への進学を目指して勉学に励んだ。後のライフワークとなる沖縄戦や戦後史の研究の道が開けた。 米国シラキュース大学大学院の修士課程を修了後、1958年に琉球大学講師に就任。以来、米首都ワシントンの国立公文書館に通い詰め、沖縄戦や「屈辱の日」の背景を調査した。 米軍が1945年3月26日の慶良間列島上陸と同時に出した軍政布告「ニミッツ布告」を精読し、息をのんだ。「『日本が戦争を仕掛けたときに対応するため、沖縄を軍事戦略上、占領する必要がある』と明記されていた。沖縄は日本を軍事的に抑え込むために米軍が占領したことが理解できた」 サンフランシスコ講和条約締結に至る文書にも目を通した。日本の独立のため、当時の吉田茂首相が外務省に対し、米国に「バミューダ方式」で沖縄を使わせてもいいと提示するよう指示したことを示す文書もあった。「バミューダ方式とは99カ年の租借。日本政府は独立のために沖縄を切り捨てた」 記録が示すものは、日米双方が都合よく沖縄を利用し、取引の具にしてきたことばかり。「耐用年数200年の辺野古新基地建設を強行する日米両政府の体質は今も変わっていない。他人の目的達成のために沖縄が利用され続けている」 辺野古新基地建設に反対する市民らへの権力側の暴力は既視感がある。「早稲田大学で見た光景が忘れられない。機動隊が学生の頭を警棒でかち割った」 「他人の都合で強制的に振り回される状況が続けば、沖縄の主権のため『独立』を求める機運がますます高まるだろう。沖縄より小規模の独立国の事情に詳しい研究者や米国留学をした若者たちが熱心に取り組んでいる」。「ワッター世」を模索する新しい世代の活動にも注目する。(松堂秀樹)

「日米和親」で政府答弁/「国際法上の主体が締結」 琉球の独立性示す/識者らが解釈
2015.03.22 琉球新報朝刊 3頁 総3 1版 (全643字) 
 政府は20日、1854年3月に江戸幕府と米国間で結ばれた「日米和親条約」(神奈川条約)について、日本が「国際法上の主体」として締結した「最初の国際約束」とする答弁書を閣議決定した。県選出の照屋寛徳衆院議員(社民)の質問主意書に答えた。 同年7月、琉球王国は米国と琉米修好条約を締結している。 阿部浩己神奈川大教授(国際法)は「答弁では、日本が当時、国際法上の主体として国際約束を米国と締結し得たと明言している。そうであるなら、54年から59年にかけて琉球王国が米仏蘭と締結した修好条約についても、全く同じように、当時、琉球王国が国際法上の主体として国際約束(条約)を欧米諸国と締結し得たことを間接的に認めているに等しい」と指摘した。 照屋氏は「琉米・琉仏・琉蘭3条約を締結したのは国際法上の主体(主権国家)たる琉球王国であることが判明した。琉米修好条約が日米和親条約よりも後に締結されたことを踏まえると、琉球王国と江戸幕府は異なる国際法主体であったと言える。琉球王国は、江戸幕府の統治権(支配)の及ぶ地域(領土)ではなかったことが分かった」と強調した。 政府が「明治政府は『国家』たる日本国の『政府』であった」と答弁したことにも触れ「1879年の『琉球処分』によって、琉球王国は『国家』たる日本国に併合されたと言える。少なくとも日米和親条約が締結され、『琉球処分』が断行された54年から79年の間、琉球王国は国際法の主体たる主権国家、独立国家であったと、政府が認めたに等しい」とした。

「独立国家」回答避ける/答弁閣議決定/琉球の位置付け
2015.03.07 琉球新報朝刊 3頁 総3 1版 (全591字) 
 政府は6日、1879年の「琉球処分」(琉球併合)の時期、琉球王国が国際法上の主体としての独立国家だったかについて「『琉球王国』をめぐる当時の状況が必ずしも明らかでなく、確定的なことを述べるのは困難」とする答弁書を閣議決定した。県選出の照屋寛徳衆院議員(社民)の質問主意書に答えた。 50年代に琉球王国が米国、フランス、オランダそれぞれと結んだ3修好条約の原本について、今後も外交史料館で管理するとの見解を示した。 米国と和親条約や修好通商条約を締結した江戸幕府が国際法主体の主権国家と認識するか、日本の領土に琉球王国が含まれていたかどうかをただしたのに対し「『江戸幕府は、国際法主体の主権国家であった』の意味するところが必ずしも明らかではないため、回答は困難」とした。阿部浩己神奈川大教授(国際法)は「19世紀後半には(幕府の)政治的存在は国際法上の主権国家として処遇されていたという認識は今日の国際法学の定説だ」と指摘。その上で「政府は質問に誠実に向き合い、武力を背景に国際法上の根拠なく日本が琉球王国を併合した事実を認めるべきだ」と強調した。 照屋氏は「不誠実な答弁内容だ。歴史的事実についての評価、判断を放棄している。琉球王国の存在した厳然たる歴史的事実を認めないとする態度と受け止める。その姿勢こそが、現在の沖縄の民意を無視した国策強要の温床となっている」とコメントした。

<社説>琉米条約確認/自己決定権回復に英知を
2015.03.02 琉球新報朝刊 2頁 総2 1版 (全912字) 
 琉球国が1854年に米国と交わした琉米修好条約の米国側原本が、米国立公文書館に保管されていることが分かった。 条約はペリー提督により締結され、米議会が批准、大統領による公布などの正式な手続きを踏んでいる。米国が琉球について外交権を有する独立国家と見なしていた明白な証拠といえる。 しかし、明治政府は琉球が保管していた条約原本を取り上げ、琉球の外交権を剥奪した。そして79年、力ずくで琉球を併合した。複数の研究者は「国際法に照らして不正だ」との見解を示している。 琉球は自己決定権を奪われ、沖縄戦、米国統治を経て現在に至る。米軍基地問題をはじめとする沖縄問題は、琉球の併合過程に端を発する。今に至る過程を再検討し、自己決定権を回復するために英知を集めたい。 日本政府は「外交・安保は国の専管事項」と繰り返し、沖縄が反対しても基地を押し付け続けている。最近の米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設の強行ぶりに、政府の姿勢が如実に表れている。 自己決定権を奪い、数の論理をかざして沖縄に軍事基地を押し付けるのは、基本的人権の侵害である。日本政府と国民はそのことに気付くべきだ。 一方、米軍は独立国だった琉球を、日本が併合したことを知っていた。沖縄占領のために1944年に作成した「民事ハンドブック」によると、沖縄人は日本人によって差別され、搾取された、日本人の中の劣等グループであるという考えを占領当初から持っていた。日本と沖縄の心理的な亀裂を利用して、占領政策を遂行した。 米国統治下の沖縄は自治権が制限された。自治権とは自己決定権と言い換えられる。自治権拡大要求の象徴が主席公選だった。68年に主席公選が実現し、即時無条件全面返還を訴えた屋良朝苗氏が当選した。屋良氏は72年5月15日、返還式典で「沖縄がその歴史上、常に手段として利用されてきたことを排除」するとあいさつした。これは自己決定権の回復宣言に他ならない。 沖縄の命運を決めるような大切な事は沖縄自ら決めるという自己決定権の回復こそ、沖縄戦をはじめとする近現代史から導かれた重要な教訓といえる。自己決定権の回復の実現は戦後70年を迎えた沖縄が取り組むべき最重点課題だ。

<道標(しるべ) 主権を問う>条約の意義、今に/沖縄特別展シンポ 基地問題重ね討論
2015.03.01 琉球新報朝刊 32頁 2社 1版 写図表有 (全613字) 
 「琉球・幕末・明治維新 沖縄特別展」の28日のシンポジウムでは3人の研究者が1850年代に結ばれた琉米・琉仏・琉蘭の3条約の意義について熱い討論を繰り広げた。米軍普天間飛行場の移設問題などを受けて、自己決定権の要求が高まっている現在の沖縄の状況にも引き付けて考える必要性を指摘した。会場では約300人が研究者の話に真剣な表情で耳を傾けたり、メモを取ったりしていた。 鼎談(ていだん)は「ペリー来航と3条約」がテーマ。琉球大学名誉教授の西里喜行氏は明治以降の日本の対外政策について「武力で世界を攻めるという軍事的な膨張路線は沖縄戦、第二次世界大戦で駄目になった。ことしは戦後70年の節目の年だ。今に至る過程を正負の面から総括する必要がある」と述べると、会場から拍手が起こった。 特別展を監修した木村幸比古氏は「沖縄が置かれていた立場を的確に判断し、条約を締結、対応した沖縄の人々の努力は永遠に変わらない」と評価した。 沖縄国際大学教授の田名真之氏は「条約は独立国の証しだ。それを使いながら琉球の人々は抵抗した。条約に意味を持たせるのはわれわれだ」と強調した。 名護市辺野古で新基地建設に反対する座り込みに参加しているという岩村幸子さん(70)=浦添市=は「3条約によって琉球は自己決定権やアイデンティティーを持っていたことを知った。条約を沖縄に取り戻すことができたら、新しいアイデンティティーが生まれるのではないか」と話した。

<社説>道標求めて やはり自決権回復しかない
2015.02.17 琉球新報朝刊 
歴史をたずねると現状の意味が明確になる。広く世界に知恵を求めると進むべき針路が見えてくる。
本紙連載の総括を兼ねたフォーラム「道標(しるべ)求めて」を聞いての実感だ。歴史的にも国際的にも、沖縄が自己決定権を持つのはもはや明らかである。現状の不正義を国際社会に訴えるよすがにしたい。 確認できたことの第一は、明治政府の「琉球処分」(琉球併合)が国際法違反だったことだ。その証拠が幕末の琉米、琉仏、琉蘭の3条約である。条約の締結は、3国が琉球を国際法の主体、言い換えれば独立国と見なしていたことを意味する。
明治政府は武装警官と兵士で首里城を囲み、尚泰王に沖縄県設置を通達、合意を迫った。これはウィーン条約法条約51条が禁じる「国の代表者への強制」に当たる。国際法学者はそう指摘する。 米軍基地問題をはじめとする現在の沖縄の問題の源流はここにある。現在の問題とは沖縄の民意を無視してよいものと扱い、政府が一方的に強制できる対象とみなす、そんな政府と国民の態度のことだ。 米軍基地は、「外交・安保は国の専管事項」を隠れみのに、いかに沖縄にとって不当であろうと強制される。多数決原理の下、日本総体としてそれを容認してきた。県という枠組みにある間、沖縄は常に強制され続けることになる。その淵源(えんげん)が琉球併合なのだ。 だとすれば、やはり自己決定権回復以外、解決の道はない。今日の世界には過去の不正義の是正を求める潮流があり、人権や自決権の重みが増している。沖縄側の主張は、丁寧に訴えれば共感を呼ぶはずだ。「米国はなぜ不正義の上に利権を確保するのか」と国際社会に訴えるのも有効であろう。 フォーラムでは東アジアでの多国間、多地域間対話の枠組みを求める声も上がった。賛成だ。 北欧のバルト海沿岸では100以上の都市が加盟する沿岸都市連合(UBC)という枠組みで、環境汚染だけでなく経済や安全保障も論議している。国家間だけでなく地方政府や民間組織間の国際連携が重層的に安全保障を下支えしているのだ。こうした実例も参考にしたい。 東南アジア諸国連合(ASEAN)に匹敵する東北アジア諸国連合(ANEAN)も提唱された。沖縄をその本拠地にする構想があってもいい。論議を聞いてそんな感も深くした。


<道標(しるべ) 主権を問う>「道標求めて」フォーラム/平和拠点化を提起/沖縄の決定権議論/識者ら アジア連携に期待
2015.02.16 琉球新報朝刊 1頁 総1 1版 写図表有 (全908字) 
 琉球新報社と沖縄国際大産業総合研究所は15日、宜野湾市の同大で、フォーラム「道標(しるべ)求めて-沖縄の自己決定権を問う」を開いた。登壇した識者らは1879年の琉球併合(琉球処分)以降の差別や植民地支配、戦争の犠牲など「負の連鎖」を断ち切るために「今こそ自己決定権と平和を唱えるべきだ」「沖縄はアジアの対話・交流拠点になれる」などと主張した。(2、3、33面に関連、19日付で詳報) 姜尚中(カンサンジュン)聖学院大学長は沖縄がアジアの自治体と非武装地帯を宣言することを提起。識者から経済自立に向けたアジアとのビジネス機会の活用や国際的人材の育成などの提言があった。 「琉球とアジア、主権をめぐって」と題して基調講演した姜氏はアジア各国・地域間で安全保障の枠組みを築けば沖縄の米軍基地の役割は小さくなるとし、そのため「アジアの分断の象徴である朝鮮半島の分断を乗り越える必要がある。朝鮮半島の脱冷戦とアジアの連帯が必要だ」と述べた。 「歴史の教訓、そして未来へ」をめぐって議論したた第1部では、上村英明恵泉女学園大教授が琉球国が1854年に米国と交わした琉米修好条約などを根拠に琉球併合は「国際法違反」と指摘した。 姜弘(きょうこう)北京師範大副教授は「東アジアが平和でなければ沖縄は平和でなく、沖縄が平和でなければ東アジアの平和はない」と主張、中国との交流促進を望んだ。 波平恒男琉球大教授は普天間飛行場の辺野古移設に触れ「今こそ自己決定権や平和の声を発信する時だ」と求めた。 島袋純琉球大教授は「まずは沖縄の権利章典を作ることが非常に重要だ。それには自己決定権を持つ主体という沖縄の人々の意思が必要」と訴えた。 第2部の「自己決定権と沖縄経済」では富川盛武沖国大教授がアジアに目を向けた「ビジネスの具体化が始まっている」と紹介した。仲地健同大教授は医療ツーリズムの推進を唱えた。平良朝敬かりゆしグループCEOは「観光インフラ整備を沖縄自身が決め、規制緩和を勝ち取る必要がある」と指摘、岡田良那覇市IT創造館館長は「最先端の技術をいち早く沖縄に移転することが大切」と提言した。 約600人の聴衆が熱心に耳を傾けた。

<道標(しるべ) 主権を問う>「道標求めて」フォーラム/脱基地へ自治拡大
2015.02.16 琉球新報朝刊 2頁 総2 1版 写図表有 (全1,219字) 
<第1部>民意無視は人権問題 ・・・。姜弘(きょうこう)氏は沖縄の帰属に関する論議に触れ「歴史的に見て琉球は日本の一部でも中国の一部でもなかった。中国でも主流の意見だが主要メディアは正しく伝えていない」と語った。
<第2部>自立向け人材育成重要 ・・・。


<道標(しるべ) 主権を問う>「道標求めて」フォーラム/自立へ 議論白熱/「可能性感じた」/聴衆、将来像に期待
2015.02.16 琉球新報朝刊 33頁 社会 1版 写図表有 (全822字) 
・・・。 壇上で繰り広げられる議論に、聴衆は真剣な表情で聞き入った。「沖縄の平和がないと東アジアの平和はない」(北京師範大学の姜弘(きょうこう)副教授)、「名護市辺野古の問題は、自己決定権を持っている琉球の人民の意思を無視して行っている人権上の問題」(恵泉女学園大学の上村英明教授)などの意見に、大きな拍手も湧き起こった。 ・・・。

<道標(しるべ)求めて・琉米条約160年 主権を問う>100/第7部 青写真/エピローグ(下)/国際世論の喚起を/自己決定権、訴え継続が鍵
2015.02.15 琉球新報朝刊 3頁 総3 1版 写図表有 (全1,169字) 
 1962年2月1日、琉球政府立法院。翁長助静議員は壇上で発議者を代表し、沖縄の施政権返還要求に関する決議文を読み上げた。 「国連総会で『あらゆる形の植民地主義を速やかに、かつ無条件に終止させることの必要を厳かに宣言する』旨の(中略)宣言が採択された今日、日本領土内で住民の意思に反して不当な支配がなされていることに対し、国連加盟諸国が注意を喚起することを要望する」 決議文は全会一致で可決され、国連加盟104カ国に送付された。米国の植民地的支配を批判し、沖縄の主権回復を世界に訴えた歴史的決議「2・1決議」だ。国際社会に米国統治の不当性を訴えたのは画期的だったが、その後、沖縄から国際社会への働き掛けは続かなかった。 1879年に琉球国が日本に併合された「琉球処分」前後にも、琉球の旧士族たちが海外に救国を訴えた局面がある。当初は、日琉関係の伝統的な「隠蔽(いんぺい)策」が露呈するのを恐れ、欧米との接触を積極的に活用しなかった。運動は、明治政府と中国(清)への嘆願が中心で、国際法に基づき国際社会に訴えるなどの取り組みは弱かった。 しかし、時代は大きく変わった。世界的に民主化が進み、情報メディアも発達した。知事選、衆院選、名護市辺野古で示された民意を無視し、日本政府が基地建設を強行していることに、国際社会は厳しい目を向けている。 「沖縄の人々の利益というゴールに向けて、あなたが前に進んでいけることを祈っている」。東西冷戦の終結に指導的役割を果たし、ノーベル平和賞を受賞したミハイル・ゴルバチョフ元ソ連大統領は、新基地建設問題を理解した上で、翁長雄志新知事に文書でエールを送った(2014年11月25日付)。世界的に見ても沖縄の現状は「不条理」だとする海外識者からの指摘も相次いでいる(本紙連載「正義への責任-世界から沖縄へ」)。 「国連への要請も視野に入れる必要がある」。知事選翌日の本紙インタビューで翁長氏はこう述べた。基地建設阻止に向けて早期に訪米し、国連機関などを含めて沖縄の民意を訴え、国際世論を喚起していく考えだ。2・1決議から53年余。翁長助静氏の息子・雄志氏は父の遺志を引き継ぐ。 ほかにも国際世論へ打って出る動きは活発化しつつある。沖縄「建白書」を実現し未来を拓(ひら)く島ぐるみ会議は、国連人権理事会などへの働き掛けを強化する方針だ。早ければ4月にもスイス・ジュネーブの国連機関に担当者を派遣する。琉球民族独立総合研究学会も、琉球人への差別問題や自己決定権確立などを国連に直接訴える活動を来年度から始める。 沖縄の民意が日本政府に無視され続けている中、国際世論の喚起が事態打開の鍵を握る。沖縄の自己決定権が保障されるよう粘り強く継続し、国連などに訴えていくことが課題となっている。(編集委員・新垣毅)
(おわり)


<道標(しるべ)求めて・琉米条約160年 主権を問う>99/第7部 青写真/エピローグ(上)/条約原本、返還求める/沖縄が所有すべき主権の証し
2015.02.13 琉球新報朝刊 3頁 総3 1版 写図表有 (全1,293字) 
 昨年11月29日から約3週間、県立博物館・美術館で「ペリー一行の見た琉球・日本-ウィリアム・ハイネの水彩原画展」が開かれ、1853年からの訪琉でペリー随行画家が描いた原画5点が初めて一堂に公開された。初日、多くの小学生らが足を運んだ。原画展の感想を聞いた記者に、曙小6年の荷川取林香さん(12)は目を輝かせてこう答えた。 「ペリーが沖縄に5度も来て、琉球と琉米修好条約を結んだことを初めて知った。沖縄と外国との関係をもっと知りたい」 会場の一角に、琉米修好条約の条文が展示されていた。 水彩画は原画だが、彼女が見た条約は本物ではない。複製だ。条約原本は東京の外交史料館=外務省所管=に保管されている。琉球新報は外務省に対し、琉球国が50年代に米・仏・蘭それぞれと結んだ3条約について文書で質問した。 「条約はなぜ現在、外務省の管轄下にあるのか」「明治政府は1872年の『太政官布告』で3条約を外務省所管とすることや、正本提出を琉球藩に命じたが、その理由や法的根拠は」「琉球藩が74年に3条約の正本を外務省に提出したが、その後、条約の効力の有無や内容の順守などはどうなったか。米仏蘭各国への説明、反応は」-などだ。 外務省は一括してこう答えた。「当時の経緯が必ずしも明らかではないこともあり、お尋ねについて確定的なことを述べることは困難です」 米仏蘭3条約は琉球国が当時、国際法の主体だった“証し”だ。複数の国際法学者が3条約を根拠に、明治政府による1879年の琉球併合(「琉球処分」)は「国際法上不正」と指摘している。国際法に違反した国家は違法行為の停止、真相究明、謝罪、金銭賠償などの義務を負う。国際法の主体(=主権)として琉球が他国と結んだ条約を日本政府が持っている以上、政府は国際社会の一員として説明責任が問われるはずだ。 名護市辺野古の新基地建設に県民の反発が高まる中、沖縄の自己決定権を追求する声が高まっている。3条約は「主権回復」主張の論拠となり得る。 「私たちは歴史上、国際社会において、本来ならばどのような権利を持つ存在なのか、主体なのかを確認する、あるいはその根拠を持つことが非常に重要だ。その象徴的な一つとして琉米条約がある」 2013年6月12日、那覇市議会で平良識子市議はこう主張し「本来ならば沖縄が所有すべきだ」と、那覇市に条約返還を国に求めるよう要求した。その後も返還を求める声を上げ続けている。一方、琉球民族独立総合研究学会も今月3日、外務省沖縄事務局に対し、琉米条約の原本を返還するよう要求した。 日本に併合された後、沖縄戦で多くの犠牲を出した沖縄。米国統治下の27年間、住民は命や人権、自治の侵害を経験し、日本「復帰」後も、軍事基地の過重負担に苦しめられている。琉球の主権を収奪した琉球併合は、歴史の苦渋の根源ともいえる。これまでの歴史に対する謝罪など、さまざまな形で日米の責任を追及すべしとの声もある。 沖縄の自己決定権を問う世論の中で、三つの条約が今、息を吹き返しつつある。その様を、沖縄の未来を担う子どもたちも見詰めている。(編集委員・新垣毅)

<道標(しるべ)求めて・琉米条約160年 主権を問う>琉球「国際法の主体」
2015.02.11 琉球新報朝刊 20頁 特1 1版 写図表有 (全4,214字) 
 昨年5月1日から始まった連載・特集「道標(しるべ)求めて-琉米条約160年 主権を問う」の総括フォーラム「道標求めて-沖縄の自己決定権を問う」(主催・琉球新報社、沖縄国際大学産業総合研究所)が15日午後1時から沖縄国際大学で開かれる。フォーラムでは、沖縄が進むべき道を県内外の識者に提言してもらう。連載を終えるに当たり、あらためて企画の狙いを示し、取材で見えてきたことを明らかにしたい。連載では取り上げられなかった戦後の「沖縄アイデンティティー」の行方にも触れ、今後の沖縄の課題を考えたい。読者からの反響も紹介する。(編集委員・新垣毅)
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自己決定権に正当性/海外の独立派も沖縄共鳴
昨年3月、宜野湾市嘉数の「琉球館」で行われた、友知政樹沖縄国際大教授らによる北京視察報告会で衝撃の映像を見た。1879年の琉球併合(「琉球処分」)前後、祖国・琉球を救うため命懸けで中国に亡命した琉球士族らが眠る「琉球人墓」が北京の古い集合住宅の裏庭でリンゴ畑となり、急ピッチに進む再開発の波に飲み込まれようとしている様子だ。「こんな扱われ方でいいのか」という思いが脳裏を駆け巡った。救国運動を評価する友知氏ら県内有志は中国の関係者と保管に向けた話し合いを進めている。 明治政府官憲の監視の目をくぐり、中国に亡命し、必死に訴えた琉球人士族は約200人にも上るという。こうした士族は、明治政府の役人や、琉球併合を「文明化」として肯定的に捉えた沖縄県内の知識人らから「頑迷固陋(がんめいころう)」とさげすまれた。本土の新聞に至っては「くそをたれた愚犬」(「朝野新聞」)と蔑視する記事も載せた。 ところが、取材で見えてきたのは列強の国々と渡り合い、明治政府には「オール沖縄」で併合に抵抗し、併合後も中国や国際社会に必死で訴えた士族たちの姿だ。
■縦糸と横糸
 沖縄の「主権=自己決定権」をキーワードにした連載「道標求めて」の狙いは主に二つあった。一つは、足元の歴史を掘り起こすことで、その教訓から沖縄の今を見つめ直し、未来を展望することだ。二つ目は海外を取材し、その事例から学べる素材を集め、紹介することだ。歴史が縦糸とすれば、海外の事例は横糸の関係だ。 沖縄の苦難の歴史的原点を考えるならば、406年前の薩摩侵攻までさかのぼる必要がある。しかし今回、約160年前の琉米修好条約に焦点を当てたのは理由がある。琉仏、琉蘭と合わせた3条約は当時、琉球国が国際法の主体であった証しであり、それを根拠に国際法を生かして、現在において主権回復や自己決定権行使を主張する議論の地平が開かれるからだ。 複数の国際法学者によると、3条約を根拠に、琉球国は国際法の主体だったことから、ウィーン条約法条約第51条「国の代表者への脅迫や強制行為の結果、結ばれた条約は無効」とする規定を適用し、琉球併合の無効を訴えることが可能という。加えて日米両政府に対し、謝罪、米軍基地問題の責任追及、さらには主権回復を訴える戦略が描けるというのだ。自己決定権の要求が高まっている今の沖縄にとって、この指摘は重要だ。
■国際世論への訴え
 海外の取材でも得るものが多かった。スイスの国連人種差別撤廃委員会における琉球差別問題の扱い、欧州連合(EU)の要・ベルギー、スコットランドの独立投票、アメリカから独立して20年の節目を迎えたパラオをそれぞれ取材した。 率直に感じたのは「沖縄は独立を正当化できる歴史的要件や現状、経済的自立の可能性を十分持っている」ということだ。中城村の人口に近い約2万人しかいない島国・パラオがどうやって大国アメリカから独立を勝ち取ったのか-。スコットランドの独立運動もそうだが、市民による粘り強い草の根運動の力が大きい。何度も挫折を味わいながら、アイデンティティーの基盤を再構築し、国際世論に訴える運動を継続した経験を持つ。 ドイツ、フランスという大国が戦争を繰り返す狭間で何度も占領されて多くの犠牲を出した小国ベルギーも含め、これら地域の人々は、沖縄の現状と歴史を説明すると、すぐに共感し「痛み」に共鳴してくれたことが、強く印象に残った。
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戦後「沖縄人」を再定義/平和希求 誇れる民へ
 国際法は戦争を違法とし、人権や平等の尊重を基本理念とする。脱暴力の潮流は世界的に強まっている。国連は植民地支配を認めず、人種差別撤廃条約で人種や皮膚の色、種族的出身を理由とするあらゆる差別を禁じている。この潮流を背景に植民地支配を受けていた多くの地域が独立し、平等を勝ち取った。 こうした世界の潮流を背景に、米国統治下にあった沖縄も、人権や自治の侵害に強く抵抗した。土地闘争や主席公選、米軍の事件・事故に対する命や人権を守る闘争は「平和憲法への復帰」運動へ結実した。しかし、1972年の日本復帰は運動が求めた「即時無条件全面返還」に反し、ほとんどの米軍基地が残り、基地の自由使用も認めた。米軍絡みの事件・事故は今も繰り返されている。 戦後から今へと続く沖縄の運動は、命、人権、平等、平和、自治権などの普遍的な理念を追求する権利獲得闘争とみることができる。その中で日本人と沖縄人の関係性、アイデンティティーは問い直されてきた。 特に、大半の基地が残ることが判明した69年以降、復帰論・反復帰論者の間に「沖縄人」を再定義する言説が広がった。「未開」「野蛮」「劣った民族」など劣等感を起こさせる表象だった「沖縄人(ウチナーンチュ)」は「命どぅ宝」をうたう「平和愛好の民」「海洋民族」「アジアと共生する民」など誇れる存在として意味付けされた。 これらの言説は、主に米軍基地を由来とする暴力・戦争・人権侵害に対する拒否感から自身の存在を問い直し、平等や平和などの普遍的理念を希求する中で生まれた「抵抗する主体」として「沖縄人」を表現した。「暴力に抵抗する主体」であり、命や人権、平等、平和を大切にする普遍的理念と共鳴する主体だ。 否定的な存在から肯定的なアイデンティティーへの転換は、その後の自立論や自立に向けた政策の言説に転移していく。80年代以降、若者の音楽や「笑い」にも沖縄らしさの表現が出始めた。しまくとぅばの復興運動も沖縄人の自信につながった。
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紛争回避「対話の場」に/東アジア平和構築に有益
 日本と中国・韓国の関係改善を阻む歴史認識問題や尖閣など領土問題をめぐって、「沖縄は対話の場になれる」という提言も多かった。対話が実現できれば、沖縄だけでなく日中韓はじめ東アジア全体の平和構築にとって有益との考えだ。人、モノ、情報のグローバル化の進展に伴い、経済・政治などの分野でEUや東南アジア諸国連合(ASEAN)のような国境を越えた地域統合が進むなど国家の壁は低くなりつつある。 しかし、中国脅威論などナショナリズムをあおり、国家間の壁を高めている東アジアの現状は世界のすう勢に逆行している。日中間の摩擦が激化すれば、真っ先に危険な状況に置かれるのは沖縄だ。 連載でスイスの平和活動家クリストフ・バルビー弁護士は、世界でイスラエルとパレスチナの問題の次に危険なのは東アジアであり、北朝鮮問題や日中関係が紛争の火種になると指摘した。「危険の中だからこそ沖縄の立場は非常に重要だ。平和は沖縄だけの問題ではない。沖縄が平和になれば、東アジア全体への影響は非常に大きい」と語った。 人やモノ、経済の交流が進めばそれ自体が安全保障になるとの考えもある。沖縄には今、アジアからの観光客が街にあふれている。今こそ「交流拠点」に向けた政策と実行力が問われている。 安倍政権が現在のように、辺野古の新基地建設を強行すればするほど、沖縄の自己決定権要求は一層高まるだろう。沖縄は今、スコットランドがサッチャリズムに反発し、分権に走った状況に似ている。
 取材を通して沖縄の自己決定権をめぐる課題が、大きく分けて三つ、浮き彫りになった。
 一つは、国連や米本国、海外メディアなど国際世論にも訴え、日米政府を動かすことだ。国際法の活用や国連への植民地登録を提起する考えもある。
 二つ目は、政府に分断されないよう、強固なアイデンティティーを基にした幅広い結束だ。「オール沖縄」の民意実現を掲げる「島ぐるみ会議」の動きが注目される。
 三つ目は、これまで国の補助メニューを事業化し、予算執行することが主だった県や市町村の自治体・議会が、地域に合った政策・制度設計づくりを徹底する「政策形成機関」に転換することだ。
 住民が主権者として政策決定過程に参加していく経験の積み重ねも重要となる。それが沖縄という集団としての自己決定権に内実を与える。政策形成や政策評価へのチェックを、住民の代表である議会がきちんと担う体制固めが急務といえる。
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<用語>自己決定権
 一般的には「自分の生き方や生活について自由に決定する権利」であるが、国際法である国際人権規約(自由権規約、社会権規約)は各第1部第1条で集団的決定権として人民の自己決定権を保障している。自らの運命に関わる中央政府の意思決定過程に参加できる権利で、それが著しく損なわれた場合、独立が主張できる
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姜尚中氏を招き道標フォーラム/15日、沖国大 フォーラム「道標(しるべ)求めて-沖縄の自己決定権を問う」では、姜尚中(カンサンジュン)聖学院大学長が「琉球とアジア、主権をめぐって」をテーマに基調講演する。その後、フォーラムは2部構成で進める。 第1部「歴史の教訓、そして未来へ」は姜尚中氏、上村英明恵泉女学園大教授、姜弘(きょうこう)北京師範大副教授、波平恒男琉球大教授、島袋純同大教授が登壇。潮平芳和琉球新報社編集局長が進行役を務める。 第2部「自己決定権と沖縄経済」では、富川盛武沖縄国際大教授、仲地健同大教授、平良朝敬かりゆしグループCEO、岡田良那覇市IT創造館館長が議論を交わす。進行役は松元剛琉球新報社編集局次長兼報道本部長。午後6時まで。 入場は無料だが整理券が必要で、配布は終了した。当日の模様は琉球新報ホームページで生中継する。


<道標(しるべ)求めて・琉米条約160年 主権を問う>98/第7部 青写真/中国の視線/知事選に高い関心/自己決定権「尊重」が大勢
2015.02.11 琉球新報朝刊 3頁 総3 1版 写図表有 (全1,249字) 
 2014年11月5日、熊本市。冷え込む日中関係の改善を促すため、中国に近い九州・沖縄の新聞記者と東京に支局を持つ中国の新聞社・通信社の記者による交流会が初めて実現した。
 「誰が勝つの」。中国の記者たちは沖縄の新聞記者に約2週間後に迫る沖縄県知事選の行方を何度も聞いてきた。
 中国国営の新華社日本総局は知事選取材のため沖縄へ記者を派遣し、結果を速報した。国営の中央テレビも選挙の特集番組を流し、中国メディアは高い関心を示した。知事選の取材を担当した新華社の劉秀玲記者は投票2日前に沖縄入り。関心が高い理由について「日米関係に影響を与える可能性がある」と話した。中国は日本との関係づくりの際、日米関係を大きな判断材料にしている。
 新華社の記事には「沖縄人 選挙で米軍基地に『ノー』」という見出しが躍った。書き出しで知事選の意義をこうつづった。「背後にある日本の将来の発展を深く考えさせられるもの、すなわち日米の軍事同盟関係を国の基本とし続けるべきか否かについて県民が疑問を投げ掛けた」
 記事に「新知事当選は民意の逆襲」「『基地は経済発展の阻害要因』は既に共通認識」「自己決定権追求の闘い」という小カットを付け、沖縄の研究者の解説を引き、こう指摘した。
 「知事選は本質的には県民が自己決定権を追求する闘いだった。県民は沖縄の発展の道を選択する権利があるか否か、あるいは東京の決定に従うしかないのか、沖縄の長期にわたる大衆運動には、こうした人権、自治権、自主権への要求が終始貫かれている」
一方、中国の研究者は今の沖縄をどうみているか。事情に詳しい複数の研究者によると「沖縄は中国の領土」という認識はほとんどなく、沖縄の自主的な決定権を尊重すべきだという論調が大勢を占めるという。実際、日本による「琉球処分」(琉球併合)直後、中国(清)側は日本側に対し、琉米・琉仏・琉蘭の3修好条約などを根拠に「琉球は独立国」と主張した。
日中関係や琉球の歴史を専門とする姜弘(きょうこう)・北京師範大副教授は「戦後沖縄は度々、複雑な国際紛争や大国の戦略に翻弄(ほんろう)され、自己決定権の行使は難しかった。しかし今回の知事選を通して、県民の自己決定意識が高まってきた。この選択は尊重されるべきだ」と指摘する。「中国は琉球王国時代から沖縄と友好的な貿易の往来、文化交流の歴史的伝統がある」として一層の交流を願った。
 日本国際貿易促進協会職員として、習近平現国家主席や温家宝前首相ら中国の国家指導者との会談で通訳を担当してきた泉川友樹氏=豊見城市出身=は、沖縄が日中関係に果たせる役割は大きいと話す。
 「ウチナーンチュは友情の育み方など人間関係で中国人と通じ合えるものがある。地理的、文化的、人間的に近いことをうまく活用し、日中の間を取り持てる。それができたら世界でも素晴らしい例になる」
 沖縄の目指すべき将来像は、軍事ではなく「対話のホットライン」。それは日中、沖縄、いずれにとっても「いいことだ」。(編集委員・新垣毅)


<道標(しるべ)求めて・琉米条約160年 主権を問う>94/第7部 青写真/独立/平和と経済自立を実現/主権回復こそ沖縄の解放
2015.02.05 琉球新報朝刊 3頁 総3 1版 写図表有 (全1,226字) 
 県知事選、衆院選沖縄選挙区全てで名護市辺野古への新基地建設に反対する候補者が当選した。それにもかかわらず、日本政府は建設推進を表明した。県民が激しく反発するさなかの昨年12月20日と21日、琉球民族独立総合研究学会のシンポジウムが沖縄国際大学で開かれた。連日150人を超える聴衆が詰め掛け、会場は熱気に包まれた。 「しまくとぅば、琉球の歴史、沖縄戦のことを家庭でどんどん話していこう」。そんな意見や質問が相次ぎ、2日とも予定終了時間を30分以上オーバーした。 独立学会は2013年5月15日に設立した。当初は約100人だった会員は現在267人まで膨らんだ。20代前半から80代まで、多様な職業の人々が真剣な議論を重ねている。本島北部・中部・南部、宮古、八重山、西日本、東日本の地域研究部会のほか、独立実現の過程や経済、法制度、歴史などを扱う20のテーマ部会からなる。各部会は2カ月に1度のペースで会合を開催しているという。米国、ブラジルなど海外のウチナーンチュにも会員がいる。 共同代表の友知政樹沖縄国際大教授は「これまでいろんな人が独立論を唱えてきたが、同じ目標の下、一緒に顔を合わせて意見を出し合うことで議論が深まっている」と話す。独立を掲げる政党の発足も目指す。 青写真は、自由、平等、平和の理念に基づく「琉球連邦共和国」。主権回復こそが琉球の解放につながるという考えだ。奄美、沖縄、宮古、八重山の各諸島が州となり、対等な関係で琉球国に参加、各シマのアイデンティティーが琉球人の土台だ。各地の自己決定権を重視する。琉球の首府だけでなく、各州が議会、政府、裁判所を持ち、憲法を制定、独自の法や税、社会保障の制度を確立し、その下に市町村を置く。 安全保障については「軍隊の存在は攻撃の標的になる」として非武装中立を保ち、東アジアの平和を生む国際機関の設置も目指す。 国連だけでなく、太平洋諸島フォーラムなど世界の国際機構に加盟し、国々との友好関係を強化。米軍や自衛隊の基地撤去のための条約を日米と締結する。 経済の自立については、琉球が経済主権を持てばその可能性が広がるという立場だ。現状は「琉球側に政策策定や実施過程における決定権がない植民地経済だ。政府主導の開発行政は国への依存度を深めた」と指摘する。米軍基地撤去による跡利用で雇用・経済効果は「何十倍にもなる」とし、発展著しいアジアとの貿易、アジア人観光客の誘致などで経済自立を目指す。 大きな課題の一つは、独立の考え方を県民に浸透させることだ。共同代表の桃原一彦沖縄国際大准教授は「基地問題をめぐる差別状況や沖縄の歴史、ザル経済など、まずは沖縄の現状をきちんと認識するための言葉を持ち、可視化、意識化することだ。そんな言葉を発信していきたい」と語った。 独立までの具体的シナリオも今後の課題だ。来年度からは国連へ会員を派遣し、琉球の自己決定権確立を訴える活動を強化する。(編集委員・新垣毅)

民族の自己決定権議論/琉球&アイヌシンポジウム 「本土の無関心」指摘
2015.02.08 琉球新報朝刊 26頁 4社 1版 写図表有 (全388字) 
 2月7日の「北方領土の日」を考える「琉球&アイヌの自己決定権シンポジウム」(主催・アイヌ民族と連帯するウルマの会)が7日、宜野湾市の沖縄国際大学で開催された。シンポジウムには約30人が参加。登壇した新垣毅琉球新報編集委員は沖縄の自己決定権という考え方について説明。昨年のスコットランド独立住民投票の様子を写真で紹介し「民族というものは、差別や同化志向という強い圧力の中で目覚めていくものだと思う」と述べた。 沖縄戦遺骨収集ボランティア「ガマフヤー」の具志堅隆松代表は沖縄人やアイヌ人の骨が研究目的で墓から持ち出され、施設に保管されていることについて「沖縄やアイヌだったらしょうがない、いいのではないかという、本土国民の無関心の表れではないか」と指摘した。ほかにフォークシンガーのまよなかしんやさん、旭川アイヌ民族資料館館長の川村シンリツ・エオリパック・アイヌさんも登壇した。

基地返還で経済効果/普天間32倍3866億円/県試算 桑江・北前108倍
2015.02.05 琉球新報朝刊 1頁 総1 1版 写図表有 (全611字) 

 県企画部は4日までに、在沖米軍基地の返還後の経済効果に関する試算を新たにまとめた。返還後の直接経済効果は普天間飛行場で現在の32倍となるなど、跡地開発に伴う経済成長の可能性があらためて浮き彫りになった。既に返還された土地の直接経済効果は北谷町の桑江・北前地区で返還前の108倍、那覇新都心地区で32倍に達した。 県は2007年3月に同様の報告をまとめていたが、市町村の産業活性策や直近の統計を反映させて再計算した。 今後返還が予定されるキャンプ桑江、キャンプ瑞慶覧、普天間飛行場、牧港補給地区、那覇軍港の5施設が返還された場合の直接経済効果は合計で現在の18倍。これを基に誘発される経済波及効果の試算では、雇用が現在の4400人から18倍の8万503人に、税収は57億円から18倍の1004億円に増える見込みだ。 普天間の直接経済効果は現在120億円で、返還後は3866億円と試算。雇用は現在の1074人から32倍の3万4093人、税収は14億円から32倍の430億円となる。 基地跡地では北谷町の桑江・北前の直接経済効果は返還前の3億円から336億円、那覇新都心は返還前の52億円から1634億円に上る。両地区に小禄金城地区を加えた3地区の合計では返還前の28倍の経済効果と試算した。 県企画調整課は「跡地利用を進めることで大きな経済効果が生まれる。早期返還、早期の跡利用計画策定が重要だ」と指摘している。(古堅一樹)

琉球併合は「国際法違反」/独立学会 日本政府に謝罪要求
2015.02.04   琉球新報朝刊   28頁   2社   1版   写図表有   (全565字)
 琉球民族独立総合学会の松島泰勝共同代表ら4人は3日、那覇市久米の外務省沖縄事務所に山田俊司首席所員を訪ね、「独立国琉球国のヤマトによる武力強制併合は明らかな国際法違反」と抗議し、日本政府に謝罪と「琉球の植民地支配の即時停止」を要求した。また、1850年代に琉球国が米国、フランス、オランダとそれぞれ締結した琉米、琉仏、琉蘭の3条約の原本を外務省外交史料館が保持していることについて「琉球国の強制併合の過程で収奪された」とし、沖縄への返還を求めた。 同学会が政府関係機関へ直接行動を起こすのは初めて。松島共同代表らは3条約を根拠に、琉球は1879年の琉球併合(「琉球処分」)当時、独立した主権国家だったとし「強制併合」は「国の代表者への強制」を禁じたウィーン条約法条約51条違反だと主張した。 一方、松島共同代表らは、辺野古新基地や東村高江のヘリパッドの建設問題について「基地の押し付けは琉球への差別だ」とし、建設の即時中止・撤回を求めた。要請文はオバマ米大統領にも直接郵送するという。琉球の歴史、自然、言語に関する教育を受ける機会を設け、拡充することも要求。要請文は県や県教育委員会などにも郵送する。 松島共同代表らは抗議・要請の後、会見を開き「グアムの先住民族チャモロ人とも連携し、国連に琉球の差別問題を訴えていく」と話した。

February 4, 2015 Ryukyu Shimpo
ACSILs demands an apology for annexation of Ryukyu, calling it a “Violation of International Law
    ---> ryukyushimpo
   Yasukatsu Matsushima and three co-leaders of the Association of Comprehensive Studies for Independence of the Lew Chewans (ACSILs) visited Senior Coordinator Shunji Yamada at the Okinawa Office of Ministry of Foreign Affairs of Japan. They protested that the forced annexation of the independent nation of the Ryukyu Kingdom by Yamato (Japan) is an obvious violation of international law. The group demanded from the Japanese government an apology and “immediate cessation of the colonization of Ryukyu.” The delegates also requested retrocession of the original copies of three treaties between Ryukyu Kingdom and the United States, France, and the Netherlands, signed with each country during the 1850s. The Diplomatic Archives of the Ministry of Foreign Affairs of Japan is currently holding the treaties. The group members stated that these treaties were disregarded in the forced annexation of the Ryukyu Kingdom.
   This is ACSILs’ first direct action taken against a government-related agency. Matsushima and co-leaders argue that Ryukyu was a sovereign nation at the time of annexation of the kingdom or the so called Ryukyu disposal in 1879, on the ground of the three treaties. The delegates further argue the “forced annexation” is a failing of article 51 under the Vienna Convention that forbids “Coercion of a Representative of a State.”
   Matsushima and co-leaders also requested immediate cessation and cancellation of construction of a new military base in Henoko and helipads in Takae, Higashi. They argued that imposing an unreasonable U.S. base-hosting burden on Okinawa is discrimination against Ryukyuan people. The delegates plan to mail the request document to President Barack Obama. They will also mail a letter to ask the Okinawa Prefectural Government and the Prefectural Board of Education to create and expand opportunities to teach Ryukyuan history, nature, and language for students.
   Matsushima and co-leaders held a press conference after the protest. They announced the delegates appeal to the United Nations to help them raise their voice against discrimination toward the Ryukyu, in collaboration with the indigenous people of Chamorro in Guam.


<道標(しるべ) 主権を問う>琉米・琉仏・琉蘭条約/原本141年ぶり里帰り/27日から浦添美術館で展示/「主権国家の証し」
2015.02.04 琉球新報朝刊 1頁 総1 1版 写図表有 (全833字) 
 琉球国が1854年に米国、55年にフランス、59年にオランダと締結した修好条約の3原本が27日から浦添市美術館で展示される。原本は74年5月に明治政府によって没収され、外務省が保管している。沖縄での展示は初めてで、141年ぶりに海を渡る。国際法の専門家は「3原本は琉球が当時、国際法の主体として主権を有していた証し」と指摘している。米軍基地問題などをめぐって沖縄の自己決定権要求が高まる中、今回の里帰りは沖縄の「主権回復」を求める議論に影響を与えそうだ。(3面に関連) 琉米修好条約は、鎖国状態だった日本に開国を迫るため浦賀(現神奈川県)や琉球などを訪れたペリー提督との間で結ばれた。米船舶への薪(まき)や水の提供、米国の領事裁判権を認めるなど不平等な内容で、琉球は当初、締結を拒んだが、ペリーの圧力に屈し、条約を結んだ。フランス、オランダともほぼ同様の条約を結んだ。 明治維新の後、政府は琉球国の併合をもくろみ、外交権剥奪に乗り出す中で73年3月、3条約の提出を琉球に命じた。琉球側は粘り強く抵抗したが、最後は政府の強硬姿勢に屈し、74年5月、津波古親方政正が条約原本を携えて船で上京、政府へ引き渡した。現在、外務省外交史料館が原本を保管している。 琉球は日本に併合される過程(「琉球処分」)で、条約締結国に対し、条約は「主権の証し」と主張、明治政府の「処分」に抵抗する切り札に使った。 上村英明恵泉女学園大教授と阿部浩己神奈川大教授は、3条約締結の事実から「琉球は国際法上の主体であり、日本の一部ではなかった」と指摘。軍隊や警察が首里城を包囲し「沖縄県設置」への同意を尚泰王に迫った明治政府の行為は、当時の慣習国際法が禁じた「国の代表者への強制」に当たるとして「国際法上不正だ」と指摘している。 3条約の原本は27日から3月29日まで浦添市美術館で開かれる「琉球・幕末・明治維新 沖縄特別展」(主催=琉球新報社、協同組合・沖縄産業計画)で展示される。(新垣毅)

<晴読雨読>玉城福子/無意識の植民地主義:日本人の米軍基地と沖縄人 野村浩也著/日常生活に新しい視点与える
2015.01.25   琉球新報朝刊   13頁   読2   1版   写図表有

<道標(しるべ)求めて・琉米条約160年 主権を問う>89/第7部 青写真/胎動(中)/主権回復へ活動活発/各団体、国連直訴を強化
2015.01.23 琉球新報朝刊 3頁 総3 1版 写図表有 (全1,238字) 
 沖縄の自己決定権を訴える活動が活発化している。島ぐるみ会議、琉球弧の先住民会は、国連人権機関への直訴を強化する構えだ。
■島ぐるみ会議
 ・・・。共同代表の一人、仲里利信氏(衆院議員)は「琉球への薩摩侵略から400年余、沖縄への差別や搾取の歴史が続いている。琉球国が独立国家だったことを前面に出し、主権回復を訴えていく。行き着く先に独立も想定しないといけない」と主張する。 沖縄の将来像は、軍隊のない「非武装中立」を描く。「沖縄は出撃基地であり続けていいのかが問われている」。県議会議長時代、沖縄と中国福建省の友好県省10周年の記念行事に招かれ、福建で「日本政府の外相級」の歓待を受けた。「琉球は橋渡し役として日中友好を先導すべきだ。琉球に国連アジア本部を誘致し、スイスのような場所になるのがいい」
■琉球弧の先住民会
・・・。二つ目は、日本国と完全にたもとを分かって自主独立の国家をつくる。・・・。


<沖縄の冬>守田弘一郎(ジャーナリスト)/小国の独立、相次ぐ/解体できぬ文化、言語
2015.01.13   琉球新報朝刊   12頁   文化   1版   写図表有
 …。 琉球民族独立運動のシンポジウムに顔を出す機会があった。…。かなりの数の一般聴衆者がいた。…。 こうした中での沖縄の分離と独立はある意味で歴史の必然だと思う。中世500年の歴史の中で培われた琉球王朝文化は、21世紀の今、時間はかかるだろうけど新しい世代が担うことになるのだろう。その一歩が踏み出されたともいえる。

<道標(しるべ)求めて・琉米条約160年 主権を問う>識者インタビュー/島袋純 琉球大教授/友知政樹 沖縄国際大教授
2015.01.11 琉球新報朝刊 16頁 特3 1版 写図表有 (全2,704字) 
島袋純 琉球大教授/政策の評価・管理徹底を
 -沖縄振興策の問題は。
 そもそも既存の米軍基地を復帰前と同じレベルで自由使用できる権利を米国に与えることが目的だ。基地存続は著しい人権侵害だ。それを「仕方ない」と県民に受け入れさせるためのアメということだ。表だって言うと沖縄が反発するので、米国統治27年間の苦労に報いる「償いの心」を表したものである、というのが振興策の建前だった。 1996年ごろから「償いの心」が全く消え、基地への見返り、すなわち補償型政治の仕組みに変わっていく。アメであることは一貫している。「基地負担から発生する閉塞(へいそく)性の打破」「基地負担軽減」のための振興策へと変わる。「見返り」と露骨には言わないが「負担軽減」とは、基地への補償という意味だ。 最近ひどいのが、沖縄振興予算は他府県がもらっていない3千億円を、純増でまるごともらっているかのような宣伝だ。そんなことは全くない。国道整備など他府県でもやっている普通の国直轄事業を振興予算の中に含んでいる。振興策の看板を利用し「純増の特別予算をもらっているから基地を受け入れろ」という、間違った根拠に使われている。悪弊が大きい。基地存続を絶対条件とする仕組みの下では真の意味の経済的自立はあり得ない。
 -「自立的経済」を掲げてきたが、効果は乏しい。
 農業基盤整備や下水道、港湾などの社会資本関係の事業は、各担当省庁が全国的な観点で予算化する。これらの整備は他府県ではほとんど終わっている。振興策でそれらが9割補助される沖縄でもほぼ終わっている。沖縄では整備率が他府県を上回る状況も出てきており、社会基盤整備の公共事業予算は増えない。 一方、競争原理徹底の名目で県の公共事業の談合を厳しく摘発する事態が起きた。府県レベル事業の談合摘発は以前は考えられなかった。競争原理を徹底すれば入札条件などで地元は大手に勝てない。裏を返せば地元が仕事を取れない。大手ゼネコンが国直轄事業の地方分、さらに県発注事業もどんどん取っていく。 その金は本社機能のある東京に環流するから東京は一人勝ちし、さらに一極集中化していく。いわゆるザル経済、還流経済で、構造化された植民地経済システムと同じだ。これが沖縄経済を弱くし沖縄社会を分裂させて格差を拡大させている。
 -是正の方策は。
 一つは他府県と全く同じ制度にする代わりに基地も全部他府県並みにしてもらい、筋の悪い怪しい補助金をもらわないようにする。もう一つは国直轄事業や補助事業など振興予算全額を一括交付金化して固定化し、補助金適正化法の適用を除外させて一般財源化することだ。全部県予算に基づく県発注事業として地元が優先的に仕事を取れるようにする。 振興計画の中で目標を明確化し、数値目標を出して議会が進捗(しんちょく)状況を管理する仕組みが大切だが、できていない。これでは議員も職員も政策形成能力は上がらない。これまでの自治体職員は国の9割補助のメニューから事業を選んで予算を極大化することが自治だと思ってきた。この仕組みは植民地経済の在り方で、行政職員が反抗できない植民地構造の歯車にさせられてきた。これを抜本から変えないといけない。(政治学)
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友知政樹 沖縄国際大教授/経済も独立は夢でない
 -独立論を唱えているが「独立したら飯が食えるか」との疑問を持つ人は少なくない。どう説明するか。
 沖縄の収入の現状は、全体を100とすると、うち基地依存割合は今やたった5だ。日本への財政依存が仮に50とすると、独立すれば「100-5-50=45」となり「イモ、はだしになる」という話を耳にするが、これは完全に間違いだ。 正解は「100-5-50+5X+α」だ。基地がなくなった後の経済効果の倍数は未知数なのでXとする。都市部は30倍というデータもある。例えば那覇空港周辺や浦添、普天間、嘉手納などの一等地に米軍や自衛隊がいる。それが返還されるだけでも、何十倍もの経済効果が上がるだろう。一方、北部訓練場などやんばるの森林なら何十倍とはいかないかもしれない。それらの平均値がXに入る。つまりXは基地跡地利用による経済効果の倍数の平均値で、5Xの「5」は基地依存の割合。仮にXに10が入れば「100-5-50+5×10+α=95+α」となる。 残りのαは琉球人のアイデアや努力に比例する。独立すれば琉球が自由かつ主体的な経済政策を実行でき、αをある程度コントロールできる。一方で、αは外部からの影響も当然受ける。国際マーケットからの評価などだ。アイデアを出し合い、努力し、うまく利用すれば、独立後のαは大きくなり得る。今後のより具体的なシミュレーションや議論、実践により、疑問が希望へと変わるだろう。
 -基地が返らないと独立不可能ということか。
 基地が返ってきた後に独立するのではなく、独立したら返ってくる。琉球が主権を持つからだ。ちなみに独立学会は全ての軍事基地撤去をうたっている。一義的には経済ではなく真の平和のためだ。この姿勢は譲れない。軍隊がいるから、そこで戦争が起こる。基地があれば標的にもされる。それが沖縄戦から学んだ教訓。基地の存在は経済問題の前に、命の危機の問題だ。
 -外部をどうみるか。
 琉球の位置をみると、東京より近い所に上海、台湾という巨大なマーケットがあり、東京と同じくらいの距離に北京、香港、ソウル、マニラがある。決して「南海の孤島」ではなく、東アジアのセンターだ。これらのマーケットを活用すれば、経済的観点からも独立は決して夢物語ではない。今や世界には米国主導の世界銀行だけではなく、BRICS銀行(新開発銀行)も本格始動する。協力を仰ぐ選択肢が複数になる。琉球に時勢が味方している。
 -資源については。
 隣の国々にはない、琉球が誇れる資源として清(ちゅ)ら海や空、独自の歴史、文化がある。例えば、スコットランドは石油があるから独立の機運が盛り上がったといわれるが、琉球には観光資源がある。石油は使えば確実に減るが、観光資源は増えても減ることはない。琉球には資源が「ない」のではなく「豊富にある」という発想への転換が必要だ。
 -独立の利点や意義は。
 琉球のことを琉球人が決めることが可能になる。ヤマトにさまざまなことを強制され続けてきた状態から脱し自由になる。同時に、東アジアや世界の平和センターを担うべき責任も生じる。歴史的にみても、アジアの国々、そして世界中から支援を得られると思う。 (琉球民族独立総合研究学会共同代表、数理行動科学)


<道標(しるべ)求めて・琉米条約160年 主権を問う>挑戦-平和と経済/基地撤去 飛躍の道/沖縄、アジアの懸け橋に/経済連携、安全保障にも
2015.01.11 琉球新報朝刊 16頁 特3 1版 写図表有 (全6,652字) 
 基地か、経済か-。沖縄の主要選挙の争点が過去のものになりつつある。北谷町美浜や那覇新都心など基地跡利用の成功を目の当たりにした県民の間で、米軍基地の存在は経済のよりどころではなく、沖縄の経済発展の阻害要因だという見方が定着した。基地の整理縮小・撤去は県民の負担軽減や攻撃の標的となる危険性を回避するだけではなく、跡地利用で経済振興の飛躍につながるという認識も広がっている。その沖縄にとって追い風となる世界の時勢がある。沖縄の自立経済の現状を検証するとともに、グローバル化による環境の変化を基に、アジアの平和や経済に貢献可能な沖縄の潜在力を探った。(編集委員・新垣毅) 「アジアの中心は沖縄に近づいている」。そんな文言が経済誌で躍るようになった。高失業率や低所得、不安定な雇用など全国比でマイナス面が多く語られてきた沖縄だが、アジアの視点から見ると経済的飛躍の可能性は広がっている。 航空の物流拠点(国際ハブ)、外資系ホテルの相次ぐ進出、米軍基地の跡利用が経済成長率を押し上げると推測し店舗を出す人気企業、最先端エネルギーやバイオ産業などの進出ラッシュ…。既に具体的な動きが始まっている。沖縄は産業の場としてアジアを引きつける材料が抱負という。
■協調の時代
 県の沖縄振興指針「沖縄21世紀ビジョン」は沖縄を「アジアの橋頭堡(ほ)」と位置付けている。振興基本方針も「沖縄はアジア・太平洋地域への玄関口として大きな潜在力を秘めており、日本に広がるフロンティアの一つとなっている」とうたい、潜在力を引き出すことが「日本再生の原動力になり得る」と強調する。沖縄はアジアの懸け橋となって、自身だけでなく日本やその他のアジア諸国の発展を担えるという。
 人、モノ、経済、情報のグローバル化の進展により、地球規模で国や地域の相互依存が深まっている。小国であっても一つの国が金融危機に陥れば、瞬く間に国境を越えて影響が広がり世界が風邪をひく時代だ。
 その一方でグローバル化は欧州連合(EU)や北米自由貿易協定(NAFTA)のような国々の地域統合や経済連携をもたらした。アジアでも、アジア太平洋経済協力会議(APEC)、東南アジア諸国連合(ASEAN)があり、さらに自由貿易協定(FTA)を中心とする経済連携の動きが急速に進められ、政治・安全保障面でもASEAN地域フォーラムが誕生した。 そのほか、さまざまな連携が展開されている。環太平洋連携協定(TPP)もその一つだ。アジアのほぼ全域をカバーし、世界の人口の半分、総生産額(GDP)と貿易総額の約3割に達する自由貿易協定・東アジア地域包括的経済連携(RCEP)も今年中の妥結を目指し、交渉中だ。 ただ、中国がアジアで影響力を強めることに米国などが警戒する向きもある。TPPは「経済面における対中国包囲網であり、事実上の安全保障政策」との指摘もある。 EUは、大戦を繰り返してきた欧州で戦争の火種となる石炭・鉄鋼の共同管理から始まった。国境の垣根を越えた統合・連携は、相互の技術力やマンパワー、市場のニーズなどを協調によって補い合い、経済的発展を図る一方、政治的関係も深めて、一大安全保障地帯を築き上げるという平和志向が根底にある。カネ、人、モノの交流を深める地域統合や経済連携こそ、最大の安全保障という発想だ。
■東アジア共同体
 こうした地域統合・経済連携で、沖縄の役割という視点から注目されているのが、ASEANに日中韓を加えたASEAN+3(約20億人)を軸にした「東アジア経済圏」「東アジア共同体」構想だ。人口約21億人に達し、EUの約4・4倍、経済規模ではEUを上回る。これが実現すれば、世界の経済・勢力の極が西から東へ移ると目される。 ノーベル賞候補に取り沙汰された世界的な経済学者の故・森嶋通夫氏(ロンドン大学教授)は著書「日本にできることは何か」(2001年)で、「日本の没落を救う道は、東アジア共同体を構築し、アジアの中で生きる道以外にない」と断言し、日本、中国、南北朝鮮、台湾をメンバーとした「東アジア共同体」(EAC)構想を展開した。 その中でEACの首都は「EUのベルギーがそうであるように、大国であってはならない」とし、沖縄を独立させ首府にすることを提案した。かつての琉球国と中国との深い歴史的関係や日本との関係を挙げ「EACなしの独立ならば異論もあるだろうが、EACの首府予定地としての独立という私案は、沖縄の住民にとっても共同体にとっても望ましい」とした。首府になれば、高級の共同体役人が多く常駐するので長期的繁栄が期待でき、沖縄に活気をもたらすと主張した。 「東アジア共同体」構想は、経済的な側面からは森嶋氏のほか、谷口誠、小原雅博ら各氏の議論もある。政治・安全保障の側面からは、東アジア共同体評議会、姜尚中、進藤栄一、和田春樹の各氏らが提唱している。
■「平和の要石」
 県内では具体的な取り組みが始まっている。鳩山由紀夫元首相は政界から引退後、東アジア共同体研究所を設立し、昨年4月に同研究所の琉球・沖縄センターを那覇市に開設した。日米同盟の中で「軍事の要石」になってきた沖縄を、東アジアの拠点として「平和の要石」にしたいとの発想だ。 障害もある。日本と中国、韓国の間にある尖閣諸島や竹島の領土問題、従軍「慰安婦」や歴史教科書の記述、靖国参拝問題など歴史認識問題だ。 豊下楢彦氏(元関西学院大学教授、国際政治)は尖閣問題をめぐる日中の軍事衝突で真っ先に攻撃の対象される沖縄が再び「捨て石」とされぬよう、対話や交流による東アジアの「信頼醸成の拠点」を築くべきだと説く。 太平洋戦争で沖縄は日本軍の軍事拠点となったが、同時に「犠牲者」でもあったとし「歴史認識問題においてアジア諸国を『架橋』できる位置にある」と指摘し、米軍基地問題で直接対米交渉してきた外交力も潜在力として注目する。 “沖縄はアジアの懸け橋”論が政治や経済、文化などさまざまな面から叫ばれてきた。国連アジア本部など国連機関の誘致でアジアの安全保障を担うだけでなく、沖縄を「真の意味で平和にしたい」という考えも提起されてきた。今後、沖縄はアジアの拠点や「平和の要石」の実現に向けて積極的な施策を展開する上で、自己決定権は欠かせないだろう。戦略の構想力、提言力、発信力、政策形成能力、実行力、外交力などが一層問われている。
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<自立経済>国従属から「自律」へ/主体的な制度設計必要
 沖縄の経済自立度を考える際、対外収支均衡が一つの指標となる。 輸入に必要な費用を、外からの収入でどれだけ賄えるかを表した数値で、独立国の国際収支に当たる。沖縄経済に適用する場合、グローバル経済の相互依存関係に吸収されているとの認識が前提だ。 沖縄独立論者で経済学者の平恒次イリノイ大学名誉教授は1994年の県統計の数値を基に沖縄の対外収支を計算したところ、9・7%の赤字という。ただ、国から県への財政移転や、県から国への税金、県から本土へ環流する金(「ザル経済」)などを考慮していないため、数字は「不十分」としつつも、約10%の赤字は「望ましくはないが、極端に悪いとはいえない」と結論付けた。 一方、琉球大教授の大城肇氏(島嶼(とうしょ)経済論)は財政依存度や域内自給率など複数の指標を用いて沖縄経済の自立度を分析した(表)。その結果、沖縄経済は自立経済へ向かわず、むしろ逆の方向へ動いてきたと指摘する。 大城氏は、外から稼ぎ、独り立ちする「自立」と、自らの意志で自らのことを決める「自律」とを区別する。「自律」は「沖縄の地域特性や経済の発展段階に即した制度設計・仕組みづくりができること」とし、独自の制度設計が可能となる自治権獲得が必要だと強調する。沖縄が本土と一体化し同質化するための公共投資の手法から脱却し、沖縄の地域特性=島嶼性や環境特性を反映した個性化や自立化を支える投資に切り替えるべきだという。 海外の島嶼地域を調査した経験から、経済自立のためには地域の実情に合った仕組みづくりが必要で「経済自立と制度設計力を持つ自律は正の相関関係にある。地域主権に基づく『自律』のないところに、真の経済自立はない」とも主張する。国からの財政移転や基地収入に依存する「日本経済への従属の道」ではなく、東アジアの中で沖縄を見詰め直し「国際的視野の中で主体性を発揮することが必要だ」と唱えている。
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<財政依存>1人105万、全国17位/「暮らし良さ」発展の力に
 沖縄県の財政状況(2011年度)を見ると、国への財政依存度は37・5%で全国5番目に高い。02年からの第4次沖縄振興計画以降「自立型経済の構築」がうたわれているが、国への財政依存度は高止まりの傾向にある。 一方、1人当たりの公的支出額は105万円で、全国17位。1人当たりで見ると沖縄の財政移転は都道府県比で必ずしも大きい額ではない。米軍基地問題と絡め、沖縄は国の補助金を「多くもらっている」という認識から「沖縄を甘やかすな」との声があるが、誤解であることが分かる。 ただ、国の財政に依存しているのは確かだ。国からの財政移転を当然の権利とし、それをてこに自立を目指すか、財政移転による自立を否定し、文字通り自らの足で立つことを考えるか、大きな分岐点になる。 財政移転を当然の権利として認めるならば、国の法律に基づき赤字分は調整され、自治体の財政に補填(ほてん)されるので、緊迫感を招くことはない。 財政移転を前提にしない日本からの分離・独立論だと、その赤字分をどうするのか、説明や対策が必要となる。赤字をカバーできない場合、県民の所得減少を招く恐れがある。 その場合でも「暮らし良さが低下するわけではない」との見方もある。沖縄国際大教授の富川盛武氏は発展の物差しを根本的に考え直すべきだとし、単に経済指標をよくする「自立論」の限界を指摘する。 富川氏は自立経済を「社会的経済単位が自らの意志と知恵と力によって経済が成長・発展し、同時に生態系のバランス、社会的福祉・文化の向上が実現されつつある状態」と定義する。具体的には、低生産性、依存経済、ザル経済、高失業率、人口過剰など沖縄経済の諸問題解決という次元だけでなく、風土や文化、生態系のバランス、「暮らし良さ」の向上を含む広い概念で自立経済を捉え直している。 こうした包括的な自立は、従来の経済指標追求が起こす均一化、画一化による労働意欲、個性の喪失を防ぎ、アイデンティティーを高め、地域発展の原動力になり得るという。 貧困層や格差の拡大、精神疾患のまん延など都市型・競争社会の弊害も考え、自立経済を論じる際には「真の豊かさ」の議論も必要となろう。
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<沖縄県の1人当たり所得>非武装国比で3位/世界194ヵ国中42位
 沖縄県の人口や経済は、全国や世界と比べ、どのような位置にあるか。 全国47都道府県別の人口を見ると、沖縄の約142万人は25位、人口増加率は東京に次いで高い。面積2276平方キロメートルは44位。1人当たりの県民所得は、201万8千円(2011年度)で最下位。全国平均の291万5千円に大きく水を空けられている。 WHO(世界保健機関)加盟194カ国と比べると、沖縄の人口は146位に位置する。100万人を超えない国も40カ国以上存在するのだ。面積は183位と順位は低いが、1人当たりの所得は42位に位置する。1位はノルウェーの669万6千円、2位はルクセンブルク601万6千円、3位はシンガポール601万1千円と続く。日本は17位。 ちなみに、1970年代に国王が「国民総幸福量(GNH)は国民総生産(GNP)よりも重要だ」と打ち出し、国勢調査で国民の97%が「幸せ」と答えて世界に注目されたブータンは91位の62万円で沖縄よりも低い。所得の高さがそのまま生活の質の高さや幸福度につながるとは限らない。自然破壊や物価の高さ、格差、寛容性などの生活環境も重要な指標となる。 一方、琉球民族独立総合研究学会は「軍隊のない沖縄」を提唱している。前田朗東京造形大学教授によると、軍隊を持たない国は世界に27カ国あるという(同氏著「軍隊のない国家」日本評論社)。第2次世界大戦以前には、アンドラやサンマリノ、モナコ、アイスランドなど7カ国しかなかったが、60年代、70年代、80年代にそれぞれ6カ国増え、90年代も2カ国加わった。 琉球独立論への批判や憲法9条に関する議論で「国家は軍隊を持つのが当たり前」といった主張があるが、軍隊がなくても平和外交を駆使して安全保障を確立している国がこれだけある。その27カ国と比べると、沖縄は人口は3位、面積は8位に位置する。1人当たりの所得は3位と高い。 27カ国が軍隊を持たない理由は六つに分類できるという。(1)アンドラなどもともと長い間軍隊を持っていない(2)ドミニカ国など軍隊が国民を殺害したため廃止(3)セントルシアなど外国軍によって占領されて軍隊が解体(4)グレナダなど集団安全保障体制を結んだ(5)パラオなど外国との自由連合協定下にある(6)コスタリカのような非武装中立-だ。
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<用語解説>
 自由貿易協定(FTA) 特定の国や地域の間で、物品の関税やサービス貿易の障壁などを削減・撤廃することを目的とする協定。関税、非関税障壁をなくすことで締結国や地域の間で自由な貿易を実現し、貿易・投資の拡大を目指す。2国間協定が多いが、北米自由貿易協定(NAFTA)などの多国間協定もある。
 東南アジア諸国連合(ASEAN) 経済・社会・政治・安全保障・文化に関する地域協力機構。加盟国は、インドネシア、カンボジア、シンガポール、タイ、フィリピン、ブルネイ、ベトナム、マレーシア、ミャンマー、ラオスの10カ国。域内の総人口は6億人超で、5億人の欧州連合(EU)より多い。2011年の加盟国合計のGDPは2兆1351億米ドルで、日本のGDPの約36%。ASEANを一国家として見た場合、世界8位の規模だが、過去10年間に高い経済成長を見せており、今後、世界の「開かれた成長センター」となる潜在力が注目されている。
 ASEAN地域フォーラム アジア・太平洋地域の政治と安全保障を対象とする対話のフォーラム。ASEANを中核に1994年より開始された。安全保障問題について議論するアジア太平洋地域唯一の政府間フォーラムで、26の参加国にEUが加わっている。(1)信頼醸成の促進(2)予防外交の進展(3)紛争へのアプローチの充実-という3段階のアプローチを設定して漸進的な進展を目指している。
 東アジア地域包括的経済連携(RCEP) ASEAN10カ国+6カ国(日本、中国、韓国、オーストラリア、ニュージーランド、インド)が交渉に参加する広域経済連携構想。実現すれば人口約34億人(世界全体の約半分)、GDP約20兆ドル(世界全体の約3割)、貿易総額10兆ドル(世界全体の約3割)を占める広域経済圏が出現する。
 環太平洋連携協定(TPP) 環太平洋地域の国々による経済自由化を目的とした多角的な経済連携協定。知的財産の取り扱いなどに関するルールの統一も目指す。2010年3月に米国やシンガポール、オーストラリアなど8カ国で始まり、現在はマレーシアやメキシコなどを加えた12カ国が参加。日本は13年7月に加わった。日米は牛・豚肉関税の扱いなどをめぐり対立が残っており、12カ国全体の協議も難航している。
<参考文献>
 宮里政玄、新崎盛暉、我部政明編著「沖縄『自立』への道を求めて」高文研、富川盛武著「魂落ちゃる沖縄人-人間、文化、風土の視点からみた沖縄経済」新星図書出版、前田朗著「軍隊のない国家-27の国々と人びと」日本評論社、豊下楢彦著「『尖閣問題』とは何か」岩波書店、森嶋通夫著「日本にできることは何か」(岩波書店)、谷口誠著「東アジア共同体-経済統合のゆくえと日本-」(岩波新書)、東アジア研究所編「東アジア共同体と沖縄の未来」花伝社


沖縄はもう独立すべき/大橋巨泉さん提言/安倍政権、戦前回帰と警鐘
2015.01.03 琉球新報朝刊 27頁 4社 1版 写図表有 (全1,481字) 
 【東京】テレビ番組の司会者として一世を風靡(ふうび)し、現在は実業家としても活躍する大橋巨泉さん(80)が12月30日までに琉球新報のインタビューに応じた。大橋さんは自身の戦争体験などを打ち明け、特定秘密保護法に反対。沖縄の基地問題解決に向けては「沖縄はもう独立すべきではないか」と語り、自己決定権の拡充が必要だとの見解を示した。
「自由と平等」
 「総理大臣、嘘(うそ)を言わないでください。基地があって、なにが本土並みだ。あなたの家の裏に基地がありますか」。1970年代前半、沖縄の日本復帰をめぐり、「核ぬき、本土並み」を掲げた佐藤栄作首相(当時)に大橋巨泉さんがテレビ番組で真正面から反論した言葉だ。 テレビ番組で歯に衣(きぬ)着せぬ発言で人気を集めたが、この発言がもとで右翼団体から脅迫を受け、警視庁に護衛を付けられたという。「それ以来テレビではこれほどまでドラスチック(思い切った)な発言をしないようにした」と語るが、週刊誌のコラムを受け持ち続ける。近年は特定秘密保護法や集団的自衛権の行使容認をめぐり、安倍政権の姿勢を強く批判、政策の問題点に鋭く切り込んでいる。その背景には戦時中の経験と「民主主義の根幹は自由と平等だ」との思いが常にあるからだ。 第2次世界大戦中、父親が電車内で「こんな戦争を早くやめた方がいい」と語ったことで父親は憲兵隊に拘束され拷問を受けた。疎開先の千葉県の九十九里では軍事施設の前で記念写真を撮っていた若い夫婦がカメラを没収されたのも目にした。大橋さんは国会議論を避け、閣議決定で重要法案を進める安倍政権と戦時中の経験を重ね合わせ、政権を「経済を売りにしているが、衣の下のよろいは集団的自衛権や原発再稼働だ」と指摘。「若い人たちが体を張って止めないと気付いたときには戦前に戻る危険性、可能性がある」と警鐘を鳴らす。
「最後の興味」
 大橋さんは復帰前から「沖縄の独立」をたびたび主張してきた。基地問題で政府と対峙(たいじ)する沖縄に対して「沖縄が独立することは合理的で、かつては独自の文化や言語を持つ王朝があった。自民党の佐藤政権にだまされて日本に帰属したのが間違いだったのではないか」と自主独立路線を促す。 ただ、沖縄の地に足を踏み入れたことはない。90年代半ば、沖縄出身の知人の強い勧めでいったんは来県を計画したが、台風の影響もあり渡航を断念したという。だが、大橋さんは「韓国と中国との歴史認識問題で日本はもめているが、琉球だって日本は軍事力で併合し、戦時中はさんざん市民を巻き込んで死まで強要した。それでケロッとして観光に行ける神経が俺には分からない」と語るなど、県民の戦争体験に基づく心情に思いを寄せる。 大橋さんは2014年11月に3度目のがん発症が発覚し、都内で放射線治療を続けている。「日本人は(体制に)完全に慣らされたが、ウチナーンチュはどうか。もう80歳を超え、沖縄に足を踏み入れることができないかもしれないが、翁長雄志知事の下で沖縄の人たちがどう動くのかを最後の興味として持っている」としみじみと話す。 県民には「日本人は何もできない、駄目な国民だ。日本人に頼って(基地問題を)解決しようと思っても無理だろう。沖縄県民が先頭に立って、直接米国と闘わなければいけないのではないか」と語り掛けた。 大橋さんは1934年東京都生まれ。テレビ番組「11PM」「クイズダービー」などの人気司会者として活躍した。2001年7月の参院選挙で民主党比例代表から立候補し当選するが、党の方針と合わず、6カ月で辞職した。


琉球民族独立学会シンポ(詳報)/結束が決定権基盤に/スコットランド投票に学ぶ
2014.12.30 琉球新報朝刊 12頁 文化 1版 写図表有 (全1,324字) 
 琉球民族独立総合研究学会が20、21の両日、宜野湾市の沖縄国際大学で公開シンポジウムを開いた。21日は、英国スコットランドで9月にあった独立の是非を問う住民投票をテーマに討議。現地で取材した友知政樹沖縄国際大教授、松島泰勝龍谷大教授、新垣毅琉球新報編集委員が登壇し、沖縄の自己決定権確立に向けてスコットランドの事例から学ぶべき点などを論じた。 友知氏は「スコットランド人の民族意識の強さ、アイデンティティーの揺るぎなさを感じた」と強調した。 さらに「独立賛成派のキャンペーン、Yesという言葉にはポジティブな力がある」と指摘。名護市辺野古への新基地建設や米軍普天間飛行場の県内移設に反対するノーの民意を挙げて「ノーは言葉だけ捉えるとネガティブだ。スコットランドは核ミサイル搭載可能な原潜の基地などに関して『ノー・トライデント』とはっきり言っている。しかしノーにとどまらず、自己決定権につながる力を感じる」と話した。 賛成派の組織「Yesスコットランド」にならい「琉球でも『やさ、琉球』を作らなければならない。スコットランドでは農民から教師などまで、さまざまな人々を束ねる組織が寄付金で運営されている。スコットランド史上最大の草の根運動が盛り上がった」と説明。「今後、同様の投票を禁じる法律はない。独立運動は続き、英国が戦争に走っていく時や、EUから抜ける局面があればそういう時にはまた投票が行われるだろう。その際には過半数になるはずだ」と述べた。 松島氏は、英国側が危機感をあおったネガティブキャンペーンを挙げ「琉球が独立する局面になれば、日本政府が同様のキャンペーンを行うことが予想される。琉球から撤退するという日本資本や、米国大統領の発言を引き出すかもしれない。どのように琉球側が理論武装するかが問われる」と語った。 住民投票に基づく独立について、1960年代のアフリカなどに代表される「過去の問題」ではなく「民主主義を実現する最先端の方法だ」と強調した。 日本政府と沖縄の関係について「賛成が過半数となれば独立を認めていた英国中央政府に対して、日本政府は琉球の独立を認めないだろう。関係に違いがある。スコットランドは独立後は軍隊を持ち、ポンドを継続使用するという政策を掲げたが、琉球は軍隊は持たない方がいいと考える。琉球も独立の道を具体的に考えていく必要がある」と述べた。 新垣編集委員は独立運動が平和裏に進められたことを挙げ「沖縄のようにイエス、ノーで地域が分断されるというところまではいかない。民族としての基盤が強固で、結束している。自由や平等を重んじるスコットランド憲法に基づき、移民者もイエスに巻き込む寛容さがある」と指摘。さらにサッチャリズムが吹き荒れる中で冷遇されたスコットランドと、現在の沖縄を対比させ「沖縄はスコットランドでいう『分権前夜』に来ている」と述べた。ただ「全国の分権を待っていたら沖縄の自己決定権はいつまでも確立されない。外交・防衛の問題を抱え、その課題も自分たちの意思で決めていこうという議論があるのは沖縄だけだ」として「自治体外交、民間外交を駆使し、国内で無視されている民意を訴えていく必要がある」と述べた。

琉球独立論 平和と希望の島求め/基地阻止へ自己決定権/アイデンティティーが核に
2014.12.24   琉球新報朝刊   21頁   文化   1版   写図表有   (全2,226字) 

琉球民族独立学会総会・シンポジウム/自己決定権 国連直訴へ/“人権後進国”日本知らせる/差別解消への活動強化
2014.12.21   琉球新報朝刊   31頁   社会   1版   写図表有   (全858字)
    ---> ryukyushimpo
 琉球民族独立総合研究学会は20日、沖縄国際大学で総会を開き、琉球人への差別問題や自己決定権確立などを国連に直接訴える活動を来年度から始めることを決めた。琉球人は先住民だとして国連に直接訴える活動を展開してきた「琉球弧の先住民会」とも連携し、直訴行動を強める考え。総会の後「国連活用」をキーワードに開かれたオープン・シンポジウムでは、「琉球弧の先住民会」メンバーが登壇し「とにかく訴えを継続し、沖縄の抑圧されている状況を国際社会に理解してもらうことが肝要だ」と強調した。 シンポジウムは「世界的事象から考え、実践する琉球独立」をテーマに、先住民会のメンバー、当真嗣清、宮里護佐丸、親川裕子の各氏が登壇。国連で先住民として米軍基地問題などを訴えた糸数慶子参院議員や上原快佐那覇市議も国連での成果や課題を報告した。 親川氏は「国連に行く目的の一つは国際人権法と照らして日本がいかに人権後進国かを国際社会に知ってもらうことだ」と紹介。宮里氏は「琉球が独立するためには国連の活用は必須だ。琉球の自己決定権を主張する人々の安全を守るためにも、とにかく国連に行き訴えを続けることが大切だ」と活動の継続を訴えた。 当真氏は「琉球民族は誇りを捨てさせられた民族だ。誇りを取り戻し、国際社会に仲間を広げることが必要だ」と主張した。 宮里氏が「社大党は独立を掲げる政党になってほしい」と要望すると、社大党委員長を務める糸数氏は「その要望を党に持ち帰り、協議する」と答えた。 シンポジウムに先立ち、糸数氏は基調報告で「辺野古新基地建設反対という沖縄の民意を選挙で勝って示しても政府は一顧だにしない。1854年の琉米修好条約などをめぐり琉球の大先輩たちは米国や諸外国と渡り合った。今こそ、私たちにも交渉力が問われている」と話した。 シンポジウム2日目の21日午後1時からは、沖縄国際大学で「スコットランド独立投票」をキーワードに、9月18日に実施されたスコットランドの独立投票を現地で調査した琉球民族独立総合研究学会の共同代表らが登壇する。

<あしゃぎ>思いやり予算を復興に
2014.11.06琉球新報朝刊19頁文化1版写図表有(全467字) 
 「米国防総省が発表している“同盟国の貢献度”によると、日本以外の同盟国が出す思いやり予算を合計しても日本の方が多い。この実態を日本のマスコミはどう報じているのか」と語る、ヘリ基地反対協議会の安次富浩共同代表=写真。10月に開かれた琉球民族独立総合研究学会の公開シンポジウムで、マスメディア批判を繰り広げた。 米軍のための思いやり予算は1978年度に62億円で始まり、当初は基地従業員の人件費の一部だった。しかし対象を次々に広げ、2010年度は1881億円と30倍以上に達した。11~15年度の5年間で1兆円近くが拠出される予定だ。 「予算の在り方がおかしいのに、日本のマスコミは本質のところを追及する機能がない。政府の言うがままだ」と怒りをあらわにする。その上で米軍が沖縄に基地を置き続ける背景に同予算があることを挙げ、普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古の新基地建設に600億円以上が拠出されることも指摘。「新基地建設よりも広島の土砂災害の救援に回すべきで、福島第1原発の汚染水対策や被災地復興を優先すべきではないか」と提案した。

<沖縄本>経済自立も説く/松島泰勝「琉球独立 御真人の疑問にお答えします」
2014.11.01琉球新報朝刊19頁文化1版写図表有(全233字) 

<あしゃぎ>世界を味方に
2014.11.01琉球新報朝刊19頁文化1版写図表有(全459字) 
 「辺野古で埋められようとしているのは琉球人の誇り、尊厳、権利、文化、自然、全てだ」。米軍普天間飛行場移設に伴う新 基地建設について強調する友知政樹沖縄国際大教授=写真。共同代表を務める琉球民族独立総合研究学会が10月26日に開いた公開シンポジウムで発言した。 スコットランド独立を問う9月の住民投票に関連して「核兵器搭載可能な原潜基地の押し付けが大きな争点だった。ヤマトが基地を押し付けている琉球と同様の 状況がある。スコットランドには『ノー・トライデント(潜水艦から発射される弾道ミサイル)、イエス独立』という合言葉があった」と指摘。若い世代の多く が独立に賛成したことを挙げて「近い将来、同様の投票があれば独立は時間の問題だ」と語る。 その上で国連の動きについて「人種差別撤廃委員会は 琉球の人々を先住民族と認め、権利を保護するよう日本政府に勧告した。スコットランドに世界が注目したように、琉球が変わり、自己決定権を強く発信すれ ば、世界を味方につけられる。そして独立に向け、着実にかじを切っていくことが重要だ」と論じた。

<時代の胎動・2014知事選>2/しまくとぅば復興/尊厳への意識高まる
2014.10.29琉球新報朝刊29頁社会1版写図表有(全983字) 

<検索@現代>5/琉球独立論/差別と闘い 自立探る/沖縄と海外の連携も
2014.10.28琉球新報朝刊21頁文化1版写図表有(全1,676字) 

10年後の北部憂う/独立研究学会シンポジウム 「新基地」問題を討論
2014.10.27琉球新報朝刊24頁2社1版写図表有(全592字) 

国連委勧告「回答は困難」/糸数氏質問に政府答弁書
2014.10.26 琉球新報朝刊 2頁 総2 1版 (全254字) 
【東京】政府は21日、国連の人種差別撤廃委員会が8月に日本政府に対し、沖縄の人々は「先住民族」だとして、その権利を保護するよう勧告したことへの対応について、先住民族に関する国際的に確立した定義はないなどとして「答えることは困難」とする答弁書を決定した。社大党委員長の糸数慶子参院議員の質問主意書に答えた。 答弁書は先住民族について、「先住民族の権利に関する国際連合宣言」でも定義の記述がないと強調。糸数氏が指摘する「琉球(沖縄)の人々」の範囲や「琉球(沖縄)民族」の意味は「必ずしも明らかではない」とした。

<短信>独立学会が26日にシンポ
2014.10.24琉球新報朝刊18頁文化1版(全271字) 

<道標(しるべ)・主権を問う>脱植民地化へ連携を/チャモロ2氏 琉球とグアム共通性
2014.10.21琉球新報朝刊21頁文化1版写図表有(全1,162字) 

催事、中止・延期に/台風影響
2014.10.11琉球新報朝刊25頁4社1版(全905字) 

<独立への視座・スコットランドと沖縄>中/松島泰勝/差別解消の有効選択肢/否定戦術に対抗措置必要
2014.10.02   琉球新報朝刊   17頁   文化   1版   写図表有

<独立への視座・スコットランドと沖縄>上/島袋純/開いたパンドラの箱/法制度の整備で投票実現
2014.10.01   琉球新報朝刊   19頁   文化   1版   写図表有

<道標(しるべ)求めて・琉米条約160年 主権を問う>61/第5部 海外の光源/独立投票-スコットランド(6)/民衆の力が勝利導く/「分権の母」、沖縄を激励
2014.10.02   琉球新報朝刊   3頁   総3   1版   写図表有   (全1,156字) 

<道標(しるべ)求めて・琉米条約160年 主権を問う>60/第5部 海外の光源/独立投票-スコットランド(5)/新しい秩序が到来/相互依存で「国家」役割低下
2014.10.01   琉球新報朝刊   3頁   総3   1版   写図表有   (全1,218字) 

<道標(しるべ)求めて・琉米条約160年 主権を問う>59/第5部 海外の光源/独立投票-スコットランド(4)/「核撤去」が争点に/国防にも自治の手伸ばす
2014.09.30   琉球新報朝刊   3頁   総3   1版   写図表有   (全1,195字) 

<道標(しるべ)求めて・琉米条約160年 主権を問う>58/第5部 海外の光源/独立投票-スコットランド(3)/住民主導で分権推進/止まらぬ流れ、再投票も
2014.09.29   琉球新報朝刊   3頁   総3   1版   写図表有   (全1,232字) 

<道標(しるべ)求めて・琉米条約160年 主権を問う>57/第5部 海外の光源/独立投票-スコットランド(2)/貧困層ほど「イエス」/社会保障、軍事費に不満
2014.09.28   琉球新報朝刊   3頁   総3   1版   写図表有   (全1,185字) 

<道標(しるべ)求めて・琉米条約160年 主権を問う>56/第5部 海外の光源/独立投票-スコットランド(1)/平和裏に権利行使/中央政府承認は世界初
2014.09.26   琉球新報朝刊   3頁   総3   1版   写図表有   (全1,371字) 

<金口木舌>次の交渉は?
2014.09.25   琉球新報朝刊   1頁   総1   1版   (全561字) 

特別評論 スコットランド住民投票/編集委員 新垣毅/英国民の目を覚ます/沖縄にも状況変える力
2014.09.25   琉球新報朝刊   3頁   総3   1版   写図表有   (全1,489字)

糸数さん発言要旨/国連先住民族会議
2014.09.25   琉球新報朝刊   3頁   総3   1版   写図表有   (全460字) 

「先住民の権利侵害」/糸数氏、辺野古反対訴え/国連会議
2014.09.24琉球新報朝刊1頁総11版写図表有(全468字) 

スコットランド住民投票/重なる沖縄の歴史/「少数者に勇気」県内関係者
2014.09.20琉球新報朝刊26頁2社1版(全785字) 
 琉球民族独立総合研究学会共同代表の親川志奈子さん(33)は「投票という平和的なプロセスで独立について表明し、国際的な目にさらされることで中央政府と対等な関係性を獲得できる。今後のスコットランドとイングランドの関係性に注目したい」と指摘。「沖縄では期待や自分たちに置き換えて考える反応があった。将来を自ら選択するビジョンを描けるようになれば、沖縄の独立論も進化する」と展望した。

<あしゃぎ>しまくとぅば価値再確認を
2014.09.11 琉球新報朝刊 25頁 文化 1版 写図表有 (全463字) 

<民意と強権のはざまで 辺野古・掘削開始>5/友知政樹/許されない琉球差別/まじゅん、ばんみかそうよ
2014.09.09   琉球新報朝刊   23頁   文化   1版   写図表有

国連会議で意見発表へ/琉球弧の先住民族会 自己決定権回復訴え
2014.09.04 琉球新報朝刊 25頁 4社 1版 写図表有 (全574字) 

<あしゃぎ>スコットランドと沖縄
2014.09.02 琉球新報朝刊 12頁 文化 1版 写図表有 (全462字) 

<社説>国連委員会勧告/国際世論を沖縄の味方に
2014.08.31 琉球新報朝刊 2頁 総2 1版 (全890字) 
 昔からそこに住む人たちの意思を一顧だにすることなく、反対の声を力でねじ伏せ、軍事基地を押し付ける。地元の人たちが大切にしてきた美しい海を、新たな基地建設のために埋め立てる。 国が辺野古で進める米軍普天間飛行場の代替施設建設は、海外の目にはそう映るに違いない。 国連の人種差別撤廃委員会が日本政府に対し、沖縄の人々は「先住民族」だとして、その権利を保護するよう勧告する「最終見解」を発表した。 沖縄の民意を尊重するよう求めており、「辺野古」の文言は含まないが事実上、沖縄で民意を無視した新基地建設を強行する日本政府の姿勢に対し、警鐘を鳴らしたとみるべきだ。 国連の場では、沖縄は独自の歴史、文化、言語を持った一つの民族としての認識が定着してきたといえよう。2008年には国連人権委員会が沖縄の人々を「先住民族」と初めて認め、ユネスコ(国連教育科学文化機関)は2009年、琉球・沖縄の民族性、歴史、文化について固有性を指摘した。 それに対し、国は沖縄を他県と同様に日本民族として、人種差別撤廃条約の適用対象にならないと主張している。 沖縄はかつて琉球王国として栄え、他県とは違う独自の文化遺産、伝統的価値観を今なお持っている。明治政府によって強制的に併合され、日本の版図に組み込まれ、主権を奪われた。これは琉球の歴史から見れば、ほんの百数十年前のことだ。 国は、他県ではおよそ考えられないことを沖縄に対しては平然と強いる。これが差別でなくて、何を差別というのか。 歴史的経緯を踏まえ、国は人種差別撤廃委員会が出した最終見解に従い、真摯(しんし)に沖縄に向き合うべきだ。 最終見解では、消滅の危機にある琉球諸語(しまくとぅば)の使用促進や保護策が十分取られてないことにも言及している。沖縄側の努力が足りないことは反省すべきだろう。 自己決定権の核となるのがアイデンティティーであり、その礎を成すのは言葉だ。しまくとぅばを磨き、広め、自らの言葉で自分たちの未来は自分たちで決める権利を主張したい。 国際世論を味方に付け、沖縄の主張を堂々と世界に向け訴えていこう。道理はこちらの方にある。

国連人種差別撤廃委/政府の姿勢に警鐘
2014.08.30 琉球新報朝刊 2頁 総2 1版 (全794字) 
 国連人種差別撤廃委員会が日本政府に対し、琉球・沖縄の言語や文化、歴史の保護を勧告したのは、沖縄の人々を日本の「先住民族」と認識しているからだ。日本政府は、沖縄の居住者・出身者は「日本民族であり、人種差別撤廃条約の対象ではない」と反論、「先住民族」として認めていない。国連はこの態度に「懸念」を表明しているが、両者の認識の隔たりは大きい。 国連は2008年に沖縄の人々を「先住民族」と公式に認め、09年にはユネスコ(国連教育科学文化機関)が琉球・沖縄の民族性、歴史、文化について固有性を指摘した。 国連人権委員会は7月24日に発表した最終見解で、日本政府に対し、法律を改正して、琉球・沖縄のコミュニティーの伝統的土地と自然資源への権利を全面的に保障する、さらなる措置を要求している。子どもたちが独自の言語で教育を受ける権利の保障も求めた。 今回の人種差別撤廃委員会の勧告は、こうした流れを踏まえた内容だ。 こうした勧告に対し、日本政府は、沖縄の居住者・出身者は「日本民族であり、一般に、他県出身者と同様、社会通念上、生物学的または文化的諸特徴を共有している人々の集団であると考えられていない」「日本国民としての権利を全て等しく保障されている」などの主張を繰り返し、勧告を“無視”してきた。 勧告に拘束力はないが、これまでの再三再四の勧告に加え、今回も同様の勧告が出たことに対し、日本政府が今後、どう対応するか、注目される。 人種差別撤廃委員会は10年に、沖縄への米軍基地集中は「現代的な形の人種差別」と認定した。今回の日本審査の議論でも、地元住民ともっと協議するよう指摘が相次いだにもかかわらず、最終見解では基地問題に言及しなかった。 沖縄への基地集中は「構造的差別」とも指摘されている。沖縄をめぐる現状について国連にどう理解を深めてもらうかが沖縄側の課題として残った。(新垣毅)

「沖縄の民意尊重を」/国連委、日本政府に勧告/言語、文化保護も促す
2014.08.30 琉球新報朝刊 1頁 総1 1版 (全790字) 
 国連の人種差別撤廃委員会は29日、日本政府に対し、沖縄の人々は「先住民族」だとして、その権利を保護するよう勧告する「最終見解」を発表した。「彼らの権利の促進や保護に関し、沖縄の人々の代表と一層協議していくこと」も勧告し、民意の尊重を求めた。琉球・沖縄の言語や歴史、文化についても、学校教育で教科書に盛り込むなどして保護するよう対策を促した。委員会は日本政府に対し、勧告を受けての対応を報告するよう求めている。(2面に解説、13面に関連) 同委員会は2010年に、沖縄への米軍基地の集中について「現代的な形の人種差別だ」と認定し、差別を監視するために、沖縄の人々の代表者と幅広く協議を行うよう勧告していた。今回は米軍基地問題に言及しなかった。 最終見解は、ユネスコ(国連教育科学文化機関)が琉球・沖縄について特有の民族性、歴史、文化、伝統を認めているにもかかわらず、日本政府が沖縄の人々を「先住民族」と認識していないとの立場に「懸念」を表明。「彼らの権利の保護に関して琉球の代表と協議するのに十分な方法が取られていない」ことに対しても懸念を表した。 また、消滅の危機にある琉球諸語(しまくとぅば)の使用促進や、保護策が十分に行われていないと指摘。教科書に琉球の歴史や文化が十分に反映されていないとして、対策を講じるよう要求した。 最終見解は今月20、21日にスイス・ジュネーブの国連人権高等弁務官事務所で開いた対日審査の結果を踏まえ、まとめられた。 対日審査では沖縄の米軍基地問題に関して、委員から「地元に関わる問題は事前に地元の人たちと協議して同意を得ることが大変重要だ」「政策に地元住民を参加させるべきだ」といった指摘が相次いだが、最終見解では触れなかった。 日本に対する審査は、日本が1995年に人種差別撤廃条約の締約国になって以来、2001年と10年に次ぎ、今回が3回目。

「地元民意尊重を」/辺野古移設 国連委が指摘/月内に勧告含め見解
2014.08.22琉球新報朝刊1頁総11版写図表有(全927字) 
  【ジュネーブ=新垣毅】国連人種差別撤廃委員会は20、21の両日、日本の人種差別状況について審査し、沖縄の米軍基地に関する政策をめぐっても議論した。米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古への新基地建設などに関して、委員からは「地元に関わる問題は事前に地元の人たちと協議して同意を得ることがとても重要だ」「政策に地元住民を参加させるべきだ」といった指摘が相次いだ。(6面に関連) 委員会は、勧告を含めた「最終見解」を今月内にも発表する見通し。委員の一人は「沖縄の人々の伝統的な土地、資源への権利を認め、それを十分に保障し、彼らに影響を与える政策については、その策定に参加できるようにすべきだ。特に米軍基地の問題については初期の段階から地元住民の参加が大切だ」と強調した。 一方、日本政府の代表は委員会冒頭で「沖縄に居住する人や沖縄県出身者は憲法の規定により法の下に平等だ。日本国民としての全ての権利が等しく保護されている」と説明。振興策によって「本土との格差は縮小し、産業の分野でも着実に発展をしてきた」と説明し、沖縄振興計画の策定主体が国から県へと変更されたことで「より沖縄県の主体性を尊重した施策が講じられている」と述べた。 沖縄の人々を「先住民」と認めない日本政府に対し、委員からは「琉球の人たちが自らをどう考え、どう定義付けているかも重要で、それに注意すべきだ」との意見も上がった。 別の委員は「琉球・沖縄はユネスコによって独自の言語や歴史、伝統を持っていると認められており、その特異性をなぜ認めないのか。保護すべきだ」と促した。琉球諸語(しまくとぅば)の保護施策への質問も相次いだ。これに対し日本政府の代表は「沖縄の居住者・出身者は、生物学的、文化的諸特徴を共有する集団である、という見解が国内に広く存在するとは認識していない。従って人種差別撤廃条約の対象に該当しない」などと答えた。 委員からは「琉球王国は中国の明や清と深く関係した長い歴史がある。1879年に日本に併合され、その後、同化政策が取られた歴史を考えると、日本が沖縄の先住民性を認めないのは正しくない。歴史を踏まえ、住民の意思を尊重し、当然の権利を保障すべきだ」との指摘もあった。

辺野古中止 国連で訴え/糸数議員「琉球人差別」
2014.08.21琉球新報朝刊1頁総11版写図表有(全515字) 
 ・・・これらの基地建設の強行は「人権無視であり、琉球人への差別だ」と主張した。県選出国会議員による国連への“直訴”は初めて。・・・委員からは「日本政府は、沖縄の人を日本人と同じだと言い続けているが、言葉や文化など日本人との違いは何か」との質問が出た。糸数氏は独立国として500年の歴史があったことや、琉球諸語がユネスコで独自の言語として認められていることを説明した。

糸数参院議員国連訴え(全文)
2014.08.21琉球新報朝刊7頁国際1版(全885字) 
 ・・・以上のことは人権無視であり、琉球人に対する差別としか言いようがありません。

基地中止 国連訴えへ/糸数参院議員「強行は人権無視」
2014.08.14琉球新報朝刊2頁総21版写図表有(全439字)
 社大党の糸数慶子委員長(参院議員)は20日にスイスのジュネーブで開かれる国連人種差別撤廃委員会で、米軍普天間飛行場移設に伴う名護市辺野古の基地建設や東村高江でのヘリパッド建設の「即時中止」を訴える。これらの基地建設の強行は「人権無視であり、琉球人への差別だ」と主張し、「琉球の民意」が尊重されるよう国連の関与を求める考えだ。県選出国会議員による国連への“直訴”は初めてとなる。 国連委員会での訴えには党の上原快佐那覇市議が同行する。両氏は13日、取材に答えた。 糸数氏は人種差別撤廃委員会による意見聴取で、発言する機会を得た。糸数氏は「沖縄が日本に復帰して40年が過ぎても『基地はいらない』という民意は無視されてきた。琉球人のことは琉球人で決めることや、世界の宝である辺野古の海を守ることを強く訴えたい」と話した。 上原氏は「辺野古の基地建設は国際的視点で見ても民主主義を無視したやり方だ」と強調した。 国連の関係者に基地建設中止への賛同を訴えるパンフレットを配布する計画だ。

沖国大ヘリ墜落10年シンポ/「差別」終わりに
2014.08.17 琉球新報朝刊 3頁 総3 1版 写図表有 (全2,019字) 
 ・・・長元 作家の大城立裕さんは「沖縄は今、本当の自立に向けて思想が動き出している」という表現で最近の潮流の変化を語っている。本当にそうだと感じる。最近は「琉球処分」という用語に関し、処分ではなく併合だという見解があり、「琉球方言」も「琉球語」にすべきとの意見がある。琉球独立に関する学会も発足した。いろんな動きが出ており、どう次につなげるかだ。悪化する東アジアの国際秩序を変える上でも沖縄の果たすべき役割がある。

<第31回本紙読者と新聞委員会>沖縄の「主権」多面的に
2014.08.17琉球新報朝刊13頁特11版写図表有(全4,884字) 

<道標(しるべ)求めて・琉米条約160年 主権を問う>49/第4部 識者の目/松島泰勝氏(龍谷大学教授)/発展へ独立が近道/自主憲法で生命守る
2014.08.14   琉球新報朝刊   3頁   総3   1版   写図表有   (全1,293字) 
-「植民地」という言葉で沖縄を語る意義は。
「琉球の問題を国内に限定せず国際問題にすることだ。1960年代、脱植民地化運動がアジアやアフリ カで起き、国連では植民地独立付与宣言という国際法も作られた。琉球が世界とのつながりをつくった1854年の琉米修好条約は非常に重要だ。琉球も世界の 一員であり、世界の脱植民地化の流れに乗ることができる」
-琉米修好条約の原本は東京の外交史料館にある。
「これはまさしく琉球併合が侵略であった証拠であり、戦利品だ。日本は琉球が主権国家であった証拠を奪った。返還すべきだ」
-「植民地・沖縄」とはどのような状態を指すか。 「戦 後、琉球は信託統治領にならず無権利状態だった。ミクロネシアのような信託統治に置かれたのであれば、国連の監察が入った。国連には信託統治理事会があ り、信託統治領はいずれは独立か自治かを国連監視下で決定できる。ところが琉球はそうならず、ミクロネシア以下の扱いをされた。信託統治領になり、国連の 理事会で議論し、琉球人が住民投票で地位を決めるべきだった。だが実際は日米だけで交渉し、密約を含む沖縄返還協定を作り、琉球の施政権は日本に移った」 「植民地支配は今も続いている。全国の米軍専用施設の74%が押し付けられ、基地内は治外法権だ。経済も、基本的に日本政府が政策をつくり、予算執行権を持っている。1996年以降は基地と開発を結び付けた政策だ。本土に利益が戻る植民地経済になっている」
-なぜ国内での自己決定権拡大ではなく、独立か。
「自分たちの施策を自分たちで決定できる。全国の市町村が道州制に反対している現状では、日本と別れた方が早い。日本の枠内だと、中央に強制力があるので分断される。独立国になれば分断施策は内政干渉となり、琉球は国際法で守られる」 「今 の流れでは、日本は立憲主義を実現できず、戦争ができる国になる。どこで戦争するかと言えば琉球だ。自分らは平和に過ごし、琉球で戦争をする。だから改憲 を支持する。もし東京で戦争するとなると憲法は変えないと思う。そういう日本から離れて自分たちで憲法を作り、立憲主義を確立した方がいい。その方が琉球 人の生命は守られる」
-経済への不安から独立に反対する人もいる。
「基地を減らし、平和や安心を求めているのに、発展できないというのは どう考えてもおかしい。自由貿易地域など目玉とされた経済政策のほとんどは失敗してきた。東京の官僚がわざと失敗するようにつくった政策ではないか。台 湾、香港、シンガポールなどが琉球より短期で発展したのは経済主権があるからだ。自分らで考えて計画を作り、国際的に展開した結果だ。基地を押し付けられ る条件付き経済から独立した方が、大いに発展の可能性がある」
(聞き手 新垣毅)


<道標(しるべ)求めて・琉米条約160年 主権を問う>45/第4部 識者の目/阿部浩己氏(神奈川大教授)/併合の責任追及を/自己決定権保障 国の責務
2014.08.10 琉球新報朝刊 3頁 総3 1版 写図表有 (全1,313字) 
 -国際法からの「琉球処分」の研究は。
 「ほとんどない。沖縄はなぜ日本になったのか、全くぼかされたままだ。日本が抱える領土問題は竹島、尖閣、北方領土といわれ、日本の領土問題はこの三つしかないような議論がされてきた。1980年代以降、先住民族の権利が台頭してきたが、日本では国家間の関係ばかりを取り上げ、先住民族の権利についてはまともに研究してこなかった」
 -「琉球処分」をどう見る。
 「琉球は1850年代に米国、フランス、オランダと修好条約を結んだ。国際社会の一員として認められた独立国家だったという議論は成り立つ。70年代の琉球併合までは、少なくとも琉球は日本の一部ではなかった。79年に琉球を併合したころ、米国などとの不平等条約を通してであったが、日本は国際社会の一員と認められていた。領域を拡張する際は何らかの国際法上の根拠に基づく必要があった。だが琉球併合は正当な根拠が見当たらない。79年の尚泰王の同意を併合の根拠にはできない。この同意は国の代表者に対する強制によるもので、絶対的に無効だからだ」
 「むしろ当時は国際法上認められていた『征服』によるものと言うべきかもしれないが、日本国と琉球国が戦争状態にあったわけではないので、この法理を適用することも難しい」
 -政府は国際法上の根拠を今でも説明していない。
 「政府は琉球併合について国会で『分からない』という趣旨の答弁を繰り返している。本当に分からないのと、併合の認識を整理したくないということの、両方あると思う。日本が国際社会に組み入れられた時、付庸(ふよう)関係を根拠に琉球は既に日本の一部だったという議論は、当時の事実に照らしても無理筋だ」
 -今日、国際法に照らし、併合の責任を追及する意義はあるか。
 「大いにある。日本は植民地支配の歴史的不正義を認め、是正しなければならない。ところが沖縄とアイヌについて、植民地主義の実態を解明する作業がなされていない。沖縄の人々はその責任を追及するとともに、基地問題や自分たちの経済、資源の処分などについて『中央政府の意向だけで決めず、自分たちの同意を得よ』と主張できる。自己決定権の保障だ。沖縄の振興・発展の仕方は自分たちで決める。それを日本国は支援する義務を負う、という主張だ」
 -その権利は国際法でも保障されている。国連の支援は得られるか。
 「得られる。自己決定権は、一国の中で、自分たちのアイデンティティーや経済的文化的発展を自由に追求することを人民に保障する権利だ。これが継続的に侵害されると最終的に独立という可能性も出てくる。『琉球処分』が、国際法違反で無効、あるいは根拠がないということになると、沖縄の人々の自己決定権の保障は、日本国が果たすべき歴史的責任にほかならない」(聞き手 新垣毅)
………………………………………………………………
 あべ・こうき 1958年、伊豆大島生まれ。早稲田大学院法学研究科終了。博士(法学)。バージニア大学法科大学院卒。神奈川大教授。日本平和学会20期会長。国際人権法学会理事長。著書に「国際法の暴力を超えて」(岩波書店)など。近刊に「国際法の人権化」「国際人権を生きる」。


<社説>「琉球処分」/不当性が明らかになった
2014.07.12 琉球新報朝刊 2頁 総2 1版 (全941字) 
県民が歩んできた苦難の近現代史をたどり、沖縄の現状を考える上で新たな視座が提示された。自己決定権の保障を求める県民世論の大きな足掛かりとなろう。 160年前に結ばれた琉米修好条約など3条約を根拠に、国際法学者が1879年の「琉球処分」は当時の慣習国際法に照らして「不正」との見解を示した。しかも、今日の国際法に基づき、不正の責任を日本政府に追及することが可能という。 学者らの指摘に対し、外務省は「確定的なことを述べるのは困難」と回答し、不当性を否定しなかった。武力を持って沖縄の主権を侵した「琉球処分」の実相を見据えたい。沖縄の主権回復を追求する県民世論の高まりは当然であろう。 「琉球処分」の後、皇民化・同化政策が推し進められ、その帰結として沖縄戦の悲劇があった。敗戦後の米国統治下で人権を侵され、復帰後も基地の重圧に苦しみ続ける。このような沖縄の歩みと現状を考えたとき、その源流として「琉球処分」に突き当たる。 「琉球処分」をめぐっては、さまざまな歴史的評価がある。沖縄学の創始者・伊波普猷が「一種の奴隷解放也」と評したことは特に知られている。王国滅亡と併合を「進化」と捉えた視点だった。 しかし、「琉球処分」によって自己決定権を失った沖縄は日本政府の思惑に翻弄(ほんろう)された。「日本への同化」を説いた言論人・太田朝敷でさえ、沖縄は植民地的な「食客」の位置に転落したと嘆いた。 「琉球処分」に端を発した不条理は今も続いている。国際法上の不正を指摘した上村英明恵泉女学園大教授は「米軍基地問題に見られるように、琉球人の決定が日本政府によって覆される植民地状況は今も続いている」と断じた。 県民意思に反し、沖縄防衛局は普天間飛行場代替基地建設に着手した。上村氏の指摘通りだ。「琉球処分」の不当性を踏まえると、沖縄の自己決定権を踏みにじる政府の姿勢の不当性は一層明らかだ。 3条約は日本政府が没収し、現在、外務省が保持している。その理由についても「経緯が明らかでない」と外務省は回答を避けた。説明責任を回避する姿勢は遺憾だ。政府が保持し続ける理由はない。 沖縄が主権国家であったことの証しである3条約は、自己決定権を求める上での基礎資料ともなり得る。日本政府に返還を求めたい。

「琉球処分」国際法不正/「困難」「不明」に終始/政府 説明責任果たさず
2014.07.11 琉球新報朝刊 3頁 総3 1版 (全649字) 
 日本政府は「琉球処分」の過程で琉球王国が1850年代に、米国、フランス、オランダと結んだ3条約を没収した。原本は現在、外務省が保持している。琉球が他国と結んだ条約を日本政府が保持している以上、国際社会の一員として説明責任が求められる。しかし、琉球新報の取材に対し、外務省は「見解は困難」と繰り返すにとどめ、琉球併合の国際法違反の指摘にも反論しなかった。 琉球新報は3条約への認識など9項目にわたって質問したが、いずれも確定的な見解は「困難」と答えた。3条約が国際法の対象となるかどうかの認識については「いずれも日本国としてこれら各国との間で締結した国際約束ではない」と回答した。「琉球処分」の国際法上の根拠についても「『琉球藩(王国)』をめぐる当時の状況が必ずしも明らかではない」とした。 3条約の原本を保持している理由や経緯、法的根拠、原本を没収した後の効力の有無や内容順守などの扱い、条約当事国への説明などのやりとりについても「経緯が必ずしも明らかではない」として内容に対する回答を避けた。1934年に外務省条約局が編集した旧条約集「舊條約彙纂(きゅうじょうやくいさん)第三卷(かん)(朝鮮・琉球)」に3条約が掲載されている理由についても同様に回答した。 回答について、上村英明恵泉女学園大教授は「外務省の姿勢は『琉球処分に関する歴史認識には触れたくない』というものだと考えられる。しかし、この歴史認識が現在、沖縄が抱える問題の基礎となる以上、きちんと政治問題にして説明すべきだ」と指摘した。

<道標(しるべ)・主権を問う>国際社会に訴える/「琉球処分」国際法上不正/関係者 決意強く
2014.07.11   琉球新報朝刊   38頁   2社   1版   写図表有   (全872字) 

<道標(しるべ)・主権を問う>琉米条約と国際社会/転機に自立・独立論/沖縄の民族や独自性意識
2014.07.11   琉球新報朝刊   37頁   特5   1版   写図表有   (全775字) 

<想い語らな・くとぅば 私 うちなー>4/親川志奈子さん/言葉学び「自己決定」を
2014.06.04 琉球新報朝刊 19頁 地2 1版 写図表有 (全2,186字)

琉球独立学会1周年記念シンポ/琉球の自己決定権~独立に向けて/痛みの共有が重要/議論すべき権利の主体
2014.05.28   琉球新報朝刊   21頁   文化   1版   写図表有   (全3,126字)

“植民地”脱却目指す/琉球独立学会 1周年でシンポ
2014.05.26   琉球新報朝刊   28頁   2社   1版   写図表有   (全547字) 

<ネットワーク>琉球民族独立総合研究学会シンポ/25日、沖縄国際大学
2014.05.21   琉球新報朝刊   8頁   オピ   1版

<未来をつくる・沖縄 自己決定権への道>10/権利章典/明確な意志 世界に示す
   2014.04.06   琉球新報朝刊   2頁   総2   1版   写図表有   (全828字) 

<未来をつくる・沖縄 自己決定権への道>9/国連機関に訴え/先住民主張し権利獲得
   2014.04.04   琉球新報朝刊   2頁   総2   1版   写図表有   (全838字) 

<未来をつくる・沖縄 自己決定権への道>8/特例型単独州/理念の具現化 超党派で
   2014.04.03   琉球新報朝刊   2頁   総2   1版   写図表有   (全793字) 

<未来をつくる・沖縄 自己決定権への道>7/復帰への建議書/機運高まり自治要求
   2014.04.02   琉球新報朝刊   2頁   総2   1版   写図表有   (全839字) 

<未来をつくる・沖縄 自己決定権への道>6/2・1決議/立法院から世界に発信
   2014.04.01   琉球新報朝刊   2頁   総2   1版   写図表有   (全850字) 

<未来をつくる・沖縄 自己決定権への道>5/「建白書」の継承/県民の思いが基盤
   2014.03.31   琉球新報朝刊   2頁   総2   1版   写図表有   (全823字) 

<未来をつくる・沖縄 自己決定権への道>4/島ぐるみ会議/オール沖縄 再構築へ
   2014.03.30   琉球新報朝刊   2頁   総2   1版   写図表有   (全730字) 

<未来をつくる・沖縄 自己決定権への道>3/建白書「廃棄」/危機が高める権利意識
   2014.03.28   琉球新報朝刊   2頁   総2   1版   写図表有   (全834字) 

<未来をつくる・沖縄 自己決定権への道>2/ハワイに学ぶ/「言語は権利」強く認識
   2014.03.27   琉球新報朝刊   2頁   総2   1版   写図表有   (全842字) 

<未来をつくる・沖縄 自己決定権への道>1/しまくとぅば/言語復興に思い託し
   2014.03.26   琉球新報朝刊   2頁   総2   1版   写図表有   (全880字)

シンポジウム/しまくとぅば復興と自己決定権/
2014.03.29 琉球新報朝刊 17頁 文化 1版 写図表有 (全1,966字) 

<あしゃぎ>Kana is…
2014.03.27 琉球新報朝刊 17頁 文化 1版 写図表有 (全462字) 

スコットランド独立賛成呼び掛け 住民投票で俳優コネリー氏
2014.03.04      琉球新報朝刊   社会   写図表有
    ---> ryukyushimpo

琉球民族独立学会 第2回大会宮古島で開催/島々の自立 議論/〈琉球・沖縄〉と異なる視点
2014.03.01   琉球新報朝刊   12頁   文化   1版   写図表有   (全1,727字) 

<あしゃぎ>“神話”からの独立
2014.02.26   琉球新報朝刊   29頁   文化   1版   写図表有   (全461字) 

宮古トライアスロン 首相夫人起用を抗議/琉球民族独立学会
2014.02.25   琉球新報朝刊   30頁   2社   1版   (全246字) 

沖縄独立 36%「考えたことある」/沖国大生140人を調査/アイデンティティーは? 複合的49%、日本的20%
2014.02.24   琉球新報朝刊   26頁   2社   1版   (全639字) 

韓琉フォーラム 東アジア平和空間の創出/市民のつながり期待/国家主義克服へ討議
2014.02.18   琉球新報朝刊   13頁   文化   1版   写図表有   (全2,268字) 

「琉球処分」定義ない/政府、鈴木氏に答弁
2014.02.05   琉球新報朝刊   2頁   総2   1版   (全364字)  

<「スケッチ・オブ・ミャーク」という〈問題〉> 神谷三島/「善意」が誘導する「収奪」/ヤマトの神への供え物に
2014.02.01  琉球新報朝刊 文化面

<寄稿>前利潔/奄美復帰60年の問い/民族の物語化進む/琉球弧の一員求めた島尾
   2013.12.24   琉球新報朝刊   9頁   文化   1版   写図表有

<きょうの歴史>12月14日
2013.12.14 琉球新報朝刊 8頁 オピ 1版 (全234字) 
 ▼国連憲章は安全保障理事会の侵略行為に対する措置を定めるが、侵略とは何かの定義はない。国連総会はこの日(1974年12月14日)、「侵略の定義」に関する決議を採択。侵略は「他国の主権、領土保全、政治的独立に対する武力行使」とした

独立論は時期尚早/琉球フォーラム 佐藤氏講演
2013.12.12   琉球新報朝刊   3頁   総3   1版   写図表有   (全512字)

インタビュー 翁長雄志那覇市長
2013.12.08   琉球新報朝刊   2頁   総2   1版   写図表有   (全3,057字)

<「沖縄の自立と日本 『復帰』40年の問いかけ」を読む>鹿野政直/独立論 理論的に浮上/現実を直視し将来構想
2013.11.19   琉球新報朝刊   21頁   文化   1版   写図表有   (全0字)

<佐藤優のウチナー評論>303/「2014年の論点」と独立論/中央に誤解与えかねない
2013.11.16   琉球新報朝刊   3頁   総3   1版   (全0字)

基地経済で講演会/シンクタンク協議会 来月6日、那覇
2013.10.29   琉球新報朝刊   2頁   総2   1版   (全246字)

<佐藤優のウチナー評論>300/主権の自己確認/独立論に立たない理由
2013.10.26   琉球新報朝刊   3頁   総3   1版   (全0字)

2013.10.28   琉球新報朝刊   26頁   2社   1版   写図表有   (全606字) 
自治への自覚、団結を/沖縄独立で海外識者議論/那覇

2013.10.27   琉球新報朝刊   28頁   2社   1版   (全367字)
琉球独立学会 初の研究大会/きょう、公開シンポ

平和の碑集う会 大田元知事講演/東洋大校友会
2013.10.21   琉球新報朝刊   19頁   4社   1版   写図表有   (全475字)

沖縄の「平和力」継承へ/大田昌秀さん・知念ウシさん公開対談「いま問う 『戦争と平和』」
2013.10.17   琉球新報朝刊   19頁   文化   1版   写図表有   (全3,039字)

琉球処分と現代重ね/首里城明け渡し/大作にふさわしい熱演/沖縄俳優協会 観客動員に課題
2013.10.09   琉球新報朝刊   7頁   芸能   1版   写図表有   (全940字)

代表・一般質問を振り返る/埋め立て判断に質疑集中/知事の「県外」主張強まる
2013.10.04   琉球新報朝刊   2頁   総2   1版   写図表有   (全571字)

2013.08.24   琉球新報朝刊   2頁   総2   1版   写図表有   (全860字)
<オスプレイ強行配備を読む~緊急識者インタビュー>7/島袋純氏 琉大教授/「内的自決権」要求を

<オスプレイ強行配備を読む~緊急識者インタビュー>4/仲地博氏 沖大副学長/多数派の共感獲得を
2013.08.19   琉球新報朝刊   2頁   総2   1版   写図表有   (全834字)

<あしゃぎ>資料充実に胸張る
2013.07.03   琉球新報朝刊   13頁   文化   1版   写図表有   (全461字)

 <岐路の憲法・わたしの視点>6/知念ウシさん(ライター)/適用されない沖縄 ---> 47news
2013.06.17   琉球新報朝刊   5頁   国際   1版   写図表有   (全1,138字) 

<記者席>非難にも表現の自由
2013.05.24   琉球新報朝刊   2頁   総2   1版   写図表有   (全209字)

東アジアの視点で議論/「復帰40+1年」シンポジウム 「主権」「国境」問い直す
2013.05.19   琉球新報朝刊   2頁   総2   1版   写図表有   (全785字)

<核心評論>沖縄復帰41年/中川克史(共同通信那覇支局長)/怒り、落胆 高まる反発/独立論に新たな芽
2013.05.18   琉球新報朝刊   7頁   国際   1版   (全1,097字) 

<社説>琉球独立学会/選択広げる研究深めよ ---> ryukyushimpo
2013.05.17   琉球新報朝刊   2頁   総2   1版   (全934字) 

琉球独立 学会を設立/平和な「甘世(あまゆー)」実現目指す/「自己決定権」模索へ ---> ryukyushimpo
2013.05.16   琉球新報朝刊   23頁   社会   1版   写図表有   (全1,372字) 

琉球独立 学会を設立/抑圧からの解放訴え/発起人らがシンポ
2013.05.16   琉球新報朝刊   23頁   社会   1版   (全600字) 

The Association of Comprehensive Studies for Independence of the Lew Chewans established    ---> ryukyushimpo
2013.05.16 Ryukyu Shimpo

<社説>本土復帰41年/自己決定権の尊重を/揺るがぬ普天間閉鎖の民意    ---> ryukyushimpo
2013.05.15   琉球新報朝刊   2頁   総2   1版   (全1,551字) 

復帰41年 姜尚中氏に聞く/国民の想像力 欠如/独立論 思考実験を
2013.05.13   琉球新報朝刊   2頁   総2   1版   写図表有   (全1,084字)

「復帰」の意義議論/シンポに110人来場
2013.05.13   琉球新報朝刊   23頁   社会   1版   写図表有   (全483字)

<あしゃぎ>御願に始まる自決権
2013.05.02   琉球新報朝刊   17頁   文化   1版   写図表有   (全466字) 

主権 自ら回復を/識者、独立を模索/沖国大シンポ 学会準備委に熱気    ---> ryukyushimpo
2013.04.28   朝刊

<4・28「主権」を問う>沖縄の「主権」確立を/政府式典に批判/「4・28」意味問い直す/新報・OTV・ROKフォーラム
2013.04.26   琉球新報朝刊   1頁   総1   1版   写図表有   (全886字)

<4・28「主権」を問う>県民の思い一つに/「思考停止」は危険/新報・OTV・ROKフォーラム
2013.04.26   琉球新報朝刊   31頁   社会   1版   写図表有   (全949字)

シンポ「琉球の主権回復を考える」に寄せて/松島泰勝/琉球の主権、未回復 グアムと共に戦う
2013.04.25   朝刊

平和の島 自らの手で/「琉球民族独立総合研究学会」設立準備委員会
2013.04.24   朝刊

<4・28「主権」を問う フォーラム 識者インタビュー>2/友知政樹氏(沖縄国際大准教授)/愛国心高揚する戦略
2013.04.18   琉球新報朝刊   3頁   総3   1版   写図表有   (全929字) 

「琉球独立」を議論/研究学会、5月15日設立    ---> ryukyushimpo
2013.04.01   琉球新報朝刊   25頁   社会   1版   (全553字)  


沖縄タイムス (琉球)

大田さん 最後の別れ/県民葬に2千人/首相や知事 遺影に誓い
2017.07.27 朝刊 1頁 総1 写有 (全814字) 
 知事や参院議員を歴任し、平和行政の推進や米軍基地の負担軽減に取り組んだ故大田昌秀さんの県民葬が26日、宜野湾市の沖縄コンベンションセンター展示棟で開かれた。県内外から約2千人が参列し、大田さんとの最後の別れを惜しんだ。実行委員長の翁長雄志知事は「平和を愛する共生の心の理念を受け継ぐ」と誓った。安倍晋三首相は「大田元知事が心を砕かれた沖縄の基地負担の軽減に引き続き全力を尽くす」と決意を示した。(2・28・29面に関連) 祭壇には知事時代の大田さんの写真や、大田さんが建立に奔走し、1995年6月に除幕した平和の礎にハトの絵を描きこんだオブジェが飾られた。大田さんが好きだった「えんどうの花」も演奏された。 遺影を持った遺族と入場し、深々と頭を下げた翁長知事。「県民の歌」の合唱や黙とうの後、式辞に立ち、「平和・自立・共生を県政運営の柱に据え、沖縄が抱える諸問題の解決に心血を注がれた」と功績をたたえ、「恒久平和のため、未来を担う子や孫が心穏やかに笑顔で暮らせる沖縄を築く」と強調した。 安倍首相は追悼の辞で、大田さんの在任中の普天間飛行場返還合意や日米特別行動委員会(SACO)最終報告を挙げ「歴史的な出来事だった」と振り返り、平和追求に将来をささげた姿や信念は「人々の胸に永遠に生き続ける」と話した。 鶴保庸介沖縄担当相、友愛県の井戸敏三兵庫県知事、鳩山由紀夫元首相らも出席。参列者らが次々と献花した。 大田さんは19歳の時、沖縄戦で鉄血勤皇隊に動員された。 沖縄戦や戦後史の研究者として活躍。90年の知事選に革新統一候補で出馬、初当選を果たし、98年まで2期務めた。2001年の参院選比例区で当選。07年に政界から引退した。92歳の誕生日だった6月12日、肺炎と呼吸不全のため亡くなった。
(写図説明)多くの参列者が詰め掛け、献花した大田昌秀元県知事の県民葬=26日、宜野湾市・沖縄コンベンションセンター展示棟(代表撮影)

アイヌ遺骨1体 独で31日返還式/海外から初
2017.07.25 朝刊 6頁 国際 (全357字) 
 【ベルリン共同】在ドイツ日本大使館は24日、ベルリンの学術団体がアイヌ民族の遺骨1体を北海道アイヌ協会に引き渡すことが決まり、返還式をベルリンの日本大使公邸で31日に開くと発表した。日本政府によると、外交ルートで海外から返還が実現するのは初めて。 返還式には学術団体「ベルリン人類学民族学先史学協会」のアレクサンダー・パショス代表と北海道アイヌ協会の加藤忠理事長が出席する。 遺骨については1880年発行のドイツの学術誌に、札幌市近郊のアイヌ民族の墓から夜中に頭骨が持ち出され、学術団体を創設したドイツ人学者の手に渡った経緯が記されていた。外部からの指摘を受け、学術団体が保管していたアイヌの遺骨6体のうち、1体について大きさなどから学術誌の頭骨だと特定。学術団体が返還の意思を表し、日本政府と協議を進めていた。

[琉球人骨問題を考える 京都シンポジウム報告](下)/文化財の継承含め議論/アイヌ遺骨との関わりも
2017.06.27 朝刊 16頁 文化 写有 (全1,395字) 
 京都市の同志社大学内であった5日のシンポ「琉球人骨問題を考える」(主催・同志社大学〈奄美-沖縄-琉球〉研究センター)では、龍谷大学の松島泰勝教授が戦前に旧帝国大学が琉球人骨を収集した経緯を説明し、有志で同問題の理解を深める「琉球民族遺骨返還研究会」の発足を提案した。松島教授の報告後は、参加者が発言し、アイヌ人骨問題との関わりや文化財の継承のあり方などについて意見交換した。 シンポでは、松島教授の報告後、参加した約30人がそれぞれ自己紹介し、遺骨問題についての考えや関わりについて発言した。 このうち、アイヌ民族の権利回復に取り組む、アイヌ・ラマット実行委員会の出原昌志共同代表は「アイヌの遺骨問題を語る時、まず自身の被差別体験から話がなされる。アイヌがどれほど翻弄(ほんろう)されているかという現状が背景にある」と説明した。その上で、情報公開制度を活用して京都大学と1年以上の話の末、アイヌの人骨目録などを確認した経緯などを紹介。「遺骨を研究対象としてしか見ず、対等な人間であるという人権感覚がないことはあきらか」「『アイヌ民族が先住民族だと言えるのは、私たちの研究で先住性が証明されているからだ』という自然人類学者もいる」と問題視した。 さらに、アイヌの人骨目録の公開過程での関係者との接触から「アイヌの遺骨については政府が指示をしたが、琉球や台湾の遺骨に踏み込むと賠償問題や琉球の怒りに触れるので出したくないという印象だった」と説明した。 また、京都大学の駒込武教授は、今帰仁村の百(むむ)按司(じゃな)墓から収集された人骨の閲覧を京都大学の総合博物館に求めた松島教授の申し入れを仲介した経緯を説明。 「博物館から京大の教員を通して申し入れをするよう言われて私が紹介者になり、100%の門前払いになった。先方はしきりに『人骨資料は脆弱(ぜいじゃく)で閲覧件数を限る場合がある』『学術的な熟達度や専門性』ということを問題にしており、私自身も歴史研究者だが『専門性』は非常に恐ろしいと感じた」と述べた。 さらに、シンポで進行役を務めた同志社大学の冨山一郎教授は、自身の論文「国民の誕生と『日本人種』」(「思想」1994年11月号)に触れ、黎明(れいめい)期の人類学調査が「どこまでが日本人かを定義しようとし、境界をどうつくるかという話にかなりのエネルギーをかけている」として、北はアイヌ、南は琉球に注目した学究の姿勢を説明。 人類学の分野で、計測や分類などの対象になってきた人骨の意味が、ある時期から変わってきたのではないかとして、DNAによって人種を整理し、理解するという人類学の潮流を例に挙げた。同時に「遺骨を研究材料にしてはいけないという問題にすぐさま行くのではなく、それをどう保管し、歴史を継承していく際の重要な財産にしていくのかを議論する必要がある」と強調。文化や文化財を含めて、扱い方や意味づけを広く議論していくことが合わせて重要ではないかと提起した。 シンポでは、有志で問題の理解を深める「琉球民族遺骨返還研究会」を発足させることも確認され、京都大学などに所蔵されている琉球人骨の返還などを働きかける方針が示された。(学芸部・与儀武秀)
(写図説明)シンポジウム「琉球人骨問題を考える」で意見交換する同志社大学の冨山一郎教授(右奥中央)ほか参加者=5日、京都市・同志社大学

[琉球人骨問題を考える 京都シンポジウム報告](上)/帝国大による権利侵害/先住民への返還 世界の潮流
2017.06.26 朝刊 18頁 文化 写有 (全1,357字) 
 シンポジウム「琉球人骨問題を考える」(主催・同志社大学〈奄美-沖縄-琉球〉研究センター)が5日、京都市の同志社大学内であった。戦前に旧帝国大学が琉球人骨を収集した経緯のほか、アイヌの人骨返還の運動などについて、約30人の参加者が意見交換した。シンポでは、有志で同問題の理解を深める「琉球民族遺骨返還研究会」を発足させることも合わせて確認された。 シンポでは進行役を務めた同志社大学の冨山一郎教授が「ひとつのもくろみとしては、琉球人骨問題が抱える論点や広がりを確認する作業が必要。大きな問題ひとつひとつを絞るより、問題がどんな広がりを持つのかを考えたい」と指摘。龍谷大学の松島泰勝教授に問題の概要説明を含めた最初の発言を促した。 松島教授は、今帰仁村の百按司(むむじゃな)墓から収集された人骨をみせてほしいと京都大学の総合博物館に求めた経緯を説明。京都大学の教員を介して申し込んだところ「研究目的およびそれぞれの資料の取り扱いの熟達度や研究実績などを考慮する」「収蔵状況の個別の問い合わせには応じかねる」などの反応が返ってきたと述べた。 その上で、百按司墓の遺骨が戦前に、京都帝国大学の人類学者で台北帝国大学教授も務めた故金関丈夫氏によって収集されたと経緯を紹介。「警察などの許可を得て収集をしたが、1879年の琉球処分以降は、警察、県庁などの沖縄の行政機関は日本人という植民者が支配しており、その中で琉球で骨を取った」と強調した。 金関氏が京大の研究者の上司の指示や研究費の一部補助がなされていることを踏まえ、京大という帝国大学のお墨付きを得て行われた行為だったこと、金関氏だけでなく、同じ京大教授の清野謙次氏がアジアなどで約1400体の人骨を発掘収集したと指摘。「米国の連邦法では先住民の墓地と返還に関する法律ができた。連邦博物館などに対して収集した人骨や副葬品などを元のトライブ(種族)に返還することを決め、大英博物館もアボリジニの遺骨返還を決めている」「欧米諸国が遺骨の返還を認めている中、日本での遺骨問題は解決していない」と問題視した。 そして、琉球民族が先住民族であるという運動は、1996年から20年以上続いており、国連でも認められているとしながら「先住民族の信仰として『ニライカナイ』や『門中』という世界観や家族制度を多くの琉球人が持っている。その墓にある遺骨を大学や博物館の研究者が取っていくことは、先住民族の権利の侵害だ」と強調。 2007年に採択された「先住民族の権利に関する国際連合宣言」で定められた「先住民族は、自らの精神的および宗教的伝統、慣習、そして儀式を表現し、実践し、発展させ、教育する権利を有し、その宗教的および文化的な遺跡を維持し、保護し、そして私的にそこに立ち入る権利を有し、儀式用具を使用し管理する権利を有し、遺骨の返還に対する権利を有する」(第12条1)など、国際法の条文を紹介。 「百按司墓から収集された人骨は琉球の島に返すべきだ」と訴え、有志で同問題の理解を深める「琉球民族遺骨返還研究会」を発足させることを提案した。(学芸部・与儀武秀)
(写図説明)シンポジウム「琉球人骨問題を考える」で琉球の遺骨問題について説明する龍谷大学の松島泰勝教授=5日、京都市・同志社大学

アイヌ遺骨返還 日豪政府交渉へ/博物館に保管
2017.06.06 朝刊 6頁 国際 (全375字) 
 日豪両政府は、オーストラリア国内の博物館に保管されているアイヌ民族の遺骨3体の返還に向け近く交渉入りする。菅義偉官房長官が5日の記者会見で明らかにした。駐日オーストラリア大使が8日にも北海道アイヌ協会の代表者と札幌市内で面会し、遺骨の状況などを説明する。日本政府は協会と協力しながら返還交渉を進める方針だ。 遺骨は海外の研究者が戦前から人類学の研究目的などで集め、米英独でも見つかっている。返還の流れが広がりつつあり、ドイツの学術団体も今年、保管しているアイヌ遺骨1体を日本側に返すと決めた。菅氏は会見で、駐日オーストラリア大使からアイヌの遺骨に関する情報提供があったと説明。「海外に持ち出された先住民族の遺骨を返還することは国際的潮流になっている。今後返還に向けた検討を本格化していく」と、オーストラリア以外との返還交渉にも前向きな姿勢を示した。

「基地」最重要課題33%/復帰45年県民調査 教育や経済上回る/タイムス・朝日新聞・QAB
2017.05.12 朝刊 1頁 総1 図有 (全984字) 
 沖縄の本土復帰から45年を迎えるのを前に、沖縄タイムス社と朝日新聞社、琉球朝日放送(QAB)は共同で県内の有権者を対象に県民意識調査(電話)を実施した。沖縄の最も重要な課題を聞いたところ「基地問題」が33%と最多で、「教育・福祉などの充実」28%、「経済振興」19%などを上回った。沖縄に米軍基地が集中していることは、本土による沖縄への差別という意見に「その通りだ」と答えた人は54%で、「そうは思わない」は38%だった。(2・3・28面に関連) 県内の世論調査では、重要課題で「経済」が「基地」を上回る傾向にあった。今回の調査では逆転しており、在日米軍専用施設面積の70・6%が沖縄に集中する状況で、名護市辺野古の新基地建設を強引に進めるといった政府の姿勢が、「基地問題」への関心を押し上げたとみられる。 米軍基地が縮小したら沖縄の経済は「よくなる」が36%、「変わらない」が38%で、「悪くなる」は18%となった。基地経済から脱却したという県民の意識が色濃く表れた。今後の沖縄県の自治のあり方では「いまの沖縄県のままでよい」の35%に対し、「より強い権限を持つ自治体になる」が51%と、半数を超える人が自治の強化を求めた。「日本から独立する」は4%だった。 沖縄と本土には「さまざまな格差」があると答えた人は81%で、そのうち一番問題と思うのは「所得」の43%が最も多く、「基地問題」33%、「教育」13%と続いた。格差があるとは思わない人は14%だった。 沖縄が本土に復帰して「よかった」と思う人は82%で、「よくなかった」と思う人は5%だった。 沖縄らしさが「まだ残っている」は57%、「かなり失われた」は32%。残っていると答えた人のうち、残っているものは「伝統文化」(43%)、「精神や助け合いの心」(33%)などを挙げた。 失われたと答えた人のうち、失われたものは「方言」「生活様式」(23%)、「自然」(21%)、「精神や助け合いの心」(20%)などが多かった。 調査の方法 4月22、23の両日、コンピューターで無作為に作成した固定電話番号に調査員が電話をかける「RDD」方式で、県内の有権者を対象に調査した。有権者がいる世帯と判明した番号は1967件、有効回答は896人。回答率は46%。

[沖縄 自立意識の胎動](下)/自己決定権の拡大求め/若い世代 議論引き継ぐ
2017.05.11 朝刊 10頁 文化 写有 (全1,216字) 
 「琉球共和社会の全人民は、ここに完全自治社会建設の礎を定める」。「反復帰論」の論客で詩人川満信一の「琉球共和社会憲法私(試)案」とされる文章の冒頭だ。 反復帰論は、沖縄が復帰で日本という国家にもたれかかる危うさを、根底から批判した主張。一角を担った川満は、復帰から9年を経た1981年、編集長を務めた沖縄タイムス社の文化思想誌「新沖縄文学」に「私(試)案」を記した。全56条。憲法の対象を国家とせず「共和社会」とした。 「復帰後、沖縄は政党も団体も系列化し、沖縄がよって立つ手掛かりが見えなくなった。沖縄のアイデンティティーを立て直す理念を、思想の言葉として記した」 あえて「社会」としたのは、日本という国家を信じた沖縄復帰への痛切な反省からだ。「国家から自立しないと、復帰運動と同じわなに入る。思想の自立はそこから考える必要があった」 詩人高良勉も同じ号で「琉球ネシアン・ひとり独立宣言」と題する文章を書いた。「沖縄の問題は、日本本土への幻想を持ったままでは解決できない。私なりの琉球の未来像を提起したかった」 高良は2000年、「琉球弧の自立・独立論争誌」と銘打つ「うるまネシア」を仲間と創刊する。「独立と言えば居酒屋論議とも言われたが、琉球の自立を求める意識は一つの流れだった」 その後も、沖縄の自立の動きを伝える「月刊琉球」、写真を効果的に使った論争誌「『時の眼(め)-沖縄』批評誌N27」が出され、15年には作家崎山多美、批評家仲里効らが思想文化誌「越境広場」を創刊。崎山は創刊の辞で「沖縄の歴史体験を前提に、沖縄を越え世界とつながる思想」を目指すとした。 仲里は、これを支えるのが復帰当時を知らない若い世代と考える。「95年の暴行事件以降、基地という非日常の暴力が前景にせり出してくる。そのショックが彼らを、例えば『反復帰論』の再発見へと向かわせた」 沖縄が文字通りの独立を指向しているわけではない。昨年秋の琉球新報の世論調査では、独立肯定は2・6%だったが、特別県制や自治州、連邦制の実現を合わせると34・5%に上った。自己決定権の拡大が、求められていることが分かる。 だが「基地のない平和な島」の願いは届かない。沖縄国際大准教授の桃原一彦は「沖縄が求めるのは真の自立の在り方だ。日本本土には、基地を沖縄に押し付け自立を阻む『加害行為』を、認識してほしい」と訴える。 川満は復帰の年に書いた論考「沖縄祖国復帰の意味」で、沖縄に残されたものを「沈黙に閉ざされた憤怒と怨恨(えんこん)」と表現した。それは今も続き、時に「怒りのマグマ」ともたとえられる。沖縄に潜在するその心情は、今後どこに向かうのか。沖縄の自立へ向けた模索が、続けられていく。(敬称略、金子直史 共同通信文化部編集委員)

[沖縄 自立意識の胎動](中)/差別 系列化にあらがう/本土と異なる自画像模索
2017.05.10 朝刊 15頁 文化 写有 (全1,179字) 
 「沖縄復帰は“敗北”だった。記念式典で当時の佐藤栄作首相が日の丸を背に万歳をやったが、沖縄が米軍支配から解放されたからでなく、日本の領土としての沖縄回復を祝したわけだ」。沖縄大名誉教授の新崎盛暉はそう振り返る。 新崎は東京で生まれ、復帰後に父の郷里の沖縄に戻る。その私史を近著「私の沖縄現代史」でまとめた。「痛感したのは、安保は沖縄に直結しているのに安保闘争に沖縄が出てこない。そのいらだちは本土の沖縄出身者に共通していた」 新崎にとって1972年の沖縄復帰は、沖縄の「構造的差別」の定着だった。日本の非軍事化と沖縄の軍事要塞(ようさい)化をセットとした米国占領政策の延長で、復帰後もその図式は変わらず、基地縮小が進んだ本土では、「安保の現実」が見えにくくなる。「そこで安保問題は『沖縄問題』になる」と新崎は断じる。 復帰運動が希求した「基地のない平和な島」とは正反対の現実が残る。そこで進んだのは「本土化」の流れだった。批評家の仲里効によると、復帰前の68年、初の行政主席選挙で屋良朝苗が選ばれた保革対立の選挙構図が復帰後も定着し、それは沖縄の政治団体の「本土との系列化」をも招いた。 「戦後の沖縄にあった直接民主主義的な土壌が見えなくなる。政党ばかりでなく経済、文化の各種団体を含め、系列化がとうとうと進んだ。だがそこから、復帰とは何だったかという問いが生まれ、琉球の歴史や文化への着目が始まる」 そして95年。暴行事件が復帰以後の沖縄の政治構図に、地殻変動をもたらしたと仲里は見る。「沖縄の人々がうねりのように、声を上げ始めた」。事件を受けた県民総決起大会には8万5千人が集まり、県民の直接的な意思表明の形としてその後も定着する。 仲里は、2014年の県知事選で翁長雄志知事を支えた「オール沖縄」に言及する。「今後の展開はともかく、少なくともそれは、基地を拒否する沖縄の主体意識に基づいて従来の保守革新の図式を超え、本土系列からも離れ『ヨコ』に結集する政治体として機能した。いわば『沖縄党』の一つの形にも見える」 翁長知事は選挙戦で「イデオロギーよりアイデンティティー」を掲げた。沖縄では今、自立、独立、自己決定権といった言葉で、日本本土と異なる自画像の模索が広がっているかに見える。 新崎は以前、沖縄独立を巡る議論を「居酒屋独立論」とやゆしたことがある。本土との関係に浸る沖縄の現実に、どこまで自覚的であるかという問いだった。「独立かどうはともかく、沖縄が求めるのは他に依存することのない真の自立だ。それをどう構想するか、民衆意識の潮位は確実に上がってきている」(敬称略、金子直史 共同通信文化部編集委員)
[沖縄 自立意識の胎動](上)/基地負担「差別」に怒り/本土に頼れず 自立模索
2017.05.09 朝刊 16頁 文化 写有 (全1,377字) 
 米軍普天間飛行場の移設問題で日本政府との全面対決が続く沖縄。4月下旬には地元の強い反発を押し切り、名護市辺野古の海で埋め立て工程となる護岸工事が始まった。5月15日で日本復帰45年。過重な基地負担が変わらないまま、地元では「差別」への怒りが広がり、自立への道、さらには独立の可能性までが語られる。沖縄の自己決定権はどう確立できるか。模索が始まっている。 ◇ 研究室の窓の外を見ると、米軍の新型輸送機MV22オスプレイが、普天間飛行場を離陸しようとしていた。回転翼の出力を上げ、滑走路から浮かび、空へと上がっていく。「いつもこんな感じですよ。僕たちの日常は基地の傍らにある」 沖縄国際大准教授の桃原一彦は言う。大学に2004年、米軍ヘリが墜落した際は、構内を米軍が事実上封鎖し機体を回収した。「大学は米軍に占拠され機能がまひした。日本の警察は介入できない。日米安保の矛盾が目の前にあった」 桃原は13年に設立された「琉球民族独立総合研究学会」共同代表の一人だ。復帰前の1968年生まれだが、復帰運動や米軍統治の記憶はない。ただ祖父から沖縄戦の凄惨(せいさん)な状況について聞かされた。 「それは世代を問わず沖縄の原的な記憶。日米に翻弄(ほんろう)され続けた沖縄の記憶は、私たちに受け継がれている」 95年、米兵による暴行事件が沖縄を揺るがした。桃原は当時、東京にいた。「しかし本土はこの時も無関心だった。沖縄に基地を押し付けて無関心な日本とは何だろうと考え始めた」 学会は桃原と同じく、復帰の記憶がない30~40代の研究者を中心に立ち上げられた。独立を目指す運動体ではなく「独立の可能性がどうあり得るか、まずは研究する場」だが、会員は復帰世代も含め350人を超える。 だが、なぜそこで「独立」が発想されるのか-。沖縄の自治論の展開に詳しい琉球大教授の島袋純は「本土に何かを訴えても、もはや何も期待できないという諦めの感覚だろう」と見る。 島袋によると沖縄では復帰後、自治拡大を目指すさまざまな構想が出される。島袋らも沖縄の自治研究会を立ち上げ、独自の自治州基本法案をまとめた。一方で95年の暴行事件以来、基地の過重負担への激しい反対世論が顕在化し、沖縄の「自立」を求める心情に重なっていく。 「共有されてきているのが、国際人権規約にある『人民の自決権』という考え方だ。主権はまず人民にある。スコットランドの自立も根拠はそこにある。差別の解消には沖縄の自己決定権の回復しかない。そういう意識が広まっている」 それは県知事の翁長雄志が一昨年、国連人権理事会で「沖縄の自己決定権がないがしろにされている」と演説したことにも表される。 復帰から45年。沖縄の基地の重圧は変わらず続く。昨年6月、うるま市での女性暴行殺害事件を受けた県民大会で、被害女性と同年代の玉城愛は訴えた。「日本本土にお住まいのみなさん。今回の事件の『第二の加害者』はあなたたちです」 なぜ基地被害が今も、沖縄に集中的にもたらされるのか。そこに復帰以来の日本と沖縄を覆った「安保の現実」が見えてくる。(敬称略、金子直史・共同通信文化部編集委員)

[読書]/沖縄/里正三著/琉球独立への視座/自己確立へ可能性を追求
2017.04.29   朝刊   21頁

「沖縄合意なく基地計画」/先住民会議開幕 アジア代表者報告
2017.04.28 朝刊 6頁 国際 (全550字) 
 【平安名純代・米国特約記者】米ニューヨークの国連本部で24日、第16回先住民族会議が開幕した。25日に開かれた世界各地区の先住民族代表や各国政府代表者らによる特別報告会議で、アジア地区特別代表者は名護市辺野古の新基地建設計画について「沖縄の合意なしの計画」と批判し、国連が制定した権利に基づき沖縄の民意を尊重するよう要求した。これに対し、日本政府は同日午後の会議で反論し、同計画の正当性を主張した。 アジア地区特別代表のジョアン・カーリング氏は、「日本政府は、沖縄人は日本の先住民族ではないと否定し続け、沖縄の合意なしで彼らの領土で新たな米軍基地の建設を強行している」と述べ、新基地建設計画は地元の意思に反したものだと強調し、日米両政府の工事強行を非難する声明を発表した。 これを受け、日本政府代表は「日本では憲法で表現の自由は保証されているが、禁止区域に侵入するなどの違法行為が行われた場合は然るべく対処している」と反論し、新基地建設計画の正当性を主張した。 カーリング氏は沖縄タイムスの取材に対し、「先住民族の権利に関する国連宣言第26条は、先住民族が伝統的に領有してきた土地や領土を維持する権利を定めている。国連宣言は国際社会の共通認識。日本政府は沖縄の意思を尊重するのが望ましい」と述べた。

自己決定権「日米が侵害」 分科会で友知氏
2017.04.28 朝刊 6頁 国際 写有 (全597字) 
 【平安名純代・米国特約記者】米ニューヨーク国連本部で25日に開かれた先住民族会議の分科会(非政府組織アジア先住民族連合主催)で、沖縄国際大学教授で琉球民族独立総合研究学会の友知政樹氏が名護市辺野古の新基地建設に伴う護岸工事が始まった現状を報告するとともに、新基地建設の即時中止を訴えた。 友知氏は、2007年に国連総会で採択された「先住民族の権利に関する国連宣言」は沖縄の状況の改善にはつながらず、逆に高江や辺野古や与那国での米軍基地建設や自衛隊配備など沖縄の負担は増大していると指摘。日本政府が護岸工事に着手したことを報告した上で、「日米両政府は沖縄の自己決定権を侵害している」と主張し、沖縄の訴えを国際社会に広げる緊急性を訴えた。 分科会には、友知氏のほか、タイやミャンマー、バングラデシュの代表らが参加した。 アジアにおける状況を総括したジョアン・カーリング氏は、多くの先住民族に共通するのが「土地の問題」とし、「先住民族は、侵略や植民地化されていった過程で土地を奪われたり、土地を所有する権利を奪われていった」と指摘。「国連は各政府に勧告はできるが、法的拘束力を持たないため、勧告の実現は各者に委ねられている。さらなる役割が求められている」と述べた。(写図説明)国連本部で開かれている先住民族会議の分科会で、名護市辺野古の新基地建設の即時中止を訴えた友知政樹氏=25日、米ニューヨーク

[識者対談]/本土の視線 潜む欺瞞/辺見庸氏×目取真俊氏/沖縄基地問題を語る
2017.04.16 朝刊 16頁 特集1 写有 (全7,837字) 
 沖縄の基地問題の根底に潜むものは何なのか。作家の辺見庸、目取真俊の両氏が東京で会い、歴史と現在を照らしつつ沖縄を語り合った。(司会は共同通信編集委員 石山永一郎)
「土人」発言 国が追認
行動しないと発言の場失う
9条賛成派 行動せず
戦争へ向け歩み始めている
■ 差別を伝承
 -昨年、高江のヘリコプター離着陸帯建設工事の現場で、抗議行動中の目取真さんのカメラに大阪府警の機動隊員が「土人が」と差別発言をした。
 目取真 機動隊員の中にとても言動のひどい男がいた。注目してカメラを向けていたらあの発言が出た。彼はあの後、私がほかの機動隊員に押さえ込まれているとき、脇から殴り、蹴った。暴力もふるっている。
 辺見 僕も若い頃(の学生運動で)、警察官に殴られ、罵倒された。「虫けら」とかね。しかし「土人」にはこだわらなければならない。(19世紀末の)琉球併合後、日本の権力の基層部でひそかに語り継がれ、伝承されてきた差別意識、基本的な感情ではないか。
 目取真 ネット上では前からああいう言葉が飛び交っていたが、機動隊は公務員でしかも職務中。これまでとは違う次元で沖縄差別が口にされるようになった怖さがある。しかも、鶴保庸介沖縄北方担当相は「差別と断定できない」と言い張り、閣議決定した答弁書を含め、国が差別発言にお墨付きを与えた。
■ 本質突かず
 辺見 近年の状況を抜き差しならないまでに悪くした契機は直接には東日本大震災とその利用でした。当時のルース駐日米大使は震災直後、いち早く、私の出身地の宮城県石巻市に慰問に来て被災者の前で膝をついてハグした。同時に沖縄の海兵隊が「トモダチ作戦」で被災地支援をした。それを全メディアが美談仕立てにして、ものすごい勢いで報じた。あのころから、沖縄の米軍基地の存在に反対するのがあたかも悪いことのような空気が醸成された。日米両国政府の作為と思惑どおりにね。
 目取真 子どもの頃、両親や祖父母から「ヤマトゥンチュ(本土出身者)は口がうまいから信用するな」と言われて育った。沖縄が受けてきた差別の歴史があり、集団就職で本土に行き、心を病んで戻って来ることも珍しくなかった。1980年代後半から「沖縄ブーム」が起き、沖縄の音楽や芸能がもてはやされ、ヤマトゥ(本土)の沖縄認識が変わったように見えた。しかし、それも政治的な沖縄を隠したうさんくさいものだった。95年の米兵3人によるレイプ事件で反基地運動が盛り上がると、政府は振興策で懐柔しようとした。それがいま沖縄は基地をネタに振興策を引き出しているかのように言われている。実際は返還された基地跡地の利用が成功し雇用、税収が数倍になり、基地がない方が経済効果も高い。しかし、沖縄の経済は基地で成り立っていると思いたい意識構造がヤマトゥにある。県民は基地で食べていると思えば、基地を押しつけているやましさを解消できるから。
 辺見 状況は基底部から変わってきていて、憲法9条を擁護する人も、それを行動化しない。9条賛成で日米安全保障条約容認も「あり」になった。本土という言葉が好きでないのでカタカナで「ホンド」としたいが、ホンドの立ち回りは論理の破綻であるとともに、倫理の根源にも触れる。端的に言うと、ホンドの視線には卑劣なものがある。沖縄からみたらもっと卑怯(ひきょう)さを感じると思う。
 目取真 「九条の会」の組織が全国各地にできているが、日米安保条約には踏み込まない。意図的に平和運動の軸を安保条約反対から9条擁護にずらしていった気がする。沖縄が抱える状況とは乖離(かいり)している。安保条約の問題を抜きにした9条擁護は欺瞞(ぎまん)だと思う。
 辺見 そこですね。安保条約を事実上容認し、かつ反戦平和の側にも立ちたい人びとが多い。あまりに虫がよすぎる。しかし、安保条約肯定は、沖縄の巨大な米軍基地を是認することです。一方、沖縄の基地の県外そして国内移設を訴えている人びともいる。善意は疑わないけれど、県外移設論は安保条約そのものの本質を突いてはいない。
 目取真 私も(東大大学院教授の)高橋哲哉さんと「基地引き取り論」について話をし、善意は感じたが、具体的に実現するプランは持っていない。ヤマトゥで基地引き取り運動をやっている間に、高江でも辺野古でも基地建設は進んでいく。
■ 小説「希望」
 辺見 目取真さんは沖縄を人間身体と不可分の問題として考えている。行動、思考様式の中に身体が入りこんでいる。文学的な回路で言えば、誰にも似ていないし、まさに瞠目(どうもく)に値する。この国が近代以降に培ってきた自覚のない欺瞞と非暴力的な装いの暴力は、実はとてつもないものです。目取真さんはそこを逆照射する。例えば、沖縄が必要としているのは一人の米国人の子どもの死だという暗喩を込めた目取真さんの掌編小説「希望」。傑作です。これを本当に咀嚼(そしゃく)できる者がホンドに何人いるのか。僕は揺すぶられる。
 目取真 稲嶺恵一知事時代、基地の全面撤去がベストだが、それは無理なのでベターな県内移設という議論を聞いて、なぜ「ワースト」を想像しないのかと思った。最悪の事態も起こりうることを問いたかった。悶々(もんもん)とした怒りを抱えた者がやろうと思えばできる。基地反対運動を機動隊や海上保安庁の暴力でつぶしていけば、最悪の形が出てくるかもしれない。「希望」の主人公のような人間を出したくないが、熟した実は落ちる。風が強ければ青い実だって落ちる。9・11の米中枢への自爆攻撃は誰も予測していなかった。実が落ちて「そこまで来ていたのか」と分かっても遅い。
■ 加害の事実
 -辺見さんの最初の沖縄体験は。
 辺見 74年だったと思う。沖縄の座間味島(慶良間諸島)の民家に泊まった。そのときの衝撃がいまだに忘れられない。軍服の遺影があった。子どものように若い遺影で、どなたの遺影かと聞いたら、その人の兄弟だった。どこで亡くなったのか。沖縄戦だと思ったら中国と聞いてショックを受けた。「皇軍」では沖縄出身兵は差別的に扱われたと聞く。危険な戦線に沖縄出身兵を送り込んだりしたと。ベトナム戦争で黒人が最前線に送られたのと似た構図ですね。日中戦争という侵略戦争に朝鮮や沖縄出身の兵士も動員されたことが忘れられている。僕らのうかつさ、記憶のどうしようもない落丁がある。
 目取真 日中戦争では沖縄出身の兵士も南京攻略戦に参加した。沖縄戦の被害は語り継がれても、中国戦線に行った沖縄人の体験はあまり語られない。沖縄も無垢(むく)じゃない。加害者でもある二重性を自覚すべきだ。ベトナム戦争でもイラク戦争でも基地を通じて米軍を支えた。沖縄の人が過剰に同化し、日本人以上に日本人になろうとすることもある。沖縄戦時の鉄血勤皇隊もそうだった。
■ 慰安婦の碑
 -安倍政権の歴史認識について。
 目取真 歴史修正主義者たちは南京大虐殺、慰安婦、(沖縄での)「集団自決」強要の三つを柱に事実を抹殺しようとしてきた。慰安婦問題について言えば、沖縄にも慰安所が多数あり、日本人、沖縄人の慰安婦もいたことが忘れられている。
 辺見 韓国の人たちが慰安婦像を建てることには、歴史的な動機、衝動がある。「撤去しろ」と居丈高に言う方が植民地主義的倒錯です。しかも、日韓政府は慰安婦問題を巡って「最終的不可逆的」な解決で合意したという。身体の記憶と歴史に「最終的不可逆的」な解決なんてありうるのか。
 目取真 沖縄の渡嘉敷島や宮古島、読谷村には慰安婦の慰霊碑がある。女性研究者らが事実を掘り起こして記録し、韓国の人たちと協力して碑を建てる運動になった。沖縄に置き換えれば、そういう碑をつくるなと国が口を挟むようなものだ。
■ 国防圏の外
 辺見 目取真さんの「沖縄『戦後』ゼロ年」には胸に突き刺さってくる記述が何カ所もある。一つは、日本には現在も最終的に守るべき「絶対国防圏」があり、沖縄はその中に入っていないだろう、という記述。大本営が45年1月に出した作戦計画大綱での沖縄の位置付けは「皇土防衛」のための「前縁」。沖縄は「皇土」の外であるがゆえにホンド防衛のための前縁たれという本音は変わってはいない。
 目取真 宮古、石垣、与那国で自衛隊の配備強化が進んでいる。仮に日中間で武力衝突が起こった場合、尖閣、宮古、八重山、さらには沖縄島までは戦場にしてもいいという意識が政府にはあると思う。
■ 天皇を利用
 辺見 45年2月に近衛文麿(元首相)が出した戦争終結の上奏(じょうそう)文に昭和天皇は、もう一度戦果を上げてからでないと、と言う。沖縄は「捨て石」という判断がその時から既にあった。前縁なる沖縄では出血持久戦をやれと。
 目取真 昭和天皇が戦後の米軍統治にお墨付きを与えた47年の「天皇メッセージ」も問題にされてきた。今の天皇は琉歌を習うなど、沖縄への贖罪(しょくざい)の意識を示しているので、好意的に見ている人が多い。ただ、天皇制は沖縄を日本の中に組み込み、共通の歴史を持つかのような幻想をつくり出す装置でもある。退位の論議でも、一人の人間として自由にさせるべきだ。いつまで天皇家に甘え、彼らを祀(まつ)って利用するのか。「天皇を天皇制から解放せよ」という議論もかつてはあった。
 辺見 退位論も本質的には「国体護持」でしょう。一代限りの退位として、天皇制自体は永続させる。象徴天皇制はうまくできています。これを隠れ蓑(みの)にして、政治の不条理を無化してみせている。われわれの忘却や無関心もその陰に隠れる。本来は敗戦後、昭和天皇を処罰の対象とするのが当然だったと思うけれど、今日に至るまでのわれわれの言語表現やメディアのありようでも「お気持ちのにじむお言葉」に象徴されるような形で完全に思考停止している。象徴天皇制といえども酷薄で非人道的なのですが…。
■ 基地の弱点
 -目取真さんの「沖縄『戦後』ゼロ年」に、沖縄にはまだ戦後は訪れていないとの記述がある。
 目取真 今、沖縄の反基地運動を支援している米国の知識人が論拠にしているのはハーグ陸戦条約、あるいは1943年の米英中によるカイロ宣言で3国が「領土拡張をしない」としていること。米国は戦争のどさくさで沖縄を占領し、占領地をいまだに基地にしている。国際法上も許されない。
 辺見 同感です。ところで、目取真さんの小説群が僕にとって魅力的な理由の一つは、仮借のなさゆえだと思う。ホンド(本土)の進歩的知識人といわれている人たちには、その仮借のなさがない。無傷で反戦平和が転がり込んでくるわけがないのに。ただ、遠くから目取真さんを見ていて、しんどくないかなあ、と思うときもある。
 目取真 (名護市辺野古の新基地建設現場で)毎日カヌーに乗って抗議をして家に帰り、写真を整理してブログを更新するともう深夜。翌朝また6時に起きて行く。睡眠不足で本を読む時間もなく、小説を書くどころじゃない。年齢的に最も書ける自分の50代がこんな形で終わっていくのかと思うと空(むな)しいが、目の前で工事が進むのを見たら、やらざるをえない。基地の弱点はゲート。金網に囲まれているから、もし数百人、数千人がゲートの前に座ったら基地機能も工事も止まる。
 -沖縄の抗議行動には若い世代の参加が少ないとも感じる。近年のアジアでは香港の雨傘運動、台湾のひまわり運動など若者を核とした抵抗運動もあった。
 目取真 逆に聞きたいが、たとえば関東近県で若者の抵抗運動、政治運動がどれだけあるのか。東京の運動はそんなに盛んなのか。平日の昼間が作業時間で、学生や勤め人は抗議行動に参加できない。誰が行けるのかといったら、年金生活の年寄りか、自分のように時間の都合がつく者か、アルバイトで稼ぎ、短期的に参加する人たち。辺野古では、そういう人が運動を維持し、20年も続いている。今の日本にこれだけ長く続いている市民運動がいくつあるか。辺野古へ来て座り込みすることはできなくても、ヤマトゥでも日米安保条約に反対することはできる。それぞれの場でやればいい。安保条約の上で暮らす全ての人が当事者。責任を負っている。
 辺見 現場にいても、僕は目取真さんのようには生きることができないでしょう。が、あるべき懸隔はあっても違和感はない。もう一つ、目取真さんの作品世界は、ここで言われていることよりもさらに深いと感じる。「平和通りと名付けられた街を歩いて」という作品における官憲らの障害者排除と認知症と思われる老人や皇族の描出も、まったく政治的なメッセージではなく深々と紡がれていることに舌を巻く。あなたはいろいろな暴力の局面を見聞きしている。沖縄は米兵にとって居心地がいいとも言っている。そこには、なぜ居心地を悪くしないのか、という衝迫が隠れているのかもしれない。
 目取真 ジーンズにTシャツ姿のときの米兵は、さっぱりしていて気持ちのいい若者。でも、軍服を着ると変わる。北部訓練場は実戦訓練の場だから、気持ちが高まり、兵士の顔になる。イラクやアフガニスタンに行ってきた彼らからすれば、リゾート地のような所で反対運動をしていると軽く見られているのはよく分かる。銃を手にした彼らに、実際にばかにされて屈辱感を肌身で体験するかどうかは重要なこと。笑っている米兵に目の前の石をぶん投げたいが…と逡巡(しゅんじゅん)する経験をしてみたらいい。イラクやアフガニスタンでは米軍に抑圧され、心もずたずたに踏みにじられた人々がいる。それでも黙って泣き寝入りするかという話。
 -沖縄は非暴力、非武装、平和のメッセージの発信地との意識を持つ本土の人も多い。
 目取真 相手に直接打撃を与えるかどうかでなく、基地がなくなればいい。ただ、非暴力というのは自分が痛い目に遭わないということではない。どんなに痛い目に遭っても非暴力を貫くというのは大変なこと。肉体的にも精神的にも。
 辺見 記者時代に横須賀通信部に勤務した。当時は原子力潜水艦が着くたびに、反対集会があり新聞記事にもなったが、今はならない。変われば変わるもんです。ただね、完全な反復じゃなくても、どこかで(抵抗運動の)相似的な反復はあると予感している。怒りの導火線が湿った状態がいつまでも長続きするとも思わない。かつてとは違う形の闘争が何らかの契機で爆発するときがあるかもしれない。遅すぎるにしても。
 目取真 沖縄では基地のゲート前で年寄りらが座り込み、若者を含めてトラックの前に立ちはだかって止めている。こういう実力阻止的な運動は10年前にはなかった。それを当たり前のようにやるようになったのは大きな変化。選挙や世論調査で民意を示しても踏みにじられる。具体的に行動しないと、自分たちの発言の場、行動の場すら失われていく。戦前もそうだった。1920年代、30年代でも時代に抗しない限り、かなり自由に発言できた。しかし、みな自主的に転向、迎合し、価値基準を抑制していくうちに、以前は書けたことがどんどん書けなくなった。小林多喜二のように拷問されて死んだ人間はごく少数で、大多数の文学者は抵抗もせず、自ら変わっていった。
■ やられる側
 目取真 対立を曖昧にして済ませる日本の風土の中で辺見さんは日本人が抱え込んできた問題を突き詰めようとしている。「1★9★3★7」(イクミナ)という作品は日本が中国で何をして、何がわれわれに問われているかということを執拗(しつよう)に問いただしている。地域の共同体や家族史の中に沁(し)み込んでいるものと照らし合わせて歴史を振り返り、何が戦後日本の中で欠落してきたかを考えないと反省する基準を作れない。
 辺見 目取真さんの居ずまい、立ち居振る舞いは、僕にはすぐれて「個的」に見える。
 目取真 高江の森で道に迷って1人で1晩過ごしたことがある。12月の寒い時に薄いヤッケ1枚。食料もなく、パニックになったらおしまいで、1人で判断することを問われた。昨年4月にはカヌーに乗っていて米軍に捕まった。基地の中に連行され、銃を持った米兵と向かい合って6~7時間拘束された。そういうときに問われるのもやはり「個」としての強さであり主体性。耐えきれるかどうかは自分の心の持ち方一つになる。
 辺見 今の話でも、森で夜を明かすとか、海とか、そういった闇と孤独の気配は目取真さんの小説そのもので、聞いていて引き込まれる。世の中の気配とか、権力のおもむきとか、戦争の兆しなどは、集団や組織ではなく、「単独者」として感じ表現するしかない。
 目取真 沖縄が暴動寸前の状況になり、本当に米海兵隊が撤退する事態に至ったとき、ヤマトゥの人は「沖縄県民が望んだことが実現してよかった」と歓迎するだろうか。「沖縄の反戦、平和運動は大いに結構。ただし、米軍が全面撤退するほどには盛り上がらないでくれ」というのが広範な無意識の願望だと思う。琉球独立論もあるが、知識人が議論するのと県や市町村議会に独立派が増え、一定の勢力を有することとは別次元の話。まだ政治的力はなく、そもそも、日本政府が独立を認めることはあり得ないと思う。領土だけではなく、広大な領海も失う。そうなれば、自衛隊が出動し、県民に銃を撃つかもしれない。
 -英国スコットランドの独立を問う住民投票は平和的に行われた。自衛隊が沖縄の人に銃を向けるとまで想定するか。
 目取真 内乱鎮圧は自衛隊の役割の一つ。客観論でなく、こちらはやられる側、やられないことを考える側だ。そういう事態の一歩手前で機動隊が出てきている。いざという時に権力は容赦はしない。まだ手加減してんだ、あんまり調子に乗んなよ。それが彼らの本音と思う。
 辺見 そうでしょうね。目取真さんは肉体的にも内面的にも当事者であることに忠実な人だと思う。僕みたいなホンド育ちの物書きは、表出する言葉、言葉の芯の有効性そのものに予(あらかじ)め疑問を持っている。あなたの作品を読んでいてはっとするのは、そういう迷いを感じずに読めること。メッセージ小説ではなく、とても豊穣(ほうじょう)な文学で、自然と人間の微細な回路、本源の愛…つまり世界性がある。そう遠くないうちに戦争かそれに準ずるようなことが起こるだろうという直観が僕にはある。その過程はもう始まっている。メディアにそうした反動への抵抗力はあるのか。残念ながら、ないと思う。言葉自身が複雑骨折している。それにしても、自分がかつて抱いた幻想でもあるけれども、人間のあるべき戦いをそびきだしてくるような言説が、いまなぜ生まれないか。それは、僕にもよく解(わか)らない。
 めどるま・しゅん 1960年、今帰仁村生まれ。高校教師時代の97年「水滴」で芥川賞。2000年「魂込め(まぶいぐみ)」で川端康成文学賞。自らが脚本を書き映画化された作品に「風音」がある。評論集に「沖縄『戦後』ゼロ年」など。
 へんみ・よう 1944年、宮城県石巻市生まれ。共同通信記者として北京、ハノイ特派員などを歴任後、91年「自動起床装置」で芥川賞、「もの食う人びと」で講談社ノンフィクション賞、詩集に「眼の海」など。近著に、日中戦争を題材とした「完全版1★9★3★7(イクミナ)」。
(写図説明)対談する作家の辺見庸(左)、目取真俊の両氏=東京・東新橋

琉球人骨の返還要求/独立学会 国連に報告書
2017.04.08 朝刊 28頁 二社 (全511字) 
 旧帝国大学の日本人学者が収集した沖縄の人骨の返還を関係者が求めている問題で、「琉球民族独立総合研究学会」は7日までに、「琉球民族の人骨を琉球に返還すべきである」とする報告書を、国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)に提出した。加盟国の人権問題の審査のため11月に行われる国連人権理事会の普遍的定期的レビューの日本審査で、内容が協議される見通し。 報告は22日付で、京都大学に琉球民族の人骨が少なくとも26体保管されており「研究目的で持ち出されたとしても、これは容認できる行為ではない」と指摘。その他「33体の琉球民族の人骨」が日本の植民地だった国立台湾大学に保管されていると説明している。 その上で、両事例が先住民族の遺骨返還の権利を定めた「先住民族の権利に関する国際連合宣言」の第12条に著しく違反していると強調。日本政府に事実関係の調査と人骨の琉球への返還を求めている。 報告書ではこのほか、日本政府が琉球国が独立国だった事実を認め、日本への武力併合に謝罪することや、琉球王国が締結し外務省が保管する、琉米修好条約(1854年)、琉仏修好条約(55年)、琉蘭修好条約(59年)の3原本の沖縄への返還などを求めている。

[わたしの主張あなたの意見]/戦前から続く沖縄県民差別/豊里友治=68歳
2017.04.01 朝刊 5頁 オピ (全423字) 
 鶴保庸介沖縄・北方担当大臣は、警察官が沖縄県民に対し「土人」「シナ人」呼ばわりしたことを、「差別であるかは断じることができない」と擁護した。 大臣は沖縄人が差別に鈍感であるとお見立てのようだから、県系人が耐え難い差別と受け止めた国内外の事例を紹介しよう。 元コザ市長の大山朝常氏は著書『沖縄独立宣言』の中で、1921年近衛師団入隊間もなく同僚から沖縄人は「チャンコロと同じなんだから一人前の顔をするな」と言われたと記している。 ハワイの県系2世で作家のジョン・城田氏は、幼年期の30年代ハワイで日本人から「沖縄人は本当の日本人ではない」として差別された。 平良修牧師は戦時中疎開した台湾で、日本人からは琉球人として軽蔑され、台湾人には同じ理由で親切にされた。作家の仲村清司氏は大阪で生まれ、60年代の幼少期に「土人」というあだ名で呼ばれた。 ちなみに北海道担当でもある大臣は、「土人」呼ばわりされたアイヌの反感を知っているだろうか。(うるま市)

[週刊しまくとぅば新聞 うちなぁタイムス](第192号)/ミャークフツで政治や文化語る/独立学会がシンポ
2017.03.19 朝刊 29頁 しまくと 写有 (全576字) 
 シンポ「ムヌユンバナス(おしゃべり) ミャークフツで語るミャーク」が12日、宜野湾市の沖縄国際大学であった=写真。3人の宮古島出身者が、言葉に関する経験や政治状況などをミャークフツで話した。大半をミャークフツで進行し、ユーモアに富む語りに、笑い声が上がった。母語話者ではない人も、時折交ざる共通語を頼りに楽しんだ。琉球独立学会主催。 しまくとぅば復興の中で琉球諸島の多様な言葉の世界を知ろうと企画。豊見山和美さん(旧城辺町出身)を案内人に、浜川登さん(旧平良市出身)、平良勝保さん(旧城辺町下里添出身)、伊波洋一さん(旧平良市出身)が登壇した。 浜川さんは「ぱり(畑)」「あぐ(友達)」など沖縄島の言葉との異なりや、「みゃーん」など特徴のある言い回しを、笑いを交えて紹介した。 約40年ぶりにミャークフツで話した平良さんは農業振興のためという国営灌漑(かんがい)排水事業が「かたかんかふしー(裏では)下地島ぬ自衛隊基地化とぅ つながりーうーがらまいすさいんどう(リンクしているのでは)」と訴えた。 伊波さんは18歳で沖縄島へ来た時に沖縄のしまくとぅばが理解できなかった経験などを話した。「どぅぬすま すててぴんぎらん」(自分のシマからは逃げられない)と根を持ちながら「ゆぬなかま(同じ仲間)」という意識でシマから琉球全体に広がる視点の大切さを話した。

沖縄ヘイトを問題視/琉球独立学会がシンポ
2017.03.15 朝刊 18頁 文化 写有 (全1,026字) 
 琉球民族独立総合研究学会のオープン・シンポジウムが12日、宜野湾市の沖縄国際大学であり「琉球・沖縄ヘイト問題から考える琉球民族独立の必要性」と題して、参加者が東京MXテレビの「ニュース女子」や公安調査庁の報告書「回顧と展望」を巡る沖縄差別の問題について議論した。 シンポでは、高江・ヘリパッドいらない住民の会の儀保昇、医療職の泰真実、同学会共同代表の親川志奈子、友知政樹、桃原一彦(司会)の5氏が登壇して発言した。 儀保氏は、大宜味村議会で「土人」発言に関する意見書が可決された際、反対派が警察や沖縄防衛局職員へ過激な暴言を発していると反対意見を述べた村議がいたとして「現場に来たこともない議員が公の議会で根拠のない発言をしており、県内も心配な状況」と問題視。「政府と圧倒的な力の差がありヘリパッドが建設されたが、暴力を振るわず不服従の直接阻止行動ができるようになり、私たちは強くなった」と強調した。 泰氏は、沖縄ヘイトの発言が2009年ごろから増加したと分析し、ネットや会員制交流サイト(SNS)などで情報が拡散し現実世界へ浸透していると説明。高江の基地建設反対の抗議行動で救急車の通行が妨げられたとのネット上のデマについて「私は医療職だが、もしそんなことがあったら医師会が黙っていないし、私も許さない。消防も否定しておりそのようなことは一切無い」と否定した。 親川氏は沖縄ヘイトとして問題になったテレビ番組「ニュース女子」について「若くてかわいい女性に年配の頭が良く偉い男性がものを教えるという構図が描かれ、見るに堪えない」と指摘。ネットなどで拡散していく沖縄に関するデマなどについて「放置すると本当のように広がり、手に負えなくなってしまう。誤解を放置せず、日常的な会話の中でも『それは事実ではない』との確認や訂正が必要だ」と呼び掛けた。 友知氏は、法務省の外局「公安調査庁」が報告書で、中国との学術交流に参加した県内研究者を「琉球独立勢力」とし、中国側が交流を進める中、沖縄で中国に有利な世論を形成し、日本国内の分断を図る戦略的な狙いが潜んでいると分析していると紹介。学会の抗議・要求文を引用し「琉球(沖縄)の平和的独立を望む本学会やその他多くの琉球民族に対するデマゴギーかつ中傷であり、差別であり敵視だ」と強調した。 (写図説明)沖縄ヘイトについて登壇者が発表した琉球民族独立総合研究学会のオープン・シンポジウム=12日、宜野湾市・沖縄国際大学

[ゼロチャンネル]/独立心のない国
2017.02.24 朝刊 5頁 オピ (全56字) 
「米軍機の飛行を制限する権限はない」
-日本政府
「主権国家として共に独立しませんか」
-琉球独立派
(沖縄市・あのさ)

琉球独立学会が東京MXに抗議/「差別と偏見助長する」
2017.02.18 朝刊 26頁 二社 (全236字) 
 東京MXテレビの番組「ニュース女子」が米軍ヘリパッド建設への抗議行動について事実と異なる放送をしていた問題で、琉球民族独立総合研究学会は17日までに、「琉球に対する差別と偏見を助長する番組を放送した。放送法などに合致した真摯(しんし)な対応を要求する」との抗議文を同局に送付した。 番組で、公安調査庁の報告書「内外情勢の回顧と展望」を示し、「中国が同学会に接近しているが故に危険であるというような報道を行った」として、「琉球民族の誇りと尊厳を著しく傷つけた」と抗議した。

公安調査庁「琉球独立勢力」/政府 根拠示さず
2017.02.01 朝刊 3頁 総3 (全379字) 
 【東京】公安調査庁が発刊した報告書「内外情勢の回顧と展望」で「沖縄で、中国に有利な世論を形成し、日本国内の分断を図る戦略的な狙いが潜んでいるとみられる」と結論づけたことについて、政府は31日、政府ではなく公安庁の見解を示したとする答弁書を閣議決定した。 中国の大学との学術交流に参加した県内の研究者を「琉球独立勢力」など明記した根拠や調査方法などについては、「具体的内容に関わる事案で答えを控える」とすると明らかにしなかった。質問主意書を提出した照屋寛徳衆院議員(社民)は、辺野古新基地建設や東村高江周辺でのヘリパッド建設に反対し抗議する人たちは、特定の団体や活動家にとどまる反対運動ではないと指摘。県民大会に全国から活動家や党員を動員したと記述した根拠をただした。答弁書は動員した政党について「共産党である」としたが、断定したことへの詳細は答えなかった。


[大弦小弦]
2017.01.23 朝刊 1頁 総1 (全542字) 
 「中国のスパイ」。仲井真弘多前知事が、街頭やネット上でののしられていた時期がある。祖先が中国から渡来した久米三十六姓であることが材料だった。辺野古新基地を容認すると、手のひらを返したように礼賛された▼翁長雄志知事は子どもが中国人と結婚した、中国留学中、というデマを基に攻撃された。県議会で「中国に行ったこともない」と否定せざるを得なかった▼沖縄とゆかりの深い隣国なのだから、交流はむしろ当然だ。一方、市民的自由を認めない、周辺国への軍事力誇示など、今の一党独裁体制はおかしい。そこで、中国脅威論を便利に使う人たちがいる。裏には別の目的がありそうだ▼この役所の場合は組織防衛か。公安調査庁が中国について「琉球独立勢力に接近」「日本の分断を図る戦略」と報告書に書いた。何度もリストラ対象になり、オウム真理教以外の「敵」を必要としているようだ▼それにしても。問題にしたとみられる「学術交流」には中国と対立する台湾からも研究者が参加している。新聞を読めば分かる。税金を使って何を「調査」しているのか▼沖縄とアジアに対するヘイトスピーチは最近、地上波テレビにも進出している。警官は市民を「シナ人」とあざけり、国の報告書がネット同様のデマを広める。ヘイト国家ニッポンはどこに行くのか。(阿部岳)


学術交流を「独立勢力」/公安調査庁「中国が分断図る」と分析
2017.01.17 朝刊 26頁 二社 写有 (全1,190字) 
 国内外の過激派や周辺諸国の情勢を分析する法務省の外局「公安調査庁」が今年1月付で発刊した報告書で、中国の大学との学術交流に参加した県内の研究者を「琉球独立勢力」などと指摘し、中国側が交流を進める中で、「沖縄で、中国に有利な世論を形成し、日本国内の分断を図る戦略的な狙いが潜んでいるとみられる」と分析していることが16日、分かった。
 同庁の報告書「2017年 内外情勢の回顧と展望」が中国の動向を分析した記述では、「中国国内では、『琉球帰属未定論』に関心を持つ大学やシンクタンクが中心となって、『琉球独立』を標ぼうする我が国の団体関係者などとの学術交流を進め、関係を深めている」とした。
 北京大で昨年5月、「第2回琉球・沖縄最先端問題国際学術会議」があり、中国、台湾、沖縄、日本本土の研究者らが参加。東アジアの近現代史や沖縄の基地問題、民俗学など幅広いテーマで意見交換した。
 報告書は今後、同庁のホームページ上で公開される予定。
 沖縄への偏見生む 県内研究者ら反論
 昨年5月に中国・北京であった学術会議に参加した県内の研究者は、公安調査庁のリポートの内容に絶句し、沖縄への偏見を生み出しかねないと反論した。
 学術会議には研究者ら12人が参加した。取りまとめた沖縄大の又吉盛清客員教授は「沖縄への偏見で、とんでもない話だ」と憤る。
 日中交流は学術や経済など、さまざまな分野で行われていると指摘。「沖縄だけ取り上げ、このような浅い分析をするのは信じられない。沖縄戦、米軍統治下の体験を踏まえ、東アジアの平和を求めて交流している気持ちが全く受け止められず、踏みにじられている」と残念がった。
 沖縄国際大の友知政樹教授は「琉球民族独立総合研究学会」の共同代表の一人。「国は沖縄の声を聞かない。中国のためではなく、沖縄のために自己決定権を研究している」と反論し、「沖縄の声を中国脅威論に結び付け、分断を望んでいるのは国の方ではないか」と皮肉った。
 八重山郷土史家の大田静男さんは「学術交流を国家権力が推論で否定するのは、憲法で認められた学問の自由も否定するもので許し難い」と批判。「私たちはどこにも利用されていない。学問の積み重ねに基づいた交流を、中国の手先のように言うのはネット上のヘイトスピーチ(憎悪表現)と変わらない」と指摘した。
 情報の質低い
 「日本の公安警察」などの著書があるジャーナリストの青木理さんの話 公安調査庁は警察の「公安警察」と違う組織だが、情報の質が極めて低い。ネット右翼のような沖縄分析を報告書に載せるセンスにはあきれ返る。本業は暴力破壊活動をする団体の調査・処分請求だが、オウム事件でさえ、規制申請が棄却され、組織のたがが外れた。不要論も多く、今は「国内外は危険が多い」と叫び、沖縄や中国を危険視することで組織延命と予算獲得を狙っているのだろう。

[てい子トゥーシーのユンタクハンタク](34)/同化政策とNIMBY/新基地建設は独裁主義
2016.12.26 朝刊 10頁 海外 写有 (全1,108字) 
 「大衆の多くは無知で愚かである。人々が思考しないことは、政府にとっては幸いだ」。ナチズム(人種主義的思想)の独裁者ヒットラーが彼の部下たちに語った。私の孫息子(現在27歳)が高校1年(日本の中3)の時に、歴史で習ったと話してくれた。 最近14歳と12歳の孫娘たちに米国の歴史について聞いてみると「小学1年から Constitution(憲法)が紹介され歴史を習うのよ」と2人同じことを言う。「人種問題も習うの」と聞くと「もちろん」とそろって返ってきた。 権利・自由・民主主義を自由に語る孫たち。私は自分の成長期を考えた。先祖を認識しながら島で成人になったが、戦で犠牲になった島・琉球の資料などなく、長老たちからの伝承のみが主な手段だった。 琉球王朝時代の民族の誇りや自覚、意識が、我々の義務教育の中にあっただろうか? 琉球の芸能文化を先人の尊厳として認識していただろうか? 自由にしまくとぅばで会話していただろうか? 現実はその逆だった。それこそ1907年から50年頃まで強制された「愚民政策」とも言われる同化の一つは「方言札」だ。人の自由自在な言葉に罰礼を加えることは、舌を切断するのと同じだ。恐怖で自然に無口になり、アイデンティティーは希薄になり主張力に欠けていく。 戦時中の恐怖心と終戦後の萎縮した社会風潮の中、それを不自然とも感じず、問題提起もせずに生き延びてきた。戦前から多くのシマンチュは強制的に洗脳されてきた。琉球人の尊重されるべきアイデンティティーは傷つけられ、破壊され、消滅までに至ったと言ってもいい。 同化政策の期間に人材育成された我々の祖先や、その世代から生まれた子孫。中にはしまくとぅばが話せないことをむしろ自慢げに話す若者たちと対話したことがある。一方で「クトゥバ ワシネー、国ンワシユン」(言葉を忘れると国を忘れる)というクガニクトゥバ(黄金言葉)があり、しまくとぅば復興や継承、普及の動きがあることも知った。 最近の基地関連の問題も考えると、結局は「他都道府県からの“NIMBY”(Not In My Backyard=私の裏庭には駄目だ)の態度で“Give it to Okinawa”(沖縄へ)との結果」が加重負担を招いている。 普天間飛行場を返還し辺野古に新基地を造るという国の強行は、近代的な独裁主義と変わりない。北部訓練場の過半返還などは、日米両政府のCondescending(恩着せがましい)現状であろう。まさしく「ウチナ~、うせ~てないんびらんど~!」。(写図説明)名護市安部の海岸に墜落し大破したオスプレイ=14日午後3時24分(本社チャーターヘリから金城健太撮影)

[論壇]/照屋良昌/世界の県系人 思い熱く/ウチナーンチュは先住民
2016.12.24 朝刊 5頁 オピ 写有 (全988字) 
 世界のウチナーンチュ大会は移民の1世から5世までルーツ「琉球」への思いが沸騰する感動の大会であった。 移民の3世、4世の若者たちが「万国津梁の民・世界のウチナーンチュ団結しよう」と訴えたり、「ウチナーンチュの日」を提案し制定したのは感涙であった。 大会に合わせて開かれたシンポジウム「世界のウチナーンチュと共に語り合う琉球の自己決定権とアイデンティティー」に参加した。ブラジル在住4世のビクター・ウエハラ・カナシロ氏はウチナーへの熱い思いと現地でのマイノリティーであることの悩みなどを発表された。元ニューヨーク沖縄県人会長で1世のてい子与那覇トゥーシー氏は語り口も「名護マサー」を思わせる迫力で「ウチナーンチュはおとなしい。もっとアビレー(叫べ)」とげきを飛ばしていた。 世界のウチナーンチュが琉球への思いを熱く語る中で県民の中には冷ややかな雰囲気があることを感じるとのコメントもあった。 第2次世界大戦において唯一住民を巻き込む悲惨な地上戦の捨て石となったにもかかわらず祖国復帰をとなえてひたすら日本国への従属を訴えた県民。日本国敗戦の戦後処理に来日した連合国総司令官マッカーサー元帥は、沖縄を割譲することに日本人が反対しないと判断し、沖縄分割を本国に報告した。「何故なら沖縄人は日本人ではないから」と断言した(NHKスペシャル「沖縄戦空白の1年」より)。 琉球併合以来、日本の同化政策によって言語や独自文化を否定され、琉球人、3等国民と差別されてきた歴史により、琉球人は萎縮し自信を失ってきたが、琉球文化を携えて海外に雄飛したウチナーンチュたちは、ルーツを愛する心と誇り高いアイデンティティーをいささかも失うことはなかった。今回の世界のウチナーンチュ大会の大成功が如実に物語っている。 国連が4回にわたって勧告する先住民族「沖縄の人々」とは「ウチナーンチュ」のことであるのは明白であろう。 日本政府はアイヌ民族以外少数民族はいないと言っているが、沖縄県の人口は143万人強で、日本国の人口が1億2千万人強であることからしてウチナーンチュは約1%の少数民族であると言える。 「沖縄の人々(ウチナーンチュ)」自身が自分は先住民族ではないとするならそれは「自己否定」になるのではないか。 ウチナーンチュは優れた伝統文化を持つ万国津梁の誇り高い先住民族である。(那覇市、74歳)

[論壇]/比嘉順子/独立し平和国家の道へ/県民投票を行い意思決定
2016.12.21 朝刊 5頁 オピ 写有 (全1,003字) 
 なぜ独立したいのかと問われたら「普天間飛行場が辺野古に移設されたら、高江のヘリパッドも含めてオスプレイが飛び交う大規模な新基地となり、派生する騒音や環境汚染は計り知れない。基地のたらい回しであり負担軽減などとは言えない。加えてこの先の何百年もの間、差別や侮蔑を受け続けるのはまかりならぬ」と答える。 沖縄にある広大な米軍基地は、もともと本土にあったのが住民の反対運動に押され、政治的意図から、米軍統治下の沖縄に移設されたものである。 1960年、国連植民地独立付与宣言は、すべての人民の自己決定の権利を認めつつ、あらゆる形態の植民地主義の早期かつ無条件の終結を訴えた。独立運動を武力で抑圧しないことなど、すべての権力を住民に委譲するための早急な措置がとられることを規定している。 県民投票で「独立するか否か」を問い「独立する」得票数が多ければ独立できる指標となる。最近ではイギリスが「欧州連合(EU)から離脱するか」の国民投票があり、離脱を選び決定されたのは周知の通りである。 県が2015年1月の統計で駐留軍用地跡地利用の経済効果等に関わる調査を公表している。普天間飛行場の返還後の産業として、リゾートコンベンション産業や医療・生命科学産業を想定しており、返還前の地代や軍雇用所得や米軍などへのサービスは、返還後に生じる飲食業やサービスの提供などに代替して120億円から推計で3866億円に増額している。 普天間飛行場の返還後の直接経済効果は返還前の32倍という試算が、今年5月の新聞に載っている。宜野湾市が3月に作成した冊子では、一般歳入額に占める基地関係収入は3%台だ。 そのことからも、基地を撤去して跡地利用を進めた方が経済も活性化する。 来年1月には、次期米国大統領ドナルド・トランプ氏が誕生する。好機と捉えタイミングを計り「独立」の県民投票をして意思を決定させるのはどうだろうか。1850年代に琉球国は米国・フランス・オランダと修好条約を結び国際法上の主権国家であった。先人に見習って勇を鼓して独立を勝ち取り、国内の政治経済や国際社会への決定権を持ち、他国の支配を許さない法律で観光税や環境税等の税制度や条例制定をして施行する。さらに現存する米軍基地を撤退させて国際法にのっとり「非武装の観光リゾート国家」として貿易外交をする。おのずと平和国家への道は開かれることだろう。(うるま市、62歳)

[わたしの主張あなたの意見]/基地撤去して豊かな沖縄を/豊里友治=68歳
2016.12.20 朝刊 5頁 オピ (全443字) 
 沖縄の平和と経済発展のためには、軍事基地の撤去以外ないとの県民の理解は広がっています。71年も県民を苦しめてきた米軍基地は、今では県経済に5%ほどしか寄与していません。 返還された那覇新都心、小禄金城、北谷桑江・北前は返還前の28倍の経済効果を実現しました。 県企画部は、嘉手納より南の返還予定地(キャンプ桑江・キャンプ瑞慶覧・普天間飛行場・牧港補給地区・那覇港湾施設)が返還された場合、経済効果は18倍と試算しています。 2010年、県議会事務局は全米軍基地返還後の経済効果を試算し、生産誘発額2・2倍、所得誘発額2・1倍、雇用誘発者数2・7倍と控えめな数値を公表しています。嘉手納飛行場、弾薬庫、陸軍貯油施設返還による経済効果は1兆円を超えるといいます。 最後に、沖縄国際大学の友知政樹教授は琉球(沖縄)独立論の立場から、全ての米軍と自衛隊の基地撤去によって県民総所得は1・47倍、それに政府からの全補助金撤廃が合わさると県民総所得は1・25倍になると試算しています。(うるま市)

[論壇]/平良美乃/脱「植民地」目指し行動/7世代先考えた社会築こう
2016.12.14 朝刊 5頁 オピ 写有 (全1,028字) 
 今、ウチナー社会を分断しようとしているのは一体何なのか。 「権力は腐敗し、暴走する」と言う。アメリカ大統領選挙でトランプ氏が選ばれたこと以上に、現在の日本は危険だと感じる。私は、1日でも早く日本の植民地から脱却したいと強く思う。 生活の土台である地や食を沖縄人による選択・決定権が行使できるように取り戻し、生きる知恵がたくさん詰まった琉球の島々の土地に根づく歴史や哲学、そして言葉を受け継いでいく、そんなことが当たり前のようにできる状態に少しずつ直していけたらと思う。 日本はいつも沖縄を捨て石にしたがる。土地を私有・国有のものにし、使い放題するばかりだ。米軍基地、もしくは自衛隊のための基地が必要、それとも核を常備する場所が必要というのならなぜ、「NO」と抵抗し続けている沖縄になのだろうか。でもそれは、日本にとって沖縄は植民地下にあるのだからどうということはないのかもしれない。 沖縄の多くの土地が日本とアメリカに奪われた状態が続く中で、北部の土地が4千ヘクタールも「返還」されることに対して、本来ならば、沖縄はもっと喜ぶべきだが、この件と米軍ヘリパッドの新設工事がリンクさせられている構造のために喜ぶことすらできない。一つ一つの土地を解放させ、軍事要塞(ようさい)でもリゾート観光地でもない、生活のための土地に戻していく必要があると思う。10月に行われた世界ウチナーンチュ大会・しまくとぅば関連のシンポジウムに参加した際にハワイからの参加者が「ハワイ先住民族は7世代先のことを考える」と話していた。沖縄でも7世代先のことを考えた生活・社会システムを構築していきたい。 民族差別から始まった植民地化である。この植民地からの脱却を進めるには、沖縄と日本の異民族認識をしていく必要がある。国際社会では、土地、言語や教育など、民族のさまざまな権利の保障が認められている。また、世界各地において沖縄と同じように脱植民地や民族の権利保障を求め、立ち上がっている人たちが多くいる。権力が暴走し続けようと、それに惑わされることなく分断作戦を乗り越え、解放された琉球・沖縄を目指していきたい。 私は琉球民族・沖縄人として声を上げ続ける。11月に開催されたシンポジウムに登壇されていた、ニューヨーク沖縄県人会の顧問であるてい子与那覇トゥーシーさんから学んだから。「自由はつかみ取るものだ」と。そして、わったーぬ生活はわったーにしか守れないから。(浦添市、学生、23歳)

基地・差別 問題の根議論/琉球独立学会がシンポ
2016.12.14 朝刊 18頁 文化 写有 (全966字) 
 琉球民族独立総合研究学会のオープン・シンポジウム「高江、辺野古問題、『土人・シナ人』発言問題から考える琉球独立」が3日、宜野湾市の沖縄国際大学であり、発表者が高江、辺野古の基地建設や機動隊員による差別的発言の問題点について議論した。会場には約120人が参加。各発表に耳を傾けた。 シンポでは、高江・ヘリパッドいらない住民の会の儀保昇氏が高江の現状について報告。「12月までに工事がどんどん激しくなり、今では1日に100台の車が砂利を運び込んでいる。山の中は惨憺(さんたん)たるもの」と報告した。 その上で「現場の県警は他府県から来た警察の指揮下に入っているように動いていて惨めだと思う。抗議をする人たちが力ずくで排除されているが、それでも朝から多くの人たちが来てくれることが救い。アキラメテナィビランドー」と呼びかけた。 龍谷大学の松島泰勝教授は、日本国憲法の改悪が琉球独立運動に与える影響について発表。国民の権利や言論や表現の自由が制限される自民党の改憲草案の問題点を指摘しながら「国家の独裁体制のような状況が実現され、独立学会の活動も大きな規制を受ける恐れがある」と説明。 「辺野古や高江の背景には、改憲で日本を独裁国家にしていく大きな動きがある。独立学会としては今後の琉球独立を目指して、実効性の高い自らの憲法草案を作る必要がある」と強調した。 琉球大学大学院の親川志奈子氏は、「土人」という差別的な表現への怒りとともに「私たちは土人ではない」という反応も多かったとして「これでいいのかと大変違和感を覚えた」と問題提起。 人類館事件などを例にしながら「この痛みや怒りと正しく向き合わなければ『土人と一緒にするな』と差別される存在を前提としたまま、逆に私たちも差別者になる。日本人に同化しなければ差別されてしまうという心理は、悲しいまでの被植民者の精神の表れだ」と問題視した。 このほか、琉球新報の普久原均編集局長は高江での記者拘束の問題や「土人」発言の概要について、西原町議会の与那嶺義雄議員は植民地主義や琉球・沖縄人のアイデンティティーの重要性について、それぞれ基調講演した。 (写図説明)辺野古の基地建設や機動隊員による差別的発言について議論した琉球民族独立総合研究学会オープン・シンポジウム=3日、宜野湾市・沖縄国際大学

[論壇]/内海正三/沖縄の自己決定権 自明/日米に基地建設の権利なし
2016.11.30 朝刊 5頁 オピ 写有 (全1,076字) 
 17日の論壇に琉球独立論違和感ありとの投書があった。国際社会での琉球の立ち位置を客観的に把握した上で、行く末については考察すべきである。 2008年の国連自由権規約委員会最終見解では、日本政府に対して琉球・沖縄の人々を先住民として特別な権利があることを公式に認めるべきであるとした。10年の国連人種差別撤廃委員会最終見解では、沖縄における不均等な軍事基地の集中は現代的形態の差別であると指摘している。また、ユネスコにおいて琉球諸語は独自の言語で日本の方言ではないとしている。 1879年の琉球処分が、当時の国際法違反の日本への併合であることは識者が何度も指摘している。その後の日本同化政策によって、非武の民が皇軍としてアジア侵略の先兵となり、ついには住民を巻き込んだ沖縄戦という地獄絵図に見舞われた。 カイロ宣言とポツダム宣言によって日本は無条件降伏し、北海道、本州、四国、九州とその周辺の小島に主権を限定され、侵略により獲得した領土を放棄した。琉球列島は独立を取り戻す契機を得たが、東西冷戦のさなか、血を流して占領した在沖米軍基地の恒久化を図る米国は、国連への信託統治の提案準備というまやかしで軍事占領を継続した。 第2次大戦後の世界的な民族独立の流れの中で、軍事植民地としての継続が困難になった米国は、「潜在主権」という侵略を正当化する論理で、日本からの提供により米軍基地を維持しているとの形式をとった。それが1972年の「本土復帰」である。宗主国がかつての植民地に対して「潜在主権が有る」と主張すれば、世界秩序はどうなるのか。アメリカやインドはイギリスの潜在主権下にあるのか。帝国主義的侵略を否定し、民族独立を進めたのが戦後秩序である。 日本帰属に対してレファレンダム(主権者の意思表示の住民投票)も行われていない。沖縄返還協定は主体である琉球・沖縄を無視して日米政府間でなされた。ちなみに琉球における米軍基地の自由使用を認めたサンフランシスコ講和条約も琉球の主体抜きに日米政府のみでなされ、中国やロシア(当時のソ連)は認めていない。 日本化という同化政策によって、琉球の文化的多様性は消滅しつつある。国際社会は差別の克服を同化ではなく独自性の尊重により行っている。ILO169号条約や「先住民族の権利宣言」である。 琉球の住民の自己決定権は国際社会では自明の正義で、日米政府に耐用年数200年の軍事基地を辺野古に建設する権利はない。このままでは米軍の手先となって、日本軍としてわれわれの子孫が戦争をすることになる。(那覇市、会社役員、67歳)

2016.11.28 朝刊 23頁 海外 写有 (全1,284字) 
 「第6回世界のウチナーンチュ大会」が始まり、空手エイサーなどの演舞を披露したニューヨーク・ヤカラ~ズ団は国立劇場などでハイライトを浴びた。閉会式は花火で終了。ウチナーンチュ大会はさっと過ぎた。 大会の一環として県が学校交流を企画。久しぶりの母校・名護高校に出向いた。「フロンティア科」は早朝講座、7校時までの授業、他クラスより2時間多く授業を受けるクラスだと知った。10年前、沖縄の若者たちは県内志向で意欲がないと耳にしたが、出席した59人の生徒の目つきは輝き、凛(りん)とした姿勢が印象に残った。後輩たちの向学心に脱帽する。 だが今回の掲載がウチナーンチュ大会にちなんだ自慢話ばかりで、ハッピーエンドで終わらせたらそれは全くの偽善になる。現在の私の心境は正直いって陰陽の繰り返し。裏庭の落ち葉を眺めながら沖縄を考えた。沖縄をたつ前にどうしても自分で見たかった現状と場所があった。 それは以前から気になっていた東村の「高江」。そこで見た光景にすぐ異様な緊迫感を覚えた。本土からの機動隊、沖縄県警そしてデモ陣の座り込みとマイクで訴えるスピーチの数々。近くの道にも幾台もの青い大型バスに機動隊が待機している。物々しい。一目瞭然だ。マイクを握り、自由は獲得するもので与えられるものではない、と強調した。 今、あの現実が脳裏に浮かぶ。刺激的な今回の沖縄の記憶と言えば高江の現場だ。現状を実際に把握した時点で、私の反骨精神が炎のように渦巻き始めた。反射的に頭に浮かんだのは405年前に斬首された「謝名親方」。1人だけ最後までNoを貫き、琉球征伐に抵抗した。想像に絶する程の悔しさだったろう。高江の現状も琉球征伐の現代版の一環とも言える。 沖縄本島の南ではウチナーンチュ大会のお祭り騒ぎ、北部では「ぬちかぎり」で沖縄を守ろうと闘い続けている。那覇から片道100キロ、2時間足らずの距離だ。そんな「ing」の状況に無関心、無頓着でいられる人々。高江が無味乾燥だと感じる人がいれば、それは学習された奴隷根性的な劣等感から生ずる無気力だ。あるいは事なかれ主義、頭隠して尻隠さんの「否認」の例でもあろう。 海外の県系人たちはどこまで沖縄の現状を把握しているだろうか? 否認より無関心が多いだろう。同じ質問を県民にも聞きたい。1個ずつなら鎖は弱いが、つなげば複数の長蛇になり、強くなって立ち向かえる。現地のウチナーンチュには可能なはずだ。 高江を思うと夜中3時に目が覚める。機動隊の緊迫な動きが始まると「オキナワ ケンケイ 沖縄県警」と訴え叫ぶの声がする。同胞らの叫び声が焼き付いて離れない。この“琉球魂”は強く揺れ動き、胸中で冷酷な大風に吹かれている。 基地のさらなる負担加重、耐用年数200年との話にぞっとする。既に政治問題ではない。差別の問題であり人権問題である。国連で定期的に訴えるべきだ。ウチナーンチュよ、「Rise! Get Up Together!(ともに立ち上がろう)」。 (写図説明)ウチナーンチュ大会、高江訪問を終えて帰宅した庭には、黄金色のモミジの落ち葉が積もり始めた

[論壇]/里公徳/琉球独立論 違和感あり/基地問題解決へ国と対話を
2016.11.17 朝刊 5頁 オピ 写有 (全984字) 
 本紙の読者投稿欄に、沖縄の先住民族に関することや、自己決定権、ひいては琉球独立を示唆するような論があること、またこれらに関する書物が目に付くことに県民の一人として違和感を覚える。 思い起こせば今年の夏は、リオデジャネイロオリンピックで盛り上がった。特に沖縄から日本代表として出場した重量挙げの糸数陽一選手は、見事4位に入賞を果たし県民に感動を与えた。メディアも1面トップで伝えた。 また沖縄の子供たちが、県代表として高校野球、高校総体等また文化等で日本一を目指し、日本人として頑張っている。どうして先住民族やら琉球独立というような話ができるのだろうか。同じ県民として、彼らに「君たちは先住民族、琉球国代表なのだよ」と言うのだろうか。 沖縄は一年を通じても、正月行事(お年玉など)、ひな祭り、端午の節句、七五三祝い等、日本の文化、伝統を共有している。沖縄は日本国、日本人である。 琉球独立ということは、米軍基地、自衛隊全てを撤去し、非武装を唱えることでもある。資源も、防衛力も財力もない、人材も技術も乏しい中、143万余の県民がどうやって生存していくのか。世界の現状、弱小国はどこかの強大国(自由な国か、共産国か)にすがる道しかない。 2020年東京オリンピックの種目に空手が正式採用され、県は地元での開催誘致を立ち上げた。喜ばしいことだ。また各競技の県内各地での合宿を要望、また次年度の振興予算増要求、特例措置法延長(酒税、ガソリン税等)、鉄軌道導入等、政府に嘆願している。沖縄が独立するとなればこれら沖縄の将来施策はどうなるか自明の理である。 沖縄での空手競技開催誘致一つにしても、観光客を含め、観客等の増加も予想されるだろう。普天間基地の辺野古移設も考慮し、普天間基地と併せて返還される嘉手納以南の米軍基地の跡地を選手等の受け入れ(トレーニング等)施設また道路拡張等のインフラ整備が必要と考える。 最後に基地問題で平行線をたどっているようでは何も解決しない。中国の脅威(尖閣侵入等)、北朝鮮の核開発で日本、沖縄を取り巻く環境が激変している中、米軍基地の負担軽減(整理縮小)を図りつつ、抑止力を堅持し、併せて日本政府との対話を重視しなければ、東京オリンピックどころではない。独立の話など愚行であり若者、子供たちの夢を壊さないでもらいたい。(那覇市、会社員、59歳)

[論壇]/浜川登/独立へ力と英知結集を/看過できぬ基地強化と差別
2016.11.15 朝刊 5頁 オピ 写有 (全950字) 
 戦後70年余、沖縄は日米による基地運用の2重の基準の中で、日常的に基地問題にさらされてきた。1952年4月28日サンフランシスコ講和条約発効で施政権は日本国から切り離され、米国軍政統治下におかれ、生産の基盤である土地は収奪され基地にされた。 日米政府は基地負担軽減は名ばかりで、基地集約と称して機能の強化高度化をもくろんでいる。普天間飛行場移設、辺野古基地建設、高江ヘリパッド建設、伊江島補助飛行場増設工事さなか、過日高江のヘリパッド建設工事阻止行動現場で、県外の機動隊員が差別的言葉を発した。琉球処分以降も潜んでいた差別意識が表面に出た。同じ国民として、到底看過できるものではない。 第2次大戦後多くの植民地が独立への道を選択する中、なぜ沖縄は独立の選択ではなく、祖国復帰だったのか。 ベトナム戦争が始まり沖縄の米軍基地は拡大され、基地問題も多発した。このような状況下で個々の市民団体の復帰運動は始まっており、一方教職委員会校長部会は、教育界も戦争で壊滅状態の中、教育環境、教員の待遇改善などを目標に動きだした。運動の中心的存在となり、個々に運動していた市民団体も沖縄県祖国復帰協議会に集約された。 祖国復帰運動は視点の先にある利害、生活環境の維持という思惑が一致へと働いて広がっていった。祖国復帰運動は、琉球処分から戦前戦中と差別された琉球人の、本当の日本人になりたいという願望、意識の働きから始まったのだろうか。 経済的に貧していた当時の沖縄の状況から、その方向へ寄っていくのも心情的には理解はできよう。他方大勢を占めていた勢力の方に慎重さと将来の沖縄の形への想像が欠けていた。それは沖縄の文化歴史をないがしろにし、幻想の祖国へと走った判断でなかったか。 復帰で逃した沖縄県独立への道を目指し、琉球民族の力と英知を結集させるべきまたとない時が来た。戦前から差別を受け大戦中も過酷な体験を強いられてきたことが独立の根拠だ。 経済的自立を危惧する指摘もあるが、多くの調査から基地に頼る経済割合はたったの5パーセントにすぎず、これは経済的自立が可能なことを示唆している。 日米両政府の理不尽な行いにあらがい、琉球人のアイデンティティーを確立させるべく、ここに独立を宣言すべきだ。(豊見城市、73歳)

[論壇]/与那嶺義雄/沖縄 アジアの好位置に/日米支配打破し豊かさ到来
2016.11.12 朝刊 5頁 オピ 写有 (全979字) 
 琉球の世界文化遺産の一つ、勝連グスク跡から3~4世紀のローマ帝国の銅貨が出土した。1~4世紀にかけて、地中海世界から英国までをも版図に治めた世界帝国ローマに関する史料の出土に、多くの県民が驚きとともに誇らしさを感じた。専門家によると、琉球の大交易時代に相当する14世紀後半~16世紀にかけて中国や東南アジア経由で琉球に持ち込まれたとされる。 14世紀後半中国に明が建国され、当時の東アジアの国際秩序である冊封・朝貢体制に琉球が参加することで、明から海船の供与や航海・貿易事務など職能集団の移住により、琉球の本格的な海外交易が開始される。その交易範囲は東アジアから東南アジア、インドネシアにおよび、当時タイやマラッカに進出したポルトガル人から“ゴーレス”“レキオ”と呼ばれたのが、わが琉球の偉大な先人たちだ。東アジアの海域を縦横無尽に活動し、自主独立の気概に満ちた大交易時代の様子は、尚泰久王時代の「万国津梁の梵鐘」に刻まれ、ローマ銅貨はその歴史の一こまを今に伝える。 ところで、「歴史は繰り返す」かのように、再びかつての大交易時代をほうふつさせる状況が生まれている。それは、世界の経済がアジアにシフトし、観光や物流・情報産業など、にわかに沖縄の経済的な位置環境が優位性を持ち始めた。琉球史でいえば、琉球の建国の前段期にあたるグスク時代の開始、さらに琉球の統一への動因となったのが中国における宋や明の登場だ。 東アジアの大きな変化が、琉球の発展を促した。私たちは、再び大きな歴史的転換期に立ち会っていることを強く自覚したい。 しかし、琉球の大交易時代に続くその後の歴史は、1609年の薩摩藩の侵略と1879年の明治政府による琉球王国の武力併合によって、完全に日本国家に囲い込まれ、現在の私たちは、かつての東アジアを舞台に生きた先人たちの精神的世界・気概を見失った感がある。私たちは、いま沸騰するアジア経済の好位置にあるが、辺野古新基地建設に象徴されるように、日米の軍事植民地的状況を打破できなければ、将来の豊かさへのチャンスと平和な暮らしを同時に失うことになる。 ローマ銅貨の出土は、琉球の先人たちが“君たちは東アジアに生きた琉球の子孫だ!”“荒海にこぎ出す勇気を持て!”との、私たちへの叱咤(しった)激励のメッセージではなかろうか。(西原町、町議、62歳)

[第6回 世界のウチナーンチュ大会]/「県民もっと主張を」/県系人らシンポで提言
2016.11.04 朝刊 25頁 三社 写有 (全483字) 
 世界のウチナーンチュと語り合うシンポジウム「琉球の自己決定権とアイデンティティー」(主催・命どぅ宝!琉球の自己決定権の会準備会)が3日、浦添市産業振興センター・結の街であった。世界のウチナーンチュ大会に参加した県系人らが登壇し、基地問題などについて意見を交わした。(20・21面に関連) 名護出身のニューヨーク県人会元会長の与那覇てい子トゥーシーさん(75)は、米国では3歳から「I DO(私はする)」と自己決定権を意識して育つ一方で「ウチナーンチュは『わったー、わったー』と自分の発言に責任を持たない」と分析。 県民は「しむさ、だからよ」「なんくるないさ」とおとなしすぎると指摘し、「なんくるならない時もある。自由は勝ち取るものだ。もっと主張しないといけない」と訴えた。 父親がペルー県系3世で、大会に合わせて名護市辺野古や東村高江を訪れるバスツアーを企画した徳森りまさん(29)は「基地問題は人権問題。海外のウチナーンチュとも手を取り合って、一緒に声を上げていく」と話した。 (写図説明)自己決定権について発表した登壇者ら=3日、浦添市産業振興センター「結の街」

しまくとぅば劇に拍手/琉球独立学会が上演
2016.10.29 朝刊
 沖縄戦を生き抜いた住民の姿などを描いた、演劇集団比嘉座の芝居公演が28日、那覇市おもろまちの県立博物館・美術館であり、約50人の来場者が出演者の熱演に見入った。 世界のウチナーンチュ大会で海外からの県系人らを対象に展示などを行っている琉球民族独立総合研究学会(ACSILs)の主催。 しまくとぅばによる計6演目をオムニバス形式で上演。飼育された豚が食用として献上され、最後はチラガーやテビチになってカチャーシを踊る姿や、沖縄戦で捕虜になった住民が食糧難に苦しむ様子を歌や踊りを交えながら表現。観客から「シタイヒャー」の声援と共に大きな拍手を受けた。 会場ではそのほか、沖縄の歴史や文化、言語に関する展示や映像も紹介。歌三線の実演やしまくとぅばワークショップなども実施され、にぎわいをみせた。イベントは29日まで。

[第6回 世界のウチナーンチュ大会]/世界の琉球人と語る/独立学会 27日から県博で催し ---> OT
2016.10.19 朝刊 27頁 三社 写有 (全526字) 
 琉球民族独立総合研究学会(ACSILs)が27日~29日の3日間、世界のウチナーンチュ大会で海外から沖縄を訪れる県系人らを対象にした催しを企画している。那覇市の県立博物館・美術館で午前10時から、沖縄の歴史や文化、言葉に関する展示や映像を放映。期間中、会員と来訪者がしまくとぅばで交流するワークショップを開催するほか、琉球古典音楽・民謡の実演もある。 14日に宜野湾市の沖縄国際大学でメンバーが打ち合わせを行い、「琉球独立」の缶バッジ千個や三板(さんば)の配布、4カ国語に対応したパンフレット制作などの準備状況を確認した。 イベントの世話人を務める上原美智子さんは「若い世代が準備に力を発揮している。まずは独立学会につい知ってほしい。世界の琉球人と共に歴史を振り返り、未来を語り合う場をつくり出したい」と語った。 28日は午前10時から、折り紙によるジュゴン作り、午後6時から劇団比嘉座による「しまくとぅば芝居」が上演される。いずれも参加無料。問い合わせは事務局、電話050(3383)2609(留守電対応)、メールはinfo@acsils.org
(写図説明)ウチナーンチュ大会の関連企画について話し合う運営メンバーら=14日、宜野湾市・沖縄国際大学

<あしゃぎ>「先住民族」批判に反論
2016.09.22 琉球新報朝刊 17頁 文化 1版 写図表有 (全468字) 
 「琉球弧の先住民族会」を結成して17年目になる同会代表の宮里護佐丸さん=写真。「宣伝が下手で会員が増えない」と苦笑いするが、国連の人権理事会などへのリポートの提出を重ね、2001年、10年、14年と勧告を実現してきた。しかし、国連の場で認知されてきたことに対して「マイノリティーとみなされれば差別を呼び込むことになる」(豊見城市議会意見書)などの異論が出てきた。そこで16日、記者会見を開き反論した。 「異論で共通するのは、県民の知らないところで提出された、沖縄以外のNGOが勝手に言っている、県民は日本人であり先住民族ではない-の3点に要約できる」と指摘。琉球国の強制併合、捨て石作戦だった沖縄戦、戦後の米軍政への引き渡し、日本復帰後も続く構造的差別と人権問題を挙げ「歴史的事実と現在の状況をありのままに報告してきた」と主張した。 「琉球にルーツを持つ者」のみが入会できる規約であることから、沖縄の琉球民族の団体だと強調。「差別を呼び込む」という批判には「先住民族に対する偏見と無知が表れ、この考え自体が大変な差別発言」と批判した。

琉球・沖縄問題 国際学術会議in北京(下)/又吉盛清/琉球独立国 相互に確認/東アジア認識深める契機
2016.09.06   朝刊   16頁   文化   写有

琉球・沖縄問題 国際学術会議in北京(上)/又吉盛清/日米の支配 目立つ論考/報告者増え 広がり実証
2016.09.05   朝刊   16頁   文化   写有

[論壇]/与那嶺義雄/「リンク論」 恐れないで/基地返還で自立発展は可能
2016.08.31 朝刊 5頁 オピ 写有 (全1,018字) 
 圧倒的民意を無視し、力ずくで辺野古新基地建設を強行する日本政府がついに、沖縄に対する本性をあらわにした。県民の抵抗にあい、立ち往生する辺野古や高江の事態に業を煮やし「基地建設が進まなければ振興策に影響する」、と脅しに出たのだ。 1972年の日本復帰後から続く振興策、過酷な沖縄の地上戦と米軍支配、復帰後の基地の過重負担に鑑み「償いの心」として実施されてきた経緯がある。私たちの側からすれば戦後賠償的な振興策だが、日米両政府にとっての72年の復帰は、日米安保条約の拠点としての沖縄米軍基地の自由使用が最優先事項であり、政府にとっては当初から米軍基地維持のための振興策でしかなかった。 ところで、今回の政府のリンク論は兵糧攻めで一気に沖縄の民意を抑え込もうとするものだが、沖縄国際大学の友知政樹教授が2012年のデータを基にした、全基地撤去後(自衛隊基地も含む)の沖縄経済に関する研究がある。それによると、跡地利用が進展すれば3兆7080億円の直接経済効果が得られ、総所得が5兆8418億円(撤去前の1・45倍)となり、日本政府からの全補助金を撤廃しても総所得が4兆9627億円(1・24倍)となると推計している。 今や、世界経済がアジアへシフトし、沖縄は優れた位置環境にある。その経済成長力を、一国並みの経済主権を行使し、しっかりと取り込むことができれば、政府の「リンク論」を恐れる必要はない。「リンク論」でどう喝するならば、私たちは堂々と全基地撤去で応えよう。もはや戦前期の沖縄ではない、私たちはもっと自信を持って自らの将来を切り開いていくべきだ。 いま、辺野古や高江に見られる全国から機動隊を動員しての政府の強硬策は、決して本土の地では許されないが、ここ沖縄ではなんでもありの様相だ。今から140年ほど前にも、軍隊や武装警察を動員しての琉球国の武力併合があったことを、私たちは忘れてはならない。もはや、憲法や民主主義の機能しない沖縄にあっては、「闘いの土俵」を国連や国際法に広げ、国際社会に依拠した自己決定権の確立によってしか、現状を打破する道はないのではないか。 それにしても、日本の安全保障のために、70年余も沖縄に犠牲を強いつつ、さらにこの先も沖縄への負担・犠牲を強いる日本とは何か。私たちは、自らの誇りと尊厳、生存権を確保する上からも、「沖縄にとって日本とは何か?」を絶えず問い続けなければならない。(西原町、町議、62歳)

[平和考](11)/社会言語学者 親川志奈子さん/独立は現実的な選択肢/沖縄差別を超えて対話を
2016.08.12 朝刊 4頁 国際 (全2,172字) 
 辺野古での新基地建設に女性暴行殺害事件…。沖縄では戦後71年の今も、米軍絡みの犯罪や事故、騒音、環境破壊が絶えない。基地被害が続発する中で考える平和とは何か。発足後3年を迎えた「琉球民族独立総合研究学会」の若き論客で、社会言語学者の親川志奈子さん(35)に聞いた。
 -沖縄独立論には過激なイメージがあります。
 「そう感じる人もいる。でも2年前に住民投票を行ったスコットランド、年内にも投票があるグアムなど海外の独立運動は珍しくない。独自の歴史や文化が政治に抑圧されている植民地状態を脱し、民族の自己決定権を取り戻そうとしている」
 -沖縄は植民地か。
 「19世紀の琉球処分以来、伝統の『島言葉(しまくとぅば)』を話すことも、琉球の歴史を学ぶこともままならない沖縄は、自分たちの土地も基地にされ自由に使えない植民地状態にある。国際法に基づく独立のシナリオは十分に現実的だ。暴論や空論に見せているのは、沖縄の国際問題化を嫌う『宗主国』の意向も反映している」
 -近年の反基地世論の高まりをどうみますか。
 「発火点は1995年の少女暴行事件。戦後50年、本土復帰後20年余が過ぎたのに、この種の事件がまた起きたことが衝撃だったし、日米両政府の対応もひどかった。沖縄の基地は本当に必要なのか。不当に押し付けられているのでは。多くのウチナーンチュ(沖縄の人)がそう考え始めた」
 -保革相乗りの「オール沖縄」「島ぐるみ」が実現しました。
 「沖縄のイデオロギー対立は、日本政府が『基地か経済か』と偽りの二者択一を突き付けてきたことが大きい。そうした差別と抑圧の構造が20年かけて広く認知されたことで、『イデオロギーよりアイデンティティー』を掲げる翁長雄志県知事が登場した。沖縄は新たな一歩を踏み出した」
 -一方で反基地運動の現状は厳しい。
 「沖縄の民意を選挙でいくら示しても、政府は聞く耳を持たない。沖縄出身の芸能人や『癒やしの島』の人気ぶりを利用して沖縄との融和を装いつつ、耐用200年という新基地を辺野古につくろうとしている。『日本の沖縄』という政治的地位では未来は見えないという危機感から、独立論に関心が寄せられている」
 -運動に限界がある?
 「端的に言えば、運動自体が差別と抑圧をはらんでいる。それを可視化したのが、鳩山由紀夫元首相の『迷言』から広がった普天間飛行場の県外移設の訴えだった」
 -具体的には?
 「日本の左派運動が掲げる『基地はどこにもいらない』は正論です。でも基地の大多数は、日米安保の支持者の大多数が住む日本ではなく沖縄にある。それを棚に上げて、ウチナーンチュが県外移設を言うと『安保を容認するのか』『自分さえよければいいのか』と責めるのはフェアでない」
 -沖縄の受忍を前提とした運動になっている。
 「沖縄に基地を押し付けている日本の利益に反しない形でしか、沖縄は主張できない。それでいて日本の運動家たちは『沖縄から日本を変えろ』『もっと頑張れ』と盛んに言う。差別の自覚がないのがやるせないです」
 -沖縄の平和と日本の平和はどう違う?
 「悲惨な沖縄戦の記憶につながる米軍が今も目の前にいて、被害が続く中で平和の意味を問う。それが沖縄のリアルです。未来の戦争を想定し、憲法改正の是非を争っている日本とは次元が違う」
 -議論をかみ合わせるにはどうすればいい?
 「日本と沖縄が同じ平和を語るには、お互いに脱植民地化を進めて対等な関係を結び直す必要がある。そのための選択肢の一つが独立です」
 -かえって関係が悪化しそうな気もします。
 「日本だけを見ていては理解しにくいでしょうが、旧植民地と旧宗主国の関係は、世界的にも非常に重視されています。日本は沖縄に対する過去の不正義を直視し、負の歴史の清算に努める必要はある。その上で、互恵的な関係も対話を通じて再構築できるはずです」
 -学会の目標は。
 「『この島を二度と戦場にしない』がウチナーンチュの総意です。非武装中立の平和国家に向けた独立の在り方を具体的に研究、啓発するのが役目だと思っています」
 -独立を達成したら基地はどうしますか。
 「米軍基地も自衛隊基地も撤去します。そのとき日本はどうするでしょう。平和憲法をなし崩しにして米軍に寄り掛かり、沖縄を犠牲にして目を背けてきた日本にとって、沖縄の独立こそ平和を考える絶好の機会になるでしょう」(聞き手は共同通信記者・山下憲一)
優しさと瞳の強さ
 はにかむような笑顔で「うんうん、そうそう」と相づちを打ってくれる親川志奈子さん。その優しさと裏腹に、瞳の輝きの強さが印象に残った。
 聞けば、曽祖父は玉砕の島サイパンで戦死。祖父は集団自決の危機を生き延びて嘉手納基地の反戦地主になり、80代半ばの今も毎週、辺野古で座り込む猛者らしい。
 沖縄の反基地運動にダメを出す日本の運動家の独善を「そんなに運動が好きなら基地ごとヤマトに持って帰ればいいさー!」と一喝。そして優しく、うふふと笑った。
 おやかわ・しなこ 1981年沖縄県生まれ。琉球大大学院博士課程に在籍、専門は消滅危機にある伝統言語の復興。米英の大学、大学院に留学後の2013年「琉球民族独立総合研究学会」設立に参加。沖縄の自己決定権の啓発団体「オキスタ107」共同代表。
(写図説明)発言のポイント


[記者のメモ]/「独立論」の公言再び
2016.08.07 朝刊 2頁 総2 写有 (全227字) 
 ○…政府が米軍基地負担と沖縄振興のリンク論を認め、振興予算の減額をほのめかすことに憤る瑞慶覧功県議(おきなわ、中頭郡区)。翁長雄志知事の誕生で新基地反対の沖縄の民意が本土に広がっているとし、昨年からは自ら主張していた「沖縄独立論」を“封印”。だが、リンク論を認める政府に「ここまで沖縄をつぶそうと言うなら、やはり独立するしかない。最悪だ」と厳しい口調。同時に「本土でも沖縄をいじめる政府を批判する声が広がるはずだ」と国民の良心に期待する本音もこぼした。

不平等 琉米条約に起因/162年前 ペリー来航で締結/米退役軍人の会 抗議声明
2016.07.29 朝刊 3頁 総3 (全759字) 
 【平安名純代・米国特約記者】ベトナムやイラク・アフガン戦争などに参加した経験を持つ米国の元軍人らで組織する「ベテランズ・フォー・ピース(VFP=平和を求める元軍人の会)」はこのほど、ペリー提督が1853年に沖縄に来航した翌年に結ばれた琉米条約について、沖縄と米国の不平等な関係と沖縄への米軍基地の過度な集中をもたらす起因となったとの抗議声明を発表した。 「現在も沖縄を覆い続ける162年前の琉米“友好”条約」と題した声明は、琉球ワーキング・グループ(ピーター・シマザキ・ドクター委員長)が主導してまとめ、11日にVFPホームページ上で発表した。 声明は、ペリー提督が1853年、当時は独立国だった琉球王国に寄港した際、軍艦の乗員が沖縄の女性に性的暴行を加えた事件を例に挙げ、「1854年7月11日に強制的に結ばせた琉米修好条約に、乗員は琉球人女性に危害を加えてはならないとの規定が組み込まれた」と言及した。 その上で、「当時の不正が今日も引き継がれ、真の人間の安全保障を提供する代わりに、住民が個人の身の安全に不安を感じ、さらには大気や水、土地の汚染問題など、必然的に発生する公衆安全上の危害を懸念せざるを得ない状況を沖縄に強いている」と述べ、琉球王国に強制的に結ばせた同条約が、現在まで続く沖縄と米国の不平等な関係の起点となっていると批判している。 VFPは約8千人の会員を擁する平和市民団体で、声明をまとめた琉球ワーキング・グループは昨年11月、米国で在沖米軍基地問題に関する啓発活動を行う目的で同組織内に設置された。 委員長を務めるドクター氏はハワイ在住の沖縄系2世で、ワシントンDC在住のメンバーらと連携し、米本土で活動を展開している。 VFPは今年1月に琉球沖縄国際支部(ダグラス・ラミス会長)を設置した。

「琉球の自決権確立」/準備会結成集会に130人
2016.07.25 朝刊 28頁 二社 (全450字) 
 「命どぅ宝!琉球の自己決定権の会(準備会)」(主催・同事務局)の結成集会が24日、西原町中央公民館であった。琉球民族独立総合研究学会とは別組織として琉球の自己決定権行使を訴え、政治的分野での実践を目指す。約130人が参加した。 同会世話人で西原町議の与那嶺義雄さんが組織立ち上げの経過を報告。名護市辺野古の新基地建設などを巡る政府の強行姿勢を批判し、「自己決定権を確立し、琉球人の歴史や文化、価値観に根差した社会を目指したい」と説明した。 基本政策は(1)国連などと連携した自己決定権の拡大(2)県内各議会で自己決定権確立の決議採択(3)県内全ての軍事基地を撤去し、国際都市形成を目指す-などの7項目。 会員資格は琉球弧(奄美を含む)にルーツを持つ者。今後、基本政策に基づく活動を続けながら会員を募り、150~200人に達した時点で正式に組織を立ち上げる。自治体選挙への候補者擁立も視野に入れるという。 集会では沖縄近代史家の伊佐眞一さんによる「いま、琉球・沖縄史に立つ意味」と題した講演もあった。

[わたしの主張あなたの意見]/続く米兵犯罪 政府の不作為/東江義昭=63歳
2016.07.03 朝刊 5頁 オピ2 (全449字) 
 岩手県の知人が話してくれた。東北は何度も大津波に苦しめられてきたが、沖縄は米兵の繰り返す犯罪で苦しめられてきた。 自然災害は、人の手で防ぐことは困難だが、米兵の犯罪は人為的なものだから、防ぐことは可能だ。それができないのは、やはり、何の対策も取らない政府の不作為であり、沖縄への差別と捉えていい。他県の方でも心ある人は沖縄の苦しみをそう理解してくれる。 本土が嫌がる基地を、なぜ沖縄だけに押し付けるのか。沖縄は日本ではないから、米軍基地を置いてもいいという偏見と差別が透けて見える。 卑劣で忌まわしい女性暴行殺人事件を受け、これから沖縄は尊厳を脅かすものに対しては、ちゅうちょなく自決権を行使するだろう。これ以上、不公平な基地の押し付けが続けば、国は大きなしっぺ返しが来るのを覚悟しなければならない。沖縄の最後の抵抗はゼネストの行使であり、振興予算などの全額返上、あるいは独立の是非を問う県民投票の実施かもしれない。国は沖縄の怒りと悲しみを、これ以上ないがしろにしてはならない。(恩納村、警備員)

英、EU離脱へ/国民投票 僅差で勝利/首相が辞意 内政混乱
2016.06.25 朝刊 1頁 総1 (全1,050字) 
…。
 世界第5位の経済大国、英国の離脱で、EUが不安定化し世界経済が混乱するとの懸念が拡大。EU統合の流れに逆行したことで、他国の反EU勢力が活気づきそうだ。英メディアによると、EU志向が強い北部スコットランドでは、独立を問う住民投票を改めて実施する動きが出始めた。
…。


[わたしの主張あなたの意見]/沖縄への政策 反旗を翻す時/知念徳彦=66歳
2016.06.01 朝刊 5頁 オピ (全446字) 
 26日付の新聞1面を読んでがくぜんとした。米軍属が逮捕された女性遺棄事件で、オバマ氏は「深い遺憾の意」を表明し「米国はがくぜんとしている」とした。今回の事件は、若い将来ある女性の命が奪われた。迷うことなく即「謝罪」するべきである。オバマ大統領は米国民の長であり、全軍の最高指揮官であるからだ。 米国大統領は五つの帽子をかぶっていると学んだことがある。その五つとは(1)国民の長(2)軍の最高指揮官(3)外交の長(4)行政の長(5)議会。米軍属の事件の責任は「国民の長」として当然、オバマ氏にもある。11月にホワイトハウスを去るが、「謝罪」して有終の美を飾ってほしかった。 今回の凶悪事件で、辺野古新基地建設はさらに窮地に追い込まれるであろう。今月開かれる県民大会は、日本政府の沖縄植民地政策に反旗を翻す好機だ。 1972年5月15日の日本復帰。その後の沖縄は、普天間飛行場一つさえ県外に移設できない現状である。沖縄は観光大国として独立し、米軍基地の縮小を直接米国と交渉することだ。(那覇市)

[論壇]/比嘉康文/米軍基地ある限り事件/押し付け許さず全て撤去を
2016.05.30 朝刊 5頁 オピ 写有 (全1,024字) 
 「いったい、ヴェトナムは何処(どこ)に国があり、何処に政治があるというのです」。フランスの植民地から抜け出すため、ベトナム独立運動を行い、投獄されたファン・ボイ・チャウ氏が自らの裁判で述べた言葉である(「ヴェトナム亡国史」)。ファン氏は明治政府によって滅ぼされた琉球王国の惨状を知り、母国の知識人たちに「琉球の二の舞になるな」という警告の書「琉球血涙新書」を1903年に書いたことで知られている。 その「ヴェトナム」を「日本」に置き換えると、そのまま現在の沖縄の叫びとなる。米軍属による「女性遺体遺棄事件」をみると、日常生活の中で健康づくりのジョギングさえもできない危険な姿が浮かび上がってくる。米兵や米軍属による事件・事故のたびに日米両政府は「遺憾の意」を表明し、「綱紀粛正」「再発防止」を約束する。だが、事件は絶えない。それを考えると「沖縄人を守る国は何処にあるのか、何処に政治があるのか」と問わざるを得ない。 昨今、沖縄は日米の「植民地」と指摘され、その議論が本紙でも展開されている。その中には「植民地から脱却」し、「米軍基地撤廃」をさせるには「独立しかない」という声も根強い。本紙にも「独立を真剣に考えよう」との投書が目立ってきた。 事件後、那覇市上之屋の国道58号沿いには「琉球全基地撤去」「民族独立」と大書した横断幕が掲げられている。「もう我慢できない」という住民の叫びだ。 ベトナム戦争のころ、米海兵隊員の間では沖縄人を隠語で「グーク」(人間でない汚いもの)と呼んでいた。ベトナム人も同じで「だから殺してもよい」と、兵士たちは“殺人マシン”に仕立てられ、戦場に送り込まれた。 その結果、女性と子どもを強姦(ごうかん)して殺害し、遺体をジャングルに捨てた。それはベトナム帰還兵たちの証言で明らかにされている(『ドキュメント ヴェトナム戦争全史』)。だから米軍基地があるかぎり“殺人マシン”による事件は続く。 現在、国内の米海兵隊員の7割超が沖縄にいる。95年の米兵暴行事件の時、米側は普天間飛行場の無条件返還を考えていたが、日本政府が引き留めて辺野古移設を提案し、今日に至る。それは当時のモンデール駐日大使の証言で明らかだ。 今回は、日本政府の基地押し付けの横暴を許してはならない。すべての米軍基地撤去によって、ようやく沖縄人にも国があり、政治があるという状況が生まれるのだ。小生はそう考えているが、どうだろうか。(宜野湾市、74歳)

[論壇]/与那嶺義雄/沖縄への不条理正す時/未来開く先住民族の権利
2016.05.29 朝刊 5頁 オピ2 写有 (全1,045字) 
 今また、基地あるがゆえに、私たちの同胞である一人の若い女性の命が絶たれた。突然の死に襲われた女性の恐怖とそのご家族の痛苦、悔しさにすべての県民がやり場のない怒りにさいなまれている。 21年前にも、米軍人による少女暴行事件で同じような悔しさを私たちは味わった。なぜ、同様なことがこの私たちの沖縄の地で繰り返されるのか。私たちは知っている。その元凶が、敗戦後から今日まで70余年、さらにこの先もこの沖縄を“軍事基地の島”として位置付ける日米両政府の植民地主義にあることを。私たちは、この植民地主義の枠組みを根本から変えない限り、同様な事件事故が繰り返されることを深く認識すべきではないか。 この沖縄社会をがんじがらめにする枠組み・植民地主義と私たちのアイデンティティー(自己認識)を考えるうえで、44年前の“日本復帰”に際して立場を異にした2人の琉球・沖縄人の言説に注目したい。 その一人、故瀬長浩氏は復帰前の琉球政府副主席を務め、沖縄は日本に同化するべきだと強力に復帰を推進するが、同時に復帰を前に「沖縄差別」に苦悶(くもん)し、「もっと根本的な『沖縄人とは何か』『私たちが復帰しようとする日本とは何か』」を問い直すべきだと、強調したという(本紙5月15日)。 他方、1950年代の島ぐるみ土地闘争を非合法共産党員として指導した故国場幸太郎氏は、復帰の翌73年に出版した「沖縄の歩み」の中で、日本を「理想化し、権威あるものと考える」習性の結果が沖縄戦の悲劇であったと指摘する。さらに、同様な思考法にある「『反戦復帰』の闘争」が必ずしも「沖縄の前途に明るい希望を見出すのは容易ではない」と断じ、現在の辺野古新基地問題や安保法制の成立、沖縄への自衛隊の増強配備、繰り返される今回の痛ましい悲劇を予見した。 私たちは沖縄社会の不条理、植民地主義的枠組みを根本から変革するために、いま一度両氏の言説を検証し、あるべき琉球・沖縄の将来像を構想すべきではないだろうか。その際に、いま多くの県民が注目するのが2007年の「国連先住民族権利宣言」だ。“先住民族”の概念は決して“未開の民”を意味するものではなく、日本において言えば不条理を強いられるアイヌ民族や沖縄の私たちのことだ。その権利は、政治的立場(強力な自治権や連邦制、独立)を自由に選択する「自己決定権」や「土地や領域、資源」に対する権利、「軍事活動の禁止」をも含む、まさに私たちの未来を切り開く希望の国際法だ。(西原町、西原町議会議員、62歳)

独立論 背景探る/那覇 津田さんら意見交換/基地など差別的処遇省みられてない
2016.05.28 朝刊 29頁 三社 写有 (全629字) 
 各論客が沖縄の現状を多角的に議論する「琉球独立論は何を夢みるか-ゲンロンカフェ沖縄出張版2 政治の夜」(主催・Nimby developments)が27日、那覇市内であり、登壇者が沖縄独立論について意見交換した。 トークでは東浩紀(哲学者)、津田大介(ジャーナリスト)、熊本博之(明星大学准教授)、親川志奈子(琉球民族独立総合研究学会理事)の各氏が登壇。 進行役を兼ねた津田氏は「沖縄の人々の怒りが頂点に達し、基地問題など差別的な処遇が省みられていない状況がある」と沖縄独立論の背景を指摘。 親川氏は「独立国だった沖縄を元に戻したいと考えるのは普通の要求。ポジショナリティー(立ち位置)を考えると大部分の日本人は沖縄の基地負担を生み出す当事者であり、現在は沖縄基地の本土への引き取りも主張されている」と述べた。 熊本氏は「沖縄が平和で幸せになる選択としての琉球独立があるなら日本と沖縄との対話はスタートできると思う」と強調。 東氏は「日本語を使う空間で沖縄の歴史や文化は本土とまったく異なっている。その違いを強調することが沖縄の基地問題を気づかせるきっかけになるのではないか」と提起した。 ゲンロンカフェはさまざまな社会的、思想的テーマで継続して行われているトークイベント。沖縄では初開催で26日のアートをテーマにしたトークに続き、2夜連続で行われた。(写図説明)「ゲンロンカフェ沖縄出張版2」で琉球独立論について議論する登壇者=27日、那覇市・桜坂劇場

[わたしの主張あなたの意見]/子ども・女性 命と尊厳守れ/名嘉元新精=67歳
2016.05.25 朝刊 5頁 オピ (全426字) 
 沖縄県民として、今回の事件を受けて一番に考えていただきたいことがある。子どもたちの命・女性たちの命と尊厳を守ることを最優先に考えていくべきである。県民皆で守り抜くという覚悟が必要である。そのことに対しては、一歩も引き下がってはならない。 安心して、街を歩けないような社会は異常である。県民は特別なことを求めているのではない。せめて、本土と同等に安心した社会を求めているだけである。 県民皆で知恵を出し合い、子どもたち・女性たちの命と尊厳を守る方法を考え出す必要がある。いろいろな方法があると思う。(1)日米地位協定の改定(2)全基地の撤去(3)独立国になる-等々ある。 選択肢は他にもあると思う。政治的な駆け引きで方向性を決めるのではなくして、どうしたら子どもたち・女性たちの命と尊厳を守ることが出来るかという面から議論を深めることが大事である。足元を冷静に見つめることが大事である。現実を直視しつつ、日米両政府の動きを注視することである。(伊江村)

[論壇]/青山優太郎/琉球人は「先住民族か」/国連勧告撤回要求巡り討論
2016.05.19 朝刊 5頁 オピ 写有 (全1,088字) 
 「琉球民族先住民族論」はアイデンティティー形成や自己決定権獲得と同様に、時宜を得たテーマである。 先住民族といえばインディアン、アボリジニ、チャモロといった諸外国の人々が有名であり、想起しやすい。しかし、日本国内においても先住民族は存在する。2016年5月現在、アイヌ民族がそれに該当する。 アイヌ民族は、近代黎明(れいめい)期に日本政府により違式〓違(かいい)条例(1873年)という風俗改良令や、北海道旧土人保護法(99年)などに代表される植民政策を実施された。その過程で、彼らの土地・名前・慣習・言語などは日本式のものとなった。 無論、アイヌ民族は反発するが、日本政府は弾圧や懐柔をもって抑え続けた。これが改められるのは、約100年後の1997年にアイヌ民族初の国会議員である萱野茂らが主導し、いわゆる「アイヌ文化振興法」が成立した頃である。また、2007年には国連が日本政府に勧告し、翌年の08年6月6日に日本の衆参両院の全会一致をもって、アイヌ民族は日本国内における先住民族であると国内外で認識されることとなった。そして今年3月25日には、北海道大学が研究の名目で墓地から運び出したアイヌ民族の遺骨が、返還されることが決定している。このようにアイヌ民族は、国の内外を問わず先住民族とされ、その処遇は改善されつつある。 他方、アイヌ民族と同時期、同様の植民政策を受けた琉球国(現在の沖縄県)の人々はどうか。 琉球民族を先住民族と認識すべきだとの国連勧告は、08、10、14年の計3回あり、また、ユネスコは09年に琉球語を独自の言語と認定している。さらに、本紙上で昨年10月18日より宮里護佐丸氏を中心に行われた議論からも、国際的に琉球民族は先住民族と認識されているといえる。しかし日本国内では、アイヌ民族とは異なり、琉球民族は先住民族であるとされていない。昨年12月22日に豊見城市議会で先の国連勧告の撤回を求める意見書が可決されたこと、先月27日に木原誠二外務副大臣が国連勧告を撤回させる考えを示したこと、同日に宮崎政久衆院議員が先住民族論は「民族分断工作である」と発言したことなどは、それを示して余りある。 では、果たして琉球民族は先住民族なのか。この点に立脚し、琉球民族独立総合研究学会では「国連勧告撤回要求をどう見るか~先住民族論を考える~」との題目でシンポジウムを開催する。22日午後2時開始、沖縄国際大学新3号館2階3-202教室。民族を問わず、参加可能である。(宜野湾市、琉球民族独立総合研究学会会員、25歳)


[きょうナニある?]/話題/自立経済で基地問題解決/沖大で独立考える講演会
2016.05.12 朝刊 24頁 ガイド 写有 (全330字) 
 琉球独立実践ネットワークは8日、那覇市の沖縄大学で、沖縄の歴史や経済を理解し琉球独立を考える7回目の講演会を開いた。約40人が参加した。 米国や香港、シンガポールなどに石垣牛を出荷しているゆいまーる牧場(石垣市)の金城利憲代表が「琉球・沖縄の経済自立を考える」と題して講話。県内の農畜産業について「農家に資金がスムーズに流れていない。既存のキビ産業がつぶれるのを恐れて他の農産物を育てる取り組みが弱い」などと課題を提起し、「自立経済を語らないで基地問題の解決はあり得ない」と強調した。 また、沖縄大学の仲村芳信名誉教授による「琉球独立と経済・琉球史」の講演もあった。 (写図説明)経済自立について講話するゆいまーる牧場代表の金城利憲さん=8日、那覇市・沖縄大学


[記者のメモ]/琉球人墓保全 進展願う
2016.05.11 朝刊 2頁 総2 写有 (全229字) 
 ○…ゴールデンウイークに北京を訪問した照屋寛徳衆院議員(社民)。李源潮国家副主席との会談で、1879年の「琉球処分」前後に中国に渡り、北京で客死した琉球人の墓の保全に前向きな姿勢を引き出した。「琉球王国が独立国として中国や東アジアと交流した歴史をひもとく上で重要だ」と、今後の遺骨や遺品の調査・収集に期待する。今月中旬の県内の研究者や子孫らによる墓参や要請行動に「同行したかった」が、日程の都合で断念。保全に向けたさらなる“土産話”を心待ちにする。(東京)


[わたしの主張あなたの意見]/沖縄の独立に私も大賛成だ/渡口彦邦=77歳
2016.05.08 朝刊 5頁 オピ2 (全334字) 
 「日本人が米軍基地は沖縄に置いておけばよい、と考えているのが47・8%。もはや、沖縄、琉球は独立しかない」。砂川章氏(4月24日付本欄)に私も大賛成です。「うちなあーんちゅ、うせーてーないびらんどー!! 琉球独立宣言、元年」。今年の私の年賀状です。 また、昨年の年賀状には「琉球王国『守礼之邦』に尊厳の証しに、琉蘭、琉仏、琉米修好条約を一六〇年前に締結する。修好条約文書は現存し、その有効を立証し、復興の実現で琉球国独立を宣言しよう。二〇一五年元旦」と書いた。 スコットランドや、グアムに続き、一歩一歩実現へ琉球人のアイデンティティーを再現しよう。「米、日は世界ヘ恥を知れ、独立だ」10月の世界のウチナーンチュ大会にプラカードを掲げ人々を迎えたい。(那覇市、自営業)

国、先住民族「認識」に溝/「琉球王国」認めず/外務副大臣の国連勧告撤回発言
2016.04.29 朝刊 2頁 総2 (全681字) 
 27日の衆院内閣委員会で外務省の木原誠二副大臣が、国連勧告の撤回、修正を働き掛ける考えを示した。勧告は沖縄の人々を「先住民族」と認識し、日本政府に琉球、沖縄の文化保護などを求めた内容だ。日本政府が琉球、沖縄を「先住民族」と認めない背景をさかのぼると、独立国家だった「琉球王国」の存在を認めない、歴史認識の深い溝に行き着く。(政経部・大野享恭) 国連が規定する「先住民族」は、一般的にイメージする、いわゆる「部族」や「原住民」などとは大きく異なる。一方的に土地を奪われ、植民地支配や同化政策を受けた民族的集団を指す。国連が勧告などで「先住民族」という用語を使う場合は、権利を奪われた人々の権利回復ための枠組みという意味合いが強い。 国連は「先住民族」の定義に国際労働機関(ILO)の定義を引用する。 それは(1)独立国の一部の人々で社会、文化、経済的に区別された(2)征服、植民地化された住民の子孫で社会、経済、文化、政治を強制された(3)先住民の自己意識を持つ-だ。 国連は2008年の自由権規約委員会の最終見解で琉球、沖縄の人々を「先住民族として明確に認め(中略)彼らの土地の権利を認めるべきだ」と勧告した。 さらに01年以降、4回の勧告を出し、14年8月には人種差別撤廃委員会が沖縄の人々の権利保護を求める最終見解を示した。繰り返す勧告は、抑圧される沖縄の人々の人権を保障するとの観点だ。 だが日本政府は、先住民族は「アイヌの人々だけ」だとし、琉球、沖縄を先住民族だと認めていない。国会答弁などでも琉球王国が独立国だったことを明確に認めていないのが現状だ。

沖縄先住民 見直し探る/外務副大臣 国連認定に見解
2016.04.28 朝刊 1頁 総1 (全547字) 
 【東京】木原誠二外務副大臣は27日の衆院内閣委員会で、国連の人種差別撤廃委員会などが過去4度にわたって、沖縄の人々を「先住民」と認定していることに関し、「政府の立場と異なり、わが国の実情を正確に反映していない意見や勧告については事実上の撤回や修正を行うよう働きかけたい」との考えを示した。宮崎政久氏(自民)の質問に答えた。政府は2011年と14年に「先住民族と認識しているのはアイヌの人々以外に存在しない」とする公式見解を同委員会などに提出している。(2・26面に関連) 木原氏は、委員会で一度出された勧告や最終意見の内容を正式に撤回させる手続きはないとした上で、「一連のプロセスは1回で終わるものでなく、次のプロセスがきたときに、働きかけを行いたい。どういったことができるか真剣に前向きに検討したい」と述べた。 外務省の飯島俊郎参事官は「沖縄に住んでいる人々は長い歴史の中で、特色豊かな文化、伝統が受け継がれていると認識するが、政府として先住民族と認識しているのはアイヌの人々以外に存在しない」との従来の政府見解を説明した。 宮崎氏は「県民のほとんどは先住民族だと思っていないし、多くの国民と同じ立場だと思う。誠に失礼な話だ」として、政府に国連への抗議と勧告撤回に向けて取り組むよう求めた。

2016.04.28   朝刊   1頁   総1   (全547字) 
[識者評論]/星野英一琉球大教授/沖縄先住民「撤回」/国連、人権侵害と認識/政府 検証の跡見えず/(1面参照)

講和条約発効を考える(下)/桃原一彦さんに聞く/植民地主義の克服 必要/県外移設論が対話開く
2016.04.28 朝刊 18頁 文化 写有 (全2,337字) 
 -講和条約発行は沖縄にとってどんな意味を持つか。
 「先日、法事で親戚が集まった際、他愛のない雑談から70~80歳の高齢者が『日本は沖縄を切り捨てた』という話をし始めた。講和条約発効が『屈辱の日』ということが、時折感情に湧き起こってくる。自分たちが切り捨てられたという思いはいまだ根強く、沖縄戦との連続性で講和条約の経験が『2度も捨て石にされた』という思いになっている。沖縄の一般の人々の意識で、講和条約が傷痕として今でも残り、身近に感じられている意味は大きい。背景には辺野古の新基地建設やオスプレイ配備をはじめ、現在の沖縄の状況が、過去の記憶を呼び起こしている側面があるのではないか」 「沖縄が切り捨てられたという思いと同時に『ヤマトンチューは』という言い方がなされ『ウチナーンチュ/ヤマトンチュー』という枠組みが出てくる。それは第一義的には『ウチナーンチュ』のせいではなく、差別され、切り捨てられることで人種主義や民族主義的なものがむしろ作られた結果。軍事的な植民地主義さえなければ、民族主義的なものはこれほど大きくならなかったかもしれない」 「人種主義や民族主義的な問題意識だと感情論で『血の論理』に基づく先住民族の論理になってしまう。だが、沖縄の問題は血の論理だけでは説明できない。基地を押しつけられているという先住民族の自己決定権を求める政治的な立ち位置において表明される主体性や、政治的な迫害、抑圧のもとでの権利要求の基準が重要になる」 「基地問題が深刻な戦後沖縄では植民地主義という観点が必要になる。日本には植民地主義はないという議論もあるが、沖縄と日本の関係は、単純に人種主義や民族主義だけの問題ではなく、経済や政治構造、国民の社会意識の面でも、植民地主義の権力関係であり差別、搾取だ」
 -講和条約後、米軍占領下に置かれた沖縄の27年間をどう捉えるか。
 「戦後日本で特殊な状況に置かれた歴史経験を振り返るという意味では、植民地主義の視点で誰によって沖縄が切り捨てられ、問題が引き起こされたのかを明確にしなければいけない。だがその一方で、米軍占領下の経験を未来志向的に考えるならば、度重なる米軍の事件・事故、人権も保障されていない中で、自治、自立や独立、自己決定権まで含めて、さまざまな権利や思想を自分たちで獲得してきた経験は大きい。政治交渉で国際社会に訴える手法を身に付けており、今後もその経験を糧にすることができる」 「日本国民でありながら日本人と認められない経験は、占領時だけではなく、戦前戦後を通した沖縄のアイデンティティーの困難さでもある。むしろその立ち位置が、沖縄の人たちに国家や国民概念を相対化していく視点を与えるのではないかと思う」
 -沖縄にとって「主権」とはどんな意味を持つか。
 「主権は暴力的に作用する場合もあり、沖縄島中心主義になってしまう危険性がある。主権の問題を沖縄側から主張する場合、宮古や八重山など周辺の島々との関係があり、沖縄も一つではない。自己決定権の主張についても島々で違いはあるだろう。私は独立学会にも関わっており、独立論は一つの選択肢として重要になると思うが、単純に琉球・沖縄の独立ではなく、誰がどこから、どんな形で独立するのか、常に問いながら議論することが重要だ」 「その意味で、人種や民族的な論理ではなく政治的、権力的な関係において、構造的な問題として植民地主義の問題を考えなければいけない。植民地主義の大きな問題は、同化や精神の植民地化の問題。沖縄と日本との関係で、国民としての法制度の最低限の権利は要求するべきだが、同時に、沖縄側から日本にすり寄り、気がつけば常に犠牲になっているような状況を変えなければ、事大主義、同化主義になってしまう」 「精神の植民地主義を乗り越える上で、沖縄の米軍基地をヤマトが引き取るべきだとする県外移設論は、人種主義、民族主義を相対化するために主張されている側面がある。沖縄人が日本人に遠慮し、日米安保や基地負担についてはっきりとした意思表示や議論をしない状況では、まだ沖縄と日本とが対等な関係になっていない。県外移設論は対話を開き、同じ土俵に立つためのステップだと思う」 「植民地主義は被植民者だけで成立するのではない。支配を行使する側と対話し、その関係を乗り越える作業が必要。反戦平和の運動は重要だが、左派的な運動のスローガンだけでは植民地主義の問題が明確化されず、スローガンのもとに回収されて、現状が維持されてしまう可能性がある。ここは精神の植民地主義を考える上での重要なポイントであり、沖縄が被植民者としての立場を乗り越えるための課題であると同時に、日本人の主体をあらわにしていくためにも議論が必要な部分だと思う」
 -現在の沖縄で「4・28」について考える意味は。
 「植民地主義は沖縄だけの問題ではなく、台湾やグアムなど太平洋上、東アジアにも広がる課題であり、ポスト・コロニアル(植民地主義は終わらない)状況が続く場所が多くある。沖縄はそのような状況を考える上で、大変重要な位置にあり、日本という植民国家を相対化する視点を与える場所。そのことと同時に、国内的には県外移設論を含めた沖縄と日本との関係を組み直す主張も必要。4・28を巡っては、太平洋の島々や東アジア地域と連携しながら、日本との関係において、沖縄が被植民者の立場や精神の植民地主義を乗り越えるという二つのベクトルが重要になると思う」(聞き手=学芸部・与儀武秀)
 とうばる・かずひこ 1968年南風原町生まれ。沖縄国際大学准教授。主な著書に「沖縄、脱植民地への胎動」「植民者へ-ポストコロニアリズムという挑発」など。


沖縄差別 「連綿と」/「歴史見て」県民不満も
2016.04.28 朝刊 26頁 二社 (全886字) 
 沖縄の人々を「先住民族」とする国連人種差別撤廃委員会などの見解について「事実上の撤回や修正を行うよう働きかけたい」とした木原誠二外務副大臣の国会答弁。28日、沖縄は「屈辱の日」を迎えるが、「連綿と続く差別」を顧みないことへの不満や「極端な同化主義」との批判が上がる一方で「県民は日本人」と評価する声も聞かれた。(1面参照)
「先住民」撤回求める答弁
 国際機関で沖縄問題を取り上げてきた「琉球弧の先住民族会」の宮里護佐丸代表は「琉球国の時代や、その後日本に併合された歴史を振り返れば、国連が示す先住民族の定義にあてはまるのは誰が見ても明らかだ」と指摘する。 その上で「住民を本土と同等に扱っていたのなら、先住民だという人は一人もいない。差別が連綿と続いているから、自ら先住民と名乗って権利を主張している。きちんと歴史を見てほしい」と不満を訴えた。 ヘイトスピーチなどの問題を取材し、昨年9月には翁長雄志知事の国連演説も傍聴したジャーナリスト安田浩一さんも、沖縄の人々の人権が侵害されてきた歴史や、過重な基地負担をめぐって国と県が対立する現状を踏まえ「先住民と主張する意見はもっともだ」と理解を示す。 今回の政府の姿勢を「本土の意見に逆らうな、国益に反するようなことはするなという極端な同化主義だ」と批判し「沖縄の人は、復帰以降も変わらない過重な基地負担の軽減を訴えているにすぎず、政府は沖縄側の気持ちを無視している」と指摘。 さらに「政府は同じ日本人というのなら、沖縄の基地負担を本土も分かち合う方策を積極的に模索するべきではないのか。安全保障の名の下に不公平な立場に置かれ続けている沖縄の現状を、政府は理解していない」とした。 この問題をめぐって、豊見城市議会は昨年12月、国連勧告撤回を求める意見書を賛成多数で可決した。 提出者の新垣亜矢子市議は木原副大臣の発言について「県民は日本人であることが前提だ。意見書を後押ししてもらう答弁に感謝している」と評価。 その上で「少数意見が国連で通ったことは問題であり、勧告が間違っていることを県民に理解してもらいたい」と要望した。


屈辱の歴史 今なお/「4・28」3氏に聞く
2016.04.28 朝刊 27頁 社会 写有 (全1,698字) 
 「屈辱の日」から64年。1952年4月28日、日本本土が「主権回復」の喜びにわく中、沖縄・奄美は蚊帳の外に置かれた。米国の支配下で辛酸をなめ、沖縄は復帰から44年がたとうとしている今もなお、米軍基地問題などをめぐって権力に翻弄(ほんろう)されている。日本本土と異なる歩みを背負う沖縄・奄美から「4・28」をみつめた。(1面参照)
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沖縄の視点で学び直す時
琉球大学大学院博士後期課程 親川志奈子さん(35)
 「屈辱」と呼ぶ感覚を、復帰後に生まれた私たち世代の多くは共有し切れていない。戦後史は常に日本側の視点で語られ、私たちは沖縄の視点で歴史を学ぶ機会を奪われてきたから。 留学したハワイでは1970年代に運動「ハワイアンルネサンス」が始まった。ハワイ語は公用語となり、教育現場でも先住民族の視点で歴史や文化を学ぶことが大事だという価値観が広く共有された。沖縄が学ぶべき点は多いと感じた。 昨年12月、豊見城市議会は「国連各委員会の『沖縄県民は日本の先住民族』という認識を改め、勧告の撤回を求める意見書」を可決した。百年前の「人類館事件」で琉球人は日本人の差別対象になったが、沖縄側は日本と同化することで差別を受けないようにした。同市議会をみると、当時と同じような反応が今も起きている。 沖縄に起こった出来事を沖縄側の視点を学び直すことで、米軍基地をはじめ沖縄が現代まで抱える問題の経緯について理解を深めることにつながると思う。
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差別の構図 解消目指す
県ロック協会会長 宮永英一さん(64)

 4・28を迎えるにあたり「歴史の真実にふたをしてはいけない」と訴えたい。沖縄の諸問題は、どの立場で意見するかで全く異なる見解となる。日本人? 沖縄人? かつて独立国だった琉球民族としての立場まで掘り下げなければ、問題の本質に対する根本的な解決は得られない。 琉球は無理やり薩摩藩に併合され、沖縄戦では本土の盾となり多数の犠牲者が出た。本土復帰後も政府は基地を沖縄に押しつけてきた。だがそれを音楽で表現することもはばかれる状況があり、危機感を持つ。 「祖国はどこなんだ、琉球の誇りを取り戻そう」-。琉球が日本と米国に翻弄(ほんろう)される様を歌った「世変わい」。1994年、九州のFM局の仕事でこの私の曲を放送しようとしたが局側からストップがかかった。2000年の政府主催のイベントでも同曲の演奏を止められたが、かまわず演奏した。 音楽だけではなく、講演会など「言葉の力」も利用し、復帰以降も変わらない差別の構図を解消していく。
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誇り奪われ奄美も「痛恨」
辺野古土砂搬出反対全国連絡協議会 大津幸夫共同代表(83)

 沖縄と共に本土から切り離され、米軍施政下に置かれた奄美大島は1953年12月25日、沖縄よりも早く本土復帰した。私は復帰前まで琉球大学大島分校の学生。卒業まで残り3カ月だったが、復帰に合わせて分校も閉校した。渡された卒業証書は琉大ではなく「鹿児島県臨時教員養成所」という実在しない学校のもの。誇りを奪われ、人格を否定されたようで悲しかった。 米軍施政下の当時、若かった私は米国文化を謳歌(おうか)していた。その半面、日本国憲法に照らせば人権侵害にも当たる占領政策があったと知ったのは復帰後しばらくしてから。大島だけ復帰し沖縄を見捨てたようで黙っていられず、沖縄返還運動にのめり込んだ。 大島でも「4・28」は屈辱の日(痛恨の日)。政府が「主権回復」記念式典を開いた3年前は、抗議集会や新聞投書などに怒りの声が相次いだが、伊藤裕一郎鹿児島県知事は奄美の声に耳を貸さず、式典に出席した。私たちにとっては沖縄こそ兄弟島。歴史、未来も含めてつながっている。
(写図説明)4月28日を「沖縄の視点で歴史を学び直すきっかけになれば」と話す親川志奈子さん=27日、那覇市内
(写図説明)「復帰以降も沖縄の差別的構図は続く」と語る県ロック協会会長の宮永英一さん=27日、那覇市・ホテルエアウェイ沖縄
(写図説明)「辺野古新基地建設問題も、兄弟島の沖縄に連携して闘う」と話す辺野古土砂搬出反対全国連絡協議会の大津幸夫共同代表


[論壇]/宮城恵美子/沖縄支配 日米が連綿と/米軍 自衛隊が進める要塞化
2016.04.27 朝刊 5頁 オピ 写有 (全1,036字) 
 2006年12月の臨時国会で「琉球はいつから日本になったのか」という質問に、日本政府は明確な答弁ができなかった。1850年代に琉球王国は米国、フランス、オランダと修好条約を結び、国際法上の主体(国家)であったことが世界的に認められている。 1879年の琉球処分をもって日本に帰属したという学説もある。熊本の軍隊と東京の警察官によって武力を背景に日本国に併合した事実は、国際法をしても違法行為であり、米国によるハワイの併合や後の日本による朝鮮の併合とともに、当時としても許されざる侵略である。ハワイ併合より100年後の1993年に、米国議会とクリントン大統領はハワイの先住民に不法な併合を謝罪した。 琉球を併合した日本は、皇民化教育を徹底し、琉球諸言語の否定と琉球文化を遅れたものとして日本化を押し付け、結果として琉球は鉄の暴風といわれる地獄絵図を体験させられるのである。戦時において琉球諸語を話すものはスパイとして虐殺され、住民は砲弾が雨あられと降り注ぐ中を壕から追い出され、一説によれば数千人が日本軍の行為により死亡したとされる(安仁屋政昭「意見書 沖縄戦における住民の被害」)。 日本が敗戦を受け入れたポツダム宣言において、戦争放棄とともに日本の主権の範囲を決めている。北海道、本州、九州、四国とその周辺の小島に主権が限定され、侵略によって得た領土は放棄させられた。本来ならば終戦の時点で独立国として自決権を獲得でき、国家として復活できたはずであるが、東西冷戦の中で米国は血で獲得した軍事基地を「いつまでも自由に使用」する方策を考えた。国連への信託統治の案を提出するまで軍事支配を継続できるとしたのである。 戦後の植民地解放運動の高揚の中、いつまでも米軍の軍事植民地として継続する装いとして「天皇メッセージ」による「潜在主権」という欺瞞(ぎまん)をつくり出した。侵略国が元植民地に対して潜在主権という権利が存在する、という植民地主義を肯定する論理は世界のどこにも通用しない。 68年の主席公選9日後に嘉手納基地を離陸したB52が墜落炎上し、世論は69年2月、嘉手納基地を機能まひに追い込むゼネスト決行への主張を強めた。日米政府は反米闘争が嘉手納基地撤去運動に発展しないように「本土復帰」を容認し、米軍基地の維持を図った。 現在も辺野古への米軍新基地建設とともに、自衛隊の増強が島々でも進み、琉球はさながら軍事要塞(ようさい)化している。(那覇市、市議会議員、67歳)

「日本、琉球を先住民と認めず」/米国務省が報告書
2016.04.26 朝刊 2頁 総2 (全566字) 
 【平安名純代・米国特約記者】米国務省は25日、世界各国・地域の人権状況を分析した2015年版の報告書を公表した。日本国内の先住民に関する項目で沖縄について、「日本政府は、琉球(沖縄と鹿児島県の一部を含む)を先住民族と認めていないものの、独自の文化や歴史は認識し、伝統を尊重し、保存に努めている」と記述している。 報告書は日本で改善されない問題点として、家庭内暴力や性的嫌がらせ、職場における女性差別、外国人や児童への買春、性同一性障害や同性愛などの性的少数者(LGBT)や先住民、身体障がい者ら少数派に対する社会的偏見などを挙げている。 学問の自由と文化的行事における市民的自由権の尊重の項では「文部科学省の歴史の教科書の承認方法、特に20世紀の植民地における軍の歴史は論争の的となっている」と指摘。国歌斉唱を拒否した公立学校教師らが処罰を受けたなどと記している。 在日韓国人や朝鮮人らに対するヘイトスピーチなどについても言及。国連人権委員会が差別発言を取り締まる法体制が整備されていない点を懸念しているなどと記している。 昨年12月の従軍慰安婦問題に関する日韓合意も明記した。 ケリー国務長官は13日の記者会見で「最も広く大規模な人権侵害は、中東で行われている。シリア、イラク、どこであろうと人権侵害の責任を追及する」と語った。

[わたしの主張あなたの意見]/国内世論調査 結果読み落胆/砂川章=61歳
2016.04.24 朝刊 5頁 オピ2 (全385字) 
 2月1日付本紙1面の共同通信世論調査「辺野古支持する47・8%、支持しない43・0%」を読み、やはりと落胆し、もはやと考えた。 もはや、沖縄、琉球は独立しかない。47・8%の日本人が米軍基地は沖縄に置いておけばよい、と考えているのだ。そこから生じる事件、事故、母や姉、妹、恋人への暴行(それは殺人と同義だ)も、沖縄人に負わせておけばよい、ということだろうか? 日米は、非民主、非人権国家です。人類共通の価値観などと声高に叫びながら、平気で世界ヘ、自国民へうそをつき、恥を知らない。 貧しくとも、恥を知りうそをつかない、他国民との共生を憲法の根幹に据えた、真の民主人権国家を目指そう。さあ、独立しようよ、子々孫々に誇れる琉球国を立ち上げよう。13日付本紙29面では「嫌なら日本から出て行け」と怒鳴られています。さあ、出て行こうよ、日本から喜び勇んで。(宮古島市、事務職)

[わたしの主張あなたの意見]/「沖縄人」とは地球儀に思う/当真洋子=62歳
2016.04.22 朝刊 5頁 オピ (全389字) 
 このごろ、地球儀や地図を見ながら、太平洋の島々を眺めている。星の数ほどの多くの島々がある。ニューギニア島は世界第2の大きな島(ちなみに一番はグリーンランド)。その島だけで千を超える言語があるそうだ。 沖縄の人は日本語を話しているけれど、もともとの言葉は、本土のものとはかなり違う。沖縄は海洋民族だった。中国の影響も大きく受けている。また「ニーブイ、カーブイ」など、学術的には私には分からないけれど、ハワイなどのポリネシア系の言葉にも近いと思う。 沖縄を太平洋の一つの島として見たときに沖縄は本当に日本人なのだろうか? という疑問がふと頭に浮かんだ。もしかしたら、日本が日本人だと言って政治的に利用しているだけではないのか。日本や米国に利用されずに、もっと平和に生きられないのだろうか。独立国になるという手もあるのでは。世界には、沖縄より小さい独立国があるのだ。(沖縄市、主婦)

人権侵害に基づく辺野古問題 国際法で考える(上)/島袋純(下)/大浦湾利用権有する/沖縄の人々「先住民族」/国際基準欠く埋め立て承認
2016.04.21   朝刊   19頁   文化

人権侵害に基づく辺野古問題 国際法で考える(上)/島袋純/沖縄の人々「先住民」/国際機関では共通認識
2016.04.20   朝刊   16頁   文化

[論壇]/平良亀之助/復帰してよかったのか/沖縄差別の典型例が辺野古
2016.04.08 朝刊 5頁 オピ 写有 (全964字) 
 「復帰してよかったのかな」-。これは、私が辺野古問題について話をするとき、結論の部分で行き詰まり、思わず吐いてしまうため息である。 昨年7月、島根大学九条の会に招かれて、「沖縄の戦前・戦後・今を語る-本土へのメッセージ」という題で講話をしたが、成り行きから辺野古問題に関する話に、多くの時間が割かれた。 もう一つはことし3月4日、全国自治体退職者会九州地連の学習会(宮崎市)で「辺野古基地建設と地方自治の関係について」講師を務めた。二つの会場とも、今の日本政府の方向性に対して疑問を持ち、反対の立場の団体であり、私は思いの丈、沖縄の歴史的背景から今の状況について話すことができた。 当然にして、沖縄における琉球の歴史は、1609年の薩摩の琉球への侵攻を起点に、1879(明治12)年の琉球処分によって「沖縄県」を強制され、その後、いちずに日本の富国強兵の国策に尽くした。その結果は国内で唯一の地上戦場となり、地球上の全ての地獄を集めたとまでいわれるほどの犠牲者を出し、この上ない惨状をもたらした。 こういった状況を、事実に基づいて話しながら、聴いてくれている人たちの表情をうかがうと、私の話に反発する様子ではなく、もっと本当のことを知りたいという表情だと感じとられて、本土ではあまり知られていないであろう実例を、熱い思いを込めて話した。 話の流れは、必然的に日本政府を頂点に、本土総体として沖縄に対しては構造的差別を基底として対応してきた事実に触れざるを得ない。 その具体的、典型的例が沖縄における米国基地の問題である。言うまでもないが、日本の国土の0・6%の地に、在日米軍専用基地の74%を押し付けていて、「日米同盟は大事であり、日米安保条約によって日本の平和は保たれている」というのが、各メディアの世論調査で多数を占めている。しかし、その多数は日本の安保や同盟が、日本のどこで支えられているのか、ということは思考の外である。 そのようなことを、訴えるように話しながら、私は「辺野古問題」に触れて話を結ぶのだが、あの復帰運動に身を注いだ者として、つい冒頭の「復帰してよかったのかな」と、ため息をついてしまう。そこ(辺野古)が日本の「沖縄県」でなければ、起こり得ない事だと思うが故に。(那覇市、小禄九条の会代表世話人、79歳)

[わたしの主張あなたの意見]/現実味がある「琉球独立論」/松下智治=68歳
2016.03.24 朝刊 5頁 オピ (全409字) 
 15日付に掲載された沖縄国際大学生の沖縄独立を問うアンケートで、賛成が38%もいた結果に驚かなかった。 条件付きであったということもあるが、昨年の7月、近くの大学で「琉球独立論」をテーマに行われた講演会で講師の龍谷大学の松島泰勝氏は沖縄県が払っている国税、企業が沖縄での経済活動で得て本土に還流している税金、米軍基地を撤去し、跡地利用を進めて税金を増やすという話を聞き、経済自立が夢でないので、沖縄の独立もあり得ると思うようになったからだ。 同じ15日付の論壇で比嘉康文氏が琉球独立に関する投書が相次いだことを取り上げ、論議の底流には「沖縄のことは沖縄が決める」という考え方があると書いている。 1年半前のスコットランドの住民投票は予想に反して大接戦。要因は中央政府への不信感や不満があったからで、同じ轍(てつ)を踏まないためにも政府は沖縄の声を聞き、まずは辺野古への基地移設は白紙に戻すべきである。(愛知県豊川市)

[茶のみ話]/仲本安一(80)/沖縄的雑談
2016.03.20 朝刊 5頁 オピ2 (全615字) 
 沖縄はその昔「琉球」と称し、小さいながらも平和な独立国であった。そして、「唐」をはじめ近隣諸国との友好関係による貿易を展開して万国津梁の守礼之邦と称された。ところが、薩摩の収奪と侵入により「大和」に強権的に併合された。いわゆる「琉球処分」によって「沖縄県」になった。それ以来、日本、米国の統治下で苦難に耐えながらも今日に至っている。 以上は沖縄の概略史であるが、今日のウチナーは、そのような歴史的体験からにじみ出た「テーゲー主義」(大概)、「ユッタリズム」(ゆとり)的な生活環境が生まれ、「アンナイカンナイ」(紆余(うよ)曲折)しながらも「ナンクルナイサ」(おのずから成る)の精神で生き延びてきたのではないだろうか。従って、沖縄は小さな島嶼(とうしょ)県ではあるが、見掛けによらず大したもので、「グナーガマギー」(小にして大なり)の「小さな巨人」になり得る要素を内在しているのではないか。 世界には人口、面積両面で沖縄より小さな国も存在する。沖縄も地理的特性を生かせば、いくらでも発展の可能性があるはずだ。またシンガポール、台湾、済州島等々モデルケースも間近にある。ちなみに、日本の領土は北海道から与那国まで約2800キロで、奄美から与那国までの距離は約865キロといわれる。だとすれば、日本領海の約3分の1は沖縄あるが故のものだ。領土面積は国の0・6%といえども卑屈になることはない。沖縄は「グナーガマギー」なのだ。(那覇市)

[論壇]/比嘉康文/独立めぐる論議 相次ぐ/人々を追い込んだものは何か
2016.03.15 朝刊 5頁 オピ 写有 (全1,023字) 
 最近、時代の鼓動を感じさせる投書が本紙に相次ぎ、小生は注目している。 1月22日に城間康裕氏(72)が「那覇市のひめゆり橋にさしかかった際に『琉球独立』ののぼりを手にして演説している男性を見て、大型バスが一時ストップし、民進党か国民党か分からないが、台湾の観光客たちが一斉にカメラを向けた」と述べている。その主は屋良朝助氏で、高校時代から64歳の今日まで一貫して沖縄の独立を訴えている琉球独立党の2代目党首だ。 1月31日には赤嶺治彦氏(74)が論壇で「基地撤去 独立で可能に」の見出しで、「沖縄の地理的優位性を生かした物流の拠点として、平和の発信地として十分にやっていけるものと考えます」と、独立の可能性を示唆。2月9日には国吉真蔵氏(61)が「沖縄人よ、いや琉球人よ。こんな日本国にこれ以上くっついている意味はあるのか、一度真剣に独立を考えてみる必要があると思いませんか」と書き、今も沖縄を「本土防衛のための最前線の盾に」することしか考えていない日本からの離脱を勧めている。 屋良氏は13日の論壇で「民族の自決権 尊重して」と、台湾と琉球のそれぞれの独立に言及し、一国二制度などについて述べている。そして民族を主体とした独立が世界の流れだ、と指摘。20日の紙面で親泊善雄氏(63)は屋良氏の論壇を批判し、未来のために「平和な琉球国を取り戻す」ことを提起。24日は新里均氏(61)が「現実性がない沖縄独立」と経済的不安を訴えている。 小生は独立論議を歓迎するが、その底流には「自分たちは琉球人だ」「沖縄のことは沖縄人が決める」という考えがある。 それは台湾が民進党の蔡英文総統を誕生させた「天然独」と似ている。天然独とは「生まれながらの台湾独立」の意味で、若者を中心に「中国人でなく台湾人」「台湾のことは台湾人が決める」という思考と似ている。国民党政権が台湾独立の思想に厳罰でのぞみ、1980年代後半までは「監獄島」と呼ばれていた(2月9日『東京新聞』)。それだけに大きな変化だ。 また一国二制度の香港では、学生たちが長官選挙で中国の指名選挙移行に反発して「雨傘革命」と呼ばれる抗議行動を展開した。それも「香港の自治権」「香港人の香港」という考えが強いという。 こうした流れをみると、人々は当たり前のように「民族の自己決定権の確立」「独立」の意思が強いことが分かる。そこに追い込んだものは何だろうか。それを考えたいものだ。(宜野湾市、74歳)

沖縄独立 学生38%賛成/沖国大 政治・経済条件付きで
2016.03.15 朝刊 29頁 三社 図有 (全624字) 
 沖縄国際大学の友知政樹教授が実施した現役大学生への意識調査で、政治、経済、安全(保障)体制が成り立つならば、沖縄独立に賛成と答えた学生の割合が38%を占めることが明らかになった。「沖縄が独立することを考えたことがありますか」との質問には30%が「ある」と答えた。13日にあった琉球独立学会の会合で報告された。 同調査は13、14年に続き3度目(結果の公表は13年に続き2度目)。2015年12月の1カ月間、同大学生を対象にアンケート用紙を配布し回収。計314人の結果をまとめた。 調査結果では「あなたは沖縄が独立することを考えたことがありますか」との質問に30%(94人)が「ある」、70%(220人)が「ない」と回答。「沖縄独立について」は「賛成」が8%(24人)、「反対」が42%(131人)、「わからない」が最も多く51%(159人)だった。 一方「沖縄の政治、経済、安全(保障)体制が成り立つならば、あなたは沖縄独立についてどう思いますか」との「条件付き独立論」は「賛成」が最も多く38%(118人)。「反対」は28%(89人)、「わからない」は34%(107人)だった。 友知教授は「条件付き独立賛成・反対の質問調査は私が知る限り初めて。クロス集計では独立反対の131人中、39人(23%)が政治、経済、安全(保障)体制の条件がクリアされれば賛成に回るため、無条件に反対ではない」と分析している。(写図説明)沖縄独立についてのアンケート

「先住民」意見書 抗議/独立学会、豊見城市議会に
2016.03.15 朝刊 29頁 三社 (全571字) 
 琉球民族独立総合研究学会の総会が13日に沖縄国際大学であり、豊見城市議会が可決した「国連各委員会の『沖縄県民は日本の先住民族』という認識を改め、勧告の撤回を求める意見書」への抗議・要求が全会一致で承認された。意見書が事実誤認や問題のある文言を含むとして、同学会への謝罪と意見書の取り消しなどを求める内容。 決議文では、沖縄の過重な基地負担や辺野古新基地建設の強行を例に挙げ、豊見城市議会の意見書で記された「他府県の国民と全く同じく日本人としての平和と幸福を享受し続けている」とはいえないと指摘。 「先住民の権利を主張すると、全国から沖縄県民は日本人ではないマイノリティーとみなされる」との文言については、先住民族の権利主張で「国際法によりその集団的権利が保障され、国際的な支援を得ることで、現在の植民地体制から脱却し、辺野古新基地建設計画を止めることも可能」と説明している。 また「沖縄戦において祖国日本・郷土沖縄を命がけで日本人として守り抜いた先人の思いを決して忘れてはならない」との記述には、日本軍の住民虐殺や強制集団死を挙げ「沖縄戦に対する認識は、多くの『沖縄県民』が共有しているそれとは大きく乖離(かいり)しており、同市における今後の平和のあり方に懸念を持たざるを得ない」としている。 同日は学会の国連NGO申請の方針も確認された。

[沖縄を語る 次代への伝言](32)/脚本家 上原正三さん/疎開船で死を覚悟 琉球人の誇り胸に60年/沖縄発ヒーロー企画 金城哲夫の思い継ぐ
2016.03.13 朝刊 2頁 総2 (全4,335字) 
 -那覇市久米で生まれ育った。
 「父は警察官で、僕は5人きょうだいの3番目。久茂地川が今よりも広くてきれいで、よくガサミを捕って遊んだ」
 -戦争体験は。       
 「1944年9月、父を残して家族6人で台湾に疎開した。1カ月後、一度沖縄に戻ろうと、10月10日に那覇へ着く予定の船に乗った。途中、急に台風が来て西表に避難している間、那覇が大空襲で壊滅した。僕らの船は行き場を失い、約2週間、海を漂流した」
 -死を覚悟したか。
 「寝る時は家族6人、手首をひもで縛った。母は『離れ離れにならないように』としか言わないけど、7歳の僕でも死を覚悟した。希望のない顔をした大人ばかりだからね。でも奇跡的に鹿児島に着き、熊本の寺で終戦まで疎開した」
 「2週間の漂流中、ケチャップだけをなめていた。だから、79歳の今もケチャップが食べられない」
 -46年、米軍占領下の沖縄に帰郷する。
 「石川市で過ごした後、百名小の3年生になった。警官の子なのに米軍基地に潜り込み、戦果アギヤーを繰り返していたよ」
 -映画との出合いは。
 「那覇高時代、朝から晩まで映画を見ていた。ヌギバイ(ただ見)でね。『シェーン』に感動し、高校生なのに早撃ちごっこするディキランヌー(劣等生)は観客では飽き足らなくなり、自分で作りたくなった。同級生に『ヤマトゥグチも分からんのに、シナリオ書けるのか』とからかわれたけど卒業後、意気揚々と東京に向かった」
 -55年当時、本土での沖縄差別は露骨だった。
 「高1の時、東京で暮らす親戚が『九州出身』にしていると知った。しかも本籍まで東京に移してさ。これは突き詰める必要があると。『俺は琉球人だ』との気概で東京に乗り込むと、親戚は歓迎してくれない。キャンディーやチョコ、紅茶など、基地でしか手に入らない土産を嫌がったな。その後、僕も部屋を貸してもらえない。これが『琉球人お断り』かと知った」
 -それでも、ひるまなかった。
 「『ウチナーンチュを標榜(ひょうぼう)して、ヤマトゥで生きる』が僕のテーマ。沖縄を差別するヤマトゥンチュとはどんな人種なのか、俺の目で見てやる。そんな青臭い正義感を抱いて、60年がたつ」
 -東京で浪人後、中央大学に入った。
 「でも授業には出ず、映研か映画館通いの毎日。アマチュア時代、沖縄戦や基地以外のテーマで脚本を書いたことはない。俺が伝えなきゃ誰がやるってね」
 -1歳下の故金城哲夫さんとの出会いは。
 「卒業後、東京で同人誌用の脚本を書いていたが肺結核になり、25歳で帰沖した。療養中、母の友だちに『あなたみたいな映画好きがいる』と教えられ、会いに行ったらそれが金城。ちょうど映画『吉屋チルー物語』を編集していた」
 -どんな印象だったか。
 「俺が沖縄の現実を映画で告発しようと考えている時、金城が作ったのは遊女の悲恋物語。俺が琉球人として生きる決意をした時、あいつは玉川学園で『金星人と握手する会』をつくって活動していた。発想のスケールが大きすぎるんだよ」
 -その後、金城さんは特撮の円谷プロに入る。
 「63年、金城の誘いで東京に行き、特撮の神様・円谷英二さんや長男の一さんに会わせてくれた。一さんは『プロの脚本家になりたいなら、まずは賞を取れ』とアドバイスをくれた」
 「それで沖縄に戻り、沖縄戦をテーマに『収骨』を書いた。国の64年度芸術祭のテレビ脚本部門で佳作入選したんだ。鼻高々で円谷プロを訪ねたよ。ちょうど特撮テレビドラマ『ウルトラQ』の制作中だった」
 -当時、TBSのエース監督だった円谷一氏は「収骨」をどう評価したのか。
 「受賞は喜んでくれたけど『沖縄はタブーだ。政治なんだよ。テレビでは絶対にできないぞ』って…。TBSのドラマは他局より秀でていたが、反戦の名作『私は貝になりたい』などは右翼から攻撃されてね。テレビ局は、政治的なテーマにピリピリしていた。代わりに、一さんは僕に『ウルトラQ』を書けと勧めた」
 「で、書いたのがヘドロの怪獣が石油タンクを吸って巨大化する話で、一さんのオーケーは出た。沖縄は無理でも、公害を告発できると喜んだよ。でも石油会社にロケを断られてね。急きょ『宇宙指令M774』という話を書き、試写室のスクリーンいっぱいに映像が流れたら感激した。これがプロデビュー作」
 -金城さんの誘いで円谷プロの社員になる。
 「金城が企画文芸室長で僕が副室長。金城の書く作品は本当に素晴らしかったよ。特に、メーンライターを務めた『ウルトラQ』『ウルトラマン』、そして『ウルトラセブン』の最終回は彼の真骨頂だ」
 -しかし、怪獣ブームは去ってしまう。
 「赤字を累積させた円谷プロは金城を降格させ、切った。彼は絶望し69年、妻裕子さんと3人の子を連れて沖縄に帰ってしまった。会社は僕に残れと言ったが『金城のいない円谷に魅力はない』と言って辞め、フリーになった。結婚直前だったけど、もし思いとどまっていたら今の僕はない」
 -「帰ってきたウルトラマン」では、メーンライターを務めた。
 「70年1月、円谷英二さんが亡くなった。一さんがTBSを辞めて円谷の社長になり、『新しいウルトラマンで、おやじの弔いをやる』と。すでに金城は沖縄に帰っていたから、フリーの僕にお鉢が回ってきた」
 -金城さんのウルトラマンとは。
 「無風快晴。一点の曇りもない。彼のウルトラマンは伸びやかさがみなぎるんだ。物事をまっすぐに見つめ、マイノリティーの視点を持ちながらも抑制を効かせ、ファンタジーに収めていた。50年前の作品なのに、今も魅力が全然失われない。どのヒーローも、いまだに初代ウルトラマンを超えられない」
 -それでは、上原さんのウルトラマンは。
 「金城のコピーでは、やる意味がない。仰ぎ見る主人公ではなく、町工場で働く兄ちゃんが困難にぶつかって成長していく物語にした。近未来ではなく、公害が深刻だった70年代の東京を舞台に、リアリティーの追求に腐心した。例えば怪獣がビルを壊すと、僕は人々ががれきの下敷きになる場面を作る。これは金城にはない発想。でも僕はやる」
 -「帰ってきた-」の第11話「毒ガス怪獣出現」は、金城さんの脚本だ。
  「金城が東京に出てきた時、一さんが書かせた。当時、大問題になっていた知花弾薬庫での毒ガス貯蔵をテーマにしたけど、あまりにもストレートな告発で、金城の真骨頂である伸びやかさがない。自分を曲げて書いたのだろう。結局、それが金城のウルトラシリーズ最後の脚本になった。つらかっただろうな」
 -放送時の71年、沖縄は「日本復帰」直前だった。
 「ある日、現場で『復帰おめでとう』と言われた。何がめでたいんだ。沖縄があれだけ求めた基地の撤去要求は無視されてさ。『復帰』は、米国の一元支配から日米のダブル支配になるだけだと考えていた」
 「このままだと、沖縄は翻弄(ほんろう)され続ける。一さんの『沖縄はタブーだ』がずっと胸に引っかかっていて、いつか差別、マイノリティーを真正面から問おうと考えていた。番組も3クール目に入り、安定期に入っていた。やるなら今だと…」
 -それで、第33話「怪獣使いと少年」ができた。
 「登場人物の少年は北海道江差出身のアイヌで、メイツ星人が化けた地球人は在日コリアンに多い姓『金山』を名乗らせた。1923年の関東大震災で、『朝鮮人が井戸に毒を投げ込んだ』『暴動を起こした』などのデマが瞬く間に広がった。市井の善人がうのみにし、軍や警察と一緒になって多くの朝鮮人を虐殺したんだ。『発音がおかしい』『言葉遣いが変』との理由で殺された人もいる。琉球人の俺も、いたらやられていた。人ごとではない」
 -今見ても生々しく、よく放送できたなと思う。
 「試写会で、TBSが『放送できない』と騒いだ。橋本洋二プロデューサーが『上原の思いが込められた作品だから放送させてくれ。罰として、上原と撮影監督を番組から追放する』と説き伏せて放送させた。メーンライターを辞めさせられたけど、橋本さんには感謝しかない。最終回はお情けで書かせてもらった」
 -放送から45年がたつ。
 「ヘイトスピーチなど、日本は45年前よりひどい状況だ。付和雷同した群衆ほど恐ろしいものはない。だから、自分の目で物事を見てどう生きるかを考え、自分の足で立つ子に育ってほしいと願い、子ども番組を作り続けてきた」
 -沖縄と日本の関係について、どう考えるか。
 「独立も含めて一度関係をリセットし、どうするかを真剣に考える時期が来ている。薩摩侵攻で、琉球王国を占拠した400年前の強引さが今も続く。民意を顧みず、基地を押し付ける政府の態度は沖縄を植民地としてしか見ていない証拠だ。これが差別なんだ」
 「薩摩への忠誠を拒否し続け、処刑された謝名親方が僕の先祖。18歳の時、琉球人の誇りを持って東京に来てから60年、僕の心の中にはいつも謝名がいる」
 -残りの人生で、手掛けたい仕事は。
 「金城が沖縄に戻る時、『一緒に帰ろう。企画会社を立ち上げ、沖縄発の作品を作ろう』と僕を誘った。僕はまだペーペーで断ってしまい、彼は37歳で亡くなった。金城がやろうとしたことを今、仕掛けようとしている。しまくとぅばを話すキャラクター番組を、世界中に配信できる沖縄発のヒーローを企画中だ」
 「沖縄の子が番組を楽しみながら、ウチナーグチの勉強ができればいい。それが僕にとっての琉球独立。400年前に奪われたアイデンティティーや言葉を50年、100年単位で取り戻していかないと。その種まきをして、タンメーは死にたい」
 -金城さんとの約束を果たすということか。
 「それでは話が美しすぎる。このキャラクターで、金城の初代ウルトラマンを絶対に超えてみせる。今は日本もハリウッドも後ろ向きでコピーばかり。作家の気概がなさすぎるんだ」(聞き手=運動部・磯野直)(1面参照)
 うえはら・しょうぞう 1937年2月6日、那覇市久米生まれ。中央大学卒。64年、「収骨」が芸術祭テレビ脚本部門で佳作入選。66年、「ウルトラQ」でプロデビュー。円谷プロを経て69年にフリーとなり、「帰ってきたウルトラマン」「がんばれ!!ロボコン」「秘密戦隊ゴレンジャー」「宇宙刑事ギャバン」など多くの子ども番組でメーンライターを務める。著書に「金城哲夫 ウルトラマン島唄」「上原正三シナリオ選集」。
(写図説明)上原正三さんの脚本「収骨」が芸術祭で佳作入選したことを伝える紙面(1964年10月9日付沖縄タイムス朝刊)
(写図説明)「快獣ブースカ」を撮影中の上原正三さん(左)と故金城哲夫さん(右)=1967年ごろ(上原さん提供)


沖縄とグアム「歴史共通」/琉球独立学会 宜野湾シンポ 自己決定権訴え
2016.03.13 朝刊 31頁 社会 (全610字) 
 琉球民族独立総合研究学会の国際オープン・シンポジウム「先住民の自己決定権とは何か」が12日、宜野湾市の沖縄国際大学であり、グアムの研究者らが沖縄とグアムの歴史や政治の共通点、自己決定権の主張などについて意見交換した。 このうち、パネリストでグアム政府脱植民地化委員会のエドワード・アルバレス事務局長は「沖縄とグアムは、共に日本と米国によって植民地化され、島にもたらされる苦難に耐えてきた歴史がある」と説明。 沖縄人は先住民族ではないとの意見に触れ「沖縄人とは生き方である、とシンプルに明言すればいい。自分の生き方を守るため言語、習慣、伝統、土地などの基本的文化要素を守ることが重要だ」と強調した。 グアム大学教養社会科学部のマイケル・ベバクア准教授は、自分の言語を忘れると家も故郷も忘れるとの言葉を引用し「言語は私たちの過去や歴史、文化と未来を結びつけるもの」と指摘。占領された人々の共通課題として、取り戻すべき姿を見失い自らを少数者に位置づけてしまうとしながら「忘れた記憶の創出は困難だが脱植民地の第一歩はマイノリティーであることへの抵抗だ」と話した。 また龍谷大学の松島泰勝教授は、豊見城市議会が可決した国連各委員会の「沖縄県民は日本の先住民族」という認識を改め、勧告の撤回を求める意見書に抗議。「先住民族の権利を主張することで国際法による集団的権利が保障され、辺野古新基地建設を止めることも可能になる」と話した。

[論壇]/与那嶺義雄/沖縄人の誇りを持って/差別的扱い打破する力に
2016.03.09 朝刊 5頁 オピ 写有 (全970字) 
 昨年12月に豊見城市議会は、国連などにおける「沖縄県民は先住民族」とする見解に対し、その撤回を求める決議をした。そこには、「先住民族」論を否定したいがために、県民が「立派な日本人だ」とする過度な論調がみられる。この「決議」が、いったいどのような琉球・沖縄への歴史認識と自己認識(アイデンティティー)に基づくものか、また現下の辺野古新基地建設をめぐる日米両国の植民地的蛮行に曝(さら)される県民にとって、単に一議会の問題では済まされない。 まず、国連で規定する「先住民族」の原語が自己決定権を有する「人民」の意で使用されていることからすれば、かつて独立国であった琉球が日本の武力併合の結果として「先住民族」の立場に置かれているとする歴史的事実を指摘したまでのこと。むしろ国連で県民が、琉球・沖縄人が自己決定権を行使しうる「先住民族」=「人民」と認知されるなら、この権利を行使することによって日米の植民地支配を終わらせる手段とすべきだ。 次に琉球と日本の関係、歴史認識の問題だ。琉球国の武力併合とその後の植民地主義と同化政策、その結果としての悲惨な沖縄戦、戦後の日本の独立と引き換えの米国への売り渡し・米軍支配下での幾多の困難。そして、現在まで続く過重な米軍基地負担と辺野古新基地建設にみられる沖縄への差別的・植民地主義的な日本政府の姿勢。いま大きな社会問題である「沖縄の貧困」も、このような歴史の積み重ねの結果だ。はたして、私たちは議会決議にある祖国復帰後も「他府県の国民と全く同じ日本人としての平和と幸福を享受し続けている」と、いえるのだろうか。 さらに、決議は「先住民の権利を主張すると、全国から沖縄県民は日本人ではないマイノリティーとみなされることになり、逆に差別を呼びこむ」とするが、これは戦前期のヤマト本土における「朝鮮人、琉球人お断り」の時代にウチナーンチュが自らの出自を隠して生きた世界だ。沖縄が戦場になり、県民をスパイ視した沖縄戦を「命がけで日本人として守り抜いた先人の思いを決して忘れてはならない」とするが、これらの意識に私は現在まで続く植民地主義・同化政策の片りんをみる思いだ。 琉球・沖縄人としての自己認識の確立、誇りと尊厳こそ歴史の負の連鎖を断ち切り、未来を切り開く力になるのではないか。(西原町、西原町議、61歳)

[わたしの主張あなたの意見]/沖縄の独立論 市民で議論を/知念徳彦=66歳
2016.03.01 朝刊 5頁 オピ (全386字) 
 24日付本欄で新里均氏(61)の意見を読んだ。「沖縄独立論」は現実性に乏しく、提唱者は大学教授が多いとのこと。確かにその通りであろう。 私は、「沖縄独立論」を真剣に考えている。最大の理由は、かつて琉球王国約450年の独立国家として発展の史実があるからだ。1609年の薩摩侵入によって進貢貿易の搾取や人頭税などの重税がなければ、沖縄はシンガポールのような大発展を遂げていたと思う。シンガポールは淡路島と同じぐらいの小さな島。建国わずか50年で、物流、貿易、金融、観光、最近ではIT産業で世界有数の富裕国となった。 「沖縄独立論」のキーポイントは(1)経済的自立(2)国防-の二つ。米軍基地は縮小し、その跡地を利用して観光発展を図ることだ。ハンビー美浜、おもろまちなどは、見事に米軍跡地が活性化した。「沖縄独立論」は、学者だけでなく老若男女多くの議論が必要だろう。(浦添市)

[わたしの主張あなたの意見]/現実性がない沖縄の独立論/新里均=61歳
2016.02.24 朝刊 5頁 オピ (全418字) 
 辺野古問題について県知事が国連人権委員会で発言したころから、沖縄独立論なる論説が紙面で目に留まり、危惧の念を抱くものである。現実性に乏しく杞憂(きゆう)だと思うが、論者は大学教授が多く、大学生が一方の意見に傾倒しないか心配である。 本紙によると県の財政力指標、自主財源比率ともかなり悪く、国の財源に大きく依存している状況である。県民所得は連続最下位を継続中。大半の数値が全国平均の40~60%台である。財源に裏付けのない琉球国の独立は、国民年金、健康保険等諸制度が崩壊、男たちは家族を残し日本へ出稼ぎに行くことになる。香港等の独立運動は今の自由を守るため、沖縄のは今の生活を捨ててでも民族の誇りと自決権を得るためで性質が異なる。独立後は世界の最貧国グループの仲間入りかもしれない。 昔、米軍基地から集められた養豚用の残飯が、各集落にあったドラム缶に入れられ、私を含めた子供たちは奪い合って食べた。「衣食足りて礼節を知る」だ。(金武町)

[ゼロチャンネル]/「道州制、新たな区割り案」
2016.02.18 朝刊 5頁 オピ (全30字) 
  “廃県置国”を
  -琉球国独立派
  日本政府殿
  (とみぐすく・頑固党)


[論壇]/屋良朝助/民族の自決権 尊重して/台湾と沖縄 独立運動に思う
2016.02.13 朝刊 5頁 オピ 写有 (全1,023字) 
 本紙1月22日の「わたしの主張 あなたの意見」で城間康裕氏の「地政学的には台湾と類似点」を読みました。台湾では総統選挙で独立志向の強い民進党の蔡英文氏が当選した。中国大陸と台湾、日本本土と琉球、両者は相似形といえなくもない。また、那覇のひめゆり橋に差しかかった際に「琉球独立」と書かれたのぼりを手にして演説をしている男性に注目し、大型バスが一時ストップして台湾の観光客たちが一斉にカメラを向けたとある。 確かに両方の状況は似ているといえる。中国側は台湾独立には反対であるが琉球独立には賛成であるといわれている。一方、日本側は琉球独立には反対だが台湾独立には賛成の人が多いと聞く。この矛盾、つまり自国とする範囲の民族(政治や経済的利益、文化などを共有する人々の集団という意味での民族)の自決権は認めないが対抗する相手国の民族自決権は認めるということである。つまり大国のエゴである。 台湾独立運動を現地で日本側が支援しているという事実は聞いたことがない。同様に琉球独立論を言っている人たち、また、現在琉球独立を訴えている活動家を中国側が支援しているという事実はない。しかし中国から資金をもらって活動しているという事実無根のデマが広がっている。 琉球独立運動は先ほどの投書にもあるように台湾独立に確実にプラスに働くことは間違いない。したがって中国側がわざわざ沖縄の独立運動家を支援するのは矛盾があってあり得ない。 最近の世界の動向は英国のスコットランド、スペインのカタルーニャ、パプアニューギニアのブーゲンビル島など民族を主体とした自治権の拡大や独立へ進んでいる。場合によっては紛争が起きたとき、武力に頼らず国際社会が国連の協力を得て問題を解決する傾向にある。 世界史を振り返ると常に小国や少数民族が犠牲になっている。中国や日本が真に東アジアの平和を望むなら、中国は台湾の独立を認めた上で相互不可侵条約などを結び、例えば中華連邦、中華経済連合などを形成したらどうだろうか。 日本政府も沖縄の民意を無視した、押し付けによる辺野古の新基地建設を中止すべきである。沖縄の地元の世論調査でも自治権の拡大希望が多数を占めているのを尊重し、特別自治県や琉球州、一国二制度を進め、県民の多数が望むなら、将来、琉球独立を認めた上で、例えば日本と琉球の連邦、経済連合も検討し、平和大国として世界の国々から信頼を得たらよいのではないだろうか。(那覇市、会社代表、64歳)

[わたしの主張あなたの意見]/基地の撤去へ 独立考えては/国吉真蔵=61歳
2016.02.09 朝刊 5頁 オピ (全461字) 
 この沖縄を琉球国として考えたとき、日本国と米国はずいぶんと勝手なことをしているように見える。よその国の土地に好き勝手に軍事基地を造り、いざとなったらそこを拠点にして戦い戦場にすればよいと。そこに住んでいる住民のことは考えず自国の防衛のためだから基地が必要なんだと。 これはかつて日本国がアジア各地に基地を造り米国と戦争し、そしてそれぞれの国民を巻き添えにして何百万人もの犠牲を生み出した構図と同じなのです。しかもこの沖縄も一度同じ目に遭っているのです。日本という国は、自国防衛のためまた戦場をこの沖縄に背負わそうとしているのです。これでは日本という国に属しているうちは未来永劫(えいごう)、沖縄は日本本土の防衛のための最前線の盾になるほかないのです。 沖縄人よ、いや琉球人よ。こんな日本国にこれ以上くっついている意味はあるのかどうか一度真剣に独立を考えてみる必要があると思いませんか。かつて沖縄は琉球国という立派な独立国だったのです。この30年内に独立した国は幾多もあります。決して無理な話ではないと思います。(那覇市)

[論壇]/赤嶺治彦/基地撤去 独立で可能に/アジアと共生 平和発信地へ
2016.01.31 朝刊 5頁 オピ2 写有 (全992字) 
 沖縄の今置かれた状況は、歴史的にも大きな節目を迎えているといえます。差別的扱いを今後も受け入れ続けるか。あるいは拒否するかの岐路に立たされている。 犠牲を強いてきたヤマトに対して、1995年の米兵暴行事件をきっかけに、沖縄中が激しく怒りで燃えた。以後、日米政府に対する反基地感情は衰えることなく今日まで続いている。翁長雄志知事を誕生させた各種選挙で、明確に民意を示しても全く無視した強権的な現政権は、世界に向かって平和や民主主義を公言する資格はない。民主主義の破壊者であって、その言動はすぐれて詐欺師的だ。 しかしながら、ヤマトの沖縄政策は安倍政権のみの一過性のものでは決してないことをわれわれは肝に銘じておくべきである。天皇メッセージが目指した通り、歴代政権も本土にあった米軍基地をこの小さな島に集中させてきた。また、それを支持したのがほかならぬ本土国民だったことも事実として忘れてはならない。 この危険で忌まわしい基地は依然強大に占有を続けている。一度紛争が起これば間違いなく真っ先にミサイルの標的になる。子や孫の時代になっても、今のままでいいはずはない。この地に生を受けた者なら主義主張が違っても将来の危機を回避すべく知恵を尽くし行動すべきでしょう。憲法でも制御できない現安保法制の下では、基地の縮小や他県への移設は不可能に近い。高橋哲哉氏の「基地引き取り論」は正論で敬服していますが。 しかしいくら強大な基地でも除去する方法が一つだけはある。日本から離脱することです。独立することです。日米安保を離脱すれば存在基盤がなくなり基地は自主的に撤退しなければならなくなる。県民の総意と強力な意志と覚悟があればいつの日か行使できる。 元コザ市長の大山朝常氏は、その著書の中で「ヤマトは帰るべき祖国ではなかった」と述懐された。1903(明治36)年には、大阪博覧会での琉球人陳列人類館事件や天皇メッセージ、また4月28日屈辱の日を主権回復を祝う式典にしたりと。ヤマトとは埋められないほどの深い溝を感じます。 次の世代のために自立に向けて計画的、主体的に進む道を模索していかなければなりません。アジアとの共生を目指し、地理的優位を生かした物流の拠点として、平和の発信地として十分にやっていけるものと考えます。ウチナーンチュは独立心に富み、能力もあると確信しています。(豊見城市、74歳)

[わたしの主張あなたの意見]/基地の跡利用 経済効果注目/親泊善雄=63歳
2015.12.23 朝刊 5頁 オピ (全421字) 
 5日、第14回三大学院共同シンポジウム(札幌大学・鹿児島国際大学・沖縄国際大学)が沖縄国際大学で開催され、参加した。 平良朝敬氏(沖縄観光コンベンションビューロー会長)による「沖縄経済の変容と展望~自立経済に向けて沖縄観光を中心に~」の基調講演の中で氏は「観光は平和産業である」ことを強調した。 3大学からそれぞれ報告があり「GHQと北海道」「再生可能エネルギーで開く地域の未来」、そして「全基地撤去後の琉球・沖縄経済に関する一考察」の内容の素晴らしい報告があった。 特に注目したいのは沖縄国際大学大学院教授の友知政樹氏の「全基地撤去後の琉球・沖縄経済に関する一考察」だ。氏は報告の中で全基地撤去後の跡地利用の直接経済効果は補助金等を差し引いても少なくとも県民総所得は1・6倍になると述べた。 また、全基地撤去後に独立するのではなく、独立後に全基地撤去が可能であると述べた。琉球王国の歴史的事実からして独立すべきだと思う。(沖縄市、会社員)

基地返還効果3.5兆円/県民総所得1.8倍に/経済発展阻害 裏付け/友知・沖国大教授試算
2015.12.06 朝刊 2頁 総2 (全713字) 
 沖縄国際大学経済学部の友知政樹教授は5日、自衛隊基地を含む県内の全基地が返還され跡地利用した場合の直接経済効果は、3兆5486億円とする試算結果を発表した。県民総所得は返還前の1・8倍に上る7兆2902億円と推計。友知教授は「沖縄は基地経済で成り立っているわけではない」と述べ、基地が経済発展の阻害要因であることをあらためて示した。 同大で開かれた札幌大学と鹿児島国際大学、沖国大の第14回三大学院共同シンポジウムで報告した。 友知教授が今回の試算で用いた県企画部の調査(1月公表)ではキャンプ桑江、キャンプ瑞慶覧、普天間飛行場、牧港補給地区、那覇港湾施設の返還後の跡地利用で小売業やサービス業などによる直接経済効果が8900億円。 友知教授はそのほかの全基地を対象に試算し、米軍基地返還で2兆7643億円、自衛隊基地返還で7843億円の直接経済効果が生まれるとした。 森林地帯にあるなどの理由で、北部の基地や嘉手納弾薬庫は直接経済効果が限定的として、試算が過大にならないよう「ゼロ」と設定したが、友知教授は「名護市のキャンプ・シュワブや国頭村のレストセンターなどは観光分野で可能性がある」として、経済効果が膨らむ可能性も示唆した。 2012年の県民総所得は4兆165億円。全基地が返還された場合に失われる同年の基地関連収入2749億円を差し引き、跡地利用による直接経済効果で生まれる3兆5486億円を加えると、県民総所得は返還前に比べ1・8倍になるとした。 友知教授は、基地経済に依存していないことを強調した上で、「基地問題は本質的には経済問題ではなく、命の問題。経済効果が例えゼロでも基地は撤去されるべきだ」と主張した。

沖縄 平和の要石に/「東アジア議会」新設提案/日本平和学会開幕 鳩山元首相が持論
2015.11.29 朝刊 29頁 社会 写有 (全1,121字) 
 ・・・ 琉大大学院生の親川志奈子さんは、辺野古新基地建設の強行を踏まえた「沖縄独立論」の高まりを「対米追従から日本が独立し、平和を実践してほしい」と指摘。鳩山元首相は「堪忍袋の緒が切れたと沖縄が本気で独立を示すことが、日本を目覚めさせるのではないか」と話した。 ・・・

知事、「独立論」は否定/「県民に多くはない」
2015.11.20 朝刊 6頁 国際 写有 (全406字) 
 沖縄の自己決定権に絡めて議論されるのが「独立論」だ。沖縄では琉球王国時代からの歴史的経緯を踏まえて独立の議論が続く。「琉球民族」であることを明確に打ち出して独立を目指すべきだとの主張もある。 ただ翁長雄志知事は独立論を否定している。10月の県議会では、自民党議員の質問に対して「(県内の)選挙で示された民意を受けて(国の対応を)是正してくださいと申し上げている。独立論が(県民に)多くはない」と述べている。 沖縄が「先住民族」かについても県議会で「その言葉を私自身は今日まで使ったことはない」と答弁した。 島袋純琉球大教授は「国連は独立を推奨しないのが原則の組織だ。知事が国連機関の場で演説したということは、沖縄の意思を尊重して国内政治を行うべきだという意味であり、独立の可能性は逆に小さくなる」と解説する。

自己決定権を議論/琉球民族独立学会が国際シンポ/グアム・石垣関係者 持論
2015.11.02 朝刊 15頁 地1 写有 (全558字) 
 【石垣】平和構築や自己決定権の議論を深める国際シンポジウム「八重山から考え、実践する琉球独立」(主催・琉球民族独立総合研究学会)が10月24日、市民会館で開かれ、八重山やグアムのパネリストが米国の植民地政策、日本の軍事強化、沖縄の自己決定権について意見を交わした。 「西表をほりおこす会」の石垣金星代表は戦中、国に接収された旧祖納集落の返還要求に国が応じていない現状を報告。「島の未来を考える島民会議」の新垣重雄共同代表は石垣市への自衛隊配備計画に触れ、「市長と議会が賛成する可能性があるが、反対派の態勢は不十分。強固な組織をつくり、辺野古の闘いのような力の結集が必要だ」と指摘した。 グアム政府脱植民地化委員会のエドワード・アルバレス事務局長は、戦後、グアムがアメリカの属領として軍事基地化が進み、自己決定権が得られなかった歴史を紹介。脱植民地化の運動を国連や住民間で進める必要性を説いた。 また、グアム大のマイケル・ベバクア准教授は「独立と言うと他国に攻められる、経済が落ち込むと思わされているが、そうではない。世界中200の国々が実現した自然な道。沖縄やグアムの人口で独立し、成功している国も多い」と指摘した。 (写図説明)軍事強化への抵抗と沖縄やグアムの独立の可能性を語ったパネリストら=石垣市民会館中ホール

[訃報]/金城一雄さん/沖縄大学教授
2015.10.21 朝刊 27頁 社会 写有 (全224字) 
 金城一雄さん(きんじょう・かずお=沖縄大学教授)19日午後8時41分、肺がんのため西原町の病院で死去、67歳。大宜味村饒波出身。自宅は浦添市牧港3の8の2。告別式は21日午後4時から5時、那覇市銘苅3の22、サンレー那覇北紫雲閣で。喪主は妻冨士子(ふじこ)さん。 明治学院大学大学院社会学研究科を経て、1981年から沖縄大学。人文学部の教授や学部長を歴任した。専門は家族社会学。日本社会学会や福祉社会学会、琉球民族独立総合研究学会などに所属した。

国連演説めぐり論戦/県議会代表・一般質問振り返る/野党 「『先住民族』と世界に印象」/知事 「歴史に基づく不安訴えた」
2015.10.09 朝刊 2頁 総2 写有

知事の国連演説に思う(下)/照屋みどり/強まる沖縄・琉球人意識/自決権行使の権利自覚を
2015.09.28   朝刊   18頁   文化   写有

知事の国連演説に思う(中)/親川志奈子/垣間見た植民地的沖縄/日本から人権侵害 暴露
2015.09.25   朝刊   12頁   文化   写有

知事の国連演説に思う(上)/渡名喜守太/基地が人権問題に変質/沖縄人の尊厳回復の契機
2015.09.24   朝刊   13頁   文化   写有

[国連演説~ 沖縄から訴える](1)/基地問題 世界に問う/「不条理」の判断託す
2015.09.24 朝刊 1頁 総1 写有

琉球独立学会 NYでシンポ/26~28日 国連本部で会見
2015.09.21 朝刊 2頁 総2 (全279字) 
 【平安名純代・米国特約記者】琉球民族独立総合研究学会は26日から28日まで米ニューヨークでシンポジウムを開く。 県系の米大学教授らを招き、沖縄の独立や非植民地化、在日米軍基地をめぐる日米両政府との課題などをテーマに討論する。 27日にはニューヨーク大学で琉球独立国際フォーラムを開催。28日には、ニューヨーク国連本部で記者会見を開く予定。 シンポジウムでは、北米沖縄県人会の國吉信義会長、カリフォルニア大学リバーサイド校の島袋まりあ准教授、龍谷大学の松島泰勝教授、沖縄国際大学の友知政樹教授らが登壇する。 問い合わせは電子メールinfo@acils.org

[ワールド通信員ネット]/@ワシントン/ペリーが持ち帰った鐘 見学/WUB参加者 首都を訪問
2015.09.07 朝刊 25頁 海外 写有 (全619字) 
 【ウトゥ・カカジ通信員】WUB(ワールドワイド・ウチナーンチュ・ビジネス・アソシエーション)の会員約30人らが8月4日から8日まで、米首都ワシントンを訪れた。 4日夜は地元のウチナーンチュを迎え、ワシントンの郊外、アーリントン市のレストランで夕食会を開いた。 5日は市内観光し、琉球の石がはめ込まれたワシントン記念塔や国会議事堂などを見て回った。 7日にはメリーランド州の州都アナポリス市にある海軍士官学校の博物館を訪れ、同館研究員ガイドの下、第2次大戦・太平洋戦争の展示や黒船で知られるマシュー・ペリー提督に関する展示物などを見学した。 館内観覧後には、同校敷地内にある「護国寺の鐘」の複製も確認した。鐘をつるす鐘楼(しょうろう)に取り付けられた英語のプレートには「1854年、琉球諸島の統治者(あるいは君主帝王の代理者)によってペリー提督・アメリカ合衆国海軍に贈られた寺の鐘の複製」と記されている。 見学に参加していた友知政樹さん(沖縄国際大学経済学部教授)は「ペリーが条約を結んだ時の政府は琉球王国であったはず。それなのに『The Lew Chew Kingdom=琉球王国』とせず『The Lew Chew Islands=琉球諸島』と説明するのは正しくはないのではないか」と同館研究員ガイドに指摘した。 参加者は熱心に鐘の部分部分を写真に収めていた。 (写図説明)「護国寺の鐘」のレプリカを見るWUBツアー参加者らと研究員ガイド


「状況悪化している」/ガルトゥング博士 辺野古見解/占有合意による不正行為増
2015.09.02 朝刊 2頁 総2 写有 (全755字) 
 【平安名純代・米国特約記者】欧米など世界的に著名な文化人や識者ら109人が、米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設阻止に向け、翁長雄志知事に埋め立て承認の取り消しを求めた声明「世界は見ている」に署名したヨハン・ガルトゥング博士に、辺野古移設をめぐる見解を聞いた。 8月22日に米軍キャンプ・シュワブゲート前を訪れた同博士は、19年ぶりに訪れた沖縄の印象について、「状況は悪化していると感じた。沖縄の人々への敬意が薄れ、東京とワシントンの占有合意による不正行為が増えている」と指摘する。 冷戦時代に、貧困や差別など構造的暴力のない状態を「積極的平和」と定義した平和学の第一人者、「平和学の父」として知られているガルトゥング博士は、県と集中協議を始める前に、日本政府が終了後の工事再開を断言し、沖縄の辺野古反対の声に耳を傾けるのを拒否したことについて、こうした現状を変える方法は三つあると説く。 「沖縄独立のための非常に強い運動。または、日本政府が『米国の顧客』という立場から脱け出し、東アジアの隣人との衝突を解く誠実な努力をする基本的な変化。または、二つの朝鮮(北朝鮮と韓国)、二つの中国(中国と台湾)と北ロシアが米国と良好な関係を構築する北東アジア共同体を目指す。核の傘ではなく、平和の傘だ」 日米両政府が沖縄の意思を尊重せず、辺野古が唯一の解決策だと主張することに、ガルトゥング博士は「辺野古とは、1本よりも離着陸がより多い2本の滑走路を意味する。これが戦争になると、辺野古は、米国の軍事能力を排除するために沖縄全土を破壊する理由となる。基地をなくし、すでに基地がある太平洋諸島に再配置する。沖縄を北東アジア共同体の本部として特別県にすることだ」と主張した。


[論壇]/比嘉康文/「祖国」離脱機運 強まる/新基地建設 岐路に立つ沖縄
2015.08.27 朝刊 5頁 オピ 写有 (全1,025字) 

琉球独立研究学会シンポ/主権回復 「王国」の誇り/国際的歴史から考察主張
2015.08.03 朝刊 13頁 文化 写有 (全1,289字) 
 琉球民族独立総合研究学会のオープン・シンポジウム「琉球の主権と独立-主権はいかに奪われ、そして、いかに取り戻すか-」が7月26日、沖縄国際大学であった。基調講演では衆院議員の照屋寛徳氏がこれまで琉球、沖縄の帰属問題について「構造的差別にあらがってウチナー・琉球が自決や自立・独立を求める闘いは押しとどめることは不可能だ」と強調した。会場には約100人が詰め掛け、登壇者の意見に耳を傾けた。 照屋氏は、1997年4月の参院特別委員会で、参院議員(当時)として「沖縄の人、ウチナーンチュはいつから日本人になったんでしょうか」という質問をした経験を紹介した。そして、政府担当者が「明治32(1899)年に旧国籍法が制定された。沖縄の方々はその旧国籍法施行から一般に日本国籍を有するものとされていたというふうに承知している」と返答したことを説明。 「旧国籍法の制定1年前に沖縄にも徴兵令が適用されている。日本人にもなっていないのに徴兵されたのはおかしいと矛盾を指摘すると、チャーダマリー(ずっと黙っていた)」として、日本国憲法などで保障された権利がウチナーンチュには適用されていないのではと問題視した。 その上で「近現代史の中で、常にウチナー(琉球)は国策に翻弄(ほんろう)され、その犠牲を強いられてきた。自決と自治・自立を求める闘いは国家権力をもってしても押しとどめることは不可能で、琉球王国の末裔(まつえい)たるウチナーンチュの誇りと尊厳がそれを許さないと信じる」と強調した。 続くパネル討論では、沖縄国際大学経済学部の友知政樹教授、龍谷大学経済学部の松島泰勝教授が登壇。 友知教授は、米国国務省の歴史課のホームページの記載などの琉球王国に関する歴史記述を引用しながら「日本政府は当時の話は定かでないと説明しているが、米国は琉球がかつて独立国だったこと、日本が兵を送り琉球を接収したことをきちんと認めている」と指摘。 1854年にペリー提督が、米国の首都ワシントンDCにあるワシントン・モニュメント(記念塔)の建設のため、琉球から巨大な石を贈られたことなどを踏まえ「国際的な見地から琉球がかつて独立国だったことを考えるべきではないか」と主張した。 松島教授は1981年のパラオ政府設立の際、照屋氏と金武湾を守る会の安里清信氏らが現地の祝賀行事に参加したこと、パラオでも沖縄と同様にCTS(石油備蓄基地)反対闘争があったことを踏まえ、ハワイ、グアム、パラオなど太平洋の島々と沖縄の関係について事例を報告。 このうちハワイについては「琉球と同じようにかつて独立国だったハワイは、米国が関与したクーデターで国をつぶされた経験がある。だがハワイの先住民族であるカナカマオリがハワイ州選出の国会議員に働きかけ、93年にはハワイ先住民に対する謝罪を米議会で可決した」と説明。不当な琉球併合(琉球処分)に対しても、日本政府に謝罪や賠償を求めるべきではないかと訴えた。 (写図説明)パネル討論で意見交換する(左から)沖縄国際大学の友知政樹教授、照屋寛徳衆院議員、龍谷大学の松島泰勝教授=沖縄国際大学

「琉球の主権と独立」に寄せて/未来像を見据え議論/松島泰勝
2015.07.23   朝刊   18頁   文化

[戦後70年 私たちはどこへ](12)/第6部 沖縄は問う(下)/普天間問題 政治に失望/翻弄された20年
2015.07.21 朝刊 11頁 特集1 (全3,421字) 
 …。
移設の強行 流血の事態心配
インタビュー 大田昌秀 元県知事
-日米両政府は1996年4月、米軍普天間飛行場返還を発表した。
 「最も返還の可能性が低いと思っていた普天間飛行場が返ってくると聞き、最初はうれしかった。だが後々に県内移設が条件と聞いて、沖縄戦を経験したものとしては受け入れられなかった」
-当時は橋本龍太郎首相と対話を重ねていた。
 「橋本首相や梶山静六官房長官は、しょっちゅう『われわれが政権にいるときに沖縄問題を解決しましょう』と言ってくれた。両氏が早くに亡くなったのは残念だ。基地を押し付ける姿勢は見受けられなかった。官邸に行くと、上着を脱いでネクタイを外して話した。それが橋本流だった。今の安倍政権とは違う」
-2013年12月、当時の仲井真弘多知事が名護市辺野古沿岸部の埋め立て申請を承認した。
 「仲井真さんは、私が知事の時に副知事に登用した。通商産業省(現経済産業省)出身で、中央政府の言うことにはすべて従う『官僚』だった。彼なら埋め立ても承認するだろうと思っていた」
-昨年当選した翁長雄志知事は阻止できるか。
 「翁長知事がどうやって移設を阻止するのかは見えない。移設強行で県民が流血する事態にならないか心配だ。沖縄独立論も、さらに広がりを見せるだろう」


[戦後70年 私たちはどこへ]/基地負担なぜ 募る不信/強制接収の歴史/危険からの解放 見えぬ道筋
2015.07.07 朝刊 6頁 特集3 (全3,436字) 
 …。
琉球独立の議論
 戦時中は本土防衛のため「捨て石」にされ、戦後も米軍基地が居座り続ける沖縄を「植民地的な存在」と表現する大城。辺野古には祖先の墓がある。「祖先の安眠を妨害することは許さない。命を懸けて辺野古への移設は阻止する」 過重な基地負担に苦しむ多くの県民にとって、普天間の県内移設は受け入れがたい。2014年の名護市長選や知事選などで辺野古反対派が勝利し、民意は「辺野古ノー」と明確になった。それでも政府は「唯一の解決策」(安倍晋三首相)と辺野古移設を強行する。 「政府は沖縄を日本と思っていない」。大城は、政府が民意を無視して基地負担を強いる根源には、沖縄に対する差別があると指摘する。近年、日本からの沖縄独立を目指す「琉球独立論」が学会創設などの動きを見せているのは、そうした差別に反発する県民の心理の表れだとみる。その上で、理想の沖縄像をこう描いた。 「日本の中で沖縄が自由になるために、基地をなくし、平和国家である日本を支えていく側面を沖縄に担わせてほしい」 …。


[戦後70年 戦前X年インタビュー](上)/宮里政玄さん/軍事基地は災いの根源/安全保障の根本改革を
2015.06.25 朝刊 14頁 文化 写有 (全1,653字) 
 …
 -沖縄が戦場にならないために、具体的にどのようなことが必要か。
 「軍事基地がある限り、沖縄は戦場になりうる。先に挙げたさまざまな懸念材料により軍事的な対立が生まれると、沖縄の基地が使用されるか、攻撃される可能性が高くなる。外部からの攻撃を誘発する軍事基地の存在は災いの源であり、根源になる。軍事基地がなくなれば、現在の情勢で沖縄が攻撃されることは考えにくい。逆に沖縄に米軍や自衛隊が配備されていると真っ先に狙われることになる。その対象になることを避けるためにも、軍事基地を無くす方が一番良い。日本の安全保障は沖縄の基地負担を前提にして成り立っており、沖縄の基地がないと憲法9条も成り立たない。その姿勢の根本的な改革も必要になる」
 「若い世代には、軍事基地について勉強し、日本本土の沖縄に対する差別意識や日米の軍事基地などについて大いに学んでほしい。そして今後は、沖縄の自立性を高めていくことが平和な社会を築くために必要になる。構えとしては独立論を選択肢に持つことも必要であり、日本政府はそのことを1番懸念している。沖縄がかつて独立国として各国と冊封関係を結び独自外交をしていた経験を利用することも重要だと思う」
 みやざと・せいげん 1931年生まれ。琉球大学、独協大学の元教授。沖縄対外問題研究会顧問。著書に「沖縄『自立』への道を求めて」「日米関係と沖縄」など。


[わたしの主張あなたの意見]/政府の裏切り 独立論に勢い/仲松博=67歳
2015.06.13 朝刊 5頁 オピ (全382字) 
 私は宮古島下地出身で山梨県に住む者です。権力という武器で辺野古移設を強行する日本政府。歴史含め簡単には消し去る事のできない政府への強烈な不信感。この中で自然発生的にくすぶる「琉球独立論」。 沖縄民族が温和の中に併せ持つ熱い血潮と気骨。私は世の中が変わらない限りこの論議は永遠に続くと思っています。 そしてこれは一部の人たちの単なる「居酒屋談議」であると簡単に片付けて良いのだろうか? 現実的選択肢とする意見は少数派であろう。しかしこの論議の善しあしは別にして背景にある裏切られ続け煮え湯を飲まされてきた沖縄の歴史。日本は祖国だったのか? これを直視するきっかけになると思います。 遠い辺野古に基地を押し込めば問題は解決するというこの傲慢(ごうまん)無礼な不条理に対して、自分は何ができるのか? これからも問い続けたい。全ては「私の祖国」と故郷のために。(甲斐市)

[沖縄と日本 海外特派員の視点](2)/ニューヨークタイムズ マーティン・ファクラー東京支局長/地元の意識 変化鮮明/主体性は沖縄の側に
2015.05.28 朝刊 1頁 総1 写有 (全909字) 
 日本政府が、本気で米軍基地を造る決心をした。沖縄でどういう反応があるのか。自分の目で確かめようと、27日、米軍キャンプ・シュワブゲート前のテント村を訪れた。12年前、東京支局に配属されてから来沖は15~20回ほど。辺野古は1年ぶりで、ゲート前は初めてだ。 今回、沖縄の人たちの考え方に変化を感じた。日本人と異なる歴史背景を持つ民族だというアイデンティティーが明確になり、日本との溝が深くなっている。 この考え方は10年前、いや琉球独立を取材した3年前も主流でなかった。それが今では広く浸透している。こちらが何も言わなくても、沖縄の人たちは琉球王国の歴史を語り出す。「日本とは違う」という意識を強く感じる。 一方で日本の全国紙を読んでも、こうした沖縄の現状は分からない。そのまま沖縄の声が掲載されることがほぼ無いからだ。日本の中の多様性を認めることができないのか、異なる民族だという概念が無いのか。沖縄のアイデンティティーを認めず、無視している。 翁長雄志知事は訪米したが、苦しいだろう。米国政府は日本の国内問題として辺野古を捉えている。オバマにとっては、安倍政権でようやく辺野古の解決に本気度が見えたところ。つまりオバマは安倍首相を支持する立場で、話し相手は翁長でなく安倍なのだ。沖縄の声を聞かず、基地建設を進めようとするだろう。 しかし、ここで考えてみてほしい。もし建設が進まなければどうなるか。なぜ進まないのか、米国も向き合わざるを得ない。基地を止める一番良い手法は、既に辺野古沿岸部で実践しているように、建設に抵抗することだ。沖縄は、日本と異なる意思を持つということを強く示さなければならない。もう一つは、日本の世論を勝ち取ることだ。沖縄にとって、日本の世論は潜在的な味方だ。 それにしても、(沖縄以外に)基地を造らない理由が分からない。地元が反対するからだと言うが、沖縄も反対している。沖縄の声だけ聞かないのは、日本が沖縄の価値を低く見ているからとしか思えない。 沖縄の状況がおかしいかどうかは、沖縄の人たちが決めることだ。沖縄が立ち上がれば、日本や米国は声を聞かなければいけない。主体性は沖縄にある。(談)

「辺野古反対 独立の前提」/大田元知事が基調講演
2015.05.21 朝刊 12頁 文化 写有 (全1,505字) 
 琉球民族独立総合研究学会のシンポジウム「琉球の平和と独立」(主催・同学会)が16日、沖縄国際大学であり、元県知事で沖縄国際平和研究所理事長の大田昌秀氏が、基調講演で「辺野古の基地建設を止めることが沖縄独立の条件だ」と強調した。講演後は大田氏を含む7氏が登壇し、沖縄を取り巻く現状や未来像について意見交換。来場者は発表者の意見に耳を傾けた。 基調講演で大田氏は、鉄血勤皇隊として戦場に動員された沖縄戦時の自身の体験や、知事時代、2015年までに段階的に県内の米軍基地の返還を求めるアクションプログラムに取り組んだことなどを説明した。 その上で「日米特別行動委員会(SACO)の最終報告で普天間飛行場の移設のため、200年耐用の軍事基地を辺野古に建設するとの方針が示され、そんなことは許すことができないと拒否した」と強調。 1960年代から嘉手納以南の米軍基地を大浦湾に移す計画があった経緯などに触れながら「辺野古の新基地ができると沖縄が長期的に今後の軍事基地との共存を強いられる。辺野古の基地建設をどんなことをしても止めることが沖縄独立のための前提条件として必要だ」と述べた。 続くディスカッションでは、同会会員の高良沙哉(沖大)、照屋信治(キリ学大)、玉城福子(沖国大)、友知政樹(沖国大)、松島泰勝(龍谷大)、桃原一彦(沖国大、司会)の各氏が登壇。 このうち高良氏は「最近は日本を諦めたくなることが多い。植民地が自らの選択で独立をするのは自然の流れ」と指摘。「最近はヤマト側から沖縄は独立した方がいいと言われることもあるが、独立するかしないかにまで口出ししてくることが支配者的な意識の表れ。沖縄独立後の安保の引き受けや平和憲法の実現を自分たちの問題として考えてほしい」と述べた。 照屋氏は、反復帰論や自決権を高めるための近代以降の琉球・沖縄についての独立論の系譜に言及しながら「自分たちが日本人ではなく先住民族であるということを国連で訴え、権利獲得を働き掛ける運動が高まっている。琉球諸語の復興や文化継承という側面が強く、今までの独立論とは異なる動きとして注目している」と話した。 玉城氏は今年が戦後70年の節目に当たることを踏まえ、沖縄戦を語り継ぐ中から「われわれ」という意識が高まってきたことを説明。「沖縄戦の記憶や証言の継承の中で『われわれ沖縄人』を立ち上げるとき、その『われわれ』に誰が入り、入っていないのかを意識的に考えることが必要。社会的マイノリティーの視点を取り入れながら『われわれ』の範囲がどこまでか考える必要がある」と強調した。 友知氏は、大田氏が辺野古の基地建設を止めることが沖縄独立の前提条件としたことを踏まえ「イギリスからの独立を問う住民投票を実施したスコットランドでも、外交防衛は中央政府が握っている。ヤマトは沖縄に辺野古新基地建設を強行しながら平和を享受しており、この状況を変えるためにも琉球の自決権ですべての軍事基地を撤去することが独立の必要かつ十分な条件ではないか」と述べた。 松島氏は、ある識者が琉球独立論と辺野古の新基地建設反対とは関係がないと指摘しているとしながら「本当にそうなのか」と問題提起。「グアムに行った際、実弾射撃訓練場として米軍が使おうとしている場所があったが、住民のチャモロ人の反対運動により建設計画が変更になった。琉球の民意が何度示されても辺野古は変更されず、グアムより悪い状況。米軍基地をなくすには国になる方法が有効で具体的であり、琉球独立が必要だ」と強調した。  (写図説明)琉球独立学会シンポ「琉球の平和と独立」で議論する登壇者=16日、沖縄国際大学

[往復書簡 5・15をめぐる対話](4)/友知政樹さんと新川明さん(下) (本文非公開)
2015.05.15   朝刊   14頁   文化カラ   写有

[往復書簡 5・15をめぐる対話](3)/友知政樹さんと新川明さん(上)(本文非公開)
2015.05.14   朝刊   12頁   文化   写有

[社説]/4・28 日米首脳会談/沖縄を引火点にするな
2015.04.28 朝刊 5頁 オピ (全1,538字) 
 ・・・沖縄の中で自己決定権や政治的な独立を求める動きが急速に広がっているのを軽く見るべきではない。 ・・・ 歴史家のジョージ・H・カーは1956年に発行した『琉球の歴史』の序文でこう指摘している。 「日本の政府はあらゆる方法をもって琉球を利用するが、琉球の人々のために犠牲を払うことを好まないのである」 あれから一体、何が変わったのだろうか。沖縄を引火点にしてはならない。

[魚眼レンズ]/渡名喜守太さん/「文化資源で発展」に共感
2015.03.27 朝刊 10頁 文化 写有 (全302字) 
 琉球民族独立総合研究学会のシンポ「ヤンバルで考える琉球独立」に足を運んだNGO琉球弧の先住民族会の渡名喜守太さん。「経済をテーマとした議論だと聞いていたが、経済効率や開発の話ではなく文化資源を活用した発展という話があり、興味深く感じた」と感想を話した。 名護博物館初代館長の島袋正敏氏が基調講演で述べた、集落の公民館の拠点化や歴史的景観の再評価を通した地域共同体の再構築について「今までの沖縄文化は観光化され、商品化された沖縄イメージが強かったが、沖縄の自然や景観が重要な文化資源だという指摘は大事だと感じた」と説明。「自然開発や共同体の破壊を前提としない地域の発展が可能だと希望が持てた」と強調した。

[論壇]/村吉則雄/反基地 周辺国と連携を/圧政に抗する万国津梁の気概
2015.02.11 朝刊 5頁 オピ 写有 (全1,061字) 
 去る1月17日から2泊3日の日程で、韓国ソウルの国立古宮博物館で開催されている「琉球王国の至宝展」の見学ツアーに参加した。人員は糸数慶子参院議員をはじめ県内の市町村議員ら有志でつくる沖縄子どもを守る女性ネットワークのメンバーほか総勢10人である。 今回の「至宝展」の展示資料は、琉球国王の「王冠」など約200点に及び、沖縄から県立博物館・美術館をはじめ那覇市歴史博物館、浦添市美術館、美ら島財団が貸し出しに協力している。海外で琉球王国に関してこれほどの資料を展示するのは初めてだという。しかも、国立古宮博物館は、かつて琉球とも通好のあった朝鮮王朝の王宮(景福宮)内にある。 ところで、朝鮮側の史料「朝鮮王朝実録」によると、14世紀末に琉球の中山王察度が倭寇(わこう)に捕らわれた朝鮮民を送還し、通好を求めたという。その後も被虜民送還、交易などが続き、15世紀には国王尚徳の要請で、朝鮮国王から仏教の経典(方冊蔵経)が贈られている。首里・円鑑池の弁財天堂は、もともとそれを収めるために建てられたとされる。また、かの「万国津梁の鐘」の銘文に「三韓の秀を鐘め、大明を以て輔車と為し、日域を以て唇歯と為す」というくだりがある。三韓とは朝鮮のことで、当時の琉球は朝鮮など周辺諸国からすぐれた文化・文物を取り寄せていたのである。 昨年の名護市長選・県知事選・衆議院選で新基地を造らせないという明確な意思が示されたにもかかわらず、安倍政権はそれをあざけるかのように建設を強行している。今回のツアーでは、辺野古を訪問したこともあるという「人権派」の弁護士らと懇談する機会があった。新基地建設問題では、日本政府の強権的な姿勢を危惧し「韓国にも米軍が駐留し、事が起きれば自由に移動する。お互いに連携して取り組むべきだ」と強調していたのが印象的である。韓国に限らず、先日、海外の識者も声明を発するなど世界的に関心は高い。 沖縄はかつて琉球国として近隣諸国や遠く東南アジアまで交易し、世界と通じた歴史を持つ。最近、沖縄の自己決定権とかアイデンティティー、独立研究などの言葉が周りでよく聞かれるようになった。政府の沖縄に対する強圧的・植民地的な対応と無縁ではないように思う。一方で対米従属、もう一方で対韓・対中関係のように戦前の植民地支配や侵略戦争への反省すらほごにしかねない日本外交。わが沖縄・琉球の民は政府の枠を超え「万国津梁」の気概をもって善隣友好に徹しながら、周辺諸国民にも情報発信し、連帯・連携していくべきではないか。

[わたしの主張あなたの意見]/琉球人の誇り忘るべからず/ガルシア英記=20歳
2015.02.10 朝刊 5頁 オピ (全473字) 
 私は大学生になって沖縄国際大学の宮城先生の下で基地問題について学んでいます。そこで知ったことは、今ある沖縄の基地問題は現在だけの問題ではなくて、昔の琉球処分からすべてつながっているということです。
 沖縄は1609年の薩摩藩による琉球侵略以来、ずっと琉球王国という独立した一つの国のような扱いを受けていません。その上、教科書で扱われる琉球王国についての記述では集団自決の事実の抹消や琉球諸語を取り扱わないなど、沖縄県民に琉球王国があったのは遠い昔の話、むしろ沖縄県民のルーツが琉球王国民であったことを忘れさせようとしているように考えられます。この結果、過度の米軍基地を負担するなどの基地問題をはじめとする植民地扱いや差別に気付いてすらいない人も少なくないと思います。
 この問題を解決するには、皆さんにまず気にかけることから始めてほしいと私は思います。そして気になったことを放置せずにきちんと真実を調べ抜いて自分なりの考えを持ち友達や家族と情報交換をすることで上書きされたことによって忘れかけている歴史や真実が見えてくると思います。(北谷町、学生)


琉球民族学会が「県外」求め声明/「移設強行は差別」
2015.02.04 朝刊 28頁 二社 (全298字) 

[独立を発明する](7)/高良勉/まず琉球人共和を/自由な国籍 国境議論へ
2015.01.15   朝刊   13頁   文化

国際社会で訴え 強調/琉球独立学会シンポ/基地問題や自己決定権の模索/スコットランドから学ぶ
2014.12.26 朝刊 13頁 文化 写有 (全2,018字) 
 琉球民族独立総合研究学会の連続オープン・シンポジウム「世界的事象から考え、実践する琉球独立」が20、21日、沖縄国際大学で開催された。登壇者は「国連活用」や「スコットランド独立投票」をテーマに、沖縄の基地問題や自己決定権の模索を、国際社会で訴えていく必要性について意見発表。会場には2日間で延べ300人余りが参加し、各意見に耳を傾けた。 20日は国連活用をテーマに、糸数慶子参院議員、上原快佐那覇市議、松島泰勝龍谷大学教授、沖縄大学地域研究所の親川裕子特別研究員、琉球弧の先住民族会の当真嗣清、宮里護佐丸の各氏が登壇。 糸数議員は、8月のジュネーブでの国連人種差別撤廃委員会や9月のニューヨークでの国連先住民世界会議に参加した経験を紹介。「政府は沖縄が先住民族でなく差別はないとしているが、沖縄に過重な基地負担が集中し、知事選などで新基地反対の民意を示しても一顧だにしない状況が大きな差別だ」と指摘した。 その上で「琉球は武力でなく平和的交易で経済自立していた。原点回帰して基地によらず、アジアとの経済交流により世界各地の先住民と連携していく沖縄の立ち位置が重要になる」と話した。 当真氏は、共通語励行を例に「昔は『韓国方言』『台湾方言』『琉球方言』と差別的に言われたが、ウチナーグチは『方言』ではなく、ひとつの立派な言語だ」と強調。 「同化教育を受けウチナーが日本社会に組み込まれていく中で、米軍基地も押しつけられた。まず自分たちの文化や言葉に誇りを持つことが大事だ」としながら、9月の国連先住民世界会議に参加した際の世界の先住民との意見交換を写真で紹介した。 上原市議は、復帰前の沖縄で軍用地一括買い上げに反対して訪米団を送った経験や立法院が2・1決議で国連に軍事的植民地からの人権回復を訴えた歴史を説明。「糸数議員の国連での発言は各国委員に大きなインパクトを与えた。翁長知事が国連など国際社会で沖縄問題を訴える意味は大きく、今後の積極的な情報発信が必要だ」と述べた。 先住民族会のメンバーでもある親川氏は国連会議に4回参加した経験から「沖縄からの参加は国連でも認知されているが、継続して同じ人物が行っておらず、蓄積された共通課題が共有できないと受け止められている」と説明。 「国際人権法に照らして国連人権機関から日本への勧告を引き出し、国内法へ働きかけることを意図し活動している。土地利用の際の先住民との合意など、国連会議の決議は辺野古新基地建設を止める上でも役立つ」と述べた。 宮里氏は、特定秘密保護法の制定や集団的自衛権の行使容認などの動きを挙げ「現在は戦争前夜であり、琉球の置かれた立場を考えると恐ろしい。この国と一緒では私たちに未来はない」と強調。 世界各地で独立派が政府から弾圧されるほか、内戦状態になる状況を例に「国際社会への情報発信が弱いと、独立を目指す先住民族の動きが分からない。本気で琉球を独立させ、身の安全を確保するためには、国連や国際社会を味方にすることが必須で、大きな力になる」と話した。 21日はスコットランド独立投票について、学会の友知政樹、松島、琉球新報記者の新垣毅の各氏が発表。 友知氏は、スコットランド独立の住民投票で、賛成が45、反対が55ポイントとなった結果について「10ポイントも差がついたとの報道もあったが、あと5ポイント以上で独立賛成が反対を上回ったという表現の方が適しているのではないか」と指摘。 「民族意識やアイデンティティーの揺るぎない強さ無しに住民投票は実施できないと現地で感じた。独立をポジティブなものと考える独立投票の在り方から琉球が学ぶべきところは多い」と話した。 松島氏は英国や米国が独立に強い危機感を持ち、報道でネガティブキャンペーンが展開されたほか、経済団体もスコットランドからの撤退を示唆したことなどを説明。 「琉球独立に対しても日米同盟の危機をあおるような圧力が予想されるが、琉球側がどう理論武装できるか、対策を考える必要がある」「カタルーニャやバスクなど世界中から独立を求める人々がスコットランドに集い投票を見守った。琉球人が独立についての当事者意識を持ち、現地で関係者と話ができたことは大きい」と意義を強調した。 新垣氏は、スコットランド住民投票の現地取材の際、海軍の核兵器の基地を訪れたことを説明。「辺野古と非常に印象は似ている。基地を監視する市民団体のリーダーは『独立しても米国と一体化した基地は簡単には無くならないだろう』と話しており、独立以上に基地を動かすことは大変だと感じた」と説明。 「今の沖縄をめぐる雰囲気や国会の動きを見ても、今後より沖縄と日本との対立が先鋭化し、スコットランドの分権前夜という状況と似てくるのではないか」と述べた。 (写図説明)沖縄の自己決定権を求めるための国連活用について議論するシンポジウムの登壇者=20日、沖縄国際大学


「知事選の民意 国連に」/琉球民族独立学会 シンポで提言
2014.12.21   朝刊   31頁   社会   (全554字) 

琉球民族独立学会 20・21日シンポ/真の自己決定回復へ議論/友知政樹
2014.12.17   朝刊   16頁   文化

[想い風]沖縄差別にも終止符を
2014.11.26
 人間としての尊厳を奪われた民族の悲しみは、奪われた側にしか分からない。奪われた尊厳の回復には、奪った側が自らの行為を認め、正す努力が必要だ。 米国で10月第2月曜日はコロンブスによる新大陸発見を記念する祝日。しかし、今年からシアトル市はこの日を「先住民族の日」に変更した。コロンブスは新大陸を発見したのではなく、そこに住んでいた先住民の領土と命を奪ったという史実を見直したからだ。 9月末、ニューヨークの国連本部で先住民族世界会議が開かれた。「先住民族」とは、一方的に土地を奪われ、植民地支配や同化政策を受けた民族的集団を指し、その数は70カ国以上で3億人以上に達する。 国連という国家の枠組みを超えた空間の中で、先住民族の代表者らが、大国に土地を奪われ、差別や抑圧に耐えてきたと語る声は、琉球処分に米軍占領、本土復帰で言語や文化を奪われ、人権を否定されてきた沖縄に重なっていった。 日本では、2007年に先住民族の権利に関する国連宣言が採択されたのを受け、アイヌ民族が先住民族と認められた。 しかし、国連の勧告にもかかわらず、日本政府は「沖縄・琉球民族は先住民族だ」との主張には向き合おうとしない。 日本政府はこれまで、国益や安全保障を理由に、米軍に沖縄の陸海空の自由使用を保障し、地元民の人権は顧みず、国家間の利害で沖縄の未来を決めてきた。 私たちは長年強いられてきたこの差別的状況の改善を訴えてきたが、両政府は人権問題と捉えず、「振興策か貧困か」「人口密集地か過疎地か」と迫り、沖縄人同士を対立させている。 沖縄が基地を受け入れなくても発展が阻まれないという当たり前の状況を取り戻すには、抑圧者である両政府が態度を改め、沖縄に犠牲を強いる構図を止めなければならない。 同時に、沖縄も抑圧を許容しない、すなわち日本人化することで特権を享受しようとする「同化志向」を捨て、抑圧の移譲に別れを告げる必要がある。(平安名純代・米国特約記者)

民族の誇りが原動力/報告 スコットランド 独立住民投票/友知政樹/差別にノー 将来にイエス
2014.11.12   朝刊   18頁   文化   写有   (全2,002字)
 2014年9月18日に実施されたスコットランド独立投票に合わせて、現地を訪問し、1週間あまり滞在した。 現地で出会ったスコットランド人に、ヤマトに武力侵略された琉球国の歴史のこと、今もなお琉球が日米の植民地として苦しめられていることなどを伝えると、間髪を入れず「スコットランドと同じ状況じゃないの!」と言ってくれた。互いに共通点を見いだし、心通わすことができた。 … 今回のスコットランド訪問で学んだことは数多くあるが、二つにまとめて紹介したい。 まず一つ目は、スコットランドにおける「イエス・キャンペーン(独立賛成キャンペーン)」から琉球が学ぶべきことは実に多いということだ。「イエス」の力、つまり、ポジティブ(肯定的)になることの力の大きさを肌で感じ取ることができた。 … 二つ目は、スコットランド人の揺るぎないアイデンティティーと誇りの強さである。これは昨今の琉球でも注目を集める大切なキーワードである。そもそも、これがなくては、今回のスコットランド独立投票は実現されなかった。独立投票に直結する20世紀末のスコットランドにおける分権改革のリーダーとして著名なイゾベル・リンゼイさんは、その活動を支えたのは「スコットランド人という意識である」と明確に答えている。 … 滞在中にスコットランドで出会った人々は、独立賛成派も反対派も中立派も、外国からの旅人である我々を余裕を持って受け入れてくれる寛容さを持っていた。同時に、民族意識が強く、誇り高く、スコットランド人としての確固たるアイデンティティーを有し、イングランドからの押しつけには「ノー」を突きつける。そこに私は排他的ナショナリズム、つまり、攻撃的ナショナリズムではなく、スコットランドの防御的ナショナリズムを見た。これもまた琉球との共通点である。 旅の最中に尋ねたスコットランドの謝名親方ことウィリアム・ウォレスの石像の前で、遠くて近い琉球のことを想(おも)い、「ノー・オスプレイ!、ノー普天間基地!、ノー辺野古新基地!、ノー全ての軍事基地!、ノー植民地支配!、やさ(イエス)琉球独立!」をあらためて心に誓った。

[独立を発明する](6)/津覇実明/奴隷根性 従うふり/生き延びることに執着
2014.11.06   朝刊   12頁   文化

[魚眼レンズ]/目取真俊さん/作家一休み 抵抗の毎日
2014.11.03   朝刊   18頁   文化   写有   (全313字) 

基地反対「主権守る」/独立学会 北部の闘争報告
2014.10.27   朝刊   24頁   二社   (全549字) 

[独立を発明する](5)/冨山一郎(下)/排除され続けた島/「国家の非合法」を問う
2014.10.24   朝刊   20頁   文化

[独立を発明する](4)/冨山一郎(上)/国家概念超え 創造/プロセスに離脱と作成
2014.10.23   朝刊   14頁   文化

山原から考える独立/26日 沖国大でシンポ/友知政樹
2014.10.22   朝刊   16頁   文化   (全1,021字) 

[発信着信]/12日 山原で考える琉球独立
2014.10.09   朝刊   5頁   オピ   (全268字)  

話題本題/松島泰勝著/琉球独立論 琉球民族のマニフェスト/「誇り高い生き方」問う
2014.09.27   朝刊   19頁   読書左   写有

[独立を発明する](3)/親川裕子/沖縄の人権 守らぬ法/整備 市民が担う必要
2014.09.26   朝刊   18頁   文化

「沖縄の自決権に手応え」/先住民族世界会議で当真氏
2014.09.25 朝刊 29頁 三社 写有

基地 NYでも「ノー」/国連本部前 県系人ら集会
2014.09.24 朝刊 29頁 社会 写有

沖縄先住民の権利主張/糸数議員、国連で演説
2014.09.24朝刊1頁総1写有(全749字) 

民主的手続き 模範/沖縄の民意 反映に参考/自己決定権 歴史的行使/スコットランド投票
2014.09.20朝刊29頁社会写有(全1,580字) 

沖縄でも高い関心/県内研究者ら現地視察
2014.09.18朝刊1頁総1(全358字) 

「沖縄の独立運動」紹介/英紙 スコットランド投票前に
2014.09.18朝刊29頁社会写有(全557字) 

[岐路 歴史を掘る 未来を開く](30)/第3部 戦後編/反復帰論のいま(下)/新川・川満思想を継承/二手に分かれた自立論
2014.09.18朝刊14頁文化写有(全1,956字) 

[岐路 歴史を掘る 未来を開く](29)/第3部 戦後編/反復帰論のいま(上)/思想的自立うながす/深層で流れ現代に湧出
2014.09.17朝刊18頁文化写有(全1,741字) 

先住民族会議 参加へ/糸数氏ら沖縄現状伝える
2014.09.04朝刊26頁二社写有(全464字) 

[独立を発明する](2)/田仲康博/国家の脅し 耳貸さず/「帰属」でなく「亡命」を
2014.09.04   朝刊   16頁   文化

[独立を発明する](1)/仲里効/沖縄の主体 組み直す/全体主義陥った復帰運動
2014.09.02   朝刊   16頁   文化

[沖縄を語る 次代への伝言](11)/連合沖縄元会長 渡久地政弘さん/米軍支配への抵抗 運動の原点/沖縄自立へ 100年スパンで追求を
2014.08.31 朝刊 2頁 総2 写有 (全4,626字) 
 -今、そして今後の沖縄の運動はどうあるべきか。 「沖縄の将来は、50年~100年のスパンで考える必要がある。日本国家の枠組みの中だけでの発想では足りず、東アジア共同体構想や世界連邦的なものを視野に入れつつ、沖縄独立も選択肢の一つとして自立のあり方を追求していくべきだ。そのためにも日米両政府による沖縄への構造的差別や植民地支配に諦めず、分断されず、粘り強く徹底的に抵抗し続けてほしい。諦めなければ必ず、展望は開ける」

[フォローアップ]/「基地建設 地元同意を」/国連委員 政府対応に疑義/沖縄問題で人種差別撤廃委
2014.08.23朝刊3頁総3写有(全1,000字)

沖縄に人種差別ない/国連対日審査で政府見解/基地建設は差別 市民の主張否定
2014.08.22   朝刊   2頁   総2   (全543字) 

「工事強行は差別」/糸数議員ら 国連で沖縄現状訴え
2014.08.21   朝刊   2頁   総2   写有   (全580字) 

[岐路 歴史を掘る 未来を開く](19)/第2部 近代編/伊波普猷と沖縄学(下)/戦時論考 批判上がる/同祖論 現在は無効に
2014.08.20   朝刊   9頁   文化   写有   (全1,706字)
 ・・・沖縄キリスト教学院大学の照屋信治准教授は、「琉球民族独立総合研究学会に代表されるように、沖縄を一つの民族としてとらえる動きが登場し、日琉同祖論の無効性が明らかになっている」と話す。・・・

「基地反対 訴える」/糸数・上原氏 国連人種差別委で
2014.08.14 朝刊 2頁 総2 写有 (全613字) 
 ・・・「基地建設の強行は琉球人に対する差別、人権無視だ」と国際社会に訴える。
 ・・・「琉球人の意思表示を日本政府は一顧だにしない。紅型衣装を着けてウチナーグチを交えながら、海外に沖縄の賛同者を増やしたい」と説明。


[岐路 歴史を掘る 未来を開く](9)/琉球を学ぶ(下)/謝名親方 抵抗を象徴/主体性 築き直す道のり
2014.07.17 朝刊 12頁 文化 写有 (全1,642字) 
 ・・・「琉球民族独立総合研究学会」の友知政樹さんも、謝名親方を尊敬する一人だ。 独立を目指す立場として「琉球」の時代をどうとらえるか。「学会の名前に『琉球』とあるが、決して王を据えて琉球国に戻るという復古主義ではない。王府と離島との関係など琉球国が抱えていた問題を直視し、新しい形を作るのが目的」と話す。そう強調した上で、琉球の歴史を学ぶことは、「この地に生きてきた人々に確固たる主権があったこと、それは奪われたものであることを認識するために重要」と話す。 小さいながらも独自性を保持した「琉球」を学ぶことは、沖縄に住む人々が日本に決定権があることを疑い、主体性を再構築する作業と重なっている。
 
[岐路 識者インタビュー](下)/安里進さん 県立博物館・美術館長/日琉同祖論 現実と溝/歴史見直し 再構築を
2014.07.02 朝刊 26頁 文化 写有 (全2,015字) 
 ・・・最近、驚くほど急速に高まっているしまくとぅば(母語)の復興運動や、米軍基地や歴史教科書をめぐって沖縄の意志を主張する県民大会、琉球民族独立総合研究学会の登場などは、独自化への歴史の大きなうねりかもしれない。・・・

[岐路 歴史を掘る 未来を開く]/琉球・沖縄 歴史の転換期
2014.07.01 朝刊 16頁 特集2 (全5,372字) 

[ワールド通信員ネット]/アメリカ/沖縄視点で沖縄戦学ぶ/映画と講演会北米県人会
2014.06.30 朝刊 27頁 海外 写有 (全945字) 
 ・・・國吉会長はあいさつで10・10空襲や疎開、遺骨収集などの自身の経験を紹介。宜野座さんは沖縄の歴史を王国時代から現代まで要約、普天間移設問題やしまくとぅば復興運動、琉球独立研究会などについても報告した。・・・

座喜味氏迎え講演会/21日午後、沖国大7号館/ヘリ墜落10年企画/稲福日出夫・沖国大法学部教授
2014.06.15 朝刊 2頁 総2 写有 (全1,330字) 
 ・・・昨年は琉球民族独立総合研究学会も発足しました。学問(しみ)と胸内(んにうち)の合一。・・・

[北京で考える 琉球・沖縄問題](上)/友知政樹/主権たどる旅から光/「かつて独立国」中国側と共有
2014.06.10 朝刊 15頁 文化 写有 (全2,143字) 

琉球民族独立研究学会創立1周年/琉球の自己決定権シンポ/新しい権利の創造 重要
2014.05.28   朝刊   18頁   文化   写有   (全1,680字)

沖縄の将来像考える/独立学会 1周年でシンポ
2014.05.26   朝刊   28頁   二社   写有   (全497字) 

[4.28座談会 沖縄の自己決定権](上)/非対称の沖縄と日本 仲里氏/若者が歴史学ぶ契機 親川氏/式典は「植民地宣言」 島袋氏
2014.04.25   朝刊   20頁   文化   写有   (全3,035字) 

[問い返す4・28](1)/沖縄「自律」の時/高良沙哉さん(35)(沖縄大准教授)/本土の主権無視に怒り/「日本政治の犠牲続く」
2014.04.24   朝刊   27頁   社会   写有   (全1,129字)
 「我等(われら)と我等の祖先が血と汗をもて 守り育てた 沖縄よ 我等は叫ぶ沖縄よ 我等のものだ沖縄は 沖縄を返せ 沖縄に返せ」
 昨年、宜野湾海浜公園で開かれた「4・28『屈辱の日』県民大会」。県民がかつて本土復帰を願い歌った「沖縄を返せ」がすり鉢状の会場を包み込んだ。 沖縄を本土と切り離し、米軍施政権下に置いたサンフランシスコ講和条約発効の日を「主権回復の日」と位置付けた政府に「がってぃんならん(合点がいかない)」と抗議し、“主権返還”を願って歌詞の最後を「沖縄に返せ」と歌い替えた。 沖縄大学准教授で憲法を教える高良沙哉(さちか)さん(35)も、隣に並んだお年寄りたちと腕を組み口ずさんだ。聞いたことはあったが、初めて歌う詞。繰り返すうちに、涙がこみ上げ、声が詰まった。 〈まだ若い私ですら憤りを感じる。それに比べ、こんなにも長い間人権を踏みにじられてきたお年寄りたちの心中はいかばかりか〉◆◆ 小学生高学年のころ、平和教育で憲法9条の意味を学び、「もう二度と悲惨な戦争に巻き込まれることはない」と安堵(あんど)したのを覚えている。 しかし、高校生の時、米兵による少女暴行事件が起こった。 「米軍基地があり、人権が脅かされている。本当に沖縄は平和なのだろうか」 調べるにつれ本土と沖縄の温度差を感じ、それが何なのかという問題意識から県外の大学へ進学した。 だが、沖縄に対する認識はやはり厳しかった。日常会話で沖縄の問題を切り出すと困った顔をされ、議論すれば「沖縄は経済的に潤ってる」「基地がなくなったらどうやって命を守るのか」などと人ごとだった。 「いくら訴えても響かない。怒りで歯が割れるんじゃないかってくらい歯を食いしばった」◆◆ 基地の押しつけ、埋めようのない感覚のずれ…。もはや「私はこの人たちとは違う。沖縄人であり、同じ日本人ではない」。 県民大会後、「琉球民族独立総合研究学会」が発足するなど、「自己決定権」が注目を集めている。 発起人に名を連ねた高良さんは語気を強める。「やはり沖縄はどのような形であれ、自律しなければ。そうしないと私たちはずっと日本の政治の中で犠牲になってしまう」(社会部・島袋晋作) ……………………………… 政府は昨年、サンフランシスコ講和条約が発効した4月28日を「完全な主権回復の日」と位置付け、「主権回復・国際社会復帰を記念する式典」を開いた。あれから1年。「主権回復」とは何だったのかを問う。
(写図説明)さまざまな世代の参加者が「沖縄を返せ」の歌声を響かせた4・28「屈辱の日」県民大会=2013年4月28日、宜野湾海浜公園
(写図説明)「沖縄は自律しなければ」と訴える高良沙哉さん=沖縄大学


[魚眼レンズ]/友知政樹教授/「林世功の墓」発見を急ぐ
2014.04.08   朝刊   18頁   文化   写有   (全293字)

しまくとぅば 自立の鍵/那覇でシンポ 継承の在り方模索/「自由な意思 主張を」
2014.03.25 朝刊 27頁 三社 写有 (全913字) 

承認撤回へ照準/埋め立て拒否 芽生えた権利意識/市民団体「基地止められる」
2014.03.22 朝刊 29頁 社会 写有 (全1,241字) 
 ・・・「日本にはもう期待できず、仲井真知事を筆頭に日本に擦り寄る沖縄人にも期待してはいけないことが分かった1年だった」と振り返るのは琉球民族独立総合研究学会共同代表の友知政樹沖国大教授(40)。・・・

[複眼]/与儀武秀/沖縄の将来像/生産的な議論に高めて
2014.03.16   朝刊   4頁   オピ   写有   (全720字) 

[週刊しまくとぅば新聞 うちなぁタイムス](第36号)/[しまくとぅばで平和学]/安良城米子/言語切り口に人権考える
2014.03.16   朝刊   29頁   三社   写有   (全1,365字) 

独立「島ごとに決定権」/琉球民族独立学会 宮古島で大会/文化の成り立ち 踏まえて議論を
2014.03.14   朝刊   21頁   文化   写有   (全1,945字)

[魚眼レンズ]/下地暁さん/独自の文化 次の世代へ
2014.03.11 朝刊 23頁 文化 写有 (全299字) 

[わたしの主張あなたの意見]/沖縄独立賛否 設問工夫して
2014.03.02 朝刊 5頁 オピ2 (全416字) 

首相夫人の号砲 独立学会が抗議/宮古トライアスロン
2014.02.25 朝刊 29頁 三社 (全223字) 

沖縄独立考えた36%/県内大学生意識調査 反対44%
2014.02.24 朝刊 34頁 二社 図有 (全532字) 

先島と琉球 関係議論/独立学会 宮古で大会
2014.02.23 朝刊 30頁 二社 写有 (全477字) 

「スケッチ・オブ・ミャーク」評/比嘉豊光/祭祀の特殊性 形骸化/文化継承への認識薄い
2014.02.11  朝刊 文化面

[論壇]/比嘉康文/いつまで続く沖縄差別/埋め立て 知事は不承認に
2013.12.10 朝刊 5頁 オピ 写有 (全1,026字) 

[寄稿]/琉球処分を省みつつ/大城立裕
2013.12.01 朝刊 3頁 総3 写有 (全1,428字) 

[談話室]/基地・経済考える講演会
2013.10.29   朝刊   8頁   経1   写有   (全289字)

琉球独立「誇り不可欠」/那覇でシンポ 先進地が事例/今後の戦略 国連活用も紹介
2013.10.28   朝刊   28頁   二社   写有   (全761字) 

琉球独立考える/学会開幕 きょうシンポ
2013.10.27   朝刊   29頁   社会   (全360字) 

大田元知事と知念さん対談/いま問う「戦争と平和」/「ヤマトに問題提起続けよ」
2013.10.22   朝刊   21頁   文化   写有   (全1,364字)

[読書]/真久田正著/沖縄独立研究序説/生きざま土台の言葉 魅力
2013.09.21   朝刊   21頁   読書左   写有   (全921字)  

[魚眼レンズ]/照屋みどり部長/県民対峙に胸痛めた詩人
2013.08.20   朝刊   18頁   文化   写有   (全315字)

[論壇]/比嘉康文/今も変わらぬ米軍支配/日本国離れていく県民の心
2013.08.13   朝刊   5頁   オピ   写有   (全1,025字) 

「新基地 造らせぬ」/糸数氏 外国特派員協会で講演
2013.07.30   朝刊   2頁   総2   写有   (全510字)

琉球独立論の松島教授講演/台北で学者らに
2013.07.27   朝刊   6頁   国際   (全191字)

[文化ノート]/声発し転がり国家問う
2013.07.25   朝刊   13頁   文化   (全1,110字) 

[連動する東アジア 批判的雑誌会議](下)/国民国家的思考を批判/新しい生活圏の創造提起
2013.07.11 沖縄タイムス社 朝刊 15頁 文化 写有 (全2,209字) 

[連動する東アジア 批判的雑誌会議](上)/矛盾表れる「核心現場」/国家主義緩和へ課題共有
2013.07.10 沖縄タイムス社 朝刊 13頁 文化 写有 (全1,916字) 

[めくるワクワク とどける未来65th]/刊行30年 沖縄大百科事典を語る/自立へ 足元照らす/主体性失っていた沖縄 自己を認識する土台に/編集 みんな必死だった
2013.07.01   朝刊   29頁   特集1   写有   (全2,850字) 

[思潮2013]/桃原一彦/〈6月の沖縄〉を見る目/敵づくりの言説に抗う/日常から紡ぐ言葉に力
2013.06.30   朝刊   13頁   文化   (全2,255字) 

[岐路の憲法・わたしの視点](3)/ライター/知念ウシさん/9条 適用されぬ沖縄
2013.06.13   朝刊   27頁   社会   写有   (全1,107字) 

[茶のみ話]/宮城一史(61)/琉球独立のよもやま話
2013.06.09   朝刊   5頁   オピ2   (全602字) 

[論壇]/金城一雄/琉球独立へ高まる関心/学会の研究深化に期待
2013.05.26   朝刊   5頁   オピ2   写有   (全1,031字) 

[魚眼レンズ]/新川明さん/持続性ある独立論に喜び
2013.05.20   朝刊   13頁   文化   写有   (全310字) 

[記者のメモ]/「沖縄独立」にエール
2013.05.18   朝刊   2頁   総2   写有   (全224字) 

[核心評論]/復帰41年/沖縄独立論に新たな芽
2013.05.18   朝刊   4頁   国際   (全1,107字) 

「琉球の独立」支持訴える /学会設立で中国紙
2013.05.17   朝刊   6頁   国際   (全331字) 

「琉球民族に自由を」/独立総合研究学会が発足
2013.05.16   朝刊   24頁   二社   写有   (全727字) 

続く負担 晴れぬ思い/復帰41年 頭越し 県民不満
2013.05.16   朝刊   25頁   社会   写有   (全1,548字)

復帰の意味 見つめ直す/歴史や独立論 4氏議論/「運動の総括不十分」の指摘
2013.05.13   朝刊   27頁   社会   写有   (全873字)

人民日報「琉球」論文 県内複雑/日本が武力併合 事実/中国の属国ではない
2013.05.10   朝刊   30頁   二社   (全741字) 

[論壇]/髙良沙哉/「私は何者か」問い直す/自律と尊厳回復の道探る
2013.05.04   朝刊   5頁   オピ   写有   (全972字)

独立へ プロセス議論/沖縄の主権考えるシンポ
2013.04.28   朝刊   28頁   二社   写有   (全609字) 

[「4・28」への視座](17)/大城立裕氏 作家/日本への同化 岐路に
2013.04.28   朝刊   2頁   総2   写有   (全1,191字)

「民族」の独立 自らの手で/27日に「琉球の主権回復」考えるシンポ/友知政樹
2013.04.25   朝刊   13頁   文化   (全1,256字) 

[発信着信]/27日、琉球独立テーマにシンポ
2013.04.21   朝刊   5頁   オピ2   (全283字) 

[「4・28」への視座](8)/友知政樹氏 沖縄国際大学准教授/米の属国 「主権」どこ
2013.04.17   朝刊   2頁   総2   写有   (全1,127字) 

[わたしの主張あなたの意見]/米軍基地負担 公平な分担を/上原武弘=62歳
2013.04.05   朝刊   5頁   オピ   (全445字) 

5・15に独立学会発足/設立委 今月27日 主権要求シンポ
2013.04.01   朝刊   31頁   社会   (全509字)  

葛藤越え 決意の「独立」/増す基地負担 国に見切り/「日本」への告発状 12
2013.02.07   朝刊

[「国と国」を語る]/龍谷大経済学部教授・松島泰勝氏/研究進む琉球独立の道/「地理上の不幸を幸福に転換」
2013.02.05   朝刊   3頁   総3   写有   (全1,791字)


宮古新報 (琉球)

〈案内〉 琉球民族独立総合研究学会 第2回学会大会&オープン・シンポジウムに寄せて 松島泰勝
2014.02.19

〈案内〉 琉球民族独立総合研究学会 第2回学会大会&オープン・シンポジウムへのメッセージ 平恒次
2014.02.20

総合研究学会 琉球の主権を強調 「独立」テーマにシンポジウム
2014.02.23

映画「スケッチ・・・」など批判 琉球独立研究学会 首相夫人のトライ来島も
2014.02.25


宮古毎日 (琉球)

〈投稿〉 「スケッチ・オb・ミャーク」は「バンダガミャーク」なのか?
2014.02.19

〈投稿〉 琉球民族独立総合研究学会 第2回学会大会&オープン・シンポジウムへのメッセージ イリノイ大学名誉教授 平恒次
2014.02.22

宮古から琉球独立論を検証 4人のパネラー提言 島文化の重要性など訴え 第2回学会大会
基調報告 下地氏 宮古人気質を推測 / 松島氏 独立への形態模索
2014.02.23

映画製作などに抗議声明
琉球民族独立総合研究学会 「宮古が直面する問題」
2014.02.25


八重山毎日新聞 (琉球)

「八重山の平和」で体験談語る
ACSILs国際公開シンポ 慶田盛氏が基調講演
2015年10月25日

琉球民族独立総合研究学会 公開シンポでエドワード氏 --->y-mainichi
グアムの事例など紹介
2015年10月25日 社会・経済 ,  地域・教育
 琉球民族独立総合研究学会(ACSILs)主催の国際オープンシンポジウムが24日午後、石垣市民会館中ホールで開かれ、前竹富町教育長の慶田盛安三氏が基調講演した後、同会員のエドワード・アルバレス(グアム政府脱植民地化委員会事務局長)、マイケル・ベバクア(グアム大学教養社会科学部准教授)、石垣金星(西表をほりおこす会代表)、新垣重雄(島の未来を考える島民会議共同代表)の4氏がパネルディスカッションを行い、グアムの事例などを紹介した。 同学会は「人民の自己決定権」に基づき、琉球独立の政治的地位を実現することを目指し、学術的な観点から独立に関する研究を行おうと2013年に設立。年数回のシンポジウムを行ってきた。 同会によると、グアムは46年に国連の非自治地域リストに登録され、97年にグアム政府に脱植民地化委員会を設立、将来の政治的地位として「独立国」「自由連合国」「州」を検討することを決め、議論を進めているという。 パネルディスカッションでエドワード氏は「グアムも沖縄も植民地だと感じる。私たち自身の島で何が行われていくのか、島に住んでいない政府が決めるのではなく、私たち自身が議論のテーブルに就かなければならない」と自治権の強化、確立の必要性を強調。 マイケル氏は「日米安全保障条約で苦しい思いをしている島々に道を示すことが重要だ。独立も一つの方向性だと思う」と述べ、独立の必要性を訴えた。 また、石垣氏と新垣氏は石垣島への自衛隊配備を懸念、「力を合わせて独立についても頑張ろうと考えている」(石垣氏)、「政府に対してモノを言うには頭数。選挙、地域の声を一つにすることが大事だ。右傾化に対抗する強固な組織をつくらないといけない」(新垣氏)と意気込みを話した。

「誘い」八重山から考え、実践する琉球独立~教育、平和をキーワードに~
琉球民族独立総合研究学会共同代表 松島泰勝
2015年10月24日


八重山日報 (琉球)

琉球独立学会 尖閣「中国侵攻ない」
自衛隊反対、シンポで訴え
2015年10月25日

「正義は少数派にも」 日本は未成熟と慶田盛氏
2015年10月25日

琉球独立に潜む罠 兼次 映利加
2013年8月14日
 
無謀な琉球独立論 賛同者は歴史に学ぶべき 吉崎 富士夫
2013年5月23日

琉球独立で平和な島に 尖閣は争い棚上げを 市出身の松島教授提唱
2013年5月15日 社会 • 一般

沖縄「自ら主権回復を」 式典前日「独立」シンポ
2013年4月28日


うるまネシア (琉球) --->books mangroove

第17号(2014.01.07)
・特集「琉球処分」再考

第16号(2013.08.15)
・琉球民族独立総合研究学会
   ・「琉球民族独立総合研究学会」の設立に寄せて <友知政樹> p82~
   ・琉球の主権回復における我々琉球人の役割 <松島泰勝> p86~
   ・「琉球独立」論をめぐる雑感 <新川明> p90~

第15号(2013.02.10(琉球正月))
・独立を目指す琉球人による琉球人のための学会誕生 <松島泰勝> p24~
・第6次琉球処分の視点からMV-22オスプレイの琉球強行配備を考える―「琉球独立総合研究学会(仮称)」の設立を目指して― <友知政樹> p39~


「時の眼-沖縄」批評誌 N27 (琉球)

第2号(2013.12.27)
【時の潮流】
「琉球民族独立総合研究学会」
・第1回学会開催・総会、オープンシンポジウムを開催! 友知政樹
・「独立」論についての覚書 新川明
・書評 ― 『沖縄独立研究序説』 真久田正2013年 生きざまを土台に「独立」へ飽くなき探究 安良城米子


ROK ラジオ沖縄 (琉球)

沖縄羅針盤
龍谷大学 経済学部 教授 松島泰勝 さん  前篇 後篇


ABC.es (スペイン)

20/09/2014 (Madrid)
Cataluña, Escocia… y Okinawa
 La prefectura situada más al sur del archipiélago nipón también tiene independentistas que han viajado a Edimburgo para aprender cómo organizar un referendo.
    ---> abc

17-09-2014 (EFE)
Okinawa mira a Escocia para "aprender" del proceso independentista
    ---> abc


Noticias de Japón | International Press Digital (ポルトガル語)

Associação de auto-determinação é fundada tendo em vista a independência de Ryukyu

    ---> NdJ
25/07/2016
  No dia 24 de julho, a recém-formada associação de auto-determinação de Ryukyu “Nuchi du takara” (a vida é um tesouro) realizou um evento para celebrar sua formação no Centro Comunitário Central de Nishihara. Aproximadamente 150 pessoas compareceram ao evento. A associação busca ser uma organização política estilo sociedade civil e planeja utilizar as Nações Unidas e a lei internacional para afirmar sua auto-determinação, tendo em vista também a possibilidade de alcançar sua independência. A associação planeja desenvolver-se em uma associação política oficial depois de adquirir um certo número de apoiadores.
  A associação baseia-se em cinco princípios, dentre as quais está presente “a observância da história de Ryukyu/Okinawa até o presente, e, com força, caminhar rumo ao futuro através do exercício da auto-determinação de Ryukyu/Okinawa, visando a independência” e “dando adeus ao colonialismo de Ryukyu/Okinawa por parte do Japão e dos Estados Unidos, que continua hoje sob a forma do problema da construção de nova base militar em Henoko.” Exige-se dos membros que tenham raízes no arquipélago de Ryukyu.
  Como política básica, a associação estabeleceu como meta “trabalhar junto com as Nações Unidas, a sociedade internacional e o Leste Asiático, expandindo o exercício da auto-determinação” e “ver resoluções apoiando a realização da auto-determinação passada por todos os habitantes da cidade de Okinawa e assembleias municipais e da província.” Planeja trabalhar em cima de vários problemas imediatos, dentre eles buscar fechar imediatamente a base de Futenma, opor-se à construção forçada da nova base em Henoko, as pistas de pouso para as aeronaves Osprey em Takae, ao aumento do número de contingente das Forças de Auto-Defesa do Japão e ao processo de militarização de Okinawa, além de encorajar desenvolvimento econômico, promoção da cultura, educação na língua e melhora no ambiente de trabalho.
  Um patrocinador da associação, Yoshio Yonamine, vereador de Nishihara, disse: “Ultimamente, esperamos nos tornar um grupo capaz de conduzir um referendo na província na questão da auto-determinação.”
(Traduzido de Ryukyu Shinpo (25/07/2016): http://english.ryukyushimpo.jp/2016/08/09/25571/ Postado há 5 days ago por Akira Uema)


2013.05.16

Se forma organización en Okinawa que busca la independencia de Japón    ---> NdJ
No quieren ninguna base de EEUU en su territorio


The Guardian (英国)

Okinawa independence movement seeks inspiration from Scotland
Activists from Japanese island hope growing anger over a controversial US military base will boost support
Monday 15 September 2014
    ---> theguardian


Financial Times (英国)

November 3, 2015
US military bases fuel Okinawa independence debate
(by Robin Harding in Naha, Okinawa)


RT (DC, USA)

Half of wildlife gone, firefighters fight sexism & Okinawa struggles for independence
October 01, 2014 04:30
   ---> RT
   ---> YOUTUBE  (@18:20)

‘Hai’: Okinawa pro-independence campaigners look to Scotland for inspiration
September 15, 2014 12:58
    ---> RT


The New York Times (米国)

2013.07.05 By MARTIN FACKLER - World / Asia Pacific - Article -
In Okinawa, Talk of Break From Japan Turns Serious
    ---> nytimes
    ---> kariyushi club  (ヤマト口版)


The Japan Times (日本)

2015.01.26  by Eiichiro Ishiyama (Kyodo)
Ryukyu pro-independence group quietly gathering momentum
    ---> japantimes

2013.07.11  by Mizuho Aoki, Staff Writer
Okinawans explore secession option
Academics see need for people to regain pride, identity, culture
    ---> japantimes


The Diplomat (香港)

2013.07.24 By Trefor Moss
Okinawa: the Scotland of Asia?
    ---> thediplomat


PanOrient News | بان أورينت نيوز (アラビア語)

طوكيو- الجمعة 17 مايو 2013 /بان اورينت نيوز/
تأسيس منظمة تهدف لاستقلال أوكيناوا عن اليابان
    ---> panorientnews


中央日報日本語版 (韓国)

2013年05月16日
沖縄の独立要求する反政府デモ…韓国メディアも注目
    ---> joins


東亜日報 (韓国)

기사입력 2013-05-24
“전쟁땐 총알받이… 평시엔 멸시” 오키나와 분노로 들끓어
    ---> donga


人民日報 (中国)

2013年5月10日
人民日報:馬関条約と釣魚島問題を論じる
2013年5月15日
琉球民族独立综合研究学会在冲绳成立
    ---> people


环球网 (中国)

2017-02-24
来真的!为琉球拼独立,他们要告到联合国!
    ---> GT

2017-02-24
“琉球民族独立综合研究学会”发起人:“琉球独立”支持力量在上升
    ---> GT

2016-08-12
琉球地位未定,不能叫“日本冲绳”
    ---> GT


新華社 (中国)

2014年09月16日
スコットランドの独立にインスピレーションを求める、日本の沖縄も琉球民族の独立を追求へ―英メディア
    ---> xinhua


明報 (中国)

2013年10月21日
琉獨分子﹕釣島不屬日  避捲紛爭 拒當中美磨心


東方網 (中国)

2014年09月17日
苏独激励亚洲 冲绳谋脱日本
    ---> oriental


THAILAND NEWS (タイ)


June 1, 2013
Independent Ryukyus could offer peace chance
    ---> thailandnew


日本記者クラブ (日本)

2015年06月02日
松島泰勝氏による講演 ---> 動画


時事通信 (日本)

2013年5月15日
「琉球民族独立学会」が発足=全基地撤去、平和な島実現を-本土復帰41年・沖縄
    ---> jiji


SYNODOS (日本)


2015.04.02 Thu
辺野古移設を強行すれば日本への怒りが広がる──大田昌秀インタビュー
沖縄の怒りと独立論   ---> SYNODOS
・・・ いま独立論が広がってきている。これまでの独立論というのは政治家が言っていたんだけど、いままでとぜんぜん違うのは、大学の教授たちが言っている。 たとえば「琉球民族独立総合研究学会」という学会もできているわけです。ぼくも発起人の一人に入れられたが、アメリカの大学院なんか出た若い女性たちもそれに参加している。それがシンポジウムとかで独立を唱えるようになっているわけです。日本の代議制民主主義、これが機能しなくなっているから、直接民主主義に訴えるべきだと。 ・・・ 最近どういうことが起こっているかというと、ニューヨークタイムズの記者がふたり来て、タイムという雑誌の女性記者がふたり来て、ニュージーランドやオランダの記者が来て、ほんとに独立するんですかと、非常に関心を持たれているわけです。しょっちゅういろんな記者が来る。 今月も、こないだはロイターの記者が来て、今月もテレビ局が2局ぐらい来ることになっている。海外からも、独立論に非常に関心が持たれているんです。これがじわじわと浸透してきている。おそらく、政府が辺野古を強行したら、独立論が一挙にひろがる可能性が出てくる。それが沖縄の近い将来に起こりうるとみています。 ・・・ そう。日本の沖縄政策というのが、明治のころからぜんぜん変わってない。この20年間の歩みを見ていると、沖縄の日本離れというものが、確実に進みつつあるなということがはっきりしている。 ・・・ 政府は強行しようとしているね。海上保安庁が必死に抵抗運動を弾圧してるけど、それにくじけるようなひとたちじゃないですからね。強行すると独立論が一挙に燃え広がる可能性がある。 ・・・


朝日新聞 (日本)

2016年6月29日
沖縄語る「立ち位置」問う是非 当事者の自覚、本土側に迫る 識者ら討論
---> asashi
 今月23日、沖縄戦で日本軍の組織的戦闘が終わった日にちなむ「沖縄慰霊の日」を迎えた。沖縄について議論する際、しばしば問われるのが語り手の立ち位置の問題だ。沖縄在住か、本土在住か。基地を「押しつけられる側」か、「押しつける側」か。那覇市で5月下旬にあった公開討論会は、沖縄を語る際のこうした線引きの是非をめぐり、4時間を超える議論となった。 討論会のタイトルは「琉球独立論は何を夢みるか ゲンロンカフェ沖縄出張版」。批評家の東浩紀さんが東京で開いている討論イベントを、沖縄県出身のライター島袋寛之さんが代表を務める団体が招いた。 東さんのほか、琉球民族独立総合研究学会理事の親川志奈子さん、ジャーナリストの津田大介さん、同県名護市辺野古のフィールドワークをしている明星大准教授の熊本博之さんが登壇した。 沖縄の独立を求める親川さんはまず、「“日本からいらした皆さん”と沖縄のことを語りたい」と話し、自身の国籍とアイデンティティーを分けて考えて、「琉球人」と自己認識していることを明らかにした。 日本の総面積の1%に満たない土地に、米軍専用施設の74%が集中している沖縄。親川さんは「本土から来て、『(米軍基地から)沖縄を解放してあげたい』と言う日本人にたくさん出会ってきた」と振り返り、「でも、日本人は米軍基地を沖縄に押しつける政治を選び、支えている。(第三者でなく)沖縄問題をつくっている当事者だと認識してほしい」と呼びかけた。 親川さんが提起したのは、沖縄について語る人の「ポジショナリティー(立ち位置)」の問題。男性か女性か、沖縄在住か本土在住かといった、その人の立ち位置が自然と帯びる政治性に注目する考え方だ。 司会役の津田さんは、福島第一原発事故の後、現地を知らない人が福島について語ることを「ありがた迷惑」とする議論があったことを紹介。そのうえで、語り手のポジショナリティーの確認が前提になると、「外から沖縄を語りにくくなり、議論が閉塞(へいそく)しないか」と問いかけた。 親川さんは「日本人は沖縄を語るな、ということではない」と強調。「私が独立論を語るようになったのは、もう差別をされたくないから。『同じ日本人』と言いながら、基地を押しつける差別はなくならない。何とか状況を変えたくて、ポジショナリティーの確認といった議論の切り口も考えなければならなかった」と訴えた。 東さんは「私は45歳の男性で日本人。(そのことが)想像力を限界づけてもいる」とし、「沖縄の人々が本土とは異なる歴史認識を持つ『他者』であることを認識したうえで、議論していくべきではないか」と話した。(上原佳久)

2015年06月23日
沖縄はどこへ向かうのか 「独立論」も再浮上
    ---> asashi

2015年03月09日     夕刊     夕刊be月曜2面     005     01227文字
(人生の贈りもの)元沖縄県知事・大田昌秀:6 沖縄の失望深めた本土復帰
 ――1965年、佐藤栄作首相は沖縄で「沖縄の祖国復帰が実現しない限り、わが国にとって『戦後』が終わっていない」と述べました。
 世論は二分されていましたが、私は復帰に賛成でした。米軍の基地用地強制収用に対する闘争の盛り上がりとともに、沖縄の復帰運動も高まっていました。私は、復帰して沖縄に日本国憲法を適用し、基本的人権を保障するのが先決だと考えていました。医療や福祉、教育は他県より劣悪だったのです。
 佐藤首相が沖縄に来られたとき、首相が泊まる那覇のホテルの前に復帰を求めるデモ隊が座り込みました。琉球大学の助教授だった私は、雑誌「朝日ジャーナル」の依頼で実況報告を書くためにその場にいました。警官がデモ隊をこん棒で殴り、血を流す人を目撃しました。私も殴られそうになりました。
 ――沖縄返還には密約があったとされます。
 佐藤首相の「密使」としてアメリカと交渉した大学教授の若泉敬さんが後に、「他策ナカリシヲ信ゼムト欲ス」という著書を出します。その中で、アメリカが返還時の「核抜き」を実施する代わりに、日本の有事には再持ち込みを認める「密約」の経緯を明かしました。
 「非核三原則」に反することであり、大変驚きました。若泉さんに内容の確認をしました。すると「本に書いてあるとおりで、個別の事項について返事をすることはできません」というファクスが届きました。
 ――72年、沖縄は本土復帰を果たしました。
 日米両政府は日米安全保障条約を結び、「極東の平和と安全」を前面に打ち出して、将来も沖縄の基地を維持し続ける道を進みました。返還によって米軍基地は本土並みに縮小するのでは、という多くの住民の期待は裏切られました。私は絶望感にとらわれました。
 しかも基地が減らないだけではなく、アメリカの財政悪化などで基地で働く人たちが解雇されました。5万5千人いた労働者が2万人に減ったのです。基地労働者でつくる全沖縄軍労働組合(全軍労)は反対運動を起こしました。のちに全軍労は、本土の米軍基地労働者でつくる全駐留軍労働組合(全駐労)の沖縄地区本部となり、全駐労も削減を問題視しましたが、国は動かず、解決しませんでした。 私は、「沖縄を通して日本の民主主義の成熟度が測れる」と訴えてきました。本土の人たちが、日本の平和と安全のために日米安全保障条約や米軍基地が必要と言うのなら、相応の負担と責任を負わなければなりません。しかし、負担と責任を分かち合おうとはしません。自らの平和と安全の犠牲となっている他の人を顧みないのは、人間らしい生き方とは言えないのではないでしょうか。 沖縄社会大衆党をつくった大山朝常(ちょうじょう)さんは「帰るべき祖国ではなかった」と述べています。復帰は沖縄の人々の失望を深めたように思います。(聞き手・平出義明)


2014年08月20日     朝刊     朝文化1     023     01969文字
(世間の戦争 第1次世界大戦から100年:4)
沖縄、同化への呪縛と反発と   
 ・・・沖縄県今帰仁村(なきじんそん)出身の作家、目取真俊(めどるましゅん)さん(53)は毎日のように来て、ブログで報告する。「建設を強行するこの風景が隷属関係にある沖縄の現実を示しています。沖縄戦や沖縄抜きの講和条約。日本全体の安全保障のため、いつも沖縄は犠牲にされる」と語る。
 普天間基地は本土側に引受先がなく、県内移設が動き出した。沖縄のふつうの人々に犠牲を強いるのは、日本政府だけなのか。「本土」のふつうの人々も、沖縄が負担を引き受けて当たり前だと思っていないか。その「構造的差別」が、沖縄の独立論を呼び起こす。
   *
 石垣島生まれの龍谷大教授、松島泰勝さん(51)は7月に『琉球独立論』を出した。昨年、沖縄がルーツの学者らで琉球民族独立総合研究学会を発足させた。「琉球人は独自の民族であり、国際法が保障する自己決定権により独立できる。かつての南洋群島、人口約2万のパラオは、94年に信託統治領から独立しました」 日本は憲法解釈を変えて米軍への協力をさらに進めようとしている。尖閣諸島の問題では中国との緊張が高まる一方だ。もし衝突が生じたら、「戦場」になるのは沖縄。それを回避するには、非武装中立での独立が有効ではないか。 「日本も琉球独立を支援すべきです。中国やロシアが力で国益確保を進める中、日本が平和的に独立を認めれば快挙です。侵略の歴史が残るアジアや太平洋の国々からも歓迎されるでしょう」 太平洋戦争では南洋群島も戦場となり、1万人以上の沖縄関係者が犠牲になったとされる。日本、アメリカ、中国。「大国」のパワーゲームを分析した上での独立論は、かつて、海を越えても逃れられなかった戦火からの脱出路を探す試みにも見える。


2013年08月14日     朝刊     1社会     031     02012文字
沖縄、9条実感したい 碑に条文、戦争語り継ぐ 「平和、支えているんだよ」【西部】   

2013年08月10日     朝刊     オピニオン1     013     01050文字
(私の視点)琉球独立 学会設立、世界と連携へ 友知政樹   

2013年07月31日     朝刊     1社会     039     02269文字
(憲法はいま)沖縄、9条を刻む 碑に誓う―戦争語り継ぎ、静かな空と土地を取り戻す   

2013年05月19日     朝刊     4総合     004     01075文字
(政治断簡)「沖縄独立論」育てる本土の病巣 論説委員・松下秀雄   

2013年05月16日     朝刊     1社会     031     00368文字
沖縄の独立テーマに学会が発足 【西部】   

2013年05月15日     朝刊     2社会     038     00851文字
「沖縄独立」ヤマトよ聞け 本土に不信、学会発足 きょう復帰41年   

May 15, 2013  <The Asahi Shimbun>
Okinawans form group to study independence from Japan
    ---> asashi

2013年05月14日     朝刊     1社会     035     01658文字
(1952OKINAWA-1972沖縄)沖縄独立、語る悲しさ 復帰41年【西部】

2012年11月24日 朝日新聞デジタル
翁長雄志さんに聞く 沖縄の保守が突きつけるもの
・・・。
――沖縄の保守と本土の保守の論理は違うということですか。
「ちがいますね。本土は、日米安保が大切、日米同盟が大切。それで『尖閣を中国から守るのに、沖縄がオスプレイを配備させない』と言う。沖縄にすべて押しつけておいて、一人前の顔をするなと言いたい。これはもうイデオロギーではなく、民族の問題じゃないかな。元知事の西銘順治さんが、沖縄の心はと問われ、『ヤマトンチュ(本土の人)になりたくて、なり切れない心』と言ったんだけれど、ぼくは分かった。ヤマトンチュになろうとしても、本土が寄せ付けないんだ」 「寄せ付けないのに、自分たちの枠から外れると『中国のスパイだ』とかレッテルを貼る。民主党の前原誠司さんに聞かれたよ。『独立する気持ちはあるんですか』と。ぼくは、なでしこジャパンが優勝した時、あなたよりよっぽど涙を流したと話しました。戦後67年間、いじめられながらも『本家』を思ってきた。なのに基地はいやだといっても、能面みたいな顔で押しつけてくる。他ではありえないでしょう。日本の47分の1として認めないんだったら、日本というくびきから外してちょうだいという気持ちだよね」
・・・。



週刊 アエラ AERA (日本)

2015年07月02日  (10500文字)
琉球独立の現実味 「嫌なら出てけ」「じゃあそうしましょうか」

2015年06月29日 069
辺野古が決める琉球独立 

2015/6/29
日本からの「独立論」強まる沖縄 描く青写真は ---> aera
 6月23日、沖縄は戦後70回目の「慰霊の日」を迎える。だが、人々の心は癒えることがない。米軍基地がもたらす「ゆがみ」が、いまも沖縄と本土を分かち、沖縄の人々の仲を引き裂いている。 5月16日、琉球民族独立総合研究学会の公開シンポジウムが、沖縄県宜野湾市の沖縄国際大学で開催された。大講堂を埋めた数百人の聴衆には、沖縄風に髪を結う男性も目立つ。 高揚感が漂うなか、パネリストの一人、高良沙哉・沖縄大学准教授が声を詰まらせながら語りかける。「植民地が独立するのは、きわめて自然な流れです。昔、独立学会に入ったと言うとヤマトの人に寂しそうな顔をされた。でも最近は、独立したほうがいいと言われるようになった。どちらにしても、独立するかしないか、私たちの判断であって、ヤマトの人がどうこう言うことではないですよね」   大きな拍手が会場に響く。   自己決定権を貫こう。民族自決が大事だ。琉球は独立国だった。いまもヤマトの植民地だ──そんな激しい言葉が飛び交った。主張は基地反対とも強く結びつく。学会の主要メンバーの友知政樹・沖縄国際大学教授は、シンポジウムでこう語った。「琉球独立に向け、琉球の島々からすべての基地を撤去するのが、学会の掲げる大事な目標。だが、日本政府は基地撤去を認めない。琉球を平和な島々に戻すためには、琉球が自治権を確立し、独立するしかない」 琉球独立への意欲は本物だが、それでは独立に向け、どんな青写真を描いているのか。 『琉球独立論』(バジリコ)の著者で、同学会の共同代表を務める松島泰勝・龍谷大学教授は、こんなプランを説明する。
(1)国連の脱植民地化特別委員会で「非自治地域」に登録させるため、県議会で決議を行う。
(2)登録後、国連監視下で住民投票し、独立が決定すれば独立を宣言する。
(3)世界にいる50万人の琉球出身者の協力も得ながら、各国に働きかけて国家承認を求める。
 松島さんによれば、南太平洋にある人口1万人のツバルや2万人のパラオも戦後、独立を達成している。 2005年にある学者が行った調査によれば、独立支持者は25%。経済的自立が確かならば、5割に達する結果だった。一方、今年5月末の琉球新報などの世論調査によると、沖縄の将来について、現行通り日本の一地域(県)のままが66.6%、特別自治州などが21.0%、独立は8.4%だった。調査によって数字にばらつきがあるようだ。 しかし、この数年、琉球独立論が県民にとって「共通の話題」の地位を獲得しつつあることは間違いない。 今後の琉球独立論の行方を松島さんは「辺野古問題の成り行き次第です」と見る。「日本政府が辺野古の海を埋め立てるほど、独立の時期が早まると思います。日本政府が辺野古移設を断念し、普天間も嘉手納も返還するとなれば、一時的には沖縄で独立の雰囲気は弱まるでしょう。つまり日本政府が琉球を選ぶのか、米軍基地を選ぶのかが問われているのです」


2013年06月24日     058     03716文字
「独立」語る沖縄の決意 「アメリカ世」、「ヤマト世」を経て「ウチナー世」へ   


週刊朝日 (日本)

2017年3月17日号
現実味を帯びる「琉球独立」 歴史的第一歩を踏み出すか!? ---> sa

2015年08月06日
バカにするならさようなら 琉球文化人が決起した沖縄独立論 ---> sa

2015/7/15
芥川賞作家・目取真俊「百田発言は安倍首相の本音を代弁している」 ---> sa
 作家・百田尚樹氏が「沖縄の二つの新聞はつぶさなあかん」と自民党勉強会で発言した問題が、県民の“怒りの炎”に油を注いだ。沖縄在住の作家・目取真俊氏(めどるま・しゅん)は「将来、独立を綱領に掲げる地域政党が誕生する」と予言。沖縄の乱は起こるか。ジャーナリストの亀井洋志が取材した。 *  *  * 「戦後70年」にあって、辺野古では海底ボーリング調査が強行されています。沖縄県民は過重な米軍基地を押しつけられ、忌まわしい地上戦の記憶を引きずってきました。新基地の建設は、米軍が行う戦争のさらなる継続を意味します。安倍首相は、慰霊の日の追悼式によくも参加できたものです。式典で怒号が飛ぶというのはよほどのことです。その怒りと憎しみの深さを、彼は理解していません。 政治家が幼稚化しています。百田尚樹氏や自民党若手議員の発言は、安倍首相の本音を代弁しているのでしょう。「普天間基地は田んぼの中にあった」などの暴言は、ネット右翼が拡散しているデマの典型例です。「沖縄の新聞2紙を潰さないといけない」という発言も含めて、この程度の人物が自民党若手議員の勉強会に呼ばれるのは、安倍シンパの言論人の質がいかに低いか、自民党の政党としての劣化を示していると思います。意に沿わない言論は封じ込めるという安倍政権の危険な体質に対して、メディアは強く批判し、抵抗すべきだと思います。 高飛車な政府のこれまでの対応に、沖縄県民の反発は強まるばかりです。昨年行われた名護市長選、名護市議選、県知事選、衆院選のすべてで辺野古新基地反対派が勝っています。しかし、「オール沖縄」の民意は無視されている。国会は自民党の独裁状態で、辺野古に反対しているのはごく小さな政党だけです。国政の場でまともな議論さえできないのなら、沖縄は自主的な外交権を持つしかない、ということになります。 いったい沖縄はどこまで追い詰められていくのか。辺野古の埋め立てがゴリ押しされた揚げ句、オスプレイがどこかに落ちたらどうなるか。こんな悪夢は実際に起きてはなりませんが、多くの県民が潜在的に持っている不安なのです。沖縄に対する構造的差別に抗するために、もう独立するしかないという気分が広がり始めています。 5月に翁長知事は沖縄の民意を伝えるため訪米しましたが、今度は国連でスピーチさせようとの動きがあります。沖縄の自己決定権や、辺野古の海の生物多様性など環境権を訴えるために有効だと思います。基地が集中する沖縄の現状を、世界にもっと認知させる必要があります。 沖縄社会に地殻変動が起きたのは、少なくとも5年前の稲嶺進・名護市長の誕生からです。さらに空気が一変したのは2012年9月、オスプレイ配備に反対する市民らが座り込んで、普天間基地のすべてのゲートを封鎖した時です。基地の機能を麻痺させたのは画期的でした。米軍も驚いたはずです。ゲートは米兵だけではなく、食料からゴミまで出入りする。これを全部ストップさせたら、基地は維持できないわけです。 沖縄の独立を目指す政治家は、こうした反戦運動の現場から生まれます。誰よりも現場で体を張っている人物がリーダーとなって、まずは地域政党を発足させることです。将来的な「沖縄独立」を綱領に掲げて、那覇市議会や宜野湾市議会で議席を得られれば現実味を帯びてくるはずです。 独立を支える人を育てる教育が重要です。何より「オール沖縄」で経済界の人たちが立ち上がっているのは心強い。経済の発展がなければ、独立論など空論に終わってしまうわけですから。沖縄の基幹産業は観光です。尖閣諸島周辺で軍事衝突が起きれば、観光客は来なくなります。 いま安保法制国会が行われていますね。国境がいつも戦争の火種になるのであり、沖縄県民は大きな危機感を抱いています。 ヤマトゥのみなさん。日本はアメリカから独立しているのですか? 戦後70年も経つのに、国民の税金を使ってアメリカのために新基地を建設する。安全保障もアメリカの言いなりで、不平等な日米地位協定すら改定できない。日本政府こそ、自主独立の精神が根本から失われている現実を直視すべきです。

2015/5/28
翁長沖縄県知事の逆襲 オスプレイ墜落と「琉球独立論」 ---> sa


毎日新聞 (日本)

Listening:<「論争」の戦後70年>琉球独立論 戦争への危機感、背景
2015年05月12日
    ---> mainichi
◇日本と異なる歴史、根拠に/楽観的理想主義、地元でも疑問視
 1972年5月15日、沖縄が日本に復帰した。東京で開かれた記念式典の最後、佐藤栄作首相が「日本国」と「天皇陛下」万歳三唱の音頭をとった。天皇陛下万歳の方は当初の予定になかった。その日の毎日新聞夕刊は「沖縄万歳といってくれるならまだしも」と、沖縄側の憤慨を伝えた。だが、首相の暴走は単なるハプニングだったのか。もっと根の深い違和感を覚えた人が、沖縄には少なくなかったのかもしれない。初めから、何かがずれていたのか。 41年たった2013年5月15日、「琉球民族独立総合研究学会」が発足した。趣意書によれば、琉球民族が独立することを前提に、その実現に必要な研究、討論、人材育成を行う学会である。独立に関する学会は琉球史上、初の創設とのことだ。 米軍普天間飛行場の辺野古移設問題を機に、沖縄の独立をあおるメディアも出てきた。沖縄独立が切迫した課題だと今は見えないが、現地の真摯(しんし)な動きには注目したい。 学会の姿勢でまず目を引くのが、会員を「琉球の島々に民族的ルーツを持つ琉球民族に限定」したことだ。本土への拒絶感の強さが気になる。共同代表の一人、松島泰勝・龍谷大教授(島嶼(とうしょ)経済)に聞いた。 「排外主義ではないですよ。琉球民族とは、という定義を学会ではしていない。『自分は琉球人』というアイデンティティーに基づく自己申告と会員の推薦で入会できます。定義より、琉球の歴史や文化に責任をもちたいという自覚が大事ですね」 民族が人種や血によらず、文化や歴史的な概念であることを松島さんは自著で強調している。その点にほっとするものの、学会の歴史観や民族観には本土日本人一般とは相当な距離がある。例えば、「琉球人は日本人とは別の民族」。また、「今の琉球は日米の植民地」。日本の国の南部で、民族の違いをこれほど前面に出す活動があること自体、十分刺激的ではないか。 こうした特徴をもつ学会は、国際法に従って民族自決権を行使し、住民投票、独立宣言、各国からの承認獲得というプロセスを経ての平和的な独立を目指している。そして、独立によって、すべての軍事基地の撤去、平和と希望の島の実現、琉球民族の人間としての尊厳の回復が可能になると力説するのである。 さて、独立を求める動きは、沖縄でどう受け止められているか。 前回、「沖縄イニシアティブ」論争で登場願った3氏のうち、批評家の仲里効(いさお)さんは好意的だ。「独立論は、沖縄の歴史的転換期に繰り返し出てきた。沖縄の人の潜在意識の中に独立志向がある。今の独立論も荒唐無稽(むけい)なものではなく、歴史的な根拠がある。独立論自体、沖縄の思想や自己主張の重要なひとつです」 一方、高良倉吉・琉球大名誉教授や仲村清司・沖縄大客員教授は冷ややかに見ている。 高良さんがすぐに挙げた疑問が「独立したとして、周囲の大国とどうつき合うのか」。北に経済大国・日本、西に経済・軍事超大国の中国、さらに中国と問題を抱える台湾、もちろん米国。人口がせいぜい140万人の小国・琉球は東アジアの不安定要因になりかねない。 対して松島さんは「琉球人が自分の島、人々の命を守るために独立して非武装中立の小国となる。戦争しないための外交や会議、国連のアジア本部を誘致……、できることはいっぱいあります」。当地の大問題、尖閣諸島については「領有権は琉球にあることになりますが、そうは主張せず、コモンズ(みんなの領域・海域)にしようと提案します。(富国強兵を一人前の条件とする)近代国民国家の枠を崩せるのでは」。 とても楽観的な理想主義だ。ただ、太平洋の島国パラオなど、軍隊をもたなくても平和に生活できている実例は世界に豊富にあるという。 仲村さんは「ヤマト(本土日本)との腐れ縁を一度断ち切るのは賛成。でも、独立で沖縄の諸問題が乗り越えられるのか」と疑問視する。「いま一番の問題は格差や貧困。それに、島の多様性が沖縄の魅力だし、独立という一つの方向に持っていくこと自体、無理がありますよ」 これにも松島さんは「島々で投票し、意思決定します。人数が多い本島がすべてを決めるのではない。例えば宮古島一島が独立してもいいですよ」「所得格差の問題も、基地受け入れの代償として日本の官僚が考えた振興策に起因するものが多い。独立し、豊かな自然を土台にした経済を基地関連の補助金なしにやっていこうと議論しています」。 さらに、仲村さんは「ヤマトに痛めつけられた恨みがベースでは長続きしない。希望ベースでないと」と心配する。昨年、英スコットランドの独立運動を現地で見た松島さんは「独立すればこんなにいいことがあるという『イエスキャンペーン』が面白かった。琉球の場合も、どういう憲法、政府をつくるかといった前向きの議論が中心なんですよ」。 学会創設からまもなく2年。松島さんは「会員は300人に増えた。独立という議論が一部の知識人、文化人、活動家という少数者から、どんどん広がって公の世界に出てきている」と手応えを語る。 琉球独立の好機は過去に3回あったという。中国の辛亥革命(1911〜12年)、日本の敗戦(45年)、72年の日本復帰。辺野古問題が沸騰する今が4回目なのか? 「チャンスというより、独立しないと戦争になるという危機感が強いです。日本は今、沖縄でもう一回戦争をやってもいいという態勢を構えているように見える。そう身近に感じる琉球人が増え、悲惨な目に遭わないためには基地をなくす、その効果的で合法的な方法の一つが独立なんだと考えてくれています」 そして本土に対し「辺野古問題を知ってはいても、自分の問題としてとらえていない人が多い気がする。温度差以上の壁というか、日本人と琉球人の感性の違いというか、やっぱり別の歴史を歩んできたんだな、と。戦後70年の今年、日本は戦後って言うけど、琉球には戦後はまだ来ていない。とらえ方が全く違う。だから、やっぱり独立かな、と」。 「琉球の歴史それ自体が琉球独立の根拠なんですよ」と、松島さんが言った。【伊藤和史】  ■ノートから ◇非軍事の未来へ思い共通 歴史家の高良さんは、15〜16世紀を中心に、琉球王国が東アジア交易の拠点として勇躍する姿を紹介してきた。「今、アジアではそのニューバージョンが始まろうとしている。それが沖縄の将来像ですよ。軍事的ではなく、災害対策も含めた総合的な安全保障の結節点になっていく。沖縄にはそれが一番似合うんです。米国の軍事的拠点ではなく」 また仲村さんは「今、大事なのは格差の是正と島の多様性を元に戻すこと。本来ありえた沖縄、宮古、八重山……を取り戻していく。信仰や自然、土地の景観、相互扶助、産業のあり方。今風に画一化するのではなく、島のベースや発展に合わせて、元々の自分たちをつくっていたものを発掘していきたいですね」。 独立論では3者相いれない点が目立っても、互いが見ている未来が交差する瞬間がある。これが、沖縄の言論空間の奥行きなのだと思う。


April 09, 2014  <Mainichi Japan>
Okinawan independence movement attracts China's eye
    ---> mainichi

2014年4月9日
<隣人:日中韓 孤立する日本/6 「琉球独立」に中国便乗 深まる「大和不信」>

2013年07月08日
<寄稿 松島泰勝(龍谷大教授・島しょ経済論> 
自由、平等に生きるため 「琉球独立学会」が目指すもの

2013年06月06日
記者の目:沖縄独立論=青木純(政治部)
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2013年05月23日
人民日報論文:沖縄奪還論に当惑…「琉球再議を」の執筆者

2013年05月16日
木語:「琉球独立」応援団=金子秀敏

2013年05月15日
夕感!:本土復帰41年 沖縄、独立論再び 「研究学会」きょう発足

2013年05月15日
本土復帰41年:沖縄、独立論再び


東京新聞 (日本)

2017年2月7日 朝刊
<「沖縄ヘイト」言説を問う>(4) 沖縄大非常勤講師・親川志奈子さん(36)
 沖縄は全体の利益のために犠牲になれという考え方や、嫌なものを見るような沖縄へのまなざしはこの十年ぐらいで強まっている。ウチナンチュ(沖縄人)の苦しみや抑圧された現状への抵抗さえも、勝手な解釈をされたり、ウソのストーリーに書き換えられたりして、ネット上や一部メディアで流布されている。 米軍基地を県内移設、つまりたらい回しにし、墜落したオスプレイも飛ばす。でも安全だし、負担軽減だという話になってしまっている。その政府の態度を補強するかのように、沖縄ヘイトがどんどん出てきている。 沖縄の問題に関心を持った人は、結局、負担を押しつけている日本人の責任問題だと気付く。これまでは知らないふりを決め込んで、差別者としての状態を維持してきた人が多かった。今はさらに一歩踏み込み、「黙れ」と。反対すると「中国の回し者」「日当をもらっている」と。ネット上には「沖縄が犠牲になるのは当然で、それが民主主義だ」とまで書き込まれている。 在日コリアンの人たちが沖縄の問題に関わると、今度は沖縄ヘイトをネタに使って在日コリアンへのヘイトが助長される。日本の中でマイノリティー(少数派)を生きるということがヘイトの対象になる構図で、とても憂慮している。 抑圧者と被抑圧者というポジションを確認したうえで対話していく必要がある。例えば平和運動に取り組む県外の人は、翁長さんが知事選に勝って喜んだが、基地の県外移設論は黙殺する。基地反対運動に対峙(たいじ)する沖縄県警の機動隊員たちを「恥ずかしくないのか」とののしる。 その意味では左翼であろうと、右翼であろうと、沖縄へのまなざしは抑圧的と感じる。あからさまにぶつけられる沖縄ヘイトもあるし、平和運動の中でも沖縄の声がきちんと聞かれないという沖縄差別がある。 日本政府の政策が、捨て石にするような方法でしか沖縄を利用していない。かつて日本国憲法のもとに帰ろうと復帰運動をしたが、人権や平和は二の次のまま。その憲法も今や変えられようとしている。今のままでは希望が見いだせない。期待がもてそうにない状況の中で、異なる政治的地位を選択する方がベターではないかと考える人たちが沖縄独立論を語り始めている。
 <おやかわ・しなこ> 1981年生まれ、沖縄市出身、那覇市在住。沖縄大非常勤講師。2013年設立の琉球民族独立総合研究学会の発起人メンバー。専門は社会言語学。消滅危機にある琉球諸語の復興を研究。

2016年12月25日
【核心】グアム、沖縄 「脱基地」で連携 米軍問題抱え共通の不安
米領からの独立を一つの選択肢に、来年にも住民投票が行われるグアムで、沖縄との連帯に期待を寄せる声が高まっている。両島とも米軍基地を抱え、住民の不安や不満が根強い。自己決定権を確立し、基地被害をなくしたいという思いが共通する。米軍がらみの事件や事故が相次ぎ、新基地建設に反対する沖縄もグアムの動きを注視する。・・・。 (編集委員・白鳥龍也)

2015年9月22日 朝刊
【核心】沖縄のことは沖縄が決める 基地問題 政府への不信限界
 米軍普天間(ふてんま)飛行場(沖縄県宜野湾(ぎのわん)市)新基地建設問題をめぐり、政府と対立する沖縄。地域の課題は地域の責任で解決する「自己決定権」の確立を求める動きが広がっている。県民の民意を無視して名護市辺野古(へのこ)への新基地建設を進める政府への不信が底流にある。自治権の強化、さらには「完全独立」の声も上がる背景を探った。・・・。 (編集委員・白鳥龍也)

2014年6月26日 朝刊
変質する「平和」第4部 沖縄に吹く風 下 独立論 切実さ増す

2013年12月22日 朝刊
国境 荒波洗う沖縄 独立、自治州 志向も


日本経済新聞 (日本)

2013/05/16  日本経済新聞 沖縄朝刊 社会面  54ページ  349 文字
本土復帰41年――「琉球独立」学会を設立、10月にも大会。

2013/04/28  日本経済新聞 沖縄朝刊 社会面  54ページ  絵写表有  422 文字
「琉球の主権回復を」、政府式典を前にシンポ――参加者「現在も屈辱続く」。


愛媛新聞ONLINE (日本)

2014年12月26日(金)
琉球独立


通販生活 (日本)

2013年春号 pp. 59-65
〈3つの忘れない〉 沖縄は日本から独立したほうが幸せではないのか。
松島泰勝さん(龍谷大学経済学部教授)/大橋巨泉さん(タレント)/伊勢崎賢二さん(東京外語大学大学院教授)/仲地博さん(沖縄大学教授・副学長)


人民新聞オンライン (日本)

2014/11/23
大田昌秀さん(元沖縄県知事/沖縄国際平和研究所理事長)インタビュー
 ──「沖縄独立論」についてどう思われますか?
  大田昌秀…沖縄の人間は、みんな日本政府の政策や対応にはうんざりしています。それは、廃藩置県以来、まったく変わっていません。沖縄に対する日本政府の 「構造的差別」がなくならない限り、こんな日本についていたら埒があかないから独立すべき、という声が出るのは当然です。 沖縄の独立に関する議論はずっ と以前からされてきて、「沖縄独立」に関する本も、何百冊も出ています。私もいま「沖縄独立」に関する本を執筆しているところです。 最近の「独立論」の 特徴は、学者が具体的に現実性を指向して語り初めていることです。石垣島出身の京都・龍谷大学教授の松島泰勝さんが独立論を唱えて、つい最近、『琉球独立 論』という本を出しました。いま、世界に国連加盟国は193カ国ほどありますが、そのうち42カ国は、沖縄より人口が少ない国なんです。彼は、沖縄国際大 学教授の与那国出身の友知政樹教授たちと「琉球独立総合研究学会」を設立しました。 先日、スコットランド独立の是非を問う住民投票が行われましたが、多 くの沖縄の人々が注目しています。シンポジウムも行われていますし、9月には糸数慶子参院議員が、国連の「先住民族世界会議」の分科会で、「日本政府は沖 縄の人々を先住民として認めるべきだ」と訴える演説を行いました。 独立論はますます広がっている状況にあります。今後、「沖縄独立論」がどういう展開を見せるのか、注目すべき点です。


2013/05/02
龍谷大 松島 泰勝さん インタビュー
日本人は「本当に主権国家なのか?」自らに問え!
琉球は侵され続けた主権の回復をめざす


J-CASTニュース (日本)

2013/04/09
「沖縄を独立国家に」照屋衆院議員がブログで呼びかけ


産経新聞 (日本)

2013.06.13 03:10 政治
【正論】平和安全保障研究所理事長・西原正 沖縄独立運動は中国の思う壺だ

2013.05.16 15:54 国際
「琉球独立」中国民衆に支持訴え 沖縄で学会設立で中国紙

2013.05.15 08:44 政治
社民・照屋議員「沖縄は独立した方がいい」中国紙に同調、県民からは危惧の声

2013.05.11 21:31 [中国]
中国紙、今度は沖縄独立勢力を「育成すべきだ」と主張 露骨な内政干渉

2013.05.10 07:18
新たな対立の火種に 沖縄帰属めぐる人民日報論文


読売新聞 (日本)

2016.08.24 大阪夕刊 03頁 2291字
[語る 聞く]琉球人 島の未来思う 沖縄出身の龍谷大教授 松島泰勝さん53
◆唱える独立論 軍事力持たず平和拠点に 沖縄にかつて、450年にわたって琉球王朝が存在したことを意識している人は多くないだろう。「琉球と日本は、国生みの神話も歴史も違うし、言葉や習俗も違いが大きい。私たちは琉球民族なんです」。沖縄出身の龍谷大教授、松島泰勝さんは「琉球独立論」を唱えている。非現実的に見えるが、「空論ではない」と主張する。どんな思いで、その未来図を培っているのか。(編集委員 原昌平) もともとは、何の疑問も持たずに自分は日本人だと思っていたという。 父親は気象台職員で、一家は石垣島、南大東島、与那国島と移り、那覇市へ引っ越した小学3年の時、沖縄は日本に復帰した。 「復帰したから君たちは共通語を話しなさい、と担任に言われた。島言葉(しまくとぅば)を話すと『方言札』を首から掛けられた。日本の教科書を一生懸命に勉強しました」 東京で広い世界を見たくて早稲田大へ進んでから、違いに気づいた。 「いろんな人と会って自己紹介すると、特別な目で見られる。見た目の雰囲気や言葉のイントネーションが違うからでしょうか。どこの国からの留学生ですかと聞かれたりしました」 沖縄出身者向けの学生寮で暮らしていた。他の寮生も同様の違和感を抱いていた。琉球の歴史や文化の本を読みあさり、寮生たちと夜中まで語り合った。 「自分は何者なのかと思い悩み、自問するうちに、『琉球人である』と自覚するようになりました。国籍は日本だけれど、日本人ではなく、琉球人なんです」 ◇ 大学院へ進み、太平洋の島々を回って島の経済を研究した。「差別を乗り越えるには経済力をつけることだと考えたからです」 仏領ニューカレドニアで独立運動の現場を見たりするうち、先住民族問題への関心が高まった。1996年にスイスのジュネーブで開かれた国連人権委員会の先住民作業部会には、アイヌの人と並び、琉球人として参加した。 その後、日本総領事館の専門調査員としてグアムに2年。「先住民族のチャモロ人には実質的な政治決定権がない。観光業は主に日本企業が握っています」 パラオの日本大使館にも1年。「人口2万人でも自分たちで政策を決め、環境保護と経済主権を大切にしながら、観光を中心に独自の国づくりを進めている。独立するとこんなに違うのか、と目を見開きました」 現場主義。琉球だった島々を巡り、島民と車座の語り合いを重ねてきた。 2008年からは京都の龍谷大で教えている。 「日本の歴史・文化の中心地で、興味深いですね。神社やお寺は沖縄にはあまりなくて、文化が明らかに違う。その実感もあって琉球独立の力になる研究をしようと決心しました」 ◇ 琉球の歴史をたどると、統一国家のないグスク・三山時代が二百数十年、琉球王朝が450年間。明治政府が王朝を滅ぼして沖縄県にしてから敗戦まで66年間、米軍統治が27年間、日本復帰後44年余り。日本の一部になった期間は短い。 「王朝の後半270年は薩摩の支配下とはいえ、独立国。中国にも朝貢を続け、米・仏・オランダと独自に条約を結んでいました」 沖縄の言語や文化の違いを、日本の多様性の一部とする見方もあった。 「沖縄のテレビ、ラジオ、新聞は島言葉をよく使い、市役所や県庁も使う。別の民族かどうかは血とかDNAではなく、各人がどう考えるかで決まる。琉球人という意識を持つウチナーンチュは多くなっています」 「米軍基地の問題は、負担の大小だけでなく、自己決定権の問題。翁長知事が『イデオロギーよりアイデンティティー』と言うのはそのことです。もとは独立国だったんですから」 ◇ 日本の憲法にも法律にも地域独立の規定はない。 「世論が高まれば県議会などで決議して、国連の脱植民地化特別委員会の『非自治地域リスト』に登録を求めます。登録されると、国連の支援の下で住民投票ができます」 経済は成り立つのか。 「今は米軍基地が広大な土地の利用を妨げている。人口は140万もあり、アジア各地との地の利を生かせば、経済は発展します」 安全保障はどうか。中国が攻めてきたりしないか。 「米軍が抑止力と言うけど、沖縄は現に基地の被害を受けている。軍事力を持たず、各国と友好関係を結び、国連アジア本部を誘致して平和の拠点になる。そんな独立国を侵略して国際的非難を浴びる愚かなことを中国がするでしょうか」 力まず、穏やかな口調で説く。しかし独立論は今のところ沖縄でも少数派。本当に実現できますか? 「居酒屋談議でも机上の空論でもありません。遠い先ではなく、この10年ぐらいの間に決まるでしょう」 ◇ まつしま・やすかつ 1963年、石垣島生まれ。早稲田大博士課程単位取得。東海大助教授などを経て龍谷大経済学部教授。経済学博士。専門は島嶼(とうしょ)経済。2013年に発足した琉球民族独立総合研究学会の共同代表。著書に『琉球独立論』(バジリコ)、『琉球独立宣言』(講談社文庫)など。 〈取材後記〉 世界遺産の首里城を見学すると、琉球が独自に歩んだ歴史の長さがわかる。亜熱帯にある沖縄は自然風土が違うし、料理や音楽も違う。ウタキと呼ばれる信仰の聖地が各地にある。「日本人が行くと、異国情緒を感じるでしょ」と松島さん。 中国の海洋進出、北朝鮮のミサイル開発などで日本周辺海域の安全保障環境は厳しさを増し、駐留米軍の重要性が高まっているとする声は大きい。一方で、米軍基地の移転問題などをめぐり、沖縄県は日本政府と激しく対立している。 対立の底流に何があるのか。知っておくべき沖縄の歴史や人々の心情が琉球独立論には込められている。 写真=松島泰勝さん(吉野拓也撮影)

2013年5月8日23:00 読売新聞ニュースサイトYomiuri Online
沖縄の帰属「未解決」…人民日報が専門家の論文

   日本報道検証機構 (日本)
   (Watchdog for Accuracy in News-reporting, Japan)(GoHoo)


   2013年5月24日
   人民日報「沖縄も中国に領有権」の記述なし
      ---> GoHoo
▼「『沖縄も中国に領有権』人民日報が専門家の論文」という記事が読売新聞ニュース
サイトのトップを飾った。しかし、人民日報の論文には沖縄の領有権があるとする言及は
なかった。

   2013年5月9日
   人民日報論文に「沖縄も中国に領有権」との記述はない/報じられない琉球独立論議
       ---> Yahoo

2013.12.13 東京朝刊 政治 04頁 1762字
[政治の現場]日米同盟と沖縄(8)うごめく琉球独立論

2013.09.22 東京朝刊 政治 04頁 2576字
[政治の現場]尖閣国有化1年(7)沖縄独立 最悪シナリオ

   中央公論 (日本) (中央公論新社 = 株会社読売新聞グループ本社の事業子会社)

      2014年2月号(1月10日発売)
      沖縄独立論の陰に中国あり / 松浦 篤 (読売新聞記者)
      ---> yomiuri

      高まる沖縄の独立熱
      佐藤優の新・帝国主義の時代
      ~「中央公論」2012年12月号掲載
      ---> yomiuri


週刊金曜日 (日本)

2014年01月10日 (974号)
高良沙哉 沖縄の地から「9条実現」を叫ぶ

2014年01月17日 (975号)
盛り上がりを見せる「独立」の議論 (親川志奈子)


週プレNEWS (日本)

もう爆発寸前…“日本からの独立”を沖縄のウチナーンチュは本気で考え始めている!
[2014年08月27日]
    ---> shueisha


日刊ゲンダイ

いよいよ迫る「沖縄が独立する日」 国際世論に訴える動き加速
2015年10月3日
    ---> gendai


NewSphere (日本)

2014年9月17日
スコットランド独立投票、日本にも影響? 沖縄独立運動家らが現地訪問 英紙報道
    ---> newsphere


NHK (日本)


2013年06月21日 【視点・論点】
沖縄の今 基地問題と独立論 〈沖縄国際平和研究所理事長 大田昌秀〉
    ---> nhk
    ---> youtube
    ---> dailymotion


JAPAN+ (日本)

2015年5月27日
糸数慶子議員が国会包囲し「沖縄独立」を訴える   ---> JAP+
 沖縄・辺野古への米海兵隊新基地建設に反対する「人間の鎖」行動が1月24日午後、国会周辺で行われました。
 糸数慶子参議院議員(沖縄大衆党)はマイクを握り、演説の中で「沖縄の独立も視野に入れる」と述べました。
 糸数議員の問題の発言は、3分19秒あたりから。 ---> 2分26秒あたりから
 「祖国日本に復帰したことを、あらためて今、問い直す時期が来ております。 沖縄には、自己決定権はないんでしょうか。 沖縄の県民の生存権は、認めないんでしょうか。 それであれば、この際、独立も視野に入れて動いていく。 そのような気持ちでいっぱいです。 もちろん、すぐに独立できるわけではありませんけれども、これ以上、沖縄県民の人権を踏みにじっている今の日本政府に対し、強行に辺野古に基地を造るのであれば、嘉手納基地をはじめとした沖縄のすべての基地を閉鎖せざるをえない状況に、必ずなってくると思います。」


財界さっぽろオンライン (日本)

2015年9月
沖縄の未来は自分たちで決める
富田詢一 琉球新報社社長    ---> zaikaisapporo
…。
――琉球新報では昨年5月から「道標求めて」という連載を始めていますね。テーマは「沖縄の自己決定権の確立」すなわち「独立」だと思うのですが、この連載は富田さんが指示されたのですか。
富田 もちろん、社内議論をした上での連載ですが、実際はそうです。
――その背景にあるのは。
富田 13年1月28日、沖縄県の全41市町村の代表者らが首相官邸に赴き、オスプレイ配備撤回と普天間基地の県内移設断念を求めた「建白書」を安倍首相に手渡しました。建白書には県下すべての市町村長、議会議長、県議会議長らが署名しており、まさに沖縄の総意を示した歴史的行動でした。しかし、政府側は一顧だにしませんでした。民主国家でそのようなことがあり得るでしょうか。
では、私たちはこれからどうするべきか。沖縄の未来を自分たちで決めるべく、新たな道を探るべきではないのか。沖縄には140万の人口があります。WHO(世界保健機関)加盟194カ国と比べると146位。逆にいうと100万人を超えない国が40カ国以上存在するということです。面積で見ると沖縄は183位と低いのですが、1人当たりの所得は42位。決して小さくはありません。
――県内で独立論は浸透していますか。
富田 まだまだです。そう簡単でないことは、みんなわかっていますから。まず自立的な経済をどうやってつくり出すか。そして、それをどう沖縄の人に理解してもらうか。官の経済指標ではなく、民レベルで自立するためには、どういう数字を出して、どうすればそれが可能なのかを示していく必要があると思います。
――仮に独立したら、すぐさま中国に支配されるという人もいます。
富田 1カ月ほど前に中国の駐日大使、程永華さんと話す機会があって、沖縄が独立したら中国は侵攻してくるのかと聞いたんです。すると程さんは、中国の何千年という歴史の中で他国を植民地化したことはないというお話をされました。
沖縄が半径1500㌔くらいの都市と学術や文化・芸能で交流する場になれないものかと思います。そうすると台北、上海はもちろん、ソウル、香港、マニラなど、とかなりの地域が含まれます。そして、東京ではなく沖縄に集まって交流する。沖縄はそういう方向に進めていったほうがいいと思います。
…。



書 籍 (日本)

琉球独立論 単行本 – 2014/7/24
松島泰勝 (著)
    ---> amazon

平和の主体論 (平和研究)  (2014年7月20日発売予定)
ISBN-10:4657140086 / ISBN-13:978-4657140081
・依頼論文
 2 琉球の独立と平和・・・松島泰勝

「沖縄の自立と日本 「復帰」40年の問いかけ
 大田昌秀/新川明/稲嶺恵一/新崎盛暉
 2013.08.09 岩波書店
 ・「祖国」意識と「復帰」思想を再審する <新川明> p41~
    ---> amazon

「環 vol.56 」 (学芸総合誌・季刊『環 歴史・環境・文明』 2014年冬号)
藤原書店編集部 (編集)
●小特集 - 沖縄はなぜ日本から独立しなければならないか -  p57~
 松島泰勝:なぜ琉球は独立するか-人間としての尊厳回復を求めて
 大田昌秀:植木枝盛の「琉球の独立せしむ可きを論ず」
 新川明:所詮「ヤマト」は「ヤマト」である故に
 三木健:求められる思考の転換
 普久原均:独立の機運の裏にあるもの
 海勢頭豊:本土と沖縄の構造的差別
 石垣金星:平和のキーステーションに
 仲村渠克:日本人の排外主義こそ問題だ
 親川志奈子:独立は現実的な選択肢
    ---> amazon

「現代の理論 DIGITAL」 (2014)
  琉球独立論の歴史と現在
  琉球のアイデンティティ確立への切なる願い
  沖縄キリスト教学院大学名誉教授 大城 冝武
---> gendai

2014年11月1日「小倉タイムス」1933号より転載
「琉球独立論」熱く~龍谷大教授・松島泰勝さん
 ●主権は琉球が持つ
 さらには「常識」を打破する、事実の積み上げと共通理解が大事になってくる。「沖縄が独立すると中国に占領される」という風説に対して、5月に北京大を訪れて研究者たちと意見を交わすと「チベットやウイグルと違って琉球の主権は琉球が持っている。中国の属領ではない」との回答が得られた。 また、県民総所得に占める基地関係収入は5%でしかなく、基地が返還されれば軍雇用者9000人も民間に再雇用すればよい話だともいう。沖縄にこれまで投じられたカネは公共事業という形で大半が本土へ還流していった。米軍基地とそれを維持する日本政府の補助金政策はセットである。この腐敗を断ち切ったほうが沖縄経済を好循環させるのではないかという主張である。 支配層の宣伝を暴く松島さんの実証主義と行動力は、人間としての独立を求め、出自のウチナンチューの心をたきつける。「琉球」という言葉を選ぶのも、「沖縄」が沖縄島という一つの島の名前だからという単純な意味合いだけでなく、1609年の薩摩藩侵略に始まる日本への帰属を意味する単語への忌避が強いからではなかろうか。


大江健三郎、 「沖縄について考え続けていること」、岩波書店「世界」、2014年8月

新城郁夫、「備忘録④新川明氏への疑問」、『けーし風』80号、2013.10
    ---> wy

西岡信之、「沖縄における憎悪犯罪」、『なぜ、いまヘイト・スピーチなのか―差別、暴力、脅迫、迫害―』、前田朗(編)、2013.10
    ---> amazon